《Over the Rainbow》Bifrost ◆zzpohGTsas

1:

 青い匂いが今にも漂ってきそうな柔らかな芝草の上で、赤い野球帽に青と黄色のボーダーシャツの少年が仰向けになって眠っていた。
少年特有のあどけない寝顔。それはまるで、今この場に燦々と降り注ぐ太陽の光と、春の暖かな陽気に眠気を引き起こされ、眠りこけてしまったかのようにも思える。

 赤い野球帽の少年を、幾人もの人々が取り囲んでいた。
大人もいる、子供もいる。不思議な事に、鼠もいるし、大きな鼻が特徴的な肌色のふしぎな生き物もいた。

 皆、悲しそうな顔をしていた。
赤色のリボンがトレードマークのブロンド髪の少女は、顔を抑えて泣きじゃくっている。
丸眼鏡をかけた金髪の少年と、今時珍しい辮髪の少年は、男の子だからか涙は堪えているが、今にも感情が決壊しそうだった。かなり無理をしているのが表情から解る。
白衣を身に付けた髪の薄い老人と、その隣にいる小太りで赤髪の男性、作業着を着た灰色の髪の中年も、ひどく悲しみと後悔とが入り混じった顔で、眠っている少年の顔を覗き込んでいる。

 赤い野球帽の少年は、かれこれ30分は息をしていなかった





2:

 スーパーマリオのテレビゲームを一通り遊び終えたぼくは、ゲーム機の電源を切ってから、リビングからキッチンへと向かった。
時計の針は昼の12時を指している。昼のご飯の時間だった。と言っても、大したものはない。
食材自体はあるんだけれど、ぼくはあまり料理が得意じゃないから、昼のご飯は大体グラノーラシリアルと、バタートーストで間に合わせる事にしてる。
お皿にグラノーラを入れて、冷蔵庫から取り出したミルクを注いでから、トースターにパンを2枚入れ、リビングへと戻った。焼けるまでは、グラノーラを食べている。

 リビングに戻った後で、ぼくは、何か目ぼしい番組がやっていないかと、テレビの電源をつけて、チャンネルを取り敢えず適当に変えてみた。
チャンネルを切り替えるボタンを押す指を、ぼくは止めてしまう。今時珍しい、モノクロの映像が流れていたからだ。
オズの魔法使い、と言う映画らしい。相当古い映画である事が解る。モノクロの映像だと言う事もそうだが、フィルム自体からも、隠し切れないが香って来るようだ。
目ぼしい番組も特になかったから、僕はこの番組を見る事にした。

 最初のクレジットタイトルが終わり、映画本編がスタートする。
見た事もない綺麗な女優が、ぼくの生まれ故郷よりもまた更に田舎の街で、ドタバタ騒いでいた。
本当に、昔の作品なんだなぁとぼくは思った。舞台設定や時代背景が、今よりも50年くらい昔なんじゃないだろうか。

 ぼくが映画に集中していると、液晶テレビが映している映像とは別に、世界の方が、ぼくにサプライズを用意して来た。
シリアルを口に運んでいるぼくと、オズの魔法使いを映しているテレビの境の空間に、ぼくがまばたきするよりも速く、男の人が立ってたんだ。
思わずシリアルを運ぶ手を止める。ぼくはその人をまじまじと見つめた。

 白い野球帽に、やはり白い野球ユニフォームを着用した、ぼくより背の大きい大人の人だった。
大きな野球大会で活躍するスター選手のような風格すらあったけど、ぼくはすぐに違うと解った。と言うよりぼくは、目の前に現れたこの人の事を知っている。
だから、驚いたのはこの人が現れた最初の一瞬だけで、それ以降は全く驚かずに、あるがままに彼を受け入れられていたんだ。

「身体の内に、白く燃え上がる無垢で聖なる魂を持つ者よ。問おう。お前が俺のマスターか」

 男の人は、聖書の中に出てくる人達みたいな、古めかしく威圧的な言葉でぼくに語りかけて来た。ぼくは、首を縦に振った。

「この聖杯戦争と言う汚れた舞台において、セイヴァーのクラスにて見参した。今よりお前の剣となり盾になろう」

 何の淀みもなく、セイヴァーは威圧的な言葉を続けて行く。服装と言葉が合ってないような気がするが、何でだろう。
普通の人だったらセイヴァーの服装でそんな事言っても空回りするだけなのに、彼の場合は、それがとてもかっこよくキマっていた。

