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和は唯達の手によって、奥の寝間に運ばれ、寝かされた。

唯「和ちゃん、和ちゃん! ど、どうしよう澪ちゃん!」ワタワタ

澪「い、戦の前だぞ!うろたえるな!」オロオロ

和「……澪、あなたも落ち着いて……」

バタバタバタバタ……

梓「ん?誰か来ますよ!」

 ガラガラッ!

紬「和ちゃん!大丈夫!?」

ふすまを開けて現れたのは、成田家の姫・紬である。
溢れんばかりの気品に加え、その太い眉が見目麗しいと、城内外で評判になっている。

和「ムギ……残念だけど、もうダメかもね……前々から心の臓が弱っていたし……」

唯「そんなぁ……和ちゃん、弱気にならないでよ!」

和「唯……自分の体のことは、自分が一番分かってるわ……私はもう長くは……うっ!」

唯「無理にしゃべっちゃダメだよぉ!!」

紬「和ちゃん、コレを見て!ほら、マンボウのマネ!」プクプク

全員「………………」ポカーン

紬「……え、えっと……じっ、実はコレ、たくあんなのっ!」グイーッ

澪「姫!おやめください!麗しいお眉が!」アタフタ

和「くすっ……ムギ、ありがとう。ねえ、御屋形様……」

さわ子「な、何かしら?」

和「早く出陣の用意をしてください……北条のために、そして成田家のために……」

さわ子「……わ、分かってるわよ」

唯「ひっく、えぐえぐ……」

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やがて紬を残し、その場は解散となった。
さわ子や唯達重臣が、回廊へと出て行く。

澪「では御屋形様、御免」

さわ子「………」ブツブツ

澪「……唯、またな」

唯「うん……澪ちゃん、またね」ゲッソリ

紬「唯ちゃん大丈夫?元気だして……」ギュッ

唯「ありがとう……ムギちゃんの手、あったかいね」

梓「…………」ポーッ

律「姫にほれるなよ。家臣の分際で」

梓「にゃっ!?な、何のことですか!」

律「あはは、とぼけたって、その真っ赤な顔で分かるぞ」

梓「うぅ…///」

律「でもな、姫はああ見えて、とんでもねー武辺者だぜ。おととしだったかな。姫は百姓の娘に乱暴した家臣を手討ちにしたんだ」

梓「えっ!姫ご自身でですか?」

律「女を襲っていいのは女だけー!とか言ってな。手練れの相手をズバーっと一刀両断さ!」

梓「ひゃ、百姓のために家臣をですか……(女を襲っていいのは女だけ……イケる!?)」

律「菫とかいったかな、その娘は……」

梓「でもでも、討たれた家臣の一族は黙っていませんよ!」

律「それをどうやったか知らないけど、押さえ込んだのがあの唯なんだ」

梓「ほんとですか!?」

律「私も信じられないんだけど、これは本当だぜ。以来姫は、唯にメロメロなんだ」

梓「…………」


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その夜――桜が丘城・三の丸
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森の中で、騎馬武者や足軽達総勢五百人が出陣の時を待っている。たいまつの火で、辺
りは昼のように明るい。

