澪「なぁムギ、唯は画面上では自然に階段を降りているように見えるけど、
実際の唯は台の上で小股で上下に揺れながら、ゆっくり歩いているようにしか見えないんだ。
ほんとにこれで階段を降りている感じになるのか?」
紬「プレイしてる本人に聞いてみればいいのよ。(マイクボタンを押しながら)唯ちゃん、聞こえる?」
唯「あっ、ムギちゃん?聞こえるよ!」
律「うは、ディスプレイ上の唯がしゃべってて、まるでテレビの中継画面みたいだ」
唯「えっ?りっちゃん、私映ってるの?イエーイ!みんな見てるぅ?」
紬「唯ちゃん、今階段を降りてたところだったけど、どんな感じだった?」
唯「へ?普通に階段降りている感じだよ。どうしたの?」
律「唯、今お前はあの台の上で動いているだけなのに、階段を降りたことになっているんだぜ」
唯「あっ、そっかぁ。そう考えるとスゴイよね。自然自然。ほら、こんな感じで階段も登れるよ」
紬「さっきも話したけど、昨日私も少しやってみて、すごく自然に階段の上り下りができているから
ビックリしたのよ。澪ちゃんも、ちょっとやりたくなったでしょ?」
唯「澪ちゃんも後でやってみようよ。面白いよ!」
澪「う…うん。考えとく…」
律「唯、いいことを教えてやる。城の1階にあるツボの中を調べてみろ」
唯「ツボ?ねぇりっちゃん、ツボってあそこにあるツボのこと?」
律「そうだ。その中の一つにいい物が入っている」
唯「わかった。じゃあ手前のツボから調べてみるね」
ゆいはツボの中をのぞきこんだ。しかし何もみつからなかった。
唯「空っぽだ。真ん中のツボはどうかな?」
ゆいはツボの中をのぞきこんだ。しかし何もみつからなかった。
唯「こっちも空っぽ。じゃあ奥のツボにあるんだね」
ゆいはツボの中をのぞきこんだ。しかし何もみつからなかった。
唯「りっちゃーん、何も入ってなかったよー」
律「おかしいなぁ、確か手前のツボの中に薬草が…」
澪「律の勘違いじゃないのか」
紬「私が昨日プレイしたときには入っていたわよ。たぶん、『宝箱等のグレード設定』が
『3豊富』じゃなくって、『1質素』か『2そこそこ』のどちらかだと思うの」
澪「『1質素』と『3豊富』でどのくらい違うんだ?」
紬「マニュアルには『1質素』がオリジナルのFC版程度で、『3豊富』がSFC版程度って
書いてあるわ。『1質素』の場合、タンスやツボには何も入っていませんですって」
律「オリジナルのFC版程度ってことは、ひょっとしてステータスを上げる種もないってことか?」
紬「『1質素』ではステータスを上げる種は出現しませんって書いてあるわ。
とりあえず、今の設定を確認してみるわね。(ピッ、ピピピピッ)」
プレイヤーの名前:『ゆい』、性別:『女性』、プレイヤーの容姿:『装備品ごとのビジュアル変更』、
ローラ姫のビジュアル:『タイプB』、特定のアイテムの出現場所の変更:『ランダム』、
宝箱等のグレードの設定:『1質素』、出現モンスターのグレードの設定:『1標準』
紬「予想通り、『1質素』になってるみたいね」
唯「ねえねえ、結局どういうこと?」
澪「このプレイは、本来よりクリアが難しい設定になってるってことじゃないのか」
律「そういうことだ。プレイし慣れた私には、モンスターのグレードが『1標準』だからまだ簡単、
しかし初心者の唯には、宝箱等のグレードが『1質素』だから厳しいってことだ。
私もアドバイスするけど、この感じだと半分ぐらいしか効果がないような気がするな」
唯「そんなぁ…」
紬「大丈夫よ、唯ちゃん。あくまでもテストプレイが目的なんだから。クリアしなくったっていいのよ」
律「とりあえず、城から出て東にある町に行こう。そこで装備を買いそろえるんだ」
唯「りっちゃん、東ってどっち?」
紬「唯ちゃん、右上に方位を示すマークが浮かんでいるでしょ?それを目印にしてね」
唯「あっ、これかぁ!わかったー。じゃあお城を出て左だね。ありがとうムギちゃん!」
フィールド
唯「わっ!お城を出たとたん景色が変わったよ!BGMも変わった。後ろのお城も急に小さくなった。
目の前に海があって、その向こう側の島のガケの上にもお城がある。
あそこが竜王の城なのかなぁ。とりあえず町は左側にあるはず…あったあった。
結構近くにあるんだね」
…
澪「フィールドに出ると、城が急に縮小したな」
紬「リアルな大きさだと、マップの移動も大変だからじゃないかしら。町も同じ感じで縮小拡大するの」
律「こう見ると、マップもそこまで広く作ってないみたいだな。これなら楽勝そうだ」
澪「でも、全体が映ってる右のディスプレイの唯は、動きが遅いな」
紬「右の表示では一つのマスが5m四方みたいなの。だから、5m分進んだら一マス分移動する表示なのよ」
ラダトームの町
唯「わっ!町の目の前に来たら急に町が大きくなった!BGMも変わったね。とりあえず中に入ろう」
町人「ラダトームの町にようこそ」
唯「いやいや、どうもどうも…。装備だから武器屋さんを見つければ…あった!
