【第十話】


 ‐平沢宅‐

 ‐リビング‐


 朝ご飯を食べながら、
 私たちはいつもと少し違う会話を楽しんでいました。


梓「唯先輩、ついに。ついに始まるんですね。
 楽しみすぎて朝から絶好調です!」


 そう言って、朝からテンションが
 いつも以上に高いのはあずにゃん。


憂「私は劇で失敗しないか心配かな……」


 逆にちょっとテンション低めなのは憂。


唯「大丈夫だよ、憂!」


 いつも通りのテンションなのは私。
 どれもこれも文化祭の朝として、正しい姿です。

 そう、今日は、文化祭の一日目なのです!



 ‐桜が丘高校‐

 ‐昇降口‐


 私たちはいつもより早めに登校しました。
 なんでも、憂とあずにゃんのクラスは準備が完了しておらず、
 最後の最後まで残った仕事があるそうなのです。

 私はそんな二人について行き、
 一緒に朝早く登校したというわけです。

 きっとクラスで一番乗りだろうと心躍らせていた
 私が下駄箱に手を伸ばした、その時でした。


唯「なにこれ?」


 下駄箱の扉の隙間に、何か紙が挟まっていました。
 見ると他の人たちの下駄箱にも、
 同様のものが挟まっています。悪戯でしょうか。

 上履きより先に、それを取り出してみました。

 “【Over the rainbow ~私は虹を越える~】
  基本に忠実な私は嘘をつかない。
  大怪盗レインボーが、此処に開かれた文化祭に現る!”


