私は、仲間を…友達を助けられなかった。

「ジェニファー…!…次はきっと…きっと助けるから!」

……そう言ったのに…決めたのにっ…なのに、ジェニファーが乗せられた船は…私と、一緒に居た那佳の目の前で…爆発、して……。

……その現実を受け入れられないまま、海で意識を失った私は───気が付くと映画館に居た。
そして訳もわかんないまま、自分が今生きてるのか死んでるのかすら把握出来ないままに私は、映画『天気の子』を見せられ…殺し合いのルールを説明され、目の前で人が死に、甦らせられる所まで見させられた。頬を涙が伝う感覚を感じたけど…身体が動かせなくって…私はそれを拭えなかった。
…説明内容は殆ど頭の中には入ってこなかったけど、森嶋帆高と天野陽菜を会わせるか、会わせないかの二択を選ばせようとしてる事と、自分が殺し合いに巻き込まれてしまった事ぐらいは…私でも理解は出来た。

そして…神子柴と名乗ったおばちゃんの手によるもんなんだろうか?…とにかく、会場内に飛ばされて今に至る。

もう既に死んじゃってるかも知れないけど…それでも私は、死にたくは無い。2人が出会ったら数時間後にはみんな水に沈む事になる。そんなのは嫌だ!
…でも、だからって…森嶋や天野、それに他の参加者達を殺してまで、生きたいなんてこと、私は思えなくって…。

…お題も見たけど、これを達成した上で、主催本拠地に行けば…ジェニファーを生き返らせれるかも知れない。でもっ…それには、森嶋と天野の犠牲が必要不可欠で…ジェニファーは、誰かを犠牲にしてまで生き返りたいなんて思う奴じゃない…それはわかってる。…せめて森嶋には、私みたいな思いはさせたくないとも思う。
…だからと言って…友達の、ジェニファーの命を簡単に諦めるなんて…私にはっ…!

「……格好悪いよなあ……私…どうすりゃいいんだよ…こんなのっ……!」

自然と目から涙が溢れてしまう。私はそれを拭いながら…座り込み途方に暮れていた。



青年は夢を見ていた。両親が目の前で焼死するのを、ただ見てる事しか出来なかった過去を…そして、所属していた組織がアンデッドの手により壊滅し、更に尊敬していた先輩が裏切ったと聞かされた末、当の本人が自分を置いて何処かへと去って行った光景を───

「何故見てるんです!?」
「橘さん!?本当に裏切ったんですか!!」
「あんたと俺はっ、仲間じゃなかったんで…ぐぇっ!?」
「…何故だ!何故だっ!何故だぁっ!」



「…夢か」
青年…剣崎一真は目を覚ます。彼は人類基盤史研究所、通称BORDERに所属していた仮面ライダーである。
…最も、組織は壊滅したのだが。

「…俺は、森嶋帆高も天野陽菜も死なせない!神子柴を…主催を倒して、人々を守って、脱出手段を見つけてみせる!」

剣崎一真は強い正義感の持ち主である、彼は主催に、そして森嶋と天野を引き離そうとする神に対する怒りを胸に抱きながら、そう決意した。
とはいえ彼は、同僚の広瀬栞や居候先の白井虎太郎との関わりによってある程度マシになったとはいえ…先輩である橘朔也の裏切りや組織の壊滅によるショックにより、メンタル面ではまだ万全には遠い状態である。

そんな剣崎は、支給品を確認しようとバッグを開けようとしたーーーーその時であった。
彼の耳に、少女の泣く声が届いたのは。
剣崎はバッグを開くのを後回しにして、泣く声が聞こえた方へと走った。



「大丈夫か!?」
少女を見つけた剣崎は、彼女に声をかける。
「…誰…?」
涙を零しながら振り向いた少女に、剣崎はまず自分の名前と、殺し合いには乗っていない事を示そうと思い、言葉を紡ぐ。
「俺か?俺は剣崎一真。主催を打倒する為に動こうと思ってる。…君は?」
「…カーラ、カーラ・J・ルクシック。…剣崎さん…私、どうすればいいかっ…わかんなくって……!」

少女は…カーラは、剣崎から害意や敵意を感じなかったのもあり、自分も名乗った上で…自らが抱えている悩みを話してみる事にした。

【カーラ・J・ルクシック@ノーブルウィッチーズ】
[状態]:健康、迷い
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:どうしたらいいんだろ…
0:剣崎さんに、悩みを話してみる。
1:森嶋や天野に死んでほしくは無い…けど…。
2:…ジェニファー…私っ…。
[備考]
※参戦時期は原作及び漫画版での3巻にて、ジェニファーが死亡したと誤解して海に溺れた後からです。
※作中にて舞台になっている年代が1944~1945年な為、それ以降に出来た物についての知識は原則ありません。

【剣崎一真@仮面ライダー剣】
[状態]:健康、決意
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:神子柴たち主催を打倒し、人々を守って脱出手段を見つける
0:とりあえず彼女(カーラ)の話を聞こう
1:カーラの事は放って置けない。
2:…橘さん…。
[備考]
※参戦時期は本編2話よりは後、本編14話よりは前です。詳細な時期は後続の書き手にお任せします。
最終更新:2021年02月15日 12:43