甲冑に身を包み、馬に乗ったさわ子を、平装の唯達が見送ろうとしていたのだが――

律「御屋形様!どうして私たちは城に残らなきゃならないんだよ!」

澪「おいよせ、律!」

梓「どうか私も!私も陣に加えてください!」

さわ子「……あなた達だけに伝えたいことがあるの。ちょっと来て」

律「何だよ、いったい……」

さわ子「……私は関白に内通するわ」ヒソヒソ

律「えええっ!?」

澪「バカ、大声上げるな!」

梓「そんな、御屋形様!」

さわ子「私は小田原城に入り次第、連歌仲間の蛇尼須(ジャニス)を通じて、関白に内通の意を知らせるわ。あなたたちは関白の軍勢が攻め入ったら、速やかに城を開けるのよ」

律「一戦も交えずに開城しろっていうのかよ!」

澪「御屋形様、北条家への加勢は、衆議にて決まったことじゃないですか!」

さわ子「あ、あれは和ちゃんへの遠慮よ……ほら、あの子厳しいし……」

澪「なら、最初から関白に付けば良いじゃないですか!?」

さわ子「小田原に入城もしないで、誰が納得すると思う!?北条家の庇護の下にあった私たちが、義理も果たさずに関白に降ったら、その後の成田家はどんな扱いを受けると思ってるの!?『関白と対峙したけど、大軍を前に抵抗できずに、開城しました』ってことにしなけりゃ、世間は納得しないわ!」

澪「うぅ……」

さわ子「負けたらあなたたちの家臣も路頭に迷うのよ。少しは家臣のことも考えなさい」

梓「……はい」

さわ子「いい?関白と戦ったらダメ。一人たりとも死なせないように……門を開けて!」

 門番が門を開くと、かがり火で照らされた大手門に通じる湖上の一本道が見えた。

さわ子「小田原の使者が開戦を伝えにまた必ず来るから、籠城の準備は怠らないでね。疑いを抱かせちゃだめよ……いざ、出陣!」

 さわ子の軍勢が、続々と一本道を進んでいく。

梓「御屋形様はどうなっちゃうんでしょうか……」

澪「内通していれば、小田原城が落ちても御屋形様は無事だ。でも落城の前に北条家に内通が知られたら、無事では済まないな……」

梓「御屋形様……」

澪「内通のことは、くれぐれも他人に漏らすな。和にも知られたらダメだぞ」

律「澪……昔お前に取られた武功一等、とうとう奪い返せなさそうだな……」

澪「あれは律が抜け駆けしたからだろ。いつだって先走り過ぎなんだよ、律は……」

律「くそっ!さわちゃんのアホ!あんな命令くそくらえだっ!!」

唯「…………」

 その後、さわ子の軍勢は小田原入りを果たした。さわ子は入城前に川上蛇尼須へ密使を遣わし、関白への内通を着々と進めていた。

そして、留守を任された重臣達は、さわ子の言いつけ通り、形だけの籠城戦の準備を始めた。


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桜が丘城・佐間口
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籠城を伝えられた城兵や百姓達が、武器や兵糧を次々と運び込んでいる。その様子を、唯はやぐらの上からぼーっと眺めている。

澪「こら唯!お前も働け!」

唯「だって……私が手伝おうとしたら、みんながやめてって言うんだもん」ブー

澪「見ろ!姫だって城のために一生懸命働いてるんだぞ!」

紬「しゃらんら、しゃらんら~」キラキラ

唯「た、俵をあんなに軽々と……」ポカーン

紬「あ、唯ちゃ~ん」

唯「や、やあムギちゃん。がんばってるね~(汗ひとつかいてない……)」

紬「城のみんなが総出で戦支度してるんですもの。私も力にならなくっちゃ」ニコッ

唯(え、笑顔が眩しい……)クラッ

紬「しゃらんら、しゃらんら~」テクテク

澪「…………はぁ」

唯「どうしたの澪ちゃん、ため息ついて」

澪「……姫もみんなも、戦がないと知ったら、どう思うかなと考えてな……」

唯「澪ちゃん、さわちゃんの言う通りだよ。関白さんに降ることで戦が起きないなら、それでみんな喜ぶよ」

澪「…………」

この時、澪は思った。
本当は、それが正しいことなんだろう――

澪は常々考えていることがあった。戦という多くの命を危険にさらすものは、本当はしないに越したことではないのか――?

