オ オ オ オ ォ ォ

旋風が吹き、バサッ、バサッ、と旗が靡き、旗の描かれた神子柴がこちらを見下すように笑みを浮かべている。

「クソッタレババアめ...こんなくだらねえこと考えた挙句クソみてぇな旗を立てやがって...」

眼帯を付けた偉丈夫、鮫島は、つい先ほどの惨劇を引き起こした元凶を忌々し気に睨みつける。

「帰しやがれ!俺ァてめえに構っているほど暇じゃねえんだ!」

怒りの叫びをぶつけるが、しかし当然ながら返答は無し。
このまま案山子のように立ち尽くしていても仕方ないと、鮫島はその巨大な身体を物陰に隠しつつ配られたデイバックを探り始めた。

「えーっと、飯に水に文房具に...おっ」

手に当たる固い感触に、鮫島は思わず頬を綻ばせる。
この感触、間違いない。武器だ。それも、鮫島の腕力を存分に活かせる鈍器の類だ。

「ハッ、ちょうどいい。武器がなくて心許ないところだったんだ」

フンッ、と勢いよく腕を引き抜くと、その勢いのまま鮫島の身体に乗しかかった。

「うおおおっ!」

すぐさま押しのけた鮫島は、デイバックから引き抜いたソレの正体を確認する。
棺桶だ。鮫島の巨体さえ入れそうな大きな棺桶だ。

「チッ、期待させやがってこのクソ桶が。まあ、こんなんでもないよりはマシか」

舌打ちし、棺桶に一度蹴りを入れつつも、これしかないのでは仕方ないと鮫島は棺桶を背負う。

「まあ重さもそこそこあるしバットの代わりくらいにはなるだろ。しかしワケがわからねえな、この鞄」

棺桶は到底デイバックに収まるサイズではない。にも関わらず、こうして棺桶は収納されていた。
疑問は尽きないが、使えるものは使うしかないだろうと頭を切り替え、再びデイバックを漁る。
取り出したのは2枚の紙だった。



「こいつは名簿と地図か?えーっと...なっ!」

鮫島は思わず息を飲んだ。名簿には己を除く、よく知る名が連ねられていたからだ。

「明に勝次!それに雅に...金剛...!?」

宮本明と山本勝次。
二人は彼よりも若いが、共に頼れる仲間たちだ。ただ、勝次は姑獲鳥に捕まっていた筈だが...これは幸運だと捉えるべきだろうか。
雅。
日本を壊滅状態に追い込んだ元凶にして、最強の吸血鬼、そして鮫島の弟でもある精二の仇でもある男だ。
金剛。
雅の側近の一人であり、吸血鬼の中でもより強い混血種、アマルガム。だが、彼は確かに明が倒した。小さい方も勝次と協力して倒したはずだが...

「そういやあのババア、死んだ奴を生き返らせてたな。てことは他にも生き返った参加者もいるかもしれねェのか」

俄かには信じ難いが、現にこの目で見てしまったのだ。金剛がこの名簿に乗っているのもそういうものだと納得せざるを得ないだろう。
だとすれば、だ。

これまでに明が倒してきた強敵たちも他に載っているかもしれない。

「ヤベェ!急いで明たちと合流しねェと!」

鮫島は何処か合流の目途が立ちやすい場所はないかと、慌てて地図に目を通す。

「俺のいるところは...は?マジかよ!!」

くるり、と振り返り眼前の建物を確認する。
国会議事堂。地図上のそれには、確かに主催本部と記載されていた。

「ツイてやがる。まさかいきなり黒幕の近くに飛ばされてたなんてな」

ハァ、ハァ、と息が荒くなる。

「殺し合いなんざする必要はねえ。今すぐてめえの頭をカチ割って終わらせてやるよクソババア」

鮫島は隠れることなく、堂々と正面から歩いていく。



ピーッ ピーッ

『警告します。あなたは危険地域に踏み込んでいます』

鮫島の首輪からアラームが鳴り響き、次いでアナウンスが流れる。

「ウソッ、警告!!」

慌ててもとの道を引き返せば、アラームとアナウンスはピタリと止んだ。

「クソッタレめ、これじゃあ近づけもしやしねえ」

憎々しげに神子柴の旗を見つめる鮫島だが、その傍らで今後の方針を冷静に考えていた。

(ロクに近づけねェとなれば遠距離しかねえな。ダイナマイトかなんかがありゃあいいんだが...)


生憎、自分のデイバックには遠距離攻撃の類が出来る代物は無かったが、他の参加者ならばそれに近いものを持っているかもしれない。
それに、自分ひとりではなにも思いつかないとも、協力者がいればなにか活路が見いだせるかもしれない。

(明たちもそうだが、あの時ババアに斬りかかった二人とも手を組めそうだ)

神子柴へと斬りかかった二人は、誰にも悟られず神子柴に近づけたその隠密性もさることながら、一挙一動足からしてかなりの達人だと見受けられた。
ともすれば、己が知る中で最強である宮本明と遜色ないのではと思えるほどに。
彼らは彼らで間違いなく神子柴に不満を持っているため、協力は容易だろう。

「そうと決まりゃあまずは仲間探しだ。待ってろよ明に勝次。俺ァ探すの上手ェからよ、すぐに見つけ出してやるぜ」

武器である棺桶を背負い直し、鮫島は決意を新たに駆け出した。



【D-4/1日目・深夜】

【鮫島(兄)@彼岸島】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品、ランダム支給品0~2 アーカードの棺桶@HELLSING
[行動方針]
基本方針:ゲームから脱出
1:明と勝次を探す。ついでに本部に攻撃を仕掛ける為にダイナマイトやバズーカのようなものを探す。
2:派手な男とフードの男はできれば味方につけたい
3:雅は殺す。

参戦時期はゆかぽんと知り合った時くらいです。


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