律「ふわあ……ねむい……」

澪「眠いなら自分の部屋に戻れよ、まったく……」

律「みお~、今何時~?」グダー

澪「ん?2時半だな」

律「そうか、もうすぐ菖たちも練習終わって帰ってくるな……ってあれ?澪、何で2時半って分かったんだ?携帯見なかったよな」

澪「何でってそりゃあ……」

澪(律の真後ろに昨日買ってきた時計を置いてるから、なんだけど……)

澪「……腕時計を見たからだよ」

律「腕時計?そんなの着けてないじゃん」

澪「何を言ってるんだ、着けてるよ。昨日買ってきた可愛い時計だぞー」スッ

律「はあ?何言って――」

澪「あ、胸が小さい奴には見えないけどな」

律「なにっ!?」

澪「……」

律「……」ゴクリ

ガチャッ

菖「おーい、りっちゃんここにいるのー?昨日話してたレポートを……」

律「……菖!何も言わずに答えてくれ。澪は今、腕時計を着けているように見えるか?」

菖「え?腕時計って、そんなの見えな――」

律「澪は今、胸が小さい奴には見えない腕時計を着けているらしいんだ……」

菖「ええええっ!?」

澪「……」

律「ど、どうだ……見えるか?」

菖「そ、そうだね……見えるような、見えないような……」

律「ふ、ふふふ。わ、私には見えるぜ……つまり、私のほうが菖よりも胸が大き」

菖「あああっ、見えてきた!くっきりと見えるよ!あれでしょ、ブルーの可愛らしい……」

律「そうそう、ブルーを基調としたデジタルの……」

澪「え?ピンクっぽい色だと思うんだけど、本当に見えてるのか?」

菖「ぴ……ピンクね!うん、分かるよ!よく見たらそうだよね!もう、りっちゃんってば見えてるフリしちゃダメだよー」

律「は、はは、ピンクに決まってるよな!いやー、見えてるフリをする菖が可哀相だから合わせてやったんだけどさー」

澪「……」

菖「り、りっちゃん?嘘はダメだよ、見えてないんでしょ?」

律「あ、菖こそ。その慎ましい胸じゃあ到底見ることは出来ないはずだぜ?」

澪(あんな嘘をこんなにあっさり信じるとは思わなかったな……面白いからしばらく放っておこうっと)

終わり

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最終更新:2012年10月13日 20:37