紬「ふっふっふーん」
梓(今日はムギ先輩の下宿にお泊りです)
梓(特にやることもなかったので、私の持ってきたゲームを交互にプレイしてます)
梓(そのゲームとは――)
紬「梓ちゃん、見て! 見て!!」
梓「いいの出ましたか?」
紬「ええ、lv4炎の魔道板が出たわ~」
梓「・・・! アマティですか!! これで太陽風無双できます」
紬「誰に持たせましょう?」
梓「そうですね…順当にレベッカでいいんじゃないでしょうか」
紬「ふふっ、これでお母さんが大幅パワーアップね!」
梓「ちょっと休憩しませんか。ずっとゲームやりっぱなしですし」
紬「そうね。お茶をいれてあげるわ」
梓「あっ、あのっ」
紬「・・・?」
梓「・・・私にいれさせてもらえませんか?」
紬「梓ちゃんがお茶をいれてくるの?」
梓「はい。実はお茶の入れ方を菫に習ってるんです」
紬「えっ、菫が梓ちゃんに教えてるの?」
梓「はい。後輩たちともっと仲良くなりたくて・・・」
紬「それは素敵ね! では、梓ちゃん。お願いするわ」
====
梓「おまたせしました」
紬「いただきます♪」コクッコクッ
梓「・・・どうでしょうか?」
紬「うん! とっても美味しい♪」
梓「やった!」グッ
紬「ふふ、これからは交互に紅茶をいれましょうか」
梓「・・・」
紬「梓ちゃん?」
梓「私、ムギ先輩に紅茶をいれてもらうの、好きです」
紬「それなら時々お願いしようかしら」
梓「はいっ!」
紬「それにしてもこのゲーム面白いわ。あんりみてっど・さがだっけ」
梓「通称アンサガです。世間ではフリスビー扱いされてますけど」
紬「フリスビー?」
梓「このゲームすっごく評判が悪いんです」
紬「そうなの!?」
梓「はい・・・ゲームとしてはまともに遊べないからディスクをフリスビーに・・・」
紬「こんなに面白いのに・・・」
梓「カラスよけなんて言われることもあります」
紬「カラスさんにも面白さがわからないのかしら?」
梓「さぁ?」
紬「梓ちゃんはこのゲーム好き?」
梓「はい。大好きです」
紬「私達お仲間ね!」ギュッ
梓「は、はぃ//」
紬「うふふ」
梓「アンサガは特にBGMがいいと思います」
紬「うんうん」
梓「PS2のゲームとしては屈指の出来かと」
紬「そうねー。特に戦闘曲がいいわ」
梓「はい。それにゲームシステムも好きです。ローグ系とRPGを融合させたみたいで」
紬「ローグ系?」
梓「ちょこぼの不思議のダンジョンを一緒にやりましたよね?」
紬「黄色いとりさんのやつね!」
梓「はい。ローグ系とはあんな感じのゲームのことです」
紬「わかったようなわからないような・・・」
梓「ターン制でダンジョンを探索していくゲームとでも言うんでしょうか。これもそうですよね」
紬「アンサガも全ての行動でターンを消費するわね」
梓「はい。移動や罠解除などもターンを消費する。
戦闘もターンを消費する。つまりローグ系がベースになってると思うんです」
紬「そうなんだ?」
梓「ローグ系の上にサガシリーズの成長システムなどをのっけたのがアンサガだと思ってます。
ワイルドカードベースだと主張する人もいますが、スキルの回数制限もないですしカードゲームの特性は限りなく薄いと・・・」
紬「サガシリーズ? ワイルドカード?」
梓「ごめんなさい。
一度にいろいろ話し過ぎました。
説明するよりプレイしてもらったほうが早いので、今度もってきます」
紬「はーい」
梓「システムがわかりにくいのはローグ系ベースだと考えれば許容できる面もあると思うんです
