※憂梓
梓「……はぁ」
憂「どうしたの、梓ちゃん」
「ため息なんかついちゃって」
梓「……」
憂「梓ちゃん?」
梓「へっ!? あ、憂……」
「……もしかして、私に話しかけてた?」
憂「あ、うん」
梓「ごめん……聞いてなかった」
憂「そっか、良いよ。気にしないで?」
「梓ちゃん、ため息ついてるから、何か悩み事でもあるのかなーって思って」
梓「へ? いや、悩み事とか、別に……」
「……」
憂「……?」
憂「……あ、もしかして」
憂「お姉ちゃん?」
梓「えっ!? そ、そんなことない」
「別に唯先輩のことで、悩み事……なんか」
憂「やっぱり、お姉ちゃんのことだよね?」
梓「……ち、違う」
憂「本当に?」
梓「ただ……」
「ただ、唯先輩たちがいなくなったから、寂しいなって」
梓「……それだけ」
憂(やっぱり、お姉ちゃんの事だ)
梓「毎日毎日抱き着くだけ抱き着いておいてさ」
「……卒業したら、たまのメールだけだし」ブツブツ……
憂(梓ちゃん、考えてることが口から漏れてるよー)
梓「……残される私の事も、考えてほしいよ」
憂「……」
梓「って、今更何言ってるんだろうね」
「もう、先輩たちが卒業して結構経ってるのに」
梓「私ってば……気を入れ替えなきゃだよね」
「わかばガールズの活動もあるんだし」
憂(……梓ちゃん)
梓「よし、憂、部室に行こう?」
梓「純待たせたら、またお菓子要求されるかもしれないし」
憂「うん……そうだね」
「行こっか」
憂(私が、梓ちゃんのために出来る事って)
(何か、ないかな)
憂(う~……ん)
――――――――――――――下校時
梓「ふぅ」
「やっぱり先輩たちのいない部活は充実してるなー」
憂「そうかな?」
梓「……あの人達、文化祭前とか」
「イベントがある前にしか活動しないんだもん」
梓「……本当に、充実してる」
憂「……」
憂(……お姉ちゃんたちが卒業してからしばらくは)
(梓ちゃんも元気だったのにな)
憂(部活した後も、引きずっちゃってるってことは)
(今までため込んできたのが、溢れてきてるのかな)
憂(ここは)
憂(お姉ちゃんたちと同じくらい長く、梓ちゃんと一緒にいる私が支えなきゃだめなんだ、よね)
憂「ねえ、梓ちゃん」
梓「ん? 何?」
憂「今度のお休みさ、ウチに来ない?」
梓「え?」
憂「最近、ウチに来てなかったよね?」
梓「あ、まぁ……」
憂「遊ぶときはお出かけばっかりだし」
梓「……うん」
憂「だから、たまにはウチで遊ぶって言うのもいいかなーって」
「……どう?」
梓「……」
梓「……憂が」
梓「憂がそう言うなら、そうしよう……かな」
憂「うん! おいでおいで!」
「お昼ご飯も作ってあげるからさ」
憂「午前中からおいでよ」
梓「わかった、じゃあ詳しいことは前日に連絡する」
憂「うんっ!」
――――――――――――――――前日
憂(……明日は、梓ちゃんが来る日だ)
憂(何つくってあげようかな?)
憂(前にウチに泊りに来た時には、何をおいしそうに食べてたっけ?)
~♪
憂「あっ、梓ちゃんかな?」
梓<明日、十時半ごろに行くね>
憂「十時半かぁ」
憂(そうすると……六時くらいに起きて)
(軽くご飯の下ごしらえをしておけば良いかな)
憂(ふふ、少しでも元気になってくれたらいいなー)
―――――――――――――――――――――休みの日
憂「……~♪」
憂「よしっ」
憂(梓ちゃんが来る前に下ごしらえは終わった)
憂(掃除も軽く済ませておいたし)
憂(ばっちり、かな)
ピンポーン
憂「あっ、来た?」
憂「はーい」
梓「あ、おはよう、憂」
憂「おはよう! いらっしゃい、梓ちゃん」
「あがって?」
梓「うん、お邪魔します」
梓「……なんかもうすでに良いにおいがしてるんだけど」
憂「梓ちゃんが来る前にご飯の下ごしらえをしておいたんだ」
「お昼になったらすぐ作れるようにしておこうって思って」
梓「そうなんだ」
憂「あれ? 梓ちゃん、ギター持ってきたの?」
梓「……あっ」
梓「なんか、持ってきちゃったみたい」
憂(もしかして、お姉ちゃんと練習してた時の癖が出ちゃったのかな?)
