唯「でもでも、やる気が出ないから即解散だよ~」

梓「はぁ」

澪「やる気って…何に関してのやる気が出ないんだ?」

唯「……」

唯「ぜんぶ」

律「ん?」

唯「もう、なんか、なにもかも面倒なんだよ…」

紬「あらあら」

律「おまえ、定期的にそんな感じになるよな」

唯「クニャ…」

律「5月病か~」

澪「まあ、春休み終わって2ヶ月が経ち
楽しい夏休みまではまだ2ヶ月ある今の時期」

澪「なんとなくダルいというのは分かるけどな」

紬「えっ、澪ちゃんにもそんな堕落した思考があるの?」

澪「そりゃあるよ」

梓「ちょっと意外ですね」

梓「澪先輩、真面目だから、サボりたいとかそんな事 考えない人だと思ってました」

澪「アハハ、そんなワケないって」

澪「私は高校でしっかり者ポジションに任命されてしまったが
本当はスキあらば眠りたい眠りたガールなんだぞ」

梓「えっ、なんですソレ?」

律「こいつ、たまに歩きながら寝てるしな」

澪「うん。律が一緒に登下校してくれなかったら今までに5回は死んでたかも…」

梓「へ~っ!澪先輩が…すごく意外でした…」

澪「嘘に決まってるだろバカ野郎」

梓「!?」

梓「ど、どういう事れすか」

律「まったく、梓をからかうのは最高の娯楽だぜw」

澪「愉快痛快w」

梓「くっ、ふぐぅ…」グスッ

梓「ふ、二人の後ろにオバケがいるっ!!」

律「おい、聞いたか あの幼稚なウソ」

澪「オバケよりも梓の脳みそが恐怖だよ」

梓「ククゥ~ッ!!」

紬「よしよし、かわいそうな梓ちゃん」ナデナデ

梓「ふにゅ…」

律「ほれ、ガムやるから元気出せよ」

梓「わは~い♪」クチャッ

紬「満面の笑顔だわ」

澪「単純なコだね」

律「しかしアタシの指ごとガムを口に含むの やめてくんないかなぁ」

梓「ぐちゃくちゃ」

ガチャッ

さわ子「がむ」

澪「えっ」

さわ子「がむにいきたい」

律「…?」

紬「さわ子先生は何を言っているのかしら」

さわ子「がむであそびたい」

澪「ガムで遊びたい?」

梓「あっ、はい、ガムあげるです!」プッ

ぺちゃ

さわ子「嫌あああぁあぁあ!?私の自慢の髪の毛にガムが!?」

唯「あずにゃんや」

梓「あ、私の大好きな唯先輩が復活した!」

唯「さわちゃんはガムじゃなくてグァムで遊びたいんだよ、たぶん…」

梓「知ってました!」

澪「ひどいヤツだ」

さわ子「うっ、ううっ…」グスッ

紬「あわれなる さわ子先生」チーン

さわ子「髪の毛についたガムがとれないわ!」

梓「う~…ノコギリで切ればいいじゃないですか、頭ごと」

律「こいつ、面倒そうにハチャメチャ言ってやがる」

唯「でも丁度いい機会だし、さわちゃん、ショートカットにしてみたら可愛いんじゃないかな」

さわ子「!!」

澪「ふぅ~ん。確かに新鮮でいいかも!」

紬「唯ちゃんくらいの髪の長さのさわ子先生も素敵だと思いまぁす♪ 」

さわ子「そ、そうかしら」

さわ子「ふふ…確かに長い髪って洗うの手間だし、それもアリかな…」

梓「ですね!」

律「いや、お前は黙ってた方がよくない?」

紬「ちなみに髪の毛についたガムはオリーブオイルとかで優しくとれるみたいですよ」

さわ子「ふ~ん」

澪「なんかどうでも良さそうな反応だぞ」

さわ子「なんか最近いろいろ面倒でね~」

律「あっ。もしかして、さわちゃんも5月病ってヤツ?」

さわ子「む~…そうかも」

唯「なかま!」

さわ子「え?」

唯「な…かま…」スヤ

