【第二話】
‐朝・平沢宅‐
‐リビング‐
憂「お姉ちゃん、おはよう」
唯「んー……おはよー……」
憂「なんだか眠そうだね」
そう、ズバリ眠いのです。
あの後も、自称・天使との会話は延々と続きました。
結局寝ることが出来た時間は、聞いて驚くなかれ。
なんと時計の短針が、四と五の間を指していた頃です!
おかげで私のコンディションは最悪です。
憂「昨日はあんまり眠れなかったの?」
唯「うん……ごめんねえ、せっかく憂と高校に行ける初めての日なのにい……」
憂「いいんだよ、お姉ちゃん」
私の妹は人への配慮を欠くことのない、本当に優しい子です。ですが。
そんな妹の顔に、一瞬の翳りが見えたのを私は見逃しませんでした。
憂「お姉ちゃんはいいんだけど」
憂の視線の先を見れば、その理由がハッキリとわかります。
梓「ふむ」
憂「そこにいる変な人に関してはよろしくないよ」
そうです、コレが全ての元凶です。私の眠気も含めて。
梓「唯先輩、変だと言われてますよ?寝癖でもあるんじゃないですか?」
唯「梓ちゃんに言ってるんだよ……」
梓「えっ、寝癖あります?」
唯「そうじゃなくてえ……」
都合の悪いときだけ理解力を無くす天才、
中野梓ちゃん。
昼夜を問わず絶好調のようです。くそう。
憂「どちら様ですか?」
梓「私はアズサエル、見習い天使です!」
憂「へえ、天使なんですか。病院はあっちですよ?」
憂、顔が笑ってないよ。
梓「この子はどうして病院を紹介したんでしょう?」
そして、どうしてこの子は学習してくれないんだろうねえ。
憂「ねえお姉ちゃん、本当に何なのこの子」
唯「……」
憂「……」
ぐう。
憂「……面倒だからって寝たふりしない!!」
唯「はいっ!」
梓「おお、一瞬で目覚めた」
怒った憂は怖いのです。
唯「……この子は中野梓ちゃんっていうんだ。桜高の新一年生。
一見変なことを言ってるけど、本当に天使なんだよ」
憂「お姉ちゃん……」
唯「ん?」
憂「……うん」
そんな憐れみの目で見ないでください、我が妹よ。
梓「やっぱり唯先輩には親近感が湧きますね」
唯「最悪のタイミングで言ってくれるよね……」
ピンポイントで梓ちゃんは頭が回ります。最悪です。
この、好ましくない状況を打破するために、私は考えました。
私がするべきこととは、
唯「そうだ、梓ちゃんが天使である証拠を見せればいいんじゃないかな?」
梓ちゃんが変人、もとい天使であることを証明すること。
変人と天使に大した差異はありません、まあ問題ないでしょう。
梓「なるほど確かに」
憂「何する気なの?」
空中浮遊なんか、手っ取り早いんじゃない?
私がそう提案すると、憂は「空中浮遊!?」と仰天していました。
梓「そうですね。中野梓、飛びます!」
「びゅーん」という音が聞こえそうなほど、軽々しく真上に飛んだ梓ちゃんは、
天 井
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l..:.:.:{ V::.::{{:八/::..:/ |::.:...i
| .:.:.| }::. :「|!}'::. :/ }::.:.:.| <どーん!
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`¨´ `¨´
こうなりました。
唯「……」
憂「……」
梓「……どうです?」
……いや、それ聞く?
憂「ルーラでも見た事無いよ、このめり込み具合……」
どらごんくえすと、のお話です。
梓「とりあえず私が天使だと、信じてくれました?」
憂「余計に信じられない何かは出て来たけど、とりあえず信じるよ」
不信感の方が明らかに多いけど、と憂は付け足しました。そりゃそうだ。
ともかく、この状態のままでいいはずがありません。
梓ちゃんを、二人がかりで、天井から引っこ抜きました。
* * *
何故か正座で向きあう二人がそこにはいました。
梓ちゃんは顕著ですが、憂もたまによくわからないことをし始めます。
まあ、“真剣な話し合いの場”を設けたかったのでしょう。
憂「中野梓ちゃんね。よろしくね」
梓「はい、よろしくです」
憂「(修理も)よろしくね?」
梓「……すみません」
憂が珍しく怒っています。
それは勿論、天井に空いた大きな穴のおかげです。
……私の部屋の扉が見えていますね。
憂「……そう、反省してくれてるなら、いいんだよ?」
しかし憂は基本優しい性格です。なので、長期間いざこざを残すことを善しとしません。
この件に関しては、これで終わりにするつもりなのでしょう。
梓ちゃんも言葉の意味を理解したようで、緊張しきっていた表情を緩めていました。
これで、両者の間の溝は完全に消えたのでしょう。天井の穴を残して。
憂「そういえば、梓ちゃんも桜高に入ったんだって?」
梓「はい、そうですね」
先程、ちらりと見せた情報に憂は食いつきました。
これは仲良くなろう、という合図ですね。間違いありません。
憂「つまり同じ学年なんだよね。じゃあさ」
梓「これからは“憂”と呼ぶことにします!」
憂「それ私の台詞だよ!?」
その合図を梓ちゃんが理解できるわけがなかった。空気読んで。憂に言わせてあげて。
梓「ついでに敬語もやめるね?」
憂「だからそれ私の台詞……」
梓「これからよろしく、憂!」
憂「それも私が言いたかった台詞なのにー……」
梓ちゃんに読める空気なんてあるのでしょうか。
出会ってから七時間ちょっとしか経ってませんが、そんな気がします。
* * *
梓「そういえばお腹が空きませんか?」
唯「憂、梓ちゃんが朝ご飯食べたいって」
梓「そこまで言ってません!」
その笑顔を隠してから嘘をつこうか、梓ちゃん。
憂「んー、ゴメンね。梓ちゃんの分の朝ご飯は用意出来てないの」
梓「Why?」
憂「なんで英語?」
なんでWhy?何故?