しかし、武家に生まれてしまった以上、そんな言葉を口にすることは許されなかった。幾度となく頭をよぎる疑問を、無理矢理打ち消しながら、澪は今日まで、幾多もの戦に臨んできたのだった。

澪「唯、私はな……」

しかし、唯の一言が、澪に本音をこぼさせた。

澪「……戦が怖いんだ」

唯「ほえ?」

澪「ついさっきまで槍を振り回していた者でも、次の瞬間には屍になってたりする……結局、生き残れるかは武運だ。私は親から受け継いだ、この運任せの稼業が嫌で仕方ないんだ…………」

唯「そっかぁ……だから澪ちゃんは、戦場であんなに恐れられてるんだね!」

澪「えっ……?」

唯「なんせ“漆黒の魔人”だもんね!」

澪「そ、その呼び方はやめてくれないか……?」

曜子「秋山様はおられませんかー!」バタバタ

唯「おや、どったの?」

曜子「あ、ふわふわ様……ふわふわ様ではダメです。秋山様はおられませんか?」

唯「ひどいっ!」ガーン

澪「なんだ、どうしたんだ?」

曜子「三の丸で、田井中様と中野様が……!」

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梓「刀を抜いてください!」

律「いやだ。お前は刀を収めろ」

梓「なら作業に戻ってください!」

律「バッカバカしい。ヤだね!」

澪「おい!何があったんだ!」パカラッパカラッ

ちずる「あ、秋山様!田井中様が、兵糧米なんてもう入れなくていいと百姓に命じられたのですが、中野様はそれをダメだと……」

澪「それで喧嘩してんのか……まったく」

唯「み、澪ちゃ~ん。待って~!」ハアハア

澪「唯、大丈夫だ。いざとなれば私が……」

梓「やあああぁー!!」

 梓が上段から律に斬りかかる。

律「でやっ!」

 ガキイィン!

 律は刀を抜いてそれを跳ね上げた。梓の太刀がかなたに跳ぶ。

律「ふんっ!」

 律は太刀を捨てて、梓に飛びかかり、体を押さえつける。

律「それで戦の天才だぁ?笑わせるな!」

梓「武技なんて言ってません!軍略の才です!」ジタバタ

律「戦もしねーのに兵糧米を積み込むのが、お前の軍略なのかよ!」

唯「……あ」

澪「あんのバカっ!!」

しずか「え、田井中様?」

圭子「今なんて言いました!?」

憂「戦をしないって……?」

純「……じゃあ、これは何!?」

 律の失言に、城兵と百姓達は次々にざわつきだす。

澪「こんの、バカ律ぅ!」ボカッ

律「あいったぁ!!」

澪「これで御屋形様は終わりだ!お前がたった今亡き者にしたんだぞ!梓、お前も同罪だ!」

梓「うぅ……!」

律「はっ!戦が怖くて武士をやってられっかよ!」

 律は澪達を背にして、その場を去っていく。

澪「い、いいか!今聞いたことを漏らすんじゃないぞ!さもないと……」

 澪は刀を抜き、叫んだ。兵と百姓は一層ざわつきだす。

唯「みんな~、聞いてくれるかな~?」

澪「唯、何を言う気だ」

唯「内通のこと、全部話しちゃおうよ」

澪「な、何言ってるんだ!?ダメだダメだ!」

唯「隠していてもどうせ広まっちゃうよ。でも全部話したら、みんな分かってくれるよ」

ちずる「ふわふわ様!戦がないってホント!?」

澪「……分かった、私から話す!御屋形様は小田原城に籠もったが、関白に内通するつもりだ!桜が丘城は関白と戦わない!ただし、これが北条家にバレれば御屋形様の命はない!だからみんな、籠城の準備を続けてくれ!」

『…………』ザワザワガヤガヤ

憂「続けよう、純ちゃん」

純「ふん、本当に侍は勝手なんだから……」

 一時は騒然となった三の丸だったが、皆再び、武器や兵糧を入れ始めた。

そんな中、梓は働く者達の姿を背に、一人立ち尽くしていた。

唯「……あーずにゃんっ」ヒョコッ

梓「……勝てなかった……律殿にも、澪殿にも……」

唯「……怖かったね」

 ギュッ…

梓「私は戦に出たことがありません!!私に場を与えてください!!天才の……天才の働きを見せてやります!!」

 梓は、唯に抱きしめられながら涙をこぼした。


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その夜――桜が丘城・本丸居館
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内通の件は瞬く間に城内・城下に広まった。籠城を手伝っていた紬の耳にも入ったが、それでさわ子が助かるならと一層籠城の準備に励んだ。

