『今日明日にかけて日本列島全域に巨大台風が上陸し~~~』

律「・・・まじかよ・・・どうりで今日風が強いわけだ・・・」

『いやー、すごい大きな台風ですね!』

律「日本ジャストすぎだろ・・・これ・・・」

『はい・・・各地で土砂崩れや強風、前代未聞の降水量に対して厳重な警戒が必要ですね』

律「うわ・・ななめってる・・・木おれるんじゃないのか・・・風つよすぎ・・・」

『みなさん!興味本位で川に近づかないでくださいね!!』

『それでは一旦、CMです。CMの後は!』 

律「・・・川ねぇ」

『これをつかえば明日から!!』

律「・・・」スクッ

『ぽぽぽぽー

      ――プチッ

律「・・・よし」

律「行こう!!」シャキーン


♢♢♢

―中野宅―

梓「今日も1人かぁ・・・」

がたがたがたたたたっ!!

梓「!?」ビクッ

梓「・・・台風来てるんだっけ」

がたがたがたがた

梓「憂が今日言ってたけど、風、相当強いんだなぁ」

梓「べ、べつに怖くなんかないんだから・・・!!」

梓「お父さんとお母さん、大丈夫かなぁ?」

梓「・・・」

がたたたがたがたがたっ!!

梓「・・・テレビつけよ」ピッ

『昨日の午後8時ごろ西日本に上陸した大型台風は北上を続けており~~』

梓「え・・・?こんなに大きいの??今回の台風って・・・」

梓「日本すっぽりじゃん・・・なにこれ・・・」

梓「・・・うわ~~山が崩れてる・・・こわいなぁ・・・」

『ここでCMです』

梓「こういうときって、地元のニュースとか見たほうがいいのかな?」

梓「チャンネル変えてみよう」ピッ

『私はいま、○○川に来ています!!』ザパパパパパ

梓「これこの街の川だよね・・・近くないからあんま行ったことないけど」

梓「うわ・・・風で服とか傘がすごいことになってる・・・」

『あ、あちら―ガガッー、う、うわ!?す、すごい!?風に身体が押されます!?押されます!?』

梓「あぁ!・・・あ、危ないなぁ。もう」

梓「危ないんだからわざわざレポートしに行かなくていいのに・・・」

『川は大雨で増水して水嵩をまし、ものすごい勢いで流れています!!』

梓「うわー、ほんとだ!!いつもはきれいなのにものすごくにごってるよ!!」ウワー

梓「・・・ん?」

『こっ、こここここのようにぃいい、増水した川に近づくことは、大変危険です!』

梓「このレポーターさんのずっと向こう側に・・・人だ、人がいる」

梓「なにしてるんだろう・・・この人、・・・1人で・・・」

梓「もしかして、こんな雨の中、川の様子を見に来てるとか・・・?」

梓「根っからのバカ?」

梓「まさかね。スタッフの人だよね」

『きょ、きょきょ、興味本位で川に近づいたりせずに、台風通過中には家や建物の中に非難していてください!!』

梓「んー・・・見たところ、かっぱも着ないで傘1本だけでこんな天気の中・・・・川の様子を・・・?」

『―ガガッ――あぁ!?ま、またとてつもなく強いか―、風が――!?』

梓「傘、役になってないんだろうなぁ・・・びしょぬれだよ・・・きっと」

『あぁあああ―――か、傘が――つぅおわっ!か、かぜぇうっ――っ!!?』

梓「あ、向こう側の人、傘とんでった」

梓「この人この後どうするんだろうっていうか、この人どっかで・・・」

『~~さんありがとうございましたー』

梓「・・・あ、スタジオもどっちゃった」

『いやー、みなさん、今回の台風は速度が非常にゆっくりということで』

梓「どっかで見たことあるんだけどなぁ・・・」ウーン

梓「まぁ、こんな天気の日に川の様子見に行く人なんて私の知り合いにいないか!!」