 やっぱりこの人は、ぼくのサーヴァントであったらしい。実を言うと、そろそろ来るのではないかと言う気がしていたんだ。
ぼくは、聖杯戦争の参加者だ。当然、聖杯戦争がどう言ったものなのか、ある程度は理解している。と言うより、刻み込まれていたから強制的に理解させられた。
だから、サーヴァントが現れても、それ程驚きはなかった。ある程度身構える事が出来る事だったから。

 だけど、セイヴァーと言うクラスについては初耳だった。聖杯戦争は、7つのクラスで行うって頭の中には記されている。
それに、セイヴァーって名前にも、疑問を覚えた。ぼくは、聞いてみた。セイヴァーは、英雄(ヒーロー)なの? って。

「違う」

 すぐに彼は返事をしてくれた。じゃあ、救世主なの?

「違う」

 じゃあセイヴァーって、何?

「俺は浄化者だ」

 浄化者。

「俺は果たさなければならない神聖な任務を負っている。俺は、この世界を浄化しなければならない」

 どう言う事をするの?

「この世界に蔓延り、やがて跳梁するであろう、堕落した悪魔の子らと、その裏に隠れ潜んでいるであろう、聖杯戦争を仕組んだ者に裁きを与えるのだ」

 その悪魔って、サーヴァントの事?

「その通り。この聖杯戦争に呼び出された悪魔の子、或いは、痛ましき霊を滅ぼす許しの代弁者、それが俺だ」

 チンッ、と言う小気味の良い音がキッチンの方から響いて来た。
トースターがパンを焼き終わった音。キッチンに行ってパンにバターを塗る事すら忘れて、ぼくはセイヴァーに質問を続けた。
聖杯戦争の裏にいる人って、誰?


「わからない。だが、これだけ大掛かりな事が、自然現象的に起こる筈がない。誰かが意図的に起こしたとみるのが普通だろう」

 確かに、そんな気がして来た。一体誰が、聖杯戦争を始めているんだろう。
少しだけ疑問に思った後で、ぼくは、一番聞きたかった事をセイヴァーに訊ねた。ぼくは――人を殺さなくちゃ駄目なのかな、って。

「俺が滅ぼすのは、俺達に危害を加えようとする霊だけだ。お前が望みならば、マスターを殺さず、サーヴァントだけを滅ぼす事も視野に入れよう」

 ぼくにとっては、嬉しい配慮だった。人は、殺したくないから。
でも、場合によっては、サーヴァントだけじゃなくて、人間も殺さなくちゃいけないんだよね?

「俺に未来を予見する力はない。もしかしたら、俺も人を殺す事がありうるし、お前もそれに加担する可能性だって、0じゃない」

 少しだけ黙りこくってから、ぼくは、わかった、って言った。
本当はいやだったけど、仕方のない覚悟だった。セイヴァーが、大義そうに、首を縦に振る。ぼくの返事が、満足だったらしい。

