唯「だってせっかくの誕生日なんだもん」

澪「おいおい…。律はとっくの昔から私のお姫様だぞ」

和「変態は黙ってて」

梓「うるさいです変態」

澪「…。何故だ…」ズーン

紬「りっちゃんならノリノリでやってくれそうね。あと澪ちゃんお姫様のくだり詳しくお願い」

澪「聞きたい?そんなに聞きたい?いや~、ムギがそこまで言うなら…」デレデレ

梓「律先輩、意外に照れちゃいそうですよね」フフフ

唯「お姫様なんてガラじゃないやい!ってね」

純「いやいや、案外りっちゃん様だ~い、なんて言ったりして」アハハ

和「最初は照れるけど、すぐ開き直りそうね」

澪「無視?!」

紬「私は興味あるよ!」

梓「ムギ先輩もちょっと自重しましょうね」

純「その話はまた今度、って事で…」

紬「そうね…。今はりっちゃんのお誕生日よね。澪ちゃん。お話は今度2人でじっくりやりましょう」

澪「ムギ…」ジーン

純「2人で、ですか」

紬「あら?ヤキモチかしら?」

純「えー…。ちょこっと」タハハ

紬「純ちゃん!」ムギュウ

純「ムギ先輩?ほ、ほら!人前ですから!」

紬「純ちゃん可愛い」

澪「待てムギ。可愛いとは律のためにある言葉だ」

紬「純ちゃんだって可愛いもん!」ムー

純(やっぱりムギ先輩は可愛いなぁ)

梓「ノロケはいいですから…」

澪「私だってたまにはノロケたいんだ!」

梓「いつもエンジン全開な人に言われましても…」

和「ブレーキってものを覚えたらどうかしら」

澪「好きの気持ちにブレーキなんてあるわけないだろ?」

和「言動と行動の話よ」

澪「しょうがないじゃないか!律が天使なのはこの世の真理なんだから!」

和「そこが駄目なのよ」

梓「暴走機関車も真っ青ですよ」

澪「私は律なしでは生きていけないようになってしまったんだ…」

唯「確かに澪ちゃん、りっちゃんが居なかったらお友達少なそうだよね~」サラッ

澪「ぐふっ」ザクッ

唯「あっ!ごめん澪ちゃん…」

梓「ナイスです。唯先輩」

澪「いいさ…どうせ私なんて…人見知りだし怖がりだし律のパンツの写真(ほぼ365日)コレクションしてるし…」

梓「ちょっと」

和「最後おかしいから」

唯「?」

紬「青春ね~」

純「ちょっと違うような…」

澪「私なんて…」

紬「そんな事ないよ澪ちゃん!だって、澪ちゃんはりっちゃんに愛されてるんだもん!」

澪「ムギ……」

澪「そうだよな…。もっと自信を持たないと律に失礼だよな」

梓(ちょっと言い過ぎたかな…)

澪「それに律は私なしじゃイケない体になったんだから!」

梓「わー…」

唯「ねーねー。どこに行けないの?何の話?」

和「唯は知らなくてもいいの」

唯「ちぇー」

紬「周りの雑音なんて気にしなくていいから、澪ちゃんは澪ちゃんの道を進めばいいのよ」

梓「雑音呼ばわりかよ」

唯「あずにゃん?!」

澪「ああ…、ありがとうムギ。これからは、周りの声なんて気にせずに律との将来つまり、大学卒業した後はそれぞれの実家から会社に通い27歳までお互いに貯金をして、ああ、最初から律とラブラブ出来ないのは不満だけど仕方ないよね。それからムギが紹介してくれたマンションで2人の生活を始めて、律には家事に専念してもらった上で30歳までにムギから紹介してもらった庭付き一軒家をお互いの貯金で購入。ローンは毎月6万円以内で45歳までにローンを終了させ幸せな家庭を築き上げていくよ」