梓「あ、もうこんな時間だ。ごはんたべよ~。お母さん、今日はなに作ってくれてるんだろう」スクッ

梓「むぅ~。グリンピースは入れないでっていったのに・・・お母さんのばかぁ」ブスッ

梓「まぁ、・・・よければいいか」カチャカチャカチャ

がたがたがったたた

梓「うわっ!?」ビクッ

梓「あはは・・・風つよいなぁ・・・」

がたたたたたた

梓「・・・音楽聴きながら食べよう」

ピッ

♪~

梓「どうせ私しかいないんだし、風もうるさいから大音量で聞いちゃえ!!」

♪♪♪♪~

梓「おお!!これはすばらしい!!弦とピックがこすれる音すら聴こえてきそうだよ!!」

梓「それじゃ、いったっだきまー」

ピンポーン

梓「ま―・・・?」

ピンポーン

梓「え・・・?」

ピンポーン

梓「だ、誰だろう・・・こんな天気悪い日に・・・」

梓「・・・いつもみたいに新聞の勧誘とかではない・・・よね?」

ピンポーン

梓「・・・」

梓「まぁ、そのうち帰るでしょ。居留守使っちゃお。電気ついたままだけど・・・」

梓「っていうか、こんなに音楽大きな音で聴いてるのに玄関のチャイム聞こえるんだ・・・」

梓「私の家すごい・・・」

ピンポーン

梓「・・・ま、まだ去らない・・・」

梓「玄関・・・こっそり行ってみよう」ソーット

―玄関―

し~ん

梓「あ、やっといなくなったか・・・な?」

どんどんどん!

梓「ひっ”!?」ビクッ

どんどんどん!!

梓「な、なに!?玄関たたき出した!?」

どんどんどん!!

梓「こ、怖いっ!?」

「オーイアズサー!!イルンダロー?アケテクレヨォー!!」

どんどんどん!!

梓「えっ・・・こ、この声は・・・!!」

「オイッテバァーデンキツイテルダロォー!イルスツカッテンナヨォー!?」

どんどんどん!!

梓「な、なんという非常識・・・!!知り合いじゃなかったら通報してるよ、これっ!!!」

「ハックッシュ!!」

梓「あ・・・」

しーん

梓「・・・」

梓「・・・」

梓「・・・いなくなった?」スタスタスタ

「アズサー、タノムアケテーハッックッシュ!!」

梓「・・・もう。今あけますから待っててください」スタスタ

「ギャァアアアナンカ風ツヨクナッタンダケド!?カゼツェエエエエエーーー!!ハヤクゥウウウウーーー」

ガチャガチャ

ぎぃぃ

梓「うわっ!?ほ、本当に風が強い!?玄関の戸が重い・・・!」

びゅううううううう

「だぁああーそんな感想はいいからさっさといれろぉー!!」ダッ

梓「ちょ!?か、勝手に入ってこないでくださいよ!?」

梓「あーーーー!?というか、その格好!!さっき傘飛ばされてたバカな人!!」

「んあ、格好?てか、誰がバカだ。何言ってるのかよくわからないけど早く入れてくれっ!?」グッ

梓「あわわわっ!?ちょっと、強引に押さないでくださいよ、危ないです!」

バタンっ!!

梓「」ゼェハーゼェハー

「」ゼェハーゼェハー

梓「短時間でこんなに疲れるなんて・・・」

「あ、梓が素直にいれてくれないからだろ・・・?」ゼェハーゼェハー

梓「まったく・・・てか、びしょびしょじゃないですか!」

「あははー、まぁな」

梓「今、タオル持ってきます・・・」トタトタトタ

「おう!わるい」ヘヘヘ

梓「絶対悪いって思ってないんだろうなぁ~」ヨイショッ

トタトタトタ

梓「先輩、これ、どうぞ」すっ

「あ、あんがと、梓」

「よいしょっと」カポッ

梓「あ・・・」

「ん?なに?」

梓「え、あ、い、いえ!な、なんでも」アハハ

「そっか」ごしごしごし

梓(カチューシャ・・・外すの久しぶりに見たかも)