あの剣と盾のマークのお店だね」
女性「いらっしゃいませ。中に進んでカウンターごしに話しかけてくださいな」
唯「はーい。あのー…」
武器屋「ここは武器と防具の店だ。どんな用だね?」
唯「武器と防具を買いに来たんですけど」
武器屋「(店の後ろに飾ってあるものを指して)どれにするかね?」
唯「竹ざお10G、こん棒が60G、銅の剣が180G、布の服が20G、革の服が70G、
革の盾が90G…うーん、どれを買えばいいかなぁ?あのー、オススメってありますか?」
武器屋「ちょっとよく聞こえなかったな。何を買うかね?」
唯「ちぇっ、質問には答えてくれないんだ。えーっと、どうしよう…」
唯「あれ?アイテムを指さしたらコマンドが出てきた。竹ざおで攻撃力が7→9、こん棒で7→11、
銅の剣で7→17!銅の剣が一番強いね。すいません、これ(銅の剣)ください!」
武器屋「銅の剣だな。しかし、こいつを買うにはお金が足りないようだぞ。
他にも何か用はあるかね」
唯「120Gしかお金なかったんだった。これは買えないや。でも…これが良いなぁ…」
…
律「120Gしか所持金がないのに、唯は何をやっているんだ…」
紬「まぁまぁ、唯ちゃんもⅠは初挑戦なんだし、いろいろ試行錯誤するのもいいんじゃないかしら」
澪「なぁ律、この場合竹ざお10Gと布の服20Gと革の盾90Gで、ちょうど120Gになるけど、
この選択がベストなんじゃないのか?攻撃力は+2しかならないけど、守備力が+6になって
今の唯なら攻撃力9、守備力8でバランスもいいと思うんだけど」
律「チッチッ、甘いな澪。もっと良い選択があるんだよ」
唯「うーん、こん棒と革の服…だったらお金が足らないし、竹ざおと革の服…こん棒と布の服…。
もしもし、りっちゃん隊長!応答願います、ドーゾ!」
律「おっ、唯から呼び出しだ。こちら律、唯隊員、どうかしましたかドーゾ!」
唯「結局、何を始めに買えばいいの?」
律「これは人によってやり方が違うんだけどな。私のやり方では、武器屋でこん棒だけを買うんだ。
その後、道具屋で竜のうろこを買って装備するんだ」
唯「防具は買わなくていいの?」
律「竜のうろこが防具の替わりになるからな。次の防具はお金が貯まってからでいい。
それと、次に買う場合は革の盾が先だぜ」
唯「わかった。そうしてみるよ。ありがとうございます、りっちゃん隊長!」
澪「律、防具がなくても本当に大丈夫なのか?」
律「竜のうろこは20Gで買える道具なんだけど、守備力が+5もあるんだ。これを装備すれば十分。
弱っちい防具よりもはるかにお得だぜ。それに、はじめはラダトーム城周辺のスライム退治で
経験値を稼ぐんだけど、こん棒ならレベル1でも一撃でスライムを倒せるからな。
スライムの攻撃も強くないから、竜のうろこだけで問題ないんだ」
澪「なるほど、攻撃は最大の防御っていうわけだ」
紬「さすがりっちゃん、手慣れてるのね」
律「まぁ、私の手にかかればドラクエなんて余裕余裕!」
唯「こん棒をください!」
武器屋「こん棒だな。さっそく装備するかい?」
唯「はい!」
武器屋「せっかく買ったんだから装備しなきゃなっ!」
ゆいはこん棒を装備させてもらった。
唯「おおっ、右手にこん棒が出てきた!なんかずっしりと重いや」