梓「人間は、客人にはそれなりの御持て成しをする。そういう生き物だと聞いたことがありますから」
人間は足し算が出来るかと、質問をした子とは思えません。知識に偏りが見られます。
唯「この場合、梓ちゃんは客人のカテゴリーに入るのかな?」
憂「客人である以前に変人みたいだからね」
梓「えっ」
憂「あっ、違うの!別に悪い意味で言ったんじゃなくて、
その、見たままのことを言ってしまったというか……」
憂、それはフォローじゃない。
梓「て、天使はその程度の言葉で傷付きはしません!
天使たるもの、人の言葉には耳を積極的に傾けるべきですから!」
そして、どうして涙目になってまで強がるんだろうね、この子は。
-外-
ぐううううう……。
梓「は、ははは……全く、虫が煩い季節になりましたね……!」
唯「梓ちゃん、それは間違いなく腹の虫だよ……」
憂「やっぱり学校行く前に、コンビニで何か買ってこよう?」
梓「でも、初日からそんなんじゃ悪いよ……」
さっき人の家でご飯食べようとしてなかった?
梓「あれは違います、アレは、アレですよ!」
ぐううううう……。
唯「どれ?」
梓「そうだ、あれです!腹の虫が、私の意識を支配してですね!
天使にはそういう弱点がありましてですね、それでですね!」
梓ちゃん、それは流石に苦しいよ……。
梓ちゃんの肩に手を置きながら言った憂のその一言は、
天使の詭弁、暴論を黙らせるのには丁度いいものでした。ご愁傷様。
* * *
梓「ご馳走様でした」
結局買ってあげちゃったよ。どんだけ優しいの、憂。
憂「パン二個で足りたの?」
梓「うん、足りてるよ」
憂「そっかあ」
憂はにやりと笑い、私に高々と宣言しました。
憂「……お姉ちゃん!私の勝ちだよ!」
唯「ありゃりゃ、残念」
梓「勝ち?」
唯「憂と、梓ちゃんがいくつのパンを食べるか、勝負してたんだよ」
梓「なるほど。それで、二人とも何個だと思ったんですか?」
憂「私が三個で」
唯「私が十二個」
梓「ちょっと唯先輩にはお話があります」
梓ちゃん、目が笑ってないよ……?
-桜高・校門-
憂「……ついに来たね」
梓「そうだね」
唯「…………うん……」
梓ちゃんからの説教後タイム。元気がないのは、そのためです。
一体どんな説教を食らったんだろう……、と心配しているのでしょう。憂が私の顔を覗き込んできます。
憂には出来る限りの笑顔を向けて、一応のところを取り繕っておきます。
梓「これに懲りたら、金輪際天使のことを馬鹿にしないことです」
別に馬鹿にしたわけじゃ無いのに。
私が疲れている理由、それはその怒り方が問題だったからです。
“天使が”、“天使で”、“天使である故に”と事あるごとに付けてきます。
聞いてるこっちが恥ずかしくて、違う意味で疲れてしまうのです!
ただ、当の本人は満足げのようで。
本当に都合のいい時だけは、人の気持ちを理解してくれません。
律「おっ、唯に憂ちゃん!」
聞き慣れた元気な声と共にやってきたのは、私の親友の一人、りっちゃん。
トレードマークの黄色いカチューシャは、頭部にしっかりと装備されています。
唯「りっちゃん!お久しぶり!」
律「なーに言ってんだ、一昨日遊んだばっかりだろ?」
そういえば、そうでした。
律「唯は二年生になっても唯だなあー」
唯「どういう意味?」
律「そういう意味だ、気にすんなって」
私、気になります。
律「それはそうと、こっちの人は誰?」
梓「私ですか?」
梓「私の名前はアズサエ……中野梓といいます。
今年から桜高の一年生として、ここに通うことになりました」
おや、ちょっと学習した……?