梓「ねえ、憂」
「ギター玄関に置いといて良い?」
憂「……うん、良いよ?」
梓「ゴメン、ありがと」
梓「あ、あとさ」
「近くにシュークリームのお店ができたから、コレ」
憂「あっ! 手に持ってた箱ってシュークリームだったんだね」
梓「ご飯食べた後に、一緒に食べよ」
憂「うん!」
「梓ちゃんは、このシュークリームって食べたことある?」
梓「まだ、私も食べたことないんだ、だからイチゴのシュークリームとかも試しに買ってきた」
梓「一つづつしか入ってないからさ、半分こしない?」
憂「あっ、それいいかも!」
梓「じゃあ、そうしよ」
憂「わー、楽しみだな、シュークリーム」
梓「……」
憂「……ん? キョロキョロして、どうしたの?」
「あっ、床にまだ埃とかあった?」
梓「あ、うん、別に……」
「……むしろ、綺麗だなって思ってたよ」
憂「そっか、よかった」
―――――――――――――――――――――――
梓「でさ、そこで純がさ」
憂「えっ、そうなんだーっ」
梓「そうなんだよ、もう、それが面白くってさ」
~♪
梓「あっ、十二時だね」
憂「そろそろ、ご飯にする?」
梓「あ……うん、そうだね」
「私もちょっとお腹空いてきちゃった」
憂「じゃあ、ぱぱっと作ってきちゃうね!」
梓「うん、ありがと。 よろしく」
「憂のつくるご飯、久しぶりだから楽しみかも」
憂「えへへ、ご期待に添えられるといいけど」
憂「……♪」
憂(なんだか、今日の梓ちゃんはちょっと楽しそうにしてくれてる)
憂(嬉しいなー)
憂(最近はずっとため息ついてたから)
(少しだけでも笑顔を見せてくれると安心するよっ)
憂(よっし、あとはご飯を食べてもらえれば……)
憂(お姉ちゃんにも、“憂のご飯を食べると元気が出てくるよ”って言われてたもん)
憂(きっと、元気になってくれるよね!)
憂「できたっ!」
憂「梓ちゃーん、出来たよ!」
梓「……」
憂(ソファに寝転んでる、眠ってるのかな?)
「梓ちゃん?」
梓「あっ……出来た?」
憂(眠ってなかったみたい)
「うん、出来たよ?」
憂「運ぶの手伝ってくれる?」
梓「はーい」
梓「……お手伝いが必要ってトコでちょっと感づいてたけどさ」
「さすがに、量、多くない?」
憂「久しぶりに梓ちゃんが来るって言ったから、張り切っちゃいました」
梓「でも、私たち二人だし」
憂「……残ったら持って行って?」
梓「……そうさせてもらおうかな」
―――――――――――――――――――――
梓「ごちそうさまでした」
憂「お粗末さまでした! 結構減ったね?」
梓「うん、やっぱり憂のご飯はおいしかった」
「お腹いっぱいでも結構入っちゃう」
憂「よかった!」
「……でも、シュークリーム」
梓「あっ、しまった忘れてた……」
憂「……おやつとして食べよっか?」
梓「う、うん、そうしよう」
「別腹っていっても、さすがに今は入らない、かな」
憂「じゃあ、冷蔵庫にしまっておくね」
梓「お願いー」
梓「きっと、純なら一口でも食べてただろうね」
憂「そうかもね?」
梓「ダイエットするとか言ってたけど、やっぱり無理かな」
憂「そうかm……そ、それはどうかなー?」
梓「憂ってダイエット、したことあるの?」
憂「え? ……別に、したことないかな?」
「食べても太らなくてさ」
梓「……似てるね、やっぱり」
憂「え? 梓ちゃん、何か言った?」
梓「ううん、なんでもない」
憂「そう? ……梓ちゃんは、ダイエットしたことあるの?」
梓「私も、大したことはしてないかな」
「結構すぐ重くなったり軽くなったりするんだよね」
憂「そうなの?」
梓「うん、だからダイエットするまでもないかなって」
「……っていうか、ギター弾いてるとそれだけで汗とかかくし」
憂「音楽ってやっぱり、良い運動になってるよね」
