妖怪の山

妖怪の山。それは、世界のあらゆる場所を探しても見つけれる事のできない山で。
そこには、様々な妖怪が存在し、普通に生活もしている。
木々があり、土があり、水があり、生物が生きる上で必要な要素が存在している山。
だが、人間が結して立ち入ろうとしない山でもある。
なぜなら、危険極まりないからだ。もし人間が立ち入ってしまった場合、瞬く間に森に住んでいる妖怪或いは妖精に食われてしまうだろう(襲われてしまうだろう)。
そう、ここは幻想郷。人間、妖怪、妖精、神々の理想郷である。そして、忘れ去られたもう一つの世界。
妖怪の山は、ここ幻想郷に点在する山なのである。
人間と、妖怪の関係は幻想郷にとって最も重要な事だ。
妖怪は人間を襲い、人間は妖怪を退治する。これが幻想郷の常識であり、人間と妖怪がお互い生きる為のパワーバランスなのだ。

妖怪の山のさらに上層に行ったところにある巨大な滝は、幻想郷屈指の絶景を誇る場所だ。
滝から垂直に流れ落ちた水は、滝壷にぶつかり、一旦溜まる。そして、川となって妖怪の森を横切る。
その際、木から落ちた紅葉が、水面にヒラリヒラリとゆっくり落ちて浮かぶ様がまた美しいと言える。

そんな妖怪の山を哨戒をしている一人の少女、犬走 椛が退屈な哨戒をしていた・・・・・

「・・・これで、チェックメイトッ!やりましたね私の勝ちですよ、文さんッ!」
「あややややや・・・やっぱり椛はチェス強いですねー、もう13戦13勝じゃないですか。」

文もとい、射命丸 文は椛の上司である。彼女の能力は、風を操る程度の能力で、その名の通り風を自在に操ることができる。
趣味で新聞屋をやっていて。別名、『伝統の幻想ブン屋』と称されている。届け方は非常にポピュラーな届け方で、超音速飛行(能力による飛行)で直に届けてくれる。
その飛んでいるときの風圧と、新聞を渡すのではなく『投げる』と言う行為のせいで評判はあまり良くない。

「何で文さんは一回も勝てないんですか・・・おかしいですよ。せめて一回くらいは勝ちましょうよ。」
「いや・・・私が得意のはチェスじゃなくて将棋ですよ。あと、椛には哨戒という仕事があるのでは?それを無視して、チェスをしているのはおかしいのでは?」
「ぐっ!・・・忘れてました・・・すいません・・・」

確かに哨戒という役割があるのにそれを無視(忘れる)すると言う職務放棄はいけない事だ。

「もーそんなんだからこの前みたいにな大失態をするんですよー。」

グサッっとまた一言。

「・・・すいませんでした・・・はぁ~。」
「じゃぁ私はこれから新聞を届けに行って来るので、椛はちゃんと哨戒をするんですよー?」
「はーい、気をつけてくださいーい!」

言い終わる前に、もう飛んで行ってしまった。
よく見ると、文は手を振りながら飛んでいた。さよならの合図だと理解した。
そして・・・

「・・・この前の大失態か・・・・・うわぁー思い出しただけで悲しくなってきた・・・。」

この前の大失態とは。以前妖怪の山に、一人の巫女が侵入したので、椛がそれを撃墜するために向かったのだが、逆に返り討ちに遭ってしまったのだ。
その際、椛は後一歩のところでやられてしまった。

「・・・・・でも正直怖かった・・・。あの巫女さん、完全に人を殺める目をしてましたもん・・・。」

心の底では、もう二度と来ないで欲しいと思った。
最終的に侵入した一人の巫女さんは、山の上にある神社まで行ってしまった訳だが。椛はあまり深く考えなかった。

「でも、あの巫女さんの名前聞いてなかったなー。名前くらいは聞いても良かったんじゃ?今度文さんに聞いてみようかな・・・。」

ジャリ!
っと足音がして、椛は後ろに振り向いた。
するとそこには・・・・


SEIKENのコメント:どうもみなさん時間を削ってまで呼んで頂、本当にありがとうございます。


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最終更新:2010年03月01日 19:05
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