純「ながっ!」

梓「将来設計が気持ち悪いくらい具体的ですね」

紬「素敵だわ~」ホッコリ

和「って言うかムギが紹介してくれる物件って…」

紬「親戚がマンションを経営してるの。あと、要らない家を格安で快く譲ってくれたのよ」

「家が要らない…」

唯「すごい…!」

澪「小さな頃から貯めてた貯金も一軒家購入の頭金や固定資産税に当てる予定なんだ」

和「高校生の身でどれだけ考えてるのよ…」

澪「何を言ってるんだ?それくらい当然だろ?もちろん律に不自由なく生活を送って貰う為に仕事だけじゃなく、ムギが将来建てる会社の株も購入予定だし」

紬「あわよくば当主の座を狙おうとする人達を蹴散らして頑張ります」ウフフ

梓「さらっと怖い事言いましたね」

唯「ほえ~。じゃあ私とさわちゃんも将来株買っちゃおうかな~。なんちっ「俄然頑張るわ!」

紬「純ちゃんも心配しないでね。派閥争いには一切近づけさせないから」

純「私?!」

梓「ここにも具体的すぎる将来設計者がいたんですね」

和「ムギって本当にお金持ちなのね」

純「何か普通の庶民で申し訳ない気がしてきた…」

紬「そんな事ないよ。純ちゃんは私の知らない事をたくさん教えてくれるし、とってもとっても素敵だもの」

純「いやあ…///」テレテレ

紬「照れる純ちゃんも可愛い」ダキッ

純「も~。ムギ先輩ってば~」アハハ

梓「だからノロケは後にして下さいよ」

澪「だから可愛いは律のためにある言葉だって言っただろ!」

紬「だから純ちゃんだって可愛いんです!」

和「この流れももういいから」

唯「ところでりっちゃんは今なにしてるの?」

澪「…明後日まで律のお婆さんの家にいるんだ…。4日も律に会えないなんて…神様は何て残酷な事を…!」

和「ゆっくり頭を冷やすチャンスじゃない?」

梓「澪先輩と話してるとドン引きが止まりませんからね」

澪「2人ともヒドすぎないか?」

唯「りっちゃんのお婆ちゃんかぁ~。どんな人なんだろ~」

澪「律のお婆さん?凄く気さくな人だよ。あ、これは律の父方のお婆さんの話で、律のお義母さん方のお婆さんはお義母さんに似て無口だけど、律の溢れんばかりの優しさから分かるように無口だけど気遣いが出来る人で…」ペラペラ

唯「え~っと…」

澪「律の天使のような笑顔はお義父さん方のお婆さん似だし、活発なところは「はい、そこまで」

澪「和!何故止めるんだ?!」

和「私が悪いのかしら?」

梓「いえ、もう少し止めるのが遅かったら、うっかりあずにゃんキックしてました」

澪「全然うっかりじゃない!」

和「うっかりなら仕方ないわね」

澪「和まで!?」

唯「あれぇ?何の話してたっけ?」

紬「りっちゃんのお誕生日のお話だったのにね」

澪「はっ!そうだ!律と言う天使がこの世界に舞い降りた奇跡の日の話だ」

純(なんだか律先輩がキリストのような存在に…)

梓「はいはい。そうですね」

純(今のを流した?!)

和「でも、本当に私もお邪魔していいの?軽音部のイベントでしょ?」

純(何事もなかったかのように話し出したー!)

梓「あーだこーだ」←あえてスルー派

和「あーだこーだ」←元よりスルースキルが高い派

純(みんな何事もなかったかのように…)

純(もしかして、私の話も普段からスルーされたりしてるんじゃ…)