elonaだって、重要登録したものを外せなくて苦労する人がたくさん・・・」
紬「elona?」
梓「ローグ系人気フリーゲームのことです。
・・・まぁ評判が悪いのも理解できなくはないんですが」
紬「そうなの?」
梓「最初説明不足なのはまぁいいとしても、
トラップ外しの目押しが面倒です。
閃いた技もリールで当てないと使えないですから。
従来のサガファンからしたらストレスがたまる仕様ではあると思います」
紬「リール面白いのに・・・」
梓「ムギ先輩は楽しそうに目押ししますね」
紬「回転を見切るのは楽しいから」
梓「ふふふ、だからムギ先輩とこのゲームをやるのは好きです」
紬「そう? なら良かったわ」ニコッ
梓「あと、このゲームはグラフィックもいいと思います」
紬「そうね。素敵な絵だと思うわ」
梓「従来のサガシリーズの正統進化として・・・ロココ調を表現できているかと」
紬「ロココ調?」
梓「こういう絵をロココ調っていいませんか?」
紬「たぶんアール・ヌーヴォーだと思うわ」
梓「そうなんですか?」
紬「ええ、確か・・・」
梓「雄大で、格調高く、躍動感もある。素敵な絵だと思います」
紬「ええ、壮大でいて幻想的で、だけどどこか現実と繋がっているような。そういえば・・・」
梓「どうしました?」
紬「ちょうどアール・ヌーヴォーの絵画が森アーツセンターギャラリーに来てたはずだわ」
梓「森アーツセンターギャラリー?」
紬「森ビルに入ってる美術品展示スペースのことよ」
梓「ということは六本木ヒルズですか」
紬「・・・そうだ! ね、どうかしら、明日でも行ってみない」
梓「そうですね・・・予定もないですし」
紬「ふふっ、じゃあ今日はもう寝なくちゃ」
梓「はいです」
==消灯!==
梓(電気を消した後)
梓(私が布団に潜り込むと、ムギ先輩は体をこっちに寄せてくれました)
梓(私がぎゅっと抱きしめると「仕方ない子」と言って優しく抱きしめてくれました)
梓(ムギ先輩のやさしい匂いにつつまれて、私たちはすぐに眠りに落ちました)
==翌日!==
紬「六本木ヒルズに二人で来たのははじめてね」
梓「スカイツリーなら二人で行きましたね」
紬「二人で見た景色は絶対に忘れられないわね・・・。あのとき梓ちゃんったら・・・」
梓「そ、それは言わないでください//」
紬「ふふっ。チケットはもう買ったから、エレベーターに乗りましょう」
梓「どこに行くんですか?」
紬「ここの52階に展示会場があるの」
梓「詳しいですね」
紬「以前にも来たから」
梓「・・・」
紬「梓ちゃん?」
梓「・・・誰とですか?」
紬「澪ちゃんよ」
梓「ホッ・・・それならいいです」
紬「浮気なんてしないから」
梓「ムギ先輩綺麗ですし・・・」
紬「私には梓ちゃんだけなんだから」
梓「ムギ先輩・・・//」
紬「梓ちゃん・・・//」
チーン♪
梓「エレベーターが来ちゃいましたね」
紬「・・・うん」
==52階==
紬「耳がおかしくなっちゃった」
梓「一気に高さが変わりましたから、気圧差ですね」
紬「・・・・・・治ったみたい」
梓「それじゃあさっそく見に行きましょう」
紬「うん!」
==美術館入り口==
梓「音声案内の貸出やってますね」
紬「桝太一って書いてあるわ」
梓「ニュース番組でお馴染みの人ですか」
紬「美術業界も集客のために色々やってるのね」
梓「そうみたいです」
====
紬「梓ちゃん、これ、これ」
梓「これは・・・確かにアンサガっぽいです」
紬「装飾がゴテゴテしてて文字も書いてあって・・・そのままタロットカードとして使えそう」