梓ちゃんの自己紹介がレベルアップしていました。
流石に二度の失敗を経て、少しは成長したのでしょう。
律「新入生か、よろしくな」
梓「ふむ」
梓「そのデコを見る限り、あなたは律先輩ですね?」
律「は?」
遠慮することは未履修だったか!
梓「未履修?学校も始まってないのにですか?」
律「おい」
唯「り、りっちゃん、あんまり怒らないであげて……」
りっちゃんを取り巻く空気が一変しました。そして、
律「……どうして私のチャームポイントを一瞬で見破れたんだ!?」
唯「えっ」
えっ。私と同じような顔を、憂もしました。
高校生って、何でもアリで凄い!と小声で言ってましたけど、それはちょっと違うと思います。
梓「私の目に狂いはありませんから」
そんな馬鹿な。
律「よし、決めた。梓っていうんだよな?」
梓「はい」
律「私は軽音部部長、田井中律っていうんだ」
梓「よろしくお願いします」
律「おう。それで、今日の新歓ライブのあと、音楽準備室に来てくれないか?」
どうやらりっちゃんは梓ちゃんを軽音部に招くつもりのようです。
まあ、昨晩に梓ちゃんが宣告していたように、その必要は全く無いんですけど。
“あっ、軽音部に入る予定なので、そこんとこヨロシクです!”
その言葉が頭の中でリピートされます。ああ頭痛が。
梓「ふむ」
梓「それは先輩命令というやつですか?」
律「そうだぞー、先輩の言うことは絶対だぞー!」
ところで、ふむ、というのは梓ちゃんの口癖なのでしょうか。ふむ。
梓「ふむ」
梓「どうせ命令されるなら、唯先輩の方がいいです」
ふむ……むむむ?
唯「えっ、私に?」
律「なんだなんだ、唯はだいぶ好かれてるみたいだな?」
そうは見えないんだけど。何ででしょう。
憂「“律先輩と比べたら……”ってことなのかもしれないよ」
律「憂ちゃんがさり気なく酷い」
憂「あっ、違うんですよ!今のは律さんが悪いわけじゃなくて、
お姉ちゃんの方が魅力的というか、何というか……」
憂のフォローは、確実に誰かにダメージを与えます。
憂は決してダメな子ではないのですが、完璧な子ではないのです。そこがまた、可愛いじゃないですか。
律「そうだよなあ……憂ちゃんはお姉ちゃん大好きっ子だもんなあ……」
憂「そう言う意味じゃないんです、違うんですー!」
今更何を言っても遅し。今日の憂は失敗が多いです。
その傍ら、梓ちゃんが両腕を大きく開いていました。
何でも抱きとめてやるぞ、というポーズでしょうか。
梓「さあ、カモンです唯先輩」
カモンて。命令されたがる人に命令するのも、気が引けるしなあ。
梓「遠慮せずに、どうぞ!」
そこまで促されては仕方が無い。では、
唯「……じゃあ梓ちゃんは、後で音楽準備室に集合!先輩命令だよ!」
梓「えー」
唯「色々お話があるから絶対に来なさい」
とても綺麗に命令できました。おめでとう。
-講堂-
何だかんだで、新歓ライブが始まりました。
憂がいた。……あっ、梓ちゃんだ。
……そして、最後の最後まで全力を出し切った新歓ライブは、無事に終わりました。
-音楽準備室-
澪「本当に新入部員は一人確保できたんだな?」
疑いの目を向けるのは、私の親友の二人目、澪ちゃん。
冗談の一つも許さない、鋭い眼光がりっちゃんを突き刺します。
一方、りっちゃんは平然とした様子です。
律「おう!天下無双のりっちゃんにかかれば、これしき朝飯前だぜ!」
澪「まあ確かに、お前みたいな女子高生は二人もいないだろうな」
律「それって、私を馬鹿にしてない?」
気づくのが早い。この早さを梓ちゃんにも身に付けて欲しいです。
律「……まあ、一番のお手柄は唯にあるんだけどな」
唯「どうもどうも~」
紬「凄いわ唯ちゃん、どうやったの?」
唯「えーとね……なんというか」
唯「すっごい説明しにくい!」
紬「逆に気になっちゃうんだけど……」
確かに今のは言い方が悪かったかもしれません。
そして、この子が私の三人目の親友、ムギちゃん。
おっとりぽわぽわという言葉が似合う子です。
ムギちゃんに、百聞は一見にしかずだよと言っていると、丁度よくドアが開かれました。
梓「あのー……?」
唯「あっ、よく来たね梓ちゃん!」
梓「どうも」
澪「この子が、律の言っていた?」