純「梓!」

梓「どうしたの純?」

純「…………何でもない!」

梓「もー!いきなり呼ぶからビックリしちゃったでしょ!」

純「ごめ~ん」

純(とりあえずスルーはされてない、と…)ホッ

紬「ふふ、純ちゃん寂しかったのね」ナデナデ

純「そ、そんなことは…!」

紬「大丈夫よ。私が側にいるもの」

純「ムギ先輩…」

紬「純ちゃん」

純「えへへ。ム~ギ先輩」

梓「うん。仲良いのは分かったから、話に参加してよね」

純「あっ…」

紬「ごめんなさ~い」

澪「全く!2人共真面目に律の事考えないとダメだろ?」

梓「なんでしょう。このお前が言うな感…」

和「澪は、律の事から少し離れた方がいいと思うんだけど」

ガチャ

憂「皆さん、お茶でもどうぞ」

和「あら、言ってくれれば手伝ったのに」

憂「大丈夫だよ、和ちゃん。お茶淹れるだけだし」カチャカチャ

純「わーい。クッキーいただきぃ!」

梓「もー!純ってば!」

純「早いもの勝ちだもんねーだ」モグモグ

唯「ありがとう憂~」

憂「ふふふ、どういたしまして。それで、具体的な計画は決まったの?」

唯「全然!」

憂「そ、そうなんだ…」

唯「りっちゃんお姫様計画は難しいね~」ズズー

純「あ、律先輩をお姫様扱するのは確定してるんですね」

唯「だって、りっちゃんの反応おもしろそうだし」

梓「おもしろそうって…」

憂「…う~ん」

唯「どうしたの憂?」

憂「お姫様って言うなら、まず形から入ったらどうかな?」

和「形?」

憂「うん。律先輩、いつもボーイッシュな格好でしょ?だから女の子らしい清楚な服を着せておめかししてみるとか」

紬「おめかししたりっちゃん…。素敵ね!」

梓「確かに、その方が盛り上がりそうですしね」

澪「女の子らしい…裸エプロ「澪の意見は聞いてないから」

澪「何でだ!愛し合う恋人同士なら一度は憧れるだろ!」

梓「変態の思考は妄想のまま終わらせて下さい」

澪「そうか…。律の裸エプロン姿を見るのは私1人で充分だもんな」

梓「そんな事言ってませんが?」

唯「でもりっちゃんがそんな服着てくれるかな~?」

紬「はい!それなら私から服をプレゼントって事にすればいいと思います!」

純「いいですね、それ」

紬「この前お店で素敵なワンピースを見つけたの。きっとりっちゃんに似合うと思うな」

和「あんまり高そうなものだと、律が萎縮しちゃうんじゃない?」

紬「そんなに高い服じゃないから大丈夫なのです!」フンス

紬(確か7万円くらいだったかしら)

澪「それなら良さそうだな。じゃあ、お願いするよムギ」

紬「どんとこいです!」

唯「おお!憂のおかげでどんどん話が進むよ~。さすが憂」

憂「そんな事ないよ。お姉ちゃんが頑張ったからだよ~」テレテレ

唯「そうかな~」テレテレ

一同(どこがだ!)

唯「さあどんとこい!りっちゃんの誕生日!」

憂「も~。気が早いよ、お姉ちゃん」

唯「えへへ」

和「じゃあ、話を進めるわね。まず普通に誕生日パーティーにを始めて…………

ーーーーーーーーーーーー



一同「誕生日おめでとー!」

パン!パンパン!パン!

律「お~!ありがとーありがとー!くるしゅうないぞー。わっはっは~」

紬「それで、早速なんだけど私から誕生日プレゼントがあるの」

律「?本当に急だな」

紬「それがね、お洋服のプレゼントだから、これを着て誕生日パーティーをして欲しいな~、って」

律「ふ、服?まさかすんげー高いもんなんじゃ…」

紬「お願い!りっちゃん!」ズイッ

律「お、おう。分かった。分かったから」

紬「それじゃあ早速行きましょう!」

律「お、おう」

憂「私も髪の毛をセットお手伝いします」ニコッ

律「セット?んな事しなくったって…」

憂「だめ…ですか…?」

律「あー!なんか急に髪の毛が気になりだしたなー!セットしたいなー!」

さわ子(憂ちゃん…。あなどれない子!)

憂「こちらへどうぞ。律さん」

澪(まさか2人で律の着替えを覗くつもりなんじゃ…。そして、襲いかかって2人がかりで律をあんあん言わせる「声に出てますよー」

和「澪じゃあるまいし、そんな事はないから安心しなさい」

澪「そ、そうか」ホッ

澪「確かに律のイイトコロを知り尽くしてるのは私だけだから、心配はいらないか」

梓「言ってねえよ」

さわ子「梓ちゃん?!」

     ♪彡

律「これって…」

紬「素敵でしょ?」

律「いや、可愛いのは可愛いけど、私っぽくないかな~って…」

紬「りっちゃんなら、絶対絶対ぜ~ったい似合うから!ね?