武器屋「他にも何か用はあるかね?」
唯「もういいです。ありがとうございましたー」
武器屋「また来てくれよ!」
唯「えーっと、次は道具屋さんっと。…どこにあるのかなぁ。あっちの大きな建物かな?」
…
澪「唯のグラフィックの右腕に、こん棒がでてきたな」
紬「武器・防具を身に付けると、それに応じてグラフィックが変わるのよ」
律「そういえばFCの初代ドラクエⅠも、武器や盾を手に入れるまで、
主人公のグラフィックには剣や盾が表示されなかったはずだよな」
紬「さすがりっちゃん、よく知ってるわね」
宿屋「旅人の宿屋へようこそ。ひと晩3ゴールドですが、お泊りになりますか?」
唯「あれ?ここじゃなかったんだね。ゴメンナサイ、間違えました…」
宿屋「さようなら旅の人。あまり無理をなさいませぬように…」
唯「宿屋さんの中にも一応入れるんだね。この扉は…鍵がかかってるよ。
こっちの部屋ではお爺ちゃんが寝ているし。あれっ?あの奥のカウンターは…」
預かり所「ここは、お金と持ち物の預かり所です。どんなご用でしょうか?」
唯「お店じゃなかったんだ。すいません、用はありませんでしたぁ」
唯「道具屋さんはどこだろう?あの二つの部屋がある建物かな?とりあえず入ってみよう。
すいませーん」
男「あなた、知ってますか?」
唯「え?な、何のこと?」
男「ウワサでは、どこかに魔法の鍵を売っている店があるらしいですよ」
唯「魔法の鍵って、さっき王様の部屋を出るときに使った鍵のことだよね。
ドラクエⅠって鍵を売ってるんだね。さっき1回使ったらなくなったから、使い捨てなのかな?
とりあえず覚えておこう。隣の部屋はなんだろう?」
老人「わしは呪いをとく魔法を研究しておる。もしそなたが呪われたなら、ここに来るがよい。
きっと力になってやるぞ」
唯「へー、教会みたいな感じなのかぁ。ねぇお爺さん、それってタダでやってくれるの?」
老人「わしは呪いをとく魔法を研究しておる。もし…」
唯「ダメだ、同じことしか話さないや」
唯「じゃあ、この後ろの建物かな?…あれれ?ここも扉に鍵がかかってる。
鍵はもう使っちゃってなくなってるから入れないし。ここじゃないのかな?」
律「おーい!唯、聞こえるかー?」
唯「あっ、りっちゃん?ねぇりっちゃん、道具屋さんってどこ?」
律「南側の橋がかかってる島にある建物だよ」
唯「了解!ありがとう!」
…
律「まったく、唯のプレイを見ているとイライラしてくるなぁ。もっとサクサクと進めればいいのに」
澪「律、いろいろ言いたくなる気持ちはわからないでもないが、さっきムギも言ってたけど、
これはテストプレイなんだ。初プレイの試行錯誤の様子から、
貴重な意見が出るかもしれないだろ。初心者の意見も重要じゃないか」
紬「唯ちゃんのプレイから、私もいろいろ気づきが出ているから、結構助かるわよ。
唯ちゃん自身も、迷いながらも結構楽しんでいるみたいだしね。
りっちゃんは、唯ちゃんが必要そうな時にアドバイスをしてあげたらいいんじゃないかしら」
律「そうすることにしようか。でも、私の番になったらサクサク進めてやるんだからな」
入口の商人「これはいらっしゃいませ!どうぞ中へお入りください」
唯「外から見たら、中が真っ暗だよ。こんな怪しい感じのところが道具屋さんなの?
