ブロロロ
律「……」
さわ子「…なんかアレよね」
紬「なんでしょうね」
さわ子「唯ちゃんって意外とアレよね」
唯「ほぇ?なにが~?」
律「…確かに」
律「唯は意外とアレだな」
紬「……」
唯「ねぇねぇムギちゃん。アレってなぁに~?」
紬「えっ」
律「答えてやるんだムギ」
さわ子「唯ちゃんと仲良しのムギちゃんなら分からないハズないわ」
紬「……」
唯「わくわく」
紬「……」
紬「………」
紬「…唯ちゃんは」
唯「唯ちゃんは~?」
紬「…からあげ好きそうよね」
唯「……」
さわ子「……」
律「……」
紬「ア、アイスクリームのからあげよ」
律「……」
唯「唯ちゃんにアイスクリーム出しとけば喜ぶと思われてる風潮」
紬「じゃあ唯ちゃんのおやつだけ月曜からザリガニにする!」
律「おお、唯、お前ザリガニ好きだもんなー」
唯「食べ物の『好き』じゃないよ!?」
さわ子「ちょっと…夕食前にそんな話やめなさいよね…」ウプ
ブロロロ
唯「それで…私が意外とアレってなんなの~?」
さわ子「……」
律「考え中?」
さわ子「唯ちゃんは…」
唯「唯ちゃんは?」
さわ子「場を盛り上げるためにバカな事を言ったりもするけれど、本当は人の笑顔が大好きなだけの、とても頭が良くて優しい素敵な女子よ」
唯「……」
律「だってさ」
唯「///」
紬「ストレートに照れてるわ」
唯「やめてよ!そういうのやめてよ///!」
さわ子「ところで映画なに観るー?」
律「邦画で笑えるヤツがいいなー」
紬「恋愛関係がいいですー」
さわ子「じゃあアウトレイジビヨンドかしら」
唯「待って待って」
律「今の意見を総括してヤクザ映画ってどういう事だよ」
唯「そうじゃなくて、もっと私の話をしてもいいんだよ~///」
紬「なんか今日はお寿司食べたい…」
さわ子「あっ、スシロー行く?」
唯「やった!!スシロー好き!!」
律「ムギに100円寿司なんか食べさせていいものか」
紬「え、100円寿司?」
さわ子「なんでも100円で食べられるのよ」
紬「100円で食べ放題!?」
唯「夢を見すぎだよ」
紬「分かっていたわ」
さわ子「あ、映画館着いた」
―映画館とかあるショッピングモール―
律「で、結局、映画なに観るわけ?」
さわ子「ん~、私はぶっちゃけ なんでもいいわ」
紬「はぁ」
唯「じゃあポケモン観ようよ!」
さわ子「いや、それはさすがに子どもっぽ過ぎるわ…」
唯「ぶ~、なんでもいいって言ったのに」
紬「あ、でもどの映画も上映時刻が同じくらいだし
みんな観たいものを観ればいいんじゃないかしら」
唯「えっ」
さわ子「あら、ホントね」
律「じゃあアタシ、踊る古畑任三郎の相棒観よっかな」
さわ子「あ、私もそれにしよ」
紬「私も~」
唯「わた」
律「唯はポケモンだろ?」
唯「私は人間だよ~」
律「誰もそこは疑ってねえよ」
さわ子「唯ちゃん、さっきポケモンが観たいって言ってたじゃない」
紬「私たちの事は気にしなくていいのよ?」
唯「……」
唯「ねるよ~」
律「あっ…」
そういうと唯は劇場前のエスカレーターの上で大の字になり上の階に運ばれていった。
アタシはあんな自由な人間を見たことがなかった。
ちなみにここからは、みんなの部長、田井中りっちゃんのナレーションでお送りするぜ~♪
紬「…唯ちゃん、すべてが面倒になったんでしょうか」
さわ子「最近、流行ってるものね、5月病」
律「5月病って、すげーんだなあ」
紬「本当に…」
そして、ムギも床にうつ伏せに倒れた。
律「どうした、ムギ。床にオッパイをこすりつけて」
紬「違うの…唯ちゃんを見てたら私も…」
さわ子「オッパイを床にこすりつけたくなったのね?」
紬「違います…」
紬「アレです…」
律「うん」
紬「……」
さわ子「……」
律「……」
紬「……」
律「……」
さわ子「5月病?」
紬「オッパイを床にこすりつけたくなりました」
律「!」
アタシはうつ伏せになっているムギの脚をガパッと開き、パンツを盗撮した。
将来、無職になったらこのパンツ画像でムギをゆすって食べていこう。
アタシは少し、気が楽になった。
なおもオッパイを床にこすりつけようとするムギをさわちゃんと二人で引きずり回しながら
劇場入り口に向かい、チケットを買おうとすると
係員が床に横たわっていた。
さわ子「あっ、どうしたのかしら」
紬「Are you O.K?」
係員「……」
係員「う、うぉお」
律「ど、どうしたんすか」
係員「は…」
さわ子「は?」
係員「働きたくない…」
紬「どうやらこの人も5月病のようね」
床にオッパイをこすりつけていたムギが悠然と床にオッパイをこすりつけた。
アタシは いい加減ムギの耳を引っ張って無理やり起こした。
紬「ひぎぃっいたいいたいいたいいたい」
さわ子「あっ、見て」
