「ちょっともー…、何よこれぇ」

何の変哲もないスーパーマーケット。
そこが少女のスタート地点だった。

「いきなり映画なんて見せて何事かと思ったら、殺し合いってあんた……。困るわよほんと」

巨大なおかっぱ頭振るわせながら、神子柴への愚痴を漏らす。
この異常事態に対し恐怖よりも迷惑という感情の方が勝っているようだった。

「さっきの天気の子も変な編集してんじゃないわよ。金ローだってあそこまで酷くないわよ。
 大体バトルロワイアルなんてあたしに出来る訳ないでしょ、こちとらお子様も安心して視聴できる番組やってんだから」

神子柴への文句は尽きず目を細めタコのような口になる。
が、急にぶつくさ言っていたのを止め、まるでお母さんに玩具をねだる子供のような口調になった。

「ねぇねぇ神子柴~。映画のお供と言えば色々あるけど、定番の食べ物はやっぱりポップコーンよね?」

何故いきなりそんな事を聞くのか。
神子柴が返答する訳ないのに何故?
この奇行を見たら誰もがそんな疑問を抱くだろう。

「なんで?なんで、映画館で定番の食べ物はポップコーンなの?」

当然ながら神子柴からのリアクションは無い。
というかそもそも神子柴が少女の声を聞いているかも怪しい。
暫く待っても答えが返って来ないのに痺れを切らしたのか、少女は…


「ボーっと生きてんじゃねーよ!」


顔を真っ赤にして叫んだ。
ただでさえデカい顔を更に巨大化させ、スーパーマーケット中に響くような大声を出す少女。
もしも神子柴がここにいたら余りの迫力にタジタジになっていただろう。

「ポップコーンが映画館で定番の食べ物になったのは…スクリーンに投げつけるのに丁度いいサイズと軽さだったから~!」

決めポーズと共に正解を言う。
いつもならこの後専門家の方に解説してもらうのがお馴染みの流れだが、この場には少女一人しかいない。

「……調子狂うわぁ。っていうか明日収録なんだけど、帰れなかったら責任取ってくれんの?」

何だか空しくなった少女は、ため息を吐きながらスーパーを後にした。



【チコちゃん@チコちゃんに叱られる!】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:番組の収録に間に合うように帰して欲しい
1:人殺しなんで出来ないわよ。こっちは永遠の5歳なのよ
[備考]
最終更新:2021年01月28日 22:11