梓「……そうかも」
憂「そう言えばさ、梓ちゃん」
憂「……?」
憂「梓ちゃん?」
梓「……すぅ」
憂「……」
憂「寝ちゃった?」
梓「……ん」
憂「……」
憂「ふふっ」
憂(梓ちゃんのために、毛布持ってきてあげよっと)
憂「……よいしょ」
「これで、冷えないかな?」
梓「すー……」
憂「ふふ、ご飯食べて、眠くなったのかな」ナデナデ
梓「……んんっ」
憂「……梓ちゃん、満足してくれたかな」
憂「……これで少しは、元気を出してくれるかな?」
梓「……」
憂「……私、梓ちゃんの事、支えられてるかな」
―――――――――――――――――――――
憂「……んっ」
憂「あぇ……あっ……」
憂「……私まで、寝ちゃってた……みたい」
憂「ふぁ……」
憂「梓ちゃんは……」
憂「……あれ?」
憂(梓ちゃんがいない)
憂(帰った……訳はないよね)
(お手洗いかな?)
憂「……梓ちゃーん?」
憂(……いないみたい)
憂(上かな……?)
憂「……」
憂(お姉ちゃんの部屋のドアがちょっとだけあいてる)
憂(……)ソロリ
梓「……」
憂(梓ちゃん、お姉ちゃんの部屋にいたんだ)
憂(……何してるんだろう)
梓「……」
梓「……先輩」
憂(ベッドによりかかってる……)
憂(……やっぱり、ちょっと、寂しそう)
憂(……)
憂「……あーずさちゃんっ」
梓「あっ……憂」
憂「何やってるのっ?」
梓「と、とくには何も……やってないけど」
「勝手に先輩の部屋入って、ゴメン」
憂「大丈夫だよ、気にしないで」
「いざとなったら憂が使っても良いからねって言ってたからさ」
梓「……そっか」
憂「……」
「やっぱり、お姉ちゃんがいないと、辛い?」
梓「……」
梓「そんなつもりは、なかったんだけどね」
梓「唯先輩が卒業した時はさ」
「一年くらい、頑張れる」
梓「一年頑張って、一緒の大学行けば……って思ってたんだけどさ」
梓「……何でかな」
梓「いつの間にか、何で一人で頑張らなきゃいけないのかなって思ったんだ」
梓「先輩たちは、四人で頑張ってたのに」
梓「……何で」
憂「……」
憂「梓ちゃん」
梓「……ん?」
憂「梓ちゃんは、一人じゃないよ」
憂「純ちゃんも、私もいるよ」
憂「それに、菫ちゃんも、直ちゃんも……」
憂「だからさ、一人で頑張らないで?」
梓「……」
憂「辛くなったら、私が支えるし……」
憂「……いつだって、手伝ってあげるから」
憂「だから、ね?」
梓「……」
「ありがと、憂」
憂「えへへ、これくらい当然だよ」
「……親友だもん」
憂「それにね、梓ちゃんが寂しくなったら」
憂「いつでも、ヘアゴムとってあげるよ」
梓「……へ? 何それ?」
憂「ほら、私ってさ、お姉ちゃんに似てるでしょ?」
憂「ヘアゴムとって、ヘアピンで留めれば」
憂「……」
憂「ほら、あっという間にお姉ちゃん!」
梓「……なっ……」
「う、憂! 唯先輩の真似したって、私は喜ばないからっ!」
憂「そんなこと言ってぇ」
「あずにゃーん?」ギュゥ
梓「ふぁう! ……ほぁ~」
「……ぉー」
憂「どう?」
梓「……なんか、ちょっと久しぶりの感覚」
憂「ね、良いでしょ?」
梓「……悪くないかも」
「でも、憂のほうがやっぱり胸は……大きいね」
憂「えっ!?」
梓「……んー」
憂「えへへ」
「いつでも言ってね、私がこうしてあげるよ」
梓「……言わないし」
憂「まぁまぁ、遠慮しない」
梓「……遠慮もしてない」
「あと、唯先輩に声と、しゃべり方似せるのやめてよ」
憂「嫌だった?」
梓「嫌じゃないけど……」
「唯先輩が二人いるみたいで……少し気持ち悪いから」
憂「ええっ!?」
梓「えへへ……」
梓「……ありがと、憂」
「ちょっと、元気出たよ」
憂「そっか! よかったぁ」
憂(これから、毎日ヘアピン持って行かなきゃ!)
