【第1話】
律「みんなはサワムラーとエビワラーどっちにした?」



お昼休み

唯「私はエビワラーにしたよ!フライにしたらおいしそうだし…」ジュルリ

律「食べようとすんなよ… あとそういう基準で選ぶのはやめなさい」

律「ちなみに私はサワムラーにしたぜ!あの破壊力のキックは爽快感バツグンだからな!!」

澪「ふーん…(何の話だろ)」モグモグ

唯「澪ちゃんはどっちにしたの?」ズイッ

澪「えっ!?わたし!?」ビクッ

澪「わ、わたしは…えーと…(やばい!何の話か分からないのに話を振られてしまった!)」

澪「(ええい、ここは…!) えっと…シマムラーにした……」

唯「(え…?)」

律「(そんなのいたっけ…?)」

澪「し、シマムラーは庶民の味方だし、触りごこちもいいんだぞ!(知ったかぶりしちゃった…)」

唯「でも澪ちゃん、そのシマムラー?はどこで捕まえたの?」

澪「つ、捕まえる?(網とかでか?)」

澪「えーと…(と、とりあえず当たりさわりのないような答えを…)」

澪「……森の中で…」

唯「え…?森に分布してるの…?」

律「森で捕まえたのか。エビワラーとサワムラーは格闘場でもらえたんだけどなぁ」

澪「え…(格闘場…?)」

澪「いや、まぁシマムラーとは森で偶然出会うことができて…(律…格闘場になんて通ってたのか…)」

唯「じゃあ澪ちゃん!そのシマムラーを見せて!私見たことないんだー」

澪「(私なんてエビワラーが何なのか知らないよ…)し、シマムラーは今家にいるからダメ…」

唯「そっか…残念」

律「で、澪!そのシマムラーは何タイプなんだ?」

澪「え…タイプ…?」

律「そう。タイプ!サワムラーとかエビワラーは格闘タイプだけどシマムラーは何タイプなんだ?」

澪「な、何タイプと言われても…ふつうの…」

唯「ふつう、ってことはノーマルタイプ!?」

澪「そ、そう!それ!…たぶん」

律「じゃあシマムラーにとってエビワラーやサワムラーは天敵だな!」

澪「え?」

律「ノーマルタイプは格闘タイプに弱い。常識だぞ!タイプ相性ぐらい覚えておけよー」

澪「うん…(学校では習わなかったぞ)」

唯「じゃあ澪ちゃん!今度の日曜日バトルしようよ!」

澪「え…?バトル…?」

唯「そう!それでエビワラーやシマムラーを闘わせるんだよ!!」

澪「(エビワラーやシマムラーが…闘う!?昆虫を対決させるみたいなものか…?)」

澪「でも…そんなことしたらシマムラーがかわいそうだよ…」

唯「大丈夫だよ!瀕死になっても回復させればいいだけじゃん」

澪「…!(命を何だと思ってるんだ…!)」

律「まぁ唯。シマムラーはタイプ相性的には不利だし勝ち目は薄いだろ。そんな勝負やっても面白くないだろ」

唯「それもそうだね…」

澪「いや…その勝負受けてたつよ!」

唯「!」

律「澪?」

澪「命を軽んじる相手なんかにシマムラーは負けないんだかならな…!」


土曜日

澪「(幸い、唯たちにはシマムラーの外見を知られていない)」

澪「(まぁ私も知らないんだけど…)」

澪「(つまり私が強そうだと思ったやつをシマムラーにできるわけだ!)」

澪「よし!そうと決まれば森で昆虫採集だ!!」

澪「コーカサスオオカブトでも何でもかかってこい!!」

一時間後

澪「ミエナイキコエナイミエナイキコエナイミエナイキコエナイ…」ブルブル

澪「私が虫が苦手だったことすっかり忘れてたよ…」

澪「…梓に相談してみるか」ピポパ

プルルル…ガチャ

梓『はい、中野です』

澪「あ 梓か?ちょっと相談したいことがあるんだけど」

梓『はい 何でしょう?』

澪「実は明日唯のエビワラーとかいうやつと対戦することになったんだ。梓、何かいい対策はないかな?」

梓『エビワラーというと格闘タイプですね…そうだ!それならゴーストタイプを連れていけばいいと思います!』

澪「ゴースト…お化け!?」ガクガク