梓「人物もとても素敵です」
紬「纏っている服も風雅で独創的で、それでいて華麗だわ」
梓「これは・・・リトグラフ?」
紬「石版印刷のことね」
梓「石版印刷って・・・岩に掘ってスタンプみたいに?」
紬「こんなに精密で綺麗な線を描けるなんて凄いわ―」
梓「ですね」
紬「この絵は何かのポスターなのかしら」
梓「そうみたいです。こっちに色々書いてありますよ」
====
紬「次は・・・梓ちゃん。これ見て」
梓「これも素敵な絵ですね。この4枚は
シリーズなんでしょうか」
紬「タイトルがそれぞれ春、夏、秋、冬だから、さしずめ四季シリーズってところかしら」
梓「・・・すごい完成度です」
紬「ええ、それにしてもなんていえばいいのかしら。
・・・ミュシャさんの絵は欲しくなる絵ね」
梓「そうですね。ゴッホやピカソは凄いですが、あまり欲しいとは思いません。
でも、この人の絵を見てると欲しくなっちゃいます」
紬「この絵の栞とか図書カードとかあったら素敵だと思うわ」
梓「はがきに使ったら送った相手に喜んでも貰えそうです」
紬「そうねぇ」
梓「あっ、もうちょっと四季シリーズ見てもいいですか」
紬「気に入ったんだ?」
梓「はい。なんていうか、凄い絵だと思うんです。このポーズとかも」
紬「立ち方も印象的ねぇ、自然というよりちょっと気取ってる感じ。モデルさんみたい」
梓「私はジョジョ立ちを思い出しました」
紬「・・・」ビシッ
梓「無言でジョジョ立ちするのはやめてください!」
紬「・・・」シュン
梓「・・・そろそろ行きましょうか」
紬「もういいの?」
梓「ずっと見てても私のものにはなりませんし」
紬「後からおみやげコーナーを見に行こっか」
梓「でも美術館のおみやげって高いんですよね・・・」
紬「うふふっ、デートの記念だから1個だけなら買ってあげる。最近シフトも増やしたんだから!」
梓「それは遠慮しておきます」
紬「いいのに・・・」
梓「駄目です。金銭的な面でムギ先輩に頼りたくありませんから」
紬「そう?」
梓「はい。でもどうしてもって言うなら・・・貯金しておいてください」
紬「貯金?」
梓「はい・・・」ゴニョゴニョ
紬「なぁに・・・・・・・・・///」プシュー
梓「///」
紬「///」
梓「///」
====
紬「はぁはぁ・・・」
梓「はぁはぁ・・・」
紬「まわりの人から変な目で見られちゃったね」
梓「はい」
紬「ディズニーシー・・・//」ポーッ
梓「そ、それ以上は言わないでください//」
紬「・・・うん//」
梓「次の絵に進みましょう//」
紬「ええ//」
====
梓「これも四枚組・・・四芸術ですか」
紬「四季シリーズに負けず劣らず素敵な絵ね」
梓「・・・」ボー
紬「梓ちゃん…?」
梓「は、はにゃっ//」
紬「どうしたの? 赤くなってたみたいだけど・・・」
梓「な、なんでもないです」
紬「・・・あっ、そういうこと」
梓「ご、ごめんなさい」
紬「謝らなくてもいいのよ。この絵、妙にエッチだから・・・」
梓「ムギ先輩もそう思いますか?」
紬「ええ、右の二つなんて完全に、その・・・乳首が見えてるから・・・」
梓「…はい」
紬「当時はこんなファッションがあったのかしら?」
梓「な、ないと思いますけど・・・っう~~~~~っ////」
紬「・・・? また真っ赤に?」
梓「この服を着てるムギ先輩を想像しちゃって・・・」
紬「・・・っ//」
梓「ごめんなさいっ!」
紬「い、いいからっ!」
最終更新:2013年04月14日 21:51