梓「……ってか、もうこんな時間なんだ……」
憂「結構寝ちゃってたね」
梓「そろそろ帰ろうかな」
憂「そうだね、暗くなったら危いなから早めに帰らないと」
憂「って、あ!」
梓「どうしたの?」
憂「シュークリーム、食べてないよ」
梓「あっ! ……」
「……憂、食べていいよ」
憂「えっ、いいよ! 持って帰って?」
梓「いいの、お昼もごちそうになったし」
「食べたいときにまた買ってみるよ」
憂「でも……」
梓「いいから! 受け取って?」
憂「……うん、わかった」
「じゃあ、いただくね?」
憂「あ、あと、またご飯食べに来てね! いつでもご馳走するから!」
梓「うん……ありがと、でもさ」
「もうちょっと、オカズの数を減らしても大丈夫だからね……」
憂「そ、それは反省してます!」
梓「……っと」
「ギター持ったし」
憂「忘れ物ないよね?」
梓「うん、大丈夫」
梓「本当に、今日はありがと」
「……だいぶ、元気でたかも」
憂「うん! 寂しくなったらいつでも頼ってね?」
梓「ホントに、唯先輩の真似とか、しなくていいからね!」
憂「わかったよ! 学校の日はいつでも、ヘアピン持っていくから言ってね!」
梓「……憂」
憂「じょ、冗談だって!」
憂「……じゃ、またね?」
梓「うん、お邪魔しました」
ガチャンッ
「……あれ?」
梓「……へっ?」
憂「……え!?」
唯「……あずにゃん?」
梓「……せ、んぱい……?」
唯「――――っ!!」
「あずにゃぁ~~んっ!」
梓「わ、ちょ、せんぱ……くるし」
唯「なんであずにゃんがここにいるの!?」
梓「せ、せんぱ……」
憂「私が梓ちゃんを呼んだんだよ?」
唯「おぉ、そうだったんですかい…… 憂、ただいまー」
憂「お帰り、お姉ちゃん」
「……って、なんでお姉ちゃんがここに?」
唯「あぁ、ちょっと月曜日が大学お休みでして……」
「……りっちゃんと澪ちゃんはお出かけで、ムギちゃんも用事があるみたいだったから」
唯「憂のご飯食べよっかなーって思って、戻ってきてしまいました! フンス!」
憂「そ、そうだったんだ」
唯「そうなのです!」
梓「せ、先輩、ちょ、放してくださ……」
唯「……あっ、ごめんね、あずにゃん」
「久しぶりだったから、つい……思い切り抱き着いてしまいました」
梓「……っはぁ、はぁっ」
唯「大丈夫? あずにゃん」
梓「……はぁ」
「……大丈夫じゃありません」
唯「えっ!? そ、そんな……」
「いまのあずにゃんギューで、どこかを傷つけちゃった……!?」
梓「……今のどころじゃありません」
「先輩の、今までの、ギューが……どれほど……私を」
唯「えっ、あれっ、ちょ、あずにゃん……?」
憂「あ、えっと……」
「とにかく、二人とも一旦上がったら……?」
唯「そ、そうだね!」
――――――――――――――――――――
唯「……大丈夫? あずにゃん」
梓「す、すいません……取り乱してしまって」
「つい、先輩に会うのが久しぶりだったので」
梓「接し方を忘れてしまって、混乱してしまいました……」
唯「そ、そっか」
「……そうだよね、実際に会うのは何か月ぶりかだもんね」
唯「寂しい思いをさせてしまいましたなぁ~……」ナデナデ
梓「なっ! 別に寂しくなんか!」
唯「あずにゃぁん、よしよぉし……」