クソ眼鏡が指差した方を見ると
ショッピングモール内のあちこちの床で
店員や客らしいのが、だらしなく寝そべっていた。
律「今年の5月病はヒドいんだなあ」
さわ子「そうねえ」
さわ子「いつもキビキビしてる堀込先生も職員室の床で寝てたくらいよ」
律「へえ、あの現国の」
さわ子「試しに顔の上を跨いでみたら堀込先生の股間だけが おっきしてちょっと面白かったわ」
紬「お、おっき?」
律「ウチのガッコの職員室で何が起きてるんだ」
さわ子「ナニが起きたのよ」
律「……」
紬「きもちわるい」
さわ子「写メ見る?」
律「見ねーよ!?」
アタシは意外と下ネタが苦手だった。
律「まあ、いいや」
紬「すみません、映画のチケット買いたいんですけど…」
係員「……」
紬「あの…」
係員「……?」
律「ダメだ。もうこの人、何も見てないぜ」
さわ子「なんなのよ、まったく」
律「さわちゃんさわちゃん」
さわちゃん「なぁに?」
律「美人なさわちゃんがこの係員の顔の上を跨いだらなんか反応するんじゃないの?」
さわ子「い、嫌よ!そんな事するワケないでしょ!?」
紬「でも堀込先生にはしたんですよね?」
さわ子「それとこれとは話が別なの!」
律「え~、なんで?」
さわ子「いや、あの、そ、それは…ほ、堀込先生は特別で…」カ~///
紬「えっ、さわ子先生、もしかして…」
律「あの先生の事を…?」
さわ子「……そうよ」
さわ子「私は汚ならしい醜悪な堀込先生みたいなキモオヤジにお腹の中へ
どぴゅどぴゅ忌まわしい粘液を注ぎこまれる美しい自分を想像すると興奮してしまう…」
さわ子「ムギちゃんの想像通りの変態なのよ…」
紬「いや、あの何か私の想像してたのとちょっと違った展開でした」
結局、チケットは買えそうもなかったが
チケットもぎり係も床に寝転がって やる気無さそうだったので
アタシ達は勝手にシアタールームに入る事にした。
律「なんか飲み物買っとくかな」
さわ子「そうねえ」
紬「あっ、でも…」
売店のお姉さんも明日のジョー最終巻みたいに椅子に座ったまま燃え尽きていた。
さわ子「あの…コーヒー買いたいんですけれどー」
店員「そうですか…」
律「いや、相づちうってないで飲み物売ってください」
店員「は…」
紬「働きたくないんですか…?」
店員「歯が痛くてもう何もしたくな…い…」
そう言うとお姉さんはポップコーンがいっぱい詰まったショーケースに頭を突っ込んで動かなくなった。
律「どういう事なんだ」
紬「もう自販機で買った方が早いんじゃないかしら」
さわ子「ダメよ!劇場に、売店以外で買った飲食物の持ち込みは禁止されているわ!」
律「じゃあ、どうするんだよ!?アタシはコーラを胃に流し込みながら映画観たいんだよ!?」
さわ子「私に任せて!」
バッ
次の瞬間、さわちゃんは売店のカウンターを飛び越え売店内のジュースを盗み始めた。
紬「さわ子先生、売店のジュースを勝手に盗むのは禁止じゃないんですか?」
さわ子「おいしい」ゴクゴク
しかし売店のお姉さんはポップコーンに埋もれたままなので、さわちゃんの凶行に気付かない。
さわちゃんは調子に乗って一番デカイサイズのジュースカップにアイスクリームをカッ詰める。
律「人間はなんて醜いんだ…」
アタシは売店のフランクフルトを200本くらいキレイなビニール袋に詰めこんだ。
紬「りっちゃん」
律「違うんだ、体が勝手に」
紬「ケチャップいる?」
律「いる」
こうしてムギはポップコーンに頭を突っ込んだままのお姉さんの手に20万円握らせて
ゴミ箱に頭を突っ込んだまま居眠りをしてるチケットもぎり野郎の尻穴にフランクフルトを2本ぬるりと挿入してシアタールームに入った。
紬「代金よ。釣りはとっとけ!!」
アタシはムギの耳を引っ張った。
紬「ひぎぃっいたいいたいいたいいたいいたいいたい」
さわ子「私、こんな贅沢して映画を観るの初めてだわ」
さわちゃんの座席の横にはハーゲンダッツアイスで作った雪だるまがそびえたっていた。
その雪ダルマを美味しそうにペロペロ舐めまわす さわちゃんは
とてもエロティックで
人間こうはなりたくねえな…と内心思った。
そして映画が上映された。
…っちゃん
…きて
…っちゃん…起きて…
唯「りっちゃん!」
律「ハッ」
アタシが目を覚ますと目の前に唯がいた。
見回すとムギとさわちゃんも居眠りしている。
映画はとっくに終わっていたようだった。
律「おぉ、いつのまにか眠っちまってたのか…」
唯「待てど暮らせど誰も私を迎えに来てくれないから探しに来ちゃったよう」
律「よしよし、ごめんな」
唯の頭をナデナデしてやると唯は嬉しそうにアタシのフランクフルトにかぶりついた。
律「ぁ…」
唯「うまい」パクパク
律「うっ、うっ」
最終更新:2013年06月02日 22:08