唯「なにこれ」



 先程とは違うニュアンスで。

 その紙をポケットにしまい、三年生の下駄箱を見ると、
 三年生の下駄箱にも同様の紙が挟まっていました。

 一年生の下駄箱を見に行こうと思うと、
 その方向から憂とあずにゃんが近づいてきました。
 何かを手に持っています。


憂「お姉ちゃん、これ、なんだろう?」

梓「私の下駄箱にも挟まっていました」


 そう言って見せられた紙は、やはり私と同じものでした。


唯「悪戯かな?」

憂「こんな朝早くから悪戯って……。
 手の込んだ悪戯する人もいるんだね」

唯「そうだね」


 所詮、悪戯。何かするわけでもないでしょう。
 私たちは気にせず各々の教室へと向かいました。



 ‐二年二組教室‐


 意外でした。どのクラスも、意外と人がいたのです。
 決して多くはありませんが、少なすぎもないぐらいに。


?「おはよ、唯」

唯「おはよー、文恵ちゃん」


 そんな早起きの精鋭たちの中で、
 早速挨拶をしてきたのは木村文恵ちゃん。

 穏和そうな顔立ちは周りの人を癒し、
 その性格も期待に裏切らないような子です。
 二つ結びのおさげと、花の形をした髪飾りがポイント。

 私とは一年生の頃から同じクラスで、
 意外と縁のある子です。
 去年の文化祭で、一緒に焼きそばを
 焼いた仲でもあります。


文恵「唯、珍しいね。こんな早くから来るなんて」

唯「憂……あっ、妹のクラスがね。
 早く集合することになってて、一緒に早起き出来たんだよ」

文恵「そっかー。どうりで唯が早起きできたと思った」


 からかうように、文恵ちゃんは笑っていました。


唯「むー、私だってやろうと思えば、すぐに早起きできるもん!」

文恵「わかってるわかってる。唯は頑張り屋だね」

唯「そうだよ~、頑張ってるよ~」


 私の言葉を聞いた文恵ちゃんは、小さく吹き出しました。
 そのまま、くすくすと笑いだしてしまいました。


唯「わ、私は真面目だよ!?」

文恵「知ってるよ。だから、なんかおかしくて」


 なんだか不服です。


文恵「でも、応援してるからね。
 去年のライブは見にいけなかったけど、
 今年は絶対見に行くから」

唯「……うん!」


 そういえば去年、文恵ちゃんは私に
 エールを送ってくれました。“頑張って”と。

 ここで初めて、今までの文恵ちゃんの態度が
 冗談だと気付きました。
 常に落ち着いた喋り方のおかげで、
 文恵ちゃんは冗談と本気の区別がつきません。

 私はふと、あのことが聞きたくなりました。


唯「ねえ文恵ちゃん、この紙知ってる?」


 そう言って取り出したのは、下駄箱に挟まっていた紙。


文恵「あっ、怪盗レインボーの犯行予告だね」


 怪盗の犯行予告?
 まあ、そう見えるかもしれません。


文恵「それなら私の下駄箱にも挟まってたよ。
 むしろ持ってない子なんていないんじゃない?」


 やはり、全生徒に配布されたもののようでした。
 しかしそこまでして、怪盗レインボーは何がしたいのでしょう。

 悪戯にしては、やはり手間がかかりすぎている。
 私は今になって初めて、そんな気がしました。


唯「……」


 次の瞬間、掴まれた紙を見た私は驚きました。

 ただの悪戯に利用された紙が、
 姿形を変化させたような錯覚に陥りました。


唯(犯行予告にしか見えなくなってる……)



 【Az-side】


 ‐一年ニ組教室‐


 教室に入ると途端、慌しい空気が私の身体を
 教室から押し出しました。押し負けてしまいそうです。
 それぐらいに慌しいのです。


梓「まあ、これだけ慌しいのも仕方がないか……」


 もっと前に終われなかったのが、
 悔やまれます。非常に惜しかったのです。
 しかし今は何を言っても無駄です。
 いくら天使でも時間は戻せません。

 そう、一年二組の劇の準備は大方終わっています。
 が、昨日の前日準備が終了間近というところで、
 誰かがこう言ったのです。

 “あれっ、あの人の小道具はどこ?”

 それが誰の言った言葉かはわかりませんが、
 あの瞬間の沈黙は辛いものがありました。

 まさか全員がとある登場人物の小道具“全て”を
 作り忘れていたと、誰が想像できたでしょうか。

 そして教室中の誰もが
 思い出したように叫んだ時には、
 既に下校時刻。タイムオーバーです。
 結局、今日の朝に作業は持ち越されました。


純「ほら、あんたもぼやっとしてないで手伝って」

梓「わかったよ純ワン」

純「純ワン言うな!」


 私的にはお気に入りなのに。
 ……そういえば。


梓「純ワンはあの紙、持ってる?」

純「純ワンはやめて。
 怪盗レインボーの犯行予告っぽい、アレ?」

梓「そうそう」

純「アレなら全校生徒の下駄箱に入ってたらしいよ。
 持ってない人なんて、いないぐらい有り触れてるよね」


 と言って、純は苦笑いをしながら
 視線を後方に移しました。そこにはゴミ箱が。
 そしてそのゴミ箱の中には、十数枚ほどの
 犯行予告が捨てられていました。

 なるほど、捨てられるほど余っていると。
 これが大量生産大量消費の時代の縮図ですか。


梓「感動、だね」

純「何に感動してるのか知らんけど、
 これだけ簡単に捨てられるとレインボーも可哀想なもんだね」

純「まあ単に目立ちたがり屋だったんだろうから、
 目論見自体は成功したわけだけど」


 目立った挙句、これですか。
 そういえばこんな言葉があったような気がします。


梓「なるほど、これが“出る釘は打たれる”……」

純「杭、じゃないの?」


 あれ?