「マスター、俺の方からお前に聞きたいが、聖杯に叶える願いはあるのか?」

 ある、と、ぼくは答えた。セイヴァーがそう訊ねてから、1秒も経過していなかったように思える。

「何だ、それは」

 元の世界に、帰りたい。ぼくは、迷わずそう答えた。
瞳のちょっとした動きだけで、セイヴァーはぼくに、続きを話すように促した。ぼくは、説明を行う。

 ぼくの長い旅は、意地悪で、わがままで、いつも寂しそうにしていた、ぼくの隣人の荒々しいノックから始まった。
今でもぼくは、何で自分が選ばれたのか、わかってない。だけどぼくの奇妙な冒険は、裏山に落ちて来た隕石を、隣人と一緒に見に行った所から幕を開けた事は確かだ。
旅の途中で、色々な生き物や人が、僕の旅を邪魔しに来た。おじさんやおばさん、警察の人に、街の悪い不良達。
犬や蛇、カラスにワニに恐竜何かとも戦った。かと思えばゾンビやお化けとかの恐いものや、ぼくの言葉じゃ表現しきれないもの、果ては宇宙人とも戦った。
旅をした場所も、色々だった。洞窟の中、お墓にその地下、砂漠、雪の降りしきる北国、寒さとは無縁そうな南の島、砂漠、海の上、雲の上の神秘の国、
ジャングル、宇宙人の秘密基地、地下に広がる巨大な世界、火山の中、ぼくの心の中、そして――遥か過去の最低国。
傷つき、倒れそうになった事なんて、数えられない。家に帰って、ママに甘えていたいと思った事なんて、もっと多かっただろう。
だけど、ぼくは決して1人じゃなかった。かわいくてしっかり者のポーラと、少し臆病だけど頭の良いジェフ、そして勇気があって男らしいプーの3人の、かけがえのない友達。
ぼくは彼らといっしょに旅をしていなければ、旅を何処かで諦めて放り出し、他の誰かが問題を解決してくれると、逃げだしていただろう。
彼らと旅をするうちに、気付いたらぼくは、自分の境遇と運命を、呪う事がなくなっていた。
3人と旅をしている時でも、辛いと思う事もあったが、この度のおかげで僕は、3人の最高の友達と巡り合えたのだから、それでもいいかと考えるようになった。

 旅の終わり、ぼくらは、敵のボスであるギーグがいる過去へと向かう為に、自分自身の頭脳をロボットに移植する必要があった。
此処まで来た僕らは迷いなく、その方法を受け入れて、過去へ飛び……そして、ギーグと、最悪の隣人・ポーキーの野望を打ち砕いた。
実感が湧かないけど、ぼくは、世界を救ったんだと思う。わからないけど、これでよかったんだと思う。

 アンドーナッツ博士が最初に言っていた通りだった。
頭脳をロボットに移植して過去へ移動すると、魂がロボットの方に行ってしまい、永遠に現代に戻れなくなる可能性が高いと言う。
その通りの事が、ぼくに起った。ぼくの魂は、サターンバレーに眠っているであろうぼくの身体に、戻る事は出来なかった。
それを分かっててやったんだから悔いはない筈だけど、それでもやっぱり、寂しかった。3人の友達と会えない事もそうだけど、ママとパパに会えないのも、きつい。
ぼくはずっと、時空の闇の海の中を漂っていた。浮き上がっているのか沈んでいるのか、左に動いているのか右に動いているのかも解らない、ただただ、
水の中に潜っているような浮遊感だけがある、一条の光すらも届かない暗闇の中で、僕はずっとふわふわしていた。
ぼく以外のもの何て一切存在しない空間を、ふわふわしていた時間は、どれぐらいだっただろうか。ある時、僕の頭上に、銀色の光の点が光ったんだ。
ぼくはそれが無性に気になって、それに手を伸ばし、手に取った。それが、『地球』を模した銀色の鍵だとわかった瞬間、僕はこの街にいた。


 アメリカにあると言う地方都市、アーカムのダウンタウンに住む長男の一人っ子。それが、ぼくである。
パパとママはダウンタウンで公務員として働いている、共働きだ。家族関係は良好で、順風満帆な生活を満喫している。それが、このアーカムでぼくが送るべき生活。
だけど、本当は違う。ぼくはアメリカなんて国は知らないし、ぼくが生まれた国はアメリカではなくイーグルランドのオネットだ。
それにぼくのパパは仕事で世界中を飛び回っている忙しい人で、ママはいつも家で家事をしており、帰ってきたら優しくぼくを迎えてくれる。
この家には妹のトレーシーも大きなムク犬のチビも見当たらない。そして、あの最悪の一家、ミンチ家がぼくのご近所さんじゃない。
何から何まで、ぼくが知っている世界じゃなかった。ぼくのズボンのポケットにしまわれているあの銀の鍵は、殺し合いをさせる為にぼくの前に姿を現した、
悪魔の鍵だったんだ。

 ぼくがあの鍵を手にした事が、良かったのか間違っていたのか、ぼくにはわからない。
2つ確かな事があるとすれば、ぼくは、人は殺したくないと言う事。そして、なんとしてでも元の世界に帰って、ママの作るハンバーグを食べたいと言う事だった。

「人は殺したくない。だが、聖杯か、それに匹敵する奇跡を以て、元の世界に帰りたい、か」

 ちょっと、ムシが良すぎるかな?