唯「そう、中野梓ちゃん。色々あって軽音部に入りたくなったみたいだよ」
梓「そうなんです」
高校生として、初めての後輩に、ムギちゃんは目を輝かせていました。
ダメだよムギちゃん、勝手にハードル上げちゃ。
紬「梓ちゃんね、よろしく!」
紬「私は琴吹紬。皆からはムギって呼ばれてるの」
梓「ふむ」
出ました、ふむ。腕を組んで、少し沈黙を置いたあと、何かを思いついた顔をすると、
梓「おっとりポワポワのムギ先輩ですね、よろしくお願いします」
紬「あぁ、ムギ先輩という響きだけで幸せになれるわ~」
お見事な答えを編み出してくれました。
梓ちゃん、キミは頭の回転が速いのか遅いのか、どっちなんだい。
澪「えーと、軽音部に入ってくれるんだよな、ありがとう」
澪「私は秋山澪、よろしく」
梓「ふむ」
ふむ。
梓「その胸と手の大きさは間違いなく澪先輩、よろしくお願いします」
澪「今、なんて言った?」
唯「大変だ、梓ちゃんが澪ちゃんの何かを起爆させた」
澪ちゃんの機嫌が一気に悪くなったのは、言うまでもありません。
やっぱり梓ちゃんは、基本バカです。
* * *
律「というわけで、以上が軽音部のメンバーだ。
顧問の先生とかは、まあ後で紹介するとして……、梓」
梓「はい?」
律「澪の内に秘められた地獄の業火が、今にも私に飛び火しそうなんだ。どうにかしろ」
澪ちゃんは初対面の後輩に言われたことに対して、大層怒っているようでした。当然の結果です。
梓「地獄は管轄外ですね」
唯「そういう意味じゃないでしょ」
律「そもそもどういう意味なんだよ」
おっといけません。無駄な説明が必要になるところでした。
澪「……」
紬「澪ちゃん?」
澪「……いや、大丈夫。これぐらいの生意気な発言で、感情的になっていたら先輩失格だしな」
紬「凄いわ澪ちゃん、器“も”大きい!」
律「ムギ、それはNGワードだ」
NGワード、大きい。一応、今の瞬間だけは登録しておきます。
澪「ははっ、大丈夫だよ律」
澪「そんなことより」
澪「胸も体も手も小~さな梓は」
澪「一体何が弾けるんだ?」
律「思いっきり根に持ってるじゃねえか!」
あそこまで引きつった笑顔を作る澪ちゃんは、初めて見ました。なむなむ。
梓「何も弾けませんよ」
梓ちゃんは平然と答えないでください。
紬「楽器未経験者なのね。何の楽器をやりたいと思ってる?」
梓「ギター、ですかね」
紬「……なるほど、ギターね。これは一年前の唯ちゃんを思い出すわ~」
律「確かに。丁度一年前の唯も、こんな感じだったよな」
澪「まあ、唯の方が可愛げあったけどな」
梓「遠まわしに私が可愛くないって言われました」
ストレートに言われた方は恥ずかしいっていうね……。
梓「まあまあ」
梓「確かにあの時の唯先輩は、とても可愛かったですよ」
えっ?
梓「どうしました?」
唯「あの時の、私?」
梓「そうですよ」
えっ? えっ? えっ? えっ?
四人の声が一斉に響きます。見事なシンクロ。
多分、心の中までシンクロしてると思います。「おー、あんびりーばぼー……」と。
ただ、昨日の話を聞いた私には、何となくわかっていました。
何故ならこの子は、
唯「ちょっと待って。梓ちゃん、まさかあの時の私達も……」
梓「何言ってるんですか唯先輩。私は天使ですよ?」
天使なのですから。
梓「たとえ唯先輩が何処へ行っても、観察を欠かすことなんかできません!」
律「どゆこと……?」
紬「んー……」
澪「ミエナイキコエナイ」
…………。沈黙。そして、合掌。
唯「……嵐が、早く去りますように」
―――春。始まりの季節。
その風は暖かく、始まりを迎える人たちを新しい場所へと駆り立ててくれて。
その空気は暖かく、始まりへ向かう人たちを優しく歓迎してくれます。
ですが。
私達に吹き込んだのは、そんな優しい風ではなくて。
期待していた風の代わりに私達の前に現れたソレは、
平穏を約束された私達の間で、ひどく、吹き荒れました。
梓「澪先輩、それは何かの呪文ですか?」
澪「ミエナイキコエナイ」
……今、史上最大規模の、春の嵐が到来したのです。
第二話「春、一番」-完-
―――第三話に続く
最終更新:2013年03月16日 15:39