 何も知らないのは、病に伏す和だけであった。

和「……何か騒ぎでもあったの?」

澪「士気に緩みが見えたから、手綱を締め直したんだ(な、そうだろ姫?)」チラ

紬「(う、うん……そうよ)」コクリ

和「悪いわね……戦を前にして……こんな情けない様をさらして」

澪「そう言うな、和」

和「澪……唯はあの通りだから、私が死んだら城代はあなたが引き継ぐのよ……唯が成田一族だからって遠慮することはないわ……」

澪「和……私はな、あいつの持つ得体の知れない将器を見極めてみたいんだ」

紬「……?」

 数日後、小田原の使者が桜が丘城を訪れた。
しかし城代の和や唯達重臣には会わず、籠城の準備を視察し、関白軍が箱根湯本入りしたことを伝えただけで帰ってしまった。
城下の者達の誰一人として内通の件をほのめかさなかったため、使者は疑いを抱かなかったのだ。

まさに、唯の思惑通りだった。


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箱根湯本の露天風呂
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香奈が温泉に浸かりながら、一杯ひっかけている。
温泉には、若い女達も大勢浸かっている。

香奈「あ”~~……若返るわ~」ヒック

晶「な、なんだこりゃ……」ポカン

香奈「そ~れ!もっと若さを吸っちゃおうかしら~」バシャバシャ

女「きゃ~!殿下、おたわむれを~!」キャッキャッ

菖「あの、殿下……私達を呼び出されて、何事ですか」

香奈「どう?あなた達も入らない?ここはいい湯よ!」

晶「いや……私は遠慮します」

菖「私も~」

香奈「ここの温泉は、胸が大きくなるらしいわよ」

菖「ではお言葉に甘えて!!」ヌギヌギ ジャポーン

晶「おいおい……そんな効能聞いたことねえぞ」

香奈「菖ちゃん、兵糧米に滞りはない?」

菖「おっきくなれ~、おっきくなれ~……」モミュモミュ

香奈「菖ちゃん?」ゴゴゴゴ

菖「あ……ひょ、兵糧米ですか!?兵糧米は二十万石ほどを江尻、清水の港まで海送し、その地で各将に受け渡し済みです!」

香奈「うふふ、小田原の人間は、米作りが始まれば私が陣を引き払うと思ってるわ。人を集めて、生涯飽きないほどの陣で小田原城を囲んでやるわ。晶ちゃん、笠懸山とかいう所に造る城の手はずは?」

晶「すでに野づら積みのための石、材木などは山頂に運び上げました」

香奈「よし、いいわ!大急ぎで城を造るわよ。北条の奴ら、きっと度肝を抜かすわ」ウフフ

幸「あら、いい露天風呂ね」

香奈「さっちゃん、あなたも入る?この温泉は背が縮むらしいわよ」

幸「はい、お言葉に甘えて!」ヌギヌギ チャポン

晶「だからそんな効能聞いたことねーよ!!殿下、私はこれにて……」ペコリ

香奈「晶ちゃん、合力の将達の軍勢が着陣したわ……奴らを連れて館林、桜が丘に向かい出陣しなさい」

晶「は……はい!」タタタッ

香奈「……行ったわね?さっちゃん、実はね……桜が丘の成田家は、既に内通の旨を知らせて来てるの」

幸「え、それじゃあ桜が丘城は……」

香奈「晶ちゃんには言っちゃダメよ。あなたが後見して、あの子に必ず武功を立てさせてあげてね。あの子、やる気はあるんだけど、軍略の才には乏しいから……」

幸「は、はい……(知ったら怒るだろうな、晶……)」

菖「おっきくなれ~、おっきくなれ~……」モンミモンミ


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数日後――下桜村
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田んぼでは、麦刈りが終わり、米作りのための田植えが始まっていた。百姓たちは軽快な田楽踊りに興じながら、田植えにいそしんでいる。

