【第2話】
梓「こんにちはー」ガチャ
唯「おっ、あずにゃん来たね!」
律「うーす」
梓「…ん?」
梓「…あれ?澪先輩とムギ先輩は?」
律「あぁ、今日は澪とムギは休みだぞー」
梓「えっ…」
梓「じゃあ今日は練習なしですね…」
律「いやいや、なんでだよ。3人いるし、できるだろ」
梓「だって唯先輩と律先輩だけじゃ…ねぇ」
梓「練習になる気がしないというか…」
律「失礼な奴だな、オイ」
唯「あずにゃんひどいよ…」
梓「だって今だってババ抜きやってるじゃないですか!」
律「失礼な!ジジ抜きだぞ!」
唯「あずにゃんもまだまだだね」
梓「どっちでも同じですよ!というか練習する気配ゼロじゃないですか!」
唯「大丈夫だよー、これ終わったらやるよー」
律「梓も来たし次は大富豪にするか!」
唯「!やろうやろう!」
梓「ちょっ…!練習をしてくださいよ!ここ何部だと思ってるんですか!」
唯「けいおん部だよ!」
梓「じゃあ軽音をしましょうよ!」
唯「それとこれとは話が別だよ!」
梓「なんでやねん」
律「まぁとりあえず大富豪やろうぜー」
梓「とりあえずって何ですか!練習しないなら私は帰りますよ!」
唯「でもあずにゃん 外はどしゃ降りだよ?」ザー
梓「…!いつの間に!しかも雨具持ってきてないんですけど」
律「だから梓は大富豪する運命なんだよ」
梓「いやだからそれをやってるヒマがあったら練習を…」
唯「えー、でも雨の音がうるさいから練習に集中できないよ…」
律「私の正確なドラムさばきも雨音で乱れてしまうしな…」
梓「ウソですよね絶対」
律「フン、そんなこと言っといて実は梓、大富豪のルール知らないんだろー?」
梓「な…!そんなことありません!知ってますよ!」
唯「じゃああんまり強くないのかもね…いっつも大貧民になっちゃうからやりたくないとか」
梓「!」カァー
梓「そんなことありません!大富豪やって証明してやるです!さぁ、さっさとカードを配ってください!」
律「お、おう…」
梓「やってやるです!!」
唯「(あずにゃんが本気だ…)」
一時間後
梓「また大貧民ですか…。いや、私は大富豪弱くないって証明してやりますよ!さぁ!もう一度やりましょう!」
唯「(ていうかもう弱いって証明されちゃってるよ…)」
律「あのー、もう雨も上がったし…」
梓「唯先輩、律先輩、もう一回お願いします!」
律「(聞いちゃいねぇ…)」
律「(うーん、ここはイチがバチか)」
律「あのさ、梓」
梓「何でしょう」
律「もう大富豪はやめにしよう、あんまりやりすぎてもあれだ…私たち軽音部だし」
律「ここは、練習すべきなんじゃないかな…?」
梓「…」
律「(ダメか…?)」
梓「その言葉を待っていたんです」
律「…え?」
梓「練習しよう。その言葉ですよ」
律「!」
梓「だって先輩方はいっつもお茶飲んで、だらけてるばかりで…!」ポロポロ
梓「毎日練習する意気込みがちっとも感じられませんでした!」グス…
律「…(梓、我慢してたんだな…ちっとも気づいてやれなかったぜ)」
梓「でも今、律先輩は自ら練習しようと言ってくれました」
梓「正直、24時間テ○ビより感動しましたよ」ニコッ
律「(例えが微妙な気がするが…それはともかく!) 梓ー!! 今までごめんな?」ダキッ
梓「わかってくれればいいんです。さぁ、大富豪の続きをやりましょう!」
律「あぁ!!」
律「ん…?」
律「ってはぁああ!!?なんでこの流れでそうなるんだよ!?」
梓「それとこれとは話が別ですから。私にも譲れないものがあるんですよ」
律「なんでやねん!!」
その後、下校時刻まで部室からトランプの音が止むことはなかった…
完
最終更新:2013年06月22日 22:37