純「しかも使うタイミングも微妙だし」

梓「難しいなあ」

純「ま、今時怪盗なんて、
 “犬も食わない”話題だったってことだよ」


 ……ふむ。


梓「さすが純ワン」

純「しまった今のは失言だった」



 【Mi-side】


 ‐二年一組教室‐


 いつもより早い時間に出たのに、
 教室はいつも以上に賑わっていた。
 文化祭特有の盛り上がりだろう。

 下駄箱に挟まっていた謎の紙は、
 さっさと教室のゴミ箱に捨ててしまう。
 どうせ悪戯だ。なんだよ怪盗レインボーって。

 しかし、意外と怪盗レインボーのことは
 朝の何気ない会話の肴としてはうってつけだったようで、
 いくらかの人がレインボーのことで談笑していた。

 新聞部の子は、特に嬉々として話している。
 レインボーへの期待も感じられた。

 きっと話題になって、
 新聞のネタになることを望んでいるのだろう。
 ただの悪戯に縋るほど、
 ネタが枯渇しているわけでもないだろうに。

 そんなことを思いながら、話し掛けてみると、


新聞部A「いえ。こういうアクシデントやサプライズこそ、
 私たちの最大のネタなんですから」

澪「本当だったら、何を書く予定だったんだ?」

新聞部A「各部員オススメの文化祭スポットぐらいですね。
 第一号、つまり今日の九時号だけは新聞部の紹介ですけど」


 オススメスポットの紹介。
 それは是非、軽音部のライブのことを
 書いて欲しいものだ。


新聞部A「因みに軽音部のことは私が十一時号に書きます」

澪「本当に!?」


 耳打ちで、彼女はそう教えてくれた。

 去年の活躍を彼女は見ていたそうで、
 絶対今年のネタにする予定があったのだとか。
 今年は、去年以上の盛り上がりが期待できそうだ。


澪「軽音部のこと、書いてくれてありがとう」

新聞部A「まだ書いてませんよ、十一時号ですよ。
 ……それに、あの方にはお世話になりましたし」


 あの方?一体、誰のことだろう。
 私には身に覚えが無い。


新聞部A「あ、そうだ。これをどうぞ」


 といって渡されたのは、新聞だった。


澪「これがさっき言ってた、新聞部の新聞?」

新聞部A「文化祭特別版の、九時号です。
 間違えて余分に持ってきてしまったので、あげます」


 では、といってその子は教室をあとにした。
 仕事が残っているそうだ。

 ……えっと、つまり、これはどういうこと?


 * * *


 数分悩んだすえ、
 貰った新聞は取っておくことにした。
 処分を委託されたのか、
 或いはプレゼントされたのか、
 それがわからないうちは無闇に捨てられない。

 因みに新聞部の新聞は、
 各階にある掲示板に掲示される。
 そして、この新聞によれば、
 個別に欲しければ部室でくれるようだ。

 この文化祭、一人で新聞を読みたい人がいるのか、
 それは甚だ謎ではあるが、まあ文化祭だ。
 何でもありなのだろう。

 あの子が言っていたように、
 九時号の新聞には部員紹介が主として載っていた。
 ご丁寧にクラスまで書かれている。

 二年生は二人だけ。あの子と、三組に一人。
 一年生は二組と三組に、それぞれ二人ずつもいた。

 後輩が四人もいるというのは、少し羨ましい。
 けれど私たちだって、
 十分すぎる後輩を仲間に加えた。

 ……天使だけれど。


澪(……天使がいるってことが、
 一番のアクシデントかつサプライズじゃないか?)


 新聞部が喜んで飛びつきそうな話題だ。
 私は梓を売るつもりなんて、無いけど。

 机に置かれた新聞と一人睨めっこしていた
 私の背後から声が聞こえた。


和「あら、澪じゃない」

澪「和か。おはよう」

和「おはよう」


 声の主は和だった。
 そういえば生徒会の役員たちは、
 朝早くから登校していると聞く。
 和もきっと多忙なのだろう。

 そんな和が机上の新聞に気付いた。


和「その新聞、どうしたの?」

澪「ああ、新聞部の子に押し付けられてね」


 私は溜め息を吐き、和にもそれを見せた。 
 和は興味深そうにそれを見たものの、
 ほんの数秒で視線を新聞から逸らした。
 流石に新聞部が可哀想だ。


澪「もう見ないのか?」

和「紹介に興味なんてないもの」


 うん、それはそうだな。
 数分前、そんなものを私は
 取っておくことにしたわけだけど。


和「そんなことより、今朝の悪戯の方が大変よ」


 すぐに検討がついた。
 あのレインボーを名乗る者のことだ。


和「朝早く学校に登校してまで
 あんな下らないことをするなんて流石に呆れるわ」

澪「ん。何か起こりそうではあるけどな」

和「そうかしら?」

澪「これだけ気合十分な怪盗がいるんだ」

和「ふふ、確かにね」


 和は手を口に当て、くすくす笑った。
 この悪戯を和は“下らない”と評していたが、
 実はどこかで非日常的なイベントが
 起きるのを期待しているのではないか。

 少し意外な微笑ではある。
 ただ、いつも真面目な和のことだ。
 束の間の休息を欲しているのかもしれない。

 私たちが引き続き雑談に花咲かせていると、
 教室のスピーカーから音が聞こえた。
 耳を傾けると、体育館へ全校生徒を招集するものだった。

 放送が終わって、教室の時計に目を移した私は驚いた。
 既に時間は文化祭開催の三十分前だった。


澪「いつの間に時間が経ってたんだ……?」

和「光陰矢のごとし、ということね。
 早く体育館に行きましょう」


 そう言って立ち上がった和に私も続いた。
 文化祭がついに、始まる。




 【Az-side】


 ‐体育館‐


 全校生徒が入った体育館はとても暑いです。
 まるで夏のよう。既に立秋は過ぎていますし、
 この暑さはきっと異常です。
 前に“地球温暖化”という言葉を聞きました。
 まさに私、体感しています。