唯は、そんな様子をキラキラした目で見ていた。

唯「ま~どのサンサもデデレコデン♪っと」

直「こきりこ節は田楽じゃないですよ」

純「調子狂うんでやめてくれますか?」

憂「お姉ちゃん……」

唯「なになに!手伝おうか!?」ワクワク

憂「そうじゃなくて……あの、関白に降れば、お姉ちゃんはどうなっちゃうの?」

唯「さぁ……お百姓さんにでもなろうかな?」

憂「お姉ちゃんが?わぁ、楽しそう~」

菫「そんな無理ですよ。ふわふわ様は二本差で歩くぐらいがせいいっぱいなのに……」

唯「えへへ、そうなんだよねぇ……でも私、ごはんが大好きだから、お米を一から育ててみたいと思ってるんだ!」

菫「はぁ……」

唯「ごーはんはすごいーよ、何でも合うよ、ほかほかー♪」ニコニコ

純「……まーた、おかしな唄を」ハァ

憂菫直「クスクス……」

 ジャン!ジャン!ジャン!ジャン!

憂菫直「えっ?」

純「半鐘が鳴ってる!」

唯「……?」

 パカラッパカラッパカラッ…

澪「唯ー!またこんなところに!」

唯「どったの、澪ちゃん?」

澪「館林城から使者が来た!関白の軍勢が館林に攻め入ったぞ!敵はすぐそこに迫ってきてる!!」

憂菫直「えええええぇっ!?」

純「…………」

唯「……分かった。城に戻るよ、澪ちゃん!」


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同じ頃――上州館林城
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城の周囲は、既に二万の兵が埋め尽くしていた。
大手門が開かれ、城代が飛び出してくる。

城代「た、館林城は直ちに開城致しまする!何卒、討ち入りはご容赦くだされえぇ!」ドゲザッ

 軍勢の真ん中で、晶・菖・幸は城代の叫び声を聞いている。

晶「和戦を問う前に落城か……」

菖「無理ないよ。この数で攻められればね」

晶「人ってこんなものなのかよ……金と力で圧倒したら、こんなにあっさり性根を失うものなのかよ!」

幸「勝った者だけが抱ける、甘い感傷だね……」


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桜が丘城下・下桜村
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関白軍が迫っているという話は、瞬く間に桜が丘城下に広まった。領民の多くは戦禍を逃れるため、家財を荷車に載せ、次々と桜が丘の地を後にしていく。

そして、ここ下桜村の百姓家でも――

憂「純ちゃん!どこ行くの!?」

純「ふわふわ様の言うことなんて嘘だ!やっぱり戦はあるのよ!私はもうつきあってらんないわ!」

憂「行く当てなんてないでしょ!?」

純「今死ぬよりマシよ!スミーレ、直、あなたたちも行くのよ!」

直「いやです」

菫「行くなら……一人で行ってください!」

純「……何ですって?」

菫「戦があるから逃げるんじゃない……お侍が憎いから逃げるんですよね!?私は……私の仇を取ってくれた姫様と、姫様を救ったふわふわ様の城を離れません!」

純「な、何よそれ……私が悪者みたいに!直、あんたは……」

直「菫が離れないなら、私もここを離れません。それに……」チラ

太郎「ねーちゃーん、はらへったー!」
次郎「ねーちゃーん、ごはんまだー?」
三郎「ねーちゃーん、おしっこー!」
花子?「ねーちゃーん(以下略)」

直「……こんなに沢山の弟たちを連れて逃げられませんので」

純「……か、勝手にすれば!?みんな勝手にすればいいのよ!!」ダダダダ

憂「純ちゃん……」


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最終更新:2013年03月03日 21:19