ごしごしごし

梓「そんなにごしごししたら、髪痛めちゃいますよ?」

「あーいいのいいの!そーゆーの気にしてないから!!」

ごしごしごし

梓「ちょっとは気にしたらいいのに」ボソッ

「ん?なんか言ったか?あずさー」

梓「い、いえっ!?なんにもっ!」アハハ・・・

「そっか!」ごしごしごし・・・

パサッ

「ふぅー。風も雨もしのげちゃってるここは天国ですか?」ヘヘヘ

梓「・・・・天国でもなんでもなくて私の家です」

「はははー、私の粘りがちだな、梓。居留守使いやがって、こんにゃろー!」ズズッ

梓「まぁ、律先輩ですからね」

律「なにをー!?澪なら素直に開けてたってか!?」

梓「・・・というか、こんな天気悪い日になにしてるんですか、律先輩・・・」

律「んー?いや、なんだ?梓の家が一番近くてさ!」

梓「そうじゃなくて!!」

律「え?なに?」

梓「なんでこんな天気の悪い日に川をわざわざ見に行ったのかを聞いてるんですっ!!危ないでしょ!?」

律「え・・・なんで梓、私が川の様子見に行ったって知ってるの?」

梓「さっきテレビで放送されてたんですよ。そこの○○川の様子」

律「あぁ・・・・なるほどね・・・」

律「って!!?え?私テレビに映ってたのか!?」

梓「レポーターの人のうっしろの方で傘飛ばされてました」

律「うわ、めっちゃはずっ!!めっちゃ映ってるジャンそれ!!」ギャー

梓「むしろそんな人が知り合いというか高校の部活の先輩っていう私のほうが今なんだか恥ずかしい思いです」

律「なんだとぉー!あずさぁー!?」ガバッ

梓「うわっ!?ちょ、ちょっと!?だ、抱きつかないでくださいよ!?服がぬれるじゃないですk」

律「はっくっしゅん!!!」

べちょっ

梓「」

律「」

律「あ・・・わり、梓・・・あはは・・・傘のついでに鼻水も飛ばしちゃった・・・なんちゃって!」

梓「・・・」マガオ

梓「・・・」マガオ

梓「・・・」マガオ

律「な、な、な、ななんかすいませんっ!?」ドゲザッ!!

梓「いいですよ・・・、というか、律先輩をずぶぬれのままにしておいた私が悪かったです」

律「・・・と、いいますと?」

梓「今日はお湯につかろうと思ってちょうどお風呂入れてたんで、入ってあったまってください」

律「え・・・なんだか私、犬的な扱いになってね?」

梓「犬はこんな風に台風の日にバカみたく川の様子なんて見に行きませんし、人の家に勝手に入らないし、人の顔に鼻水飛ばさないです」

律「」

律「す、すいません・・・(てか、遠まわしに犬以下って言われてる!?)」

―風呂―

律「・・・・・・」チャポーン

律「ふぅ~あったまるなぁ~♪」ビバノンノン

律「梓ん家のシャンプー、うちのと違ったけどなんかよかったな。今度から私もあれ使おうかな~」

律「あ、てか、服・・・私、下着までびちゃびちゃに濡れたんだった・・・」

律「どうしよう・・・まさか裸でいるわけにもいかないし・・・」

トントン

律「おおう!?」ビクッ

梓『せんぱーい』

律「え?お、な、なに?梓」

梓『先輩の服と下着、洗濯したんで』

律「あ、そうなの?わざわざ悪いわね・・・てか、下着も!?」

梓『あー・・・はい。もう濡れ雑巾のようだったんで、いいかなーって思って』アハハ

律(濡れ雑巾・・・・!!)

梓『で、ここに服おいとくんで、それ着てください』

律(今日どんなの穿いてきてたっけ?風呂に入りたい一身でさっさと脱いだから覚えてねー!?)

律「え?つまり私はノーパンでいろってこと?」

梓『あー・・・パンツ・・・やっぱ穿きますか?』

律「穿くよ!?なに言ってんだ!?」

梓『えー・・・と、どうしよう。じゃあ、父のを探しておきます』

律「なんでだよ!?」

梓『いや、先輩のパンツ、ボクサー型のやつだったんで。そっちのほうがいいのかなぁーって思いまして』

律(あー今日あれ穿いてきたのか。よかったクマのじゃなくて♪)

律「って!?気の利かせ方間違ってるだろ!!つーか、梓のお父さんのパンツとか言っちゃ悪いが穿きたかねーよっ!?」

梓『あーですよねー』アハハ

律「あはは、じゃねーから!」

梓『んと、では、こないだ私が買ってきてまだ穿いてないやつがあるんですが。それでよかったら』

律「あ、あるのかよ。なら、それよろしく!!」

梓『さすが律先輩・・・遠慮ってものがないですね』

律「しかたないだろ。ノーパンでいたくないし」

梓『たはは。律先輩にも羞恥心ってあるんですね」

律「あるよ!?」

梓『はいはい。じゃあ、洗濯機の横に着替え置いておきますから。あとでパンツも持ってきます』

律「あ、うん。ありがとね!」

梓『いえいえ。しっかりあったまってくださいね。風邪ひかれても困りますから!』

律「・・・なんか軽くあしらわれてる感がはんぱないけど、ま、いっか」ビバノンノン


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最終更新:2013年04月14日 22:10