「俺にもわからない。だが、お前の願いには従う。悪意ある霊どもを消して行けば、何れお前の理想は叶うだろう」

 どちらにしても、戦わなければいけないらしい。ぼくは、コクン、と頷いてセイヴァーの瞳をジッと見つめた。
心臓を冷たい手で握られるような、冷たい目。自分の事を浄化者だと言っていたが、その言葉に嘘偽りのない、感情のない瞳だった。

「以前、俺が世界を1つの世界を浄化した時、俺を導いてくれた者には名前があった。マスター、俺はお前の名前が知りたい」

 そう言えばぼくはセイヴァーに名前を教えていなかった。だがセイヴァーも、本名――聖杯戦争が言うところの真名を教えていない。
だけどぼくは、自分の名前から先に教えた方が良いかなと思って、まずはぼくの方から自己紹介をする事にした。

「ぼくは『ネス』だ」

 無言で、ぼくはセイヴァーの真名を待った。すぐにセイヴァーは、答えてくれた。

「俺は『バッター』。堕落した魂どもに聖なる怒りを喰らわせる者」





3:

 バッターが自己紹介をしたと同時に、液晶テレビの中で、オズの魔法使の主役であるドロシーを演じる女優、ジュディ・ガーランドが、
その類稀なる透明な美声で、歌を歌い始めた。カンサスの田舎娘に住むドロシーが、悩み事も心配事もない理想郷を夢想するシーンで、彼女はその曲を歌う。
曲題を、Over The Rainbow。『虹の彼方に』と訳される、名曲中の名曲。世界的に著名な劇中歌であり、幾人もの名だたるアーティストがこの曲をカバーして来た。
その曲は語る。『虹の彼方のどこか空高くに、子守唄の中で語られる国があり、その青い空の中にある国で信じた夢は、全て現実のものになる』、と。

 奇しくもネスとバッター達が招かれた世界は、その劇中歌と関連性を見出す事が出来た。
其処は、『外道の知識を記した書物の中に語られる、冒涜的な玉虫色の球体』が仕立て上げた世界であり、その世界には、
『数多の血と死と贄を捧げた末に、全ての夢を現実とする聖杯』が手に入れられる場所であると言う事が。

 ――世界を救った少年は聖杯に向けて、世界を滅ぼした浄化者は邪神に向けて、そのビフレストを今上り始めた。





【クラス】

セイヴァー

【真名】

バッター@OFF

【ステータス】

筋力C 耐久C 敏捷C 魔力C 幸運C 宝具EX

【属性】

秩序・善

【クラススキル】

浄化者:EX
世界を浄化する、と言う神聖な使命を負っている者。
セイヴァーは例えその浄化行動の先に如何なる結末が待ち受けていようが、迷う事無くその使命を果たそうと行動する。精神干渉を無効化する。


【保有スキル】

対霊・概念:EX
霊的な存在、または魔的、概念的な存在に対する攻撃の適性及び、それらの存在を感じ取る知覚能力。
セイヴァーはこれらそのもの、あるいはその因子を持った相手と敵対した場合、全てのステータスがツーランクアップする。
霊的な存在である事は確かだが、実体化したサーヴァントにはステータスアップの恩恵は発動しない。
但し、サーヴァントが霊体化した場合、または、実体化してもそのサーヴァント自体が霊的・魔的・概念的な因子を有しているのならば、
ステータスアップは発動する。

記号使役:A
使い魔使役の延長線上にあるスキル。セイヴァーは『アドオン球体』と呼ばれる、三位一体を成すリング状の記号生命体を3体行使する事が出来る。

真名看破:D
セイヴァー自身が使う事が出来る技、ワイド・アングルと呼ばれる技術によるアナライズ能力。
同ランクの秘匿スキルを持たないサーヴァントであれば、真名を看破する事が出来る。