梓「寝ちゃった」

律「言いたい事があったらしいが面倒になったらしい」

唯「ムニャ…」

唯「スヤスヤ…」

梓「本当にスヤスヤ言いながら寝る人、初めて見ました」

唯「スキヤキ…」

梓「……?」

紬「唯ちゃんの寝顔かわいいわね」

梓「は、はい」

澪「しかし練習の時間だから起こさねばなるまい」

律「え~…」

澪「なんだ?」

律「唯じゃないが面倒だびゃ」

澪「だびゃってなんなんだびゃ」

紬「!」

律「知らんびゃ」

紬「びゃあ♪」

澪「びゃあ」

紬「お茶淹れるびゃ♪」

梓「あっ、手伝います…びゃ」

さわ子「あなたたち頭おかしいんじゃないの」

律「さわちゃんさわちゃん」

さわ子「なによ」

梓「女子高生ってそういうノリあるじゃないですか」

さわ子「ないって」

紬「しゃれこうべ」

澪「ブッwww」

律「アハハハ!!」

唯「クスクスww」

さわ子「え、あ?今、何がおかしいか分からないのは私がJKの心を失ってしまったから…?」

梓「大丈夫です。現役JKの私にもワケが分からないです」

さわ子「しゃれこうべの何がおかしいのよ?」

律「いやwwなんかwwわかんないかなあww」

澪「アハハは!!あははははは!!」

さわ子「分からない…」

梓「アレじゃないですか、なんの脈絡もなく いきなり人骨の名称を述べるのが唐突でおかしいとか」


さわ子「大腿骨」


澪「?」

律「……」

唯「スヤスヤ」

紬「お茶が入りました~」コト

さわ子「ムギちゃん、大腿骨」

紬「良かったですね」

律「しゃれ…こうべ」

唯「ユハハハハww!!」

紬「フゴッwwww!?」

澪「イィッヒヒヒwww」

さわ子「なんなのコイツら」

梓「あはははは!!」

さわ子「梓ちゃん!私を一人にしないで!」

梓「すいません、適当に笑いました」

梓「こんなワケわからん時こそ練習あるのみです!」ジャジャーン♪

律「え~」

紬「梓ちゃんが有無を言わさず、むったんを弾き始めた」

さわ子「むったん?」

律「アイツ、バカだから楽器に名前つけたんだ」

梓「そんな言い方するな!」ジャジャーン♪

さわ子「まあ、いいと思うけど…。もしかして、みんなも名前つけてるの?」

澪「そんなおかしなマネするのは唯と梓くらいですよ」

律「お前だってベースにエリザベスってつけてるじゃねーか」

澪「ちがっ!?」

さわ子「ベースだからエリザベス?」

澪「違いますよ!アレは唯が勝手にそう呼んでるだけで」

梓「指でイジりまくるとイイ声で鳴くんですよね」

紬「んっ…」

澪「そんな言い方するなッ!!」

さわ子「りっちゃんはなんか無いの」

律「まあドラムだし…」

律「ドラ吉かラムちゃん」

梓「間をとってドムでいいんじゃないですか」

律「ええ?なんかヤだ」

紬「じゃあ裏をかいてマッシュ」

律「何をひっくり返したらマッシュになるんだ」

澪「そりゃアレだろうな」

梓「アレでしょうね」

唯「ジェットリームアタックをしかけるよ~」

澪「唯、唯。何かジェット・リーみたいになってるぞ」

唯「面倒だし いいよ…」

律「何が いいんだよ…」

さわ子「じゃあ、りっちゃんのドラムはジェットリーという事で」

律「なんでもいいわ」

さわ子「あとはムギちゃんのキーボードだけど」

紬「はい!」

さわ子「面倒だしいいわ」

紬「!?」

さわ子「じゃあ面倒だし先生、帰るわね」

律「ひでえ顧問だ」

紬「せ、先生は私にだけあんまり興味が無いんですか…?」