梓「ふにゃ……」
憂(梓ちゃん、嬉しそうだな)
憂(お姉ちゃんが来たら、あっという間に表情が豊かになっちゃった)
憂(……お姉ちゃん、本当に、すごいな)
憂「……ねえ、梓ちゃん、ちょっと提案なんだけど」
梓「ん?」
憂「どうせなら、今日、泊まって行ったら?」
梓「へっ!?」
唯「おぉ、それは良いね!」
梓「と、突然、そんな……」
憂「折角、お姉ちゃんが来たんだし」
「お姉ちゃんも、梓ちゃんが泊まったほうが嬉しいよね?」
唯「そりゃもちろんだよ~!」
「あずにゃんが泊まってくれたら、最高だな~」
梓「―――」
「わ、わかりました…… 親に連絡してみます」
唯「おぉ、流石あずにゃん、話が分かるねぇ~っ」
梓「なんですか、ソレ」
「……ちょ、ちょっと失礼します」
唯「ほいほい」
憂「はーい……」
梓「……」
梓「ありがとう、お母さん」
梓「……あ、それは……」
「うん、たぶん、大丈夫だから……」
梓「ありがと、はい、じゃあ……」
梓「オッケーみたいです!」
唯「おーっ! あずにゃんママもお話がお分かりになるようで……」
梓「だからなんですかそれ!」
憂「じゃあ、決まりだね!」
「夕ご飯は…… お昼の余りと、また別に何品か作ろうかな?」
唯「えー、何々? 二人ともお昼はおいしいものでも食べたんですかい?」
梓「あ、はい! 憂の料理をごちそうになりました」
唯「な、なんですとっ…… 私よりも先に憂のご飯を食べるとは……」
「……あずにゃん、反抗期なのっ……!?」
梓「なんでそうなるんですか!?」
唯「先輩に対しては優しい良い子だったのに……」
梓「……ふふっ」
「もう、勝手に話しててください」
唯「あぁん! あずにゃん、少しくらいノッてよぉ!」
唯「あ、そういえば!」
「あずにゃん、むったん持ってたね! 今日!」
梓「あ、はい……」
唯「……久しぶりに、どうですかな?」
梓「―――! セッションですか!」
唯「ふふふ、私もね、この数か月でますます上手になりました!」
「今じゃ、あずにゃんにテクニックを教える立場になってしまいました……よよ」
梓「……言ってくれますね、唯先輩」
「では、さっそくその腕前を見せてもらいますです!」
唯「ふふ、怖気づくなよ、子猫ちゃん」
梓「そっちこそ! 私だってだてに部活やってないですよ!?」
唯「ってなわけで、憂!」
「私たちはちょっと、女同士の戦いに赴いてまいりますゆえ……」
唯「……ご飯ができましたら、およびいただけますと嬉しいのですが」
憂「ふふっ、はいはい、わかったよ、おねえちゃん」
唯「ありがたき幸せ……」
梓「ありがと、憂」
憂「いえいえ!」
唯「それでは、いざ!」
梓「はいっ! 参りましょう!」
唯「あっ、あずにゃんもノッてきたね?」
梓「はっ…… ついペースに乗せられた……」
憂「……」
憂「えへへ、よかった、梓ちゃん」
憂「……あっという間に元気になっちゃった」
憂「……」
憂(ちょっと、悔しいな)
憂(……私じゃ、力不足だったかぁ)
憂「……へへ」
憂「……よしっ! 頑張ってご飯作るぞーっ!」
憂(私は、今出来る事を、精一杯やろう!)
憂(それで)
憂(それでいいんだよ、ね!)
(終わり)
最終更新:2013年06月05日 22:54