澪「でも…勝つためなら…!」

澪「でも梓、お化けなんて捕まえるにはどうしたら…?」

梓『そうですね…シオンタウンに行ってみたらどうでしょう?』

澪「紫園町か…ありがとう!梓頑張って探してみるよ!」ガチャ

澪「よし、早速グーグルアースで検索だ!」カタカタ

澪「へぇ、意外と近くにあったんだな、紫園町」

※実際には紫園町は存在しません。良い子は時間のムダなので検索しないように

澪「でもお化けを捕まえにいくとなるとやっぱり夜だよな…」

澪「怖い人とかいるかも……」

澪「ひぃいいい!!」ブルブル

澪「でも!捕まえにいかなくちゃ」

澪「でも、どうやって捕まえたらいいんだ?…ん?」

TV「ル○ージマンション2もうすぐ発売です!オバケを吸い込む掃除機、オ○キュームを持ったル○ージが…」

澪「これだ」

澪「偶然 家に充電式の掃除機があってよかった…」

澪「場所も紫園町で有名な心霊スポットに来たぞ…………」

澪「…ひぃいいいい!!!!」ガクガク

澪「自分で行っといてなんだけどやっぱり怖い!!」

澪「でも…」

澪「やらなくちゃ」

澪「よし!掃除機スイッチオン!」ギュイイイン

澪「お化けを吸い込むぞ!!」ギュイーン

亀山「はぁ、今日も疲れましたね、右京さん」スタスタ

右京「えぇ」スタスタ

ギュイイイン!

亀山「!?何の音だ!?」

右京「こっちの方からです。行ってみましょう。亀山君」

亀山「はい!」タッタッタ

亀山「ちょ、ちょっとアンター!何やってんの!!」

澪「うわぁ!!(なんかどこかで見たことがある人だな)」ギュイイイン

亀山「ちょっとこっち来なさい!」グイッ

・・・・・・

澪「こっぴどく叱られてしまった…」ズーン

澪「はぁ、結局お化け捕まえられなかったな…」

澪「明日どうしよう…」

澪「…」

澪「正直に謝るしかないか…」

・・・・・・

日曜日

唯「さぁ澪ちゃん!対戦の時間だよ!」

澪「あのさそのことなんだけどさ、唯…」

唯「うん?」

澪「実は、シマムラー持ってるっていうのはウソだったんだ…ごめんな…」

唯「えー!」ガーン

律「まぁいいじゃんか。他のポケモンで対戦すれば」

唯「それもそうだね」

澪「(…え?ポケモン……?)」

唯「対戦前に澪ちゃんに見せてあげる!ほら!私のエビワラー!強いでしょ!!」

澪「(そういえばこんなポケモンいたような……あっ)」

澪「(そういえば私もポケモン持ってたな…確かまだ家にあったはず、もう何年も前のことだからすっかり忘れてたよ…)」

澪「…懐かしいな」

律「は?」

澪「律ともよく対戦したよな…」

律「(そうだっけ?)」

澪「唯!ちょっとポケモン探してくるよ!見つけたら戻ってくる」ダッ

唯「!澪ちゃん!」

律「てか持ってきてなかったのかよ」

・・・・・・

澪「唯!律!見つけてきたぞ!」ガララッ

澪「途中で電池もしっかり買ってきたぞ!」

唯「え…?(電池…?)」

澪「通信ケーブルもしっかりある!!」

律「てかお前それ…」

澪「え?」

律「ゲームボーイのじゃねえか!!それじゃ対戦できないよ!」

澪「え…」

澪「そ、そうなのか…」ジワッ

律「…なーんてな」サッ

澪「!それはゲームボーイ!」

律「おかしいと思ってたんだよなー、なんか澪 知ったかぶりしてる感じだったし、最近澪がポケモンやってる姿なんて見たことなかったし」

律「でも、ゲームボーイのポケモンは澪とやってた記憶がかすかにあったからなー!澪もまだ持ってると思ったよ」

澪「りつ…!」

唯「さっすが幼馴染だね!」

律「よーし!そうと決まれば早速対戦だ!数年越しの勝負だ!!」

澪「あぁ!!」ピロリン

澪「…」

澪「」

唯「…え?澪ちゃんどうしたの?」

澪「データ消えてた…」


おわれ


2
最終更新:2013年06月22日 22:34