あっ!中に入ったら急に明るくなった!」
道具屋「いらっしゃいませ!ここは道具屋です。どんなご用でしょう?」
唯「竜のうろこってありますか?」
道具屋「(後ろに飾ってある道具を指しながら)お買い上げですね。どれにいたしましょう?」
唯「商品名を言っても、すぐに購入にはならないんだ…すいません、あれ(竜のうろこ)をください」
道具屋「竜のうろこですね。かしこまりました。はいどうぞ、ゆいさん。
他にも何かご用は?」
唯「ないでーす」
道具屋「ありがとうございました!今後ともごひいきに!」
澪「お店で、買う目的のものがはじめから決まっている場合は、○○くださいと言ったら、
セリフがショートカットできるようになるといいな」
紬「そうね。でも、値段がわからずに買っちゃうケースになるかもしれないから、
そこは設定に工夫が必要かしらね」
律「おーい唯、聞こえるかー?」
唯「あっ、りっちゃん?竜のうろこ買ったよー」
律「必要なものも買えたんだし、さっさと進めようぜ!まずは町の外に出て、
しばらくは城の周りでスライムやスライムベスを倒して経験値を積むんだ。
レベルアップさせないとな。おっと、外に出る前に竜のうろこを装備しておけよ」
唯「了解!」
唯は竜のうろこを身につけた。
フィールド
唯「町の北に林や山地があるんだね。その奥に高い岩山が見えるよ。
とりあえず林の中に入ってみよう。…ふーん、林っていってもちゃんと通り道があるんだね。
木がいっぱい生えててあんまり見渡せないから、今自分がどこにいるか全然わからないや。
とりあえず先に進んでみよっと。…うわっ!目の前が光った!」
スライムがあらわれた!コマンド?
唯「スライムはドラクエのおなじみキャラだよね。なんかカワイイ!
えーっと、ここで戦えばいいんだよね。このこん棒で叩けばいいのかな?えい!」
ゆいのこうげき!
ポコン!
スライムに5ポイントのダメージ!!
スライムを倒した!
スライムをやっつけた。
1ポイントの経験値をかくとく!2ゴールドを手に入れた!
唯「へーっ。倒したらモンスターが薄くなって消えるんだぁ」
澪「スライムが攻撃を受けた時に、スライムの目が『×』になってるな。ちょっとカワイイな」
紬「ほとんどのモンスターも、そういう設定になっているのよ」
澪「林のフィールドも、結構リアルに作ってあるんだな。いかにもモンスターが出そうな感じだし」
律「モンスターとのエンカウントはこんな感じなのか。普通のランダムエンカウントだな。
これがシンボルエンカウントだと、モンスターを発見しやすくなって、
逃げやすくもなるんじゃないのか」
紬「シンボルエンカウントね。確かにその方がリアルな感じよね。モンスターを区別して
戦うこともできるわね。でも、そうしたらどうしても走って逃げようとしちゃうじゃない。
プレイベースでは、走ることにはまだついていけないの」
澪「うーん、あっちが立てばこっちは立たずか」
唯「林を抜けたら、山みたいな、丘みたいな、でもって何にもないところに出ちゃった。
山地って近くで見るとこんな感じなんだね。とりあえず登ってみよ…って、わっ!また光った!」
スライムベスがあらわれた!コマンド?
唯「さっきと違う赤っぽい色のスライムだ。とりあえず戦おう。えいっ…て、うわっ!」
スライムベスのこうげき!
バシン!
ゆいは1ポイントのダメージをうけた!
唯「痛~い!先に体当たりして来たよ。ちょっと痛かったね。でも大丈夫!
よーし、お返しだぁ!」
ゆいのこうげき!
ポコン!
スライムベスに4ポイントのダメージ!!
スライムベスを倒した!
スライムベスをやっつけた!
2ポイントの経験値をかくとく!4ゴールドを手に入れた!
澪「なぁムギ、唯が今『痛っ!』って叫んだみたいだけど…これって痛いゲームなのか?
ダメージまで体感できるようになっているのか?」
紬「そうなの。マニュアルには、ダメージを受けると脳や脊髄へ微弱電気が走りますって書いてあるの。
ゴーグル付きヘッドホンから、特殊な微弱電流が神経を通じて脊髄・脳まで届いて、
脳が体に痛みを受けたと錯覚するようにできているみたいなの。痛みといっても、
何かが当たったような鈍い痛みだから、心配するほどの痛みにはならないわよ。
痛みの強さは、最大HPに対する受けたダメージの割合で大きくなるみたい」
律「へーっ。じゃあ、例えば最大HPが30で15ポイントのダメージなら、
どのくらいの痛みがくるんだ?」
紬「昨日の私のテストプレイでは、操作確認がメインだったからそんなに長くプレイしていないし、
痛みの度合いまではよくわからないんだけど、ゲームだから激痛ってことはないと思うわ。
他にも、炎攻撃のときに熱の感覚も体感できるの。ビックリするわよ」
澪「でも…痛い話はやめてくれぇ…ガクガク」
最終更新:2013年04月07日 00:46