【宝具】

『Spherical Add-Ons(アドオン球体)』
ランク:A+ 種別:対人~対軍宝具 レンジ:1~20 最大補足:1~20
セイヴァーが使役する3体の記号生命体、通称アドオン球体と呼ばれる存在が宝具となったもの。
白色のリングとも言うべき姿をした彼らが何者なのかは解っておらず、使役するセイヴァー自身も、彼らが何処から来て何の為にいるのか理解していない。
解っている事は、3体にはそれぞれアルファ、オメガ、エプシロンと言う名前がある事。彼らは三位一体を表している事。
そしてそれぞれ、アルファが父なる者、オメガが子なる者、エプシロンが聖霊なる者を表している、と言う事だけであり、それ以上の事は詳細不明。
彼らは意思を持っているのか、そもそも生命体なのかすらも疑わしい存在だが、独自の行動原理を持っている事は確かであり、
セイヴァーが敵と認識した存在に対して、セイヴァーと共に戦闘を行う事が可能。
アルファは高い威力の攻撃と状態異常の付着攻撃を、オメガは種々様々な状態異常の回復と敵のステータスを一時的に下げる攻撃を、
エプシロンは範囲攻撃とセイヴァー及び他のアドオン達のステータスアップを、それぞれ担当している。
3体がそれぞれ豊富な魔力を持っている為に、宝具を発動、維持させたとしてもセイヴァーやマスターに掛かる魔力消費は少なくて済むが、
長時間動かし続ける、或いはそれぞれのアドオン達が保有している魔力が底を尽きた場合には、セイヴァーあるいはマスターから魔力を徴収する。

『Purifier(The Batter)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:自身 最大補足:自身
何者かによって世界の浄化を任命され、其処に蔓延る悪性存在を粛正する為に生まれたセイヴァーそのもの。つまりこの宝具はセイヴァー自身を指す。
セイヴァーの攻撃には本来備わっている物理的な干渉力とは別に、強い浄化の属性が宿っており、吸血鬼や食屍鬼、悪魔の属性を持つ者や、
霊的・概念的な存在に対して、絶大なダメージを与える事が可能。いわば行動の1つ1つが、高ランクの洗礼詠唱のようなもの。
セイヴァーはまた、既存の魔術や奇跡ともアプローチの違う、『保守』と呼ばれる回復手段を持ち、癒しの技術にも造詣が深い。
霊的・概念的・魔的な存在が統治する領域や世界の統治者をセイヴァーが倒した場合、その世界から肉体を持つ全存在は消滅。
霊魂だけが浮遊する、一面真っ白の浄化された世界だけが広がるようになる。セイヴァーの究極の理想は、アーカム全土をその境地にする事である。

バーサーカー、エクストラクラス・デストロイヤーとしての適性も持ち、その場合上記の宝具は、
『Demented Purificatory Incarnation(狂える浄化の具現)』、と言う物に変更される。

【weapon】

カツヒロのバット:
野球選手が振るう金属バット。セイヴァーはこれを振るい、殴打に用いる事で、相手を浄化する。宝具ではないが、頑丈さは、宝具と打ち合う事も可能な程。


【人物背景】

この男の根幹を成しているであろう諸々の要素を語るに相応しい者は、この私の他には存在しないようだ。親愛なる君達の為に一肌脱ぐ事としよう。
私の猫のまなこから見た、このバッターと言う男は途方もない愚か者だ。盲目的な確信と確固とした期待、そして誠実極る信頼を裏切ったペテン師だ。
世界を浄化する、と言う人類の歴史の中で大体1千万の人間は抱いたであろう陳腐な大義名分の下に、聖母の如き女性と無抵抗の子供を殴り殺した狂人だ。
彼は世界を浄化などしなかった。彼は世界を破壊し、一切の生命を根絶やしにし、1つの世界を無の水底へ沈めてしまった罪人だ。
そんな彼がセイヴァーの名を預かるとは、彼をこの世界に呼び寄せた邪神とやらは見る目がない、いやそもそも、その眼窩には目が嵌ってないのだろうな。