 そういえば劇の準備の方ですが、
 なんとか終わった“ようです”。


憂「あっ、梓ちゃん。準備は終わっちゃったよ」


 体育館に先に入っていた憂に、
 そう言われてしまいました。

 つまり、私は準備に一参加できませんでした。
 理由はちゃんとあります。度重なる不幸でした。

 まず私は、教室内で右往左往する友人に
 “ちょっとそれ邪魔かな”と言われてしまいました。
 おかげで大切な大切なギター(命名、ギー太二号)を
 泣く泣く教室から音楽準備室へと運びました。


純「梓、ひどいじゃーん!置いていくなんてさー!」


 そして戻ってきたら、
 今度は純がトイレに連れ出しました。


梓「純ワンが遅いからでしょ」


 私はさっさと用を済ませたのにも関わらず、
 いくら待っても純は中々出て来ません。
 よって私は、先に教室に戻ることにしました。


純「純ワン言うなって言ってるでしょ!」

憂「でも純ちゃんしか帰ってこなかったよね?」


 そう。その戻る道中、
 私は知らない生徒に呼び止められました。
 澪先輩ファンクラブの会員でした。

 色々聞かれました。
 ……ここで紹介するのが憚られるようなことを。

 “澪先輩の×××は×××なのか”とか、
 天使から見ても、ちょっと女子高生らしくない質問から
 逃げ出すように私は走りだしました。


梓「大変だったんだよ……」


 前をあまり向いてなかったせいで、
 逃げた先で私は人にぶつかってしまいました。
 ともかく平謝りし、私はその場から離れようとしました。

 しかし、呼び止められました。
 私がぶつかった相手とは、曽我部恵生徒会長だったのです。

 ……あとは言いますまい。


純「ふーん、まあ疲れた顔はしてるけど」

憂「そうだね……。始まる前からそんなで、大丈夫?」

梓「ちょっと不安かな」


 主にライブが。澪先輩の身が。


憂「あっ、始まるよ!」


 舞台の方に目を向けると、
 誰かが文化祭の開催を宣言していました。
 よく見ると曽我部先輩でした。


憂「あれ、梓ちゃん顔色悪いよ?」



 【Yi-side】


 ‐二年二組教室‐


 ついに文化祭が開催されました。
 私は早速、

 “二年二組の特製パンケーキ!
  『愛』を込めた生地を『情熱』で焼き上げてます!”

 という、なんとも暑苦しいキャッチフレーズを
 掲げた看板を持ちました。
 これを持ちながら歩き回るのが、私の仕事です。


律「うん、我ながら良いキャッチフレーズだ」


 発案者はこの人です。


紬「唯ちゃん一人で大丈夫?」

唯「うん、平気だよ。文恵ちゃんも一緒に回ってくれるし」


 この二人は調理担当なので、
 広告担当の私と一緒には回ることが
 出来ません。

 ですが広告担当は午前と午後で二人ずついます。
 午前の部のもう一人が、文恵ちゃんなのです。


紬「そういえば文恵ちゃん、
 去年唯ちゃんと一緒に焼きそば焼いてなかった?」

唯「そうなんだよ!偶然また一緒なんだよね~」

律「あんま迷惑かけんなよ?」

唯「失礼だよ、りっちゃん!
 まるで私がいつも人に迷惑をかけてそうな言い方じゃん!」

律「実際そうじゃね?」



 ‐廊下‐


唯「……とか言ってね、みんな酷いんだよ!?」

文恵「へえー。唯って愛されてるね」


 そ、そんな結論に辿り着いちゃうの?