さわ子「社会に出るとね…ムギちゃんみたいに将来をある程度、約束された金持ちの娘とか見ると もう お前アレ お前…」

澪「なんですか」

さわ子「今日、金曜で明日休みだし、帰りにどっかで遊んで帰ろうかしら!」

律「おっ、楽しそう」

梓「さわ子先生みたいな大人の女性は、どこに遊びに行くんですか?」

紬「そんなモンより もっと私にも興味をもって!」

さわ子「じゅあムギちゃんみたいなモンは休日はどこへ遊びに行くの?」

紬「あっ、はい、ゴールデンウィークはフィンランドに行ってきました♪」

さわ子「あらっ、いいわね、北欧!私も好きよ」

紬「♪」

さわ子「だが死ね」

律「オイッ!?」

唯「さわちゃん、それはいくらなんでも酷すぎムニャ」

梓「寝息をたてていた唯先輩ですら見かねて抗議を…」

紬「ぐすっ…」

澪「よしよし、ムギ。あのアラサー眼鏡は善悪の区別がつかないあぶないクズだから気にするな」

さわ子「ちょ、おま」

紬「澪ちゃんありがとう…」ポ~ッ

梓「澪先輩、もちろんムギ先輩の財産目当てですよね!」

紬「えっ」

澪「秘密だったのに!」

ゴチーン

梓「あぎゃっ」

さわ子「なんてひどい教え子たち」

唯「それで さわちゃん、どこ行くのー?」

紬「唯ちゃんも私のキーボードには興味ないのね…」

唯「ムギちゃんのキーボードはドッボキでいいじゃん」

紬「えっ」

梓「キーボードを逆さまにしたんですね!」

律「ドッボキか~。六本木みたいでステキかも?」

澪「まあ他人事だしなんでもいいよな」

紬「でも私、ドッボキって怒勃起みたいで気持ち悪くてちっとも気にいらないんだけど唯ちゃん唯ちゃん唯ちゃん!!」クチュクチュ

唯「うるさいよ」

律「大体なんだ怒勃起って」

さわ子「ねえねえ、キーボードだからキー坊でいいんじゃない?」

梓「寒っ」

さわ子「」ムチュッ

梓「~ッ!?」

律「おっ、さわちゃんが梓にキスを」

唯「わーっ、わーっ!ベロが…」

紬「私、さわ子先生大好き!」ヒァウィゴォ


澪「本当にひどい部活だ」

律「で、さわちゃんどこ行くの?」

さわ子「なにが?」

唯「金曜だし、どっか遊びに行くんでしょ?」

さわ子「ああ…まあ、そうね。今、17時か…」

さわ子「夕飯には早いし、映画でも観てから食事してスーパー銭湯で疲れを流したのち、あとは流れ次第って感じかしら!」

律「おー、なんかダラダラしてていいなあ」

紬「終末を迎えた大人の週末感が醸し出されているんだわ」

さわ子「あなたたちも いずれ そうなる」

澪「う~ん、そんなもんなのかなぁ」

梓「学校でアホみたいに授業聞いてるだけで三食食べれておこづかいまで貰えるなんて
10代って幸せな時期なんですかね」

紬「本当ね…」

律「いや、ムギは20代になっても大丈夫そうだが」

紬「そうかしら」

澪「…なあ、ムギって、もしも大学落ちまくって就職にも就けなかったらどうなるの?」

紬「え?まず大学落ちないように頑張るわ」

律「いや、もしも大学落ちたらの話」

紬「落ちません」

唯「でも人生なにがあるか分からないし…」

紬「何かあっても金でカタがつくわ」

さわ子「落ちろッ!!!」

梓「受験生を抱えた担任が生徒に対して絶対に言ってはならない事をやすやすと」

さわ子「私の辞書に不可能という文字は無いわ」

律「100円ちょうだい」

さわ子「無理」

唯「無理って文字はあるんだね…」


2
最終更新:2013年06月02日 22:07