 さて、私はこの【人物背景】と言う小狭なパラグラフの冒頭で、バッターと言う男を語るに相応しいと比類ない自信を以て口にした。
事実私は、この男が我々の世界に現われてから世界を滅ぼした軌跡を目の当たりにして来た証人だからね。それを雄弁に語れる資格がある。
そんな私でも、バッターについて解らない事柄が多い。いや、訂正するべきか、我々はバッターの殆ど全てを理解していない。
我々はバッターと言う狂人が、我々の世界で何を成したかと言う事柄には君達の先を行く知識を持っているが、バッターが何者で、何処から来て、
そもそも誰から世界の浄化を任命されたのか、これらの事柄について我々は甚だ無知であると言わざるを得ないだろう。
確かなのは、バッターは女性と子供を撲殺し、許し難い彼の蛮行を止めようと現れた、誰もが愛してやまない無垢な猫であるこの私をも撲殺し、
1つの世界をOFFにするレバーを倒したと言う事だけだ。

 恐らく、君達の知的器官、つまり、そのだらしない頭蓋の中でたゆたっているプティングよりも柔らかい物体で考えたとしても、
私がこの【人物背景】と言うパラグラフで、何処ぞの誰より説明せよと言われ、言われるがまま語った事柄について、全く理解を示せていないだろうに思える。
無理もない。我々の辿った道程は非常に多角的な解釈が可能であり、1つの枠に当てはめた説明は、かえって危険だろうと考えたのだ。
故に、私が語れるバッターの軌跡は此処までとし、彼に対する解釈も此処で撃ちきるとしよう。
しかしそれではあまりにも不親切であり、この【人物背景】と言うパラグラフを此処まで読んでくれた君達に対して猫の糞を砂ごと飛ばすが如くに失礼だ。
そこで、私の方から提案がある。良いかね、私の予想が正しければ、君達は電気と幾許かの回路で動いている箱、つまりPCと言う物を持っている筈だ。
そのPCを起動させ、インターネットと言う、歴史上悪魔よりも多くの人間を堕落させてきたシステムを開き、
検索エンジンに『"OFF" JAPANESE TRANSLATION』と入力、検索し、検索結果の一番上で燦然と輝くページをクリック、そのページで、
バッターと我々の軌跡を記したゲームである所の、OFFをダウンロードするのだ。
そうする事で君達は満足の行く数時間と、我々の物語を自由に解釈できる時間を幾らでも楽しめる事だろう。
元々は君達のいる世界でフランスと呼ばれるゾーンの言語で作られたゲームだったので、日本と言うゾーンに住む君達には馴染みが薄かったのだが、
君達の時間間隔で2011年と言う時期に英語と言う言葉に翻訳され、3年後の2014年8月に、見事君達の言語で翻訳され、今に至っている。
まだまだ君達の国では年の若いゲームではあるが、是非ともプレイし、バッターの狂人ぶりと、この私ジャッジの愛くるしさを堪能して貰いたい。

【サーヴァントとしての願い】

聖杯戦争の汚れた舞台を、聖杯ごと浄化する

【方針】

ネスに聖杯を、聖杯戦争の首謀者に死を







【マスター】

ネス@MOTHER2

【マスターとしての願い】

元の世界に戻る

【weapon】

マジカントバット:
ネスの精神世界であるマジカントで入手したものにもかかわらず、現実世界へと実体を持って持って来れたもの。
宝具とは言い難いが、サーヴァントを殴れる程度の神秘は有している。

【能力・技能】

生まれついて高いPSIの素養を持っており、各種PSIを高いレベルで扱う事が出来る。
状態異常の発生や回復、肉体的な損傷の回復、強力な念動力による衝撃発生、テレポート等々、使い方は多岐にわたる。
ギーグを倒した以上、事実上ネスのPSIは元いた世界でも最強クラスのもの、と断言しても良いだろう。

【人物背景】

世界を救う運命を背負って生まれた少年。
幾度も傷付き倒れそうになり、幾度も旅を止めようかとも諦めかけた少年であったが、世界を救うと言う志を共にした3人の友達と、
旅の最中に出会った色々な大人達との出会いによって、逞しく成長。見事、悪の宇宙人である侵略者ギーグを打ち倒す。

――しかし、物語は常にハッピーエンドで終わるとは限らない。
ギーグを倒す為に頭脳をロボットに移植、タイムトンネルを通って過去に飛んだネスは、ギーグの野望を挫く事と引き換えに、
元の世界への帰還のチャンスを永久に失ってしまった。

【方針】

バッターに付き添う

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最終更新:2015年10月07日 02:52