 私たち二人は例の看板を持ち、
 廊下を歩いていました。
 まだ生徒の姿しか見ませんが、
 あと少ししたら一般のお客さんも来るはずです。
 気合をいれなくては。

 因みに私と文恵ちゃんの看板は違う種類で、
 私のは例のりっちゃん考案の看板。
 一方、文恵ちゃんの看板はなんと書かれているかというと、


唯「……“パンケーキとは、宇宙である”」

文恵「深遠なる意味が込められている。って、信じたいね」


 絶対意味なんてない。
 適当言って、深みあるように思わせてるだけです。

 さて、駄弁るのもここまで。
 私たちには仕事があります。
 それはもう、重要な仕事です。

 そのために、まずは。


唯「なにか食べよう!」

文恵「唯ならそう言うと思ったよ。ということで」


 と言って、文恵ちゃんは文化祭パンフレットを取り出し、
 参加団体一覧のページを開きました。



 “■参加団体一覧
  ・一年一組:有名作の出会いが生んだ、奇跡の劇『ロミオとシンデレラ』!乞うご期待!
  ・一年二組:劇『憧れ少女は天使に出会う』。非日常体験をどうぞ!
  ・一年三組:殆どの人を恐怖に陥れるお化け屋敷『呪中八苦』を展開中。因みにダジャレです(笑)
  ・一年四組:焼きそば。ただしソースのみなので、塩は禁句。
  ・一年五組:お化け屋敷『血の館』。小道具まで気合入ってます。お化けも怖いぞ~。
  ・二年一組:食べ応え十分のホットドッグ。美人の売り子さんがキミに売ってくれるよ!
  ・二年二組:四種ものパンケーキを用意!パンケーキとは、宇宙である。
  ・二年三組:喫茶店『タッピィ』。だけど商品はオレンジジュースとタピオカのみ!原因はくじ引き!
  ・二年四組:自作映画『脱出ゲーム』を放送。圧倒的な結末。絶対見るべし。
  ・二年五組:劇『おかしな部長会議』。コミカルな部長さんたちが送る、笑いの二十分。もしかしたら三十分。
  ・三年一組:ファッションショーやります。参加者は当日募集!衣装はこちらが用意!
  ・三年二組:劇『Dancing girls』。女子高生が歌って踊って、見てるだけで楽しい気分になれるよ~!
  ・三年三組:演じる側も頭がこんがらがる!?脚本も頭痛に悩んだ奇劇、『奇天烈TAN』をどうぞ!
  ・三年四組:焼き鳥屋台『三四屋』開店中。ああ、私たちの女子力は何処へ……!
  ・三年五組:遥か遠くの地との交流が、世界を広げる。遠くって大阪だけど。普通のタコ焼き屋だけど。

  ・軽音楽部:講堂でライブ!奥様、実はこのライブを聴いた人はお肌ぴちぴちになるって噂ですわよ!?
  ・ジャズ研究部:演奏会。ライバルは軽音部。今年の講堂は、うちの方が盛り上げます!
  ・合唱部:三曲歌います。日々の努力の成果を見せます。
  ・吹奏楽部:みんなの知ってる曲メドレー。最後は皆で叫べ、テキーラ!
  ・茶道部:茶道室にて、お茶とお菓子。うちの自慢の着物美人が待ってます(笑)
  ・華道部:展示。心を落ち着かせたい方、どうぞいらしゃってください。
  ・文芸部:私たちが書いた作品やコラムをまとめた文集を販売。一冊三百円。
  ・園芸部:外の花壇にて公開!苦労を乗り越えた今年の私たちは違う!
  ・新聞部:文化祭新聞を各階の掲示板にて掲載。二時間ごとに更新。
  ・演劇部:劇『言葉の代わりに』。言葉の代わりに残されたソレについて、私たちは追求する!
  ・囲碁部:部員と正々堂々対局。挑戦者求む。
  ・オカルト研究会:エクトプラズムに関する考察。
  ・美術部:文化祭用に部全体で巨大な一枚絵を制作!私たちの汗の結晶です!
  ・マジック同好会:講堂でマジックショー。トランプマジックから脱出マジックまで幅広く。
  ・お笑い研究会:笑いで疲れを吹き飛ばせ!苦笑いだって怖くない!”


唯「どこに行こう?」

文恵「二年一組、ホットドッグなんてどうかな。
 食べ応えあるみたいだし、唯にぴったりじゃない?」

唯「そうしよっか」


 二年一組のホットドッグ。
 美人の売り子も自慢の一つのようです。

 ……もしかして、この美人の売り子というのは。


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最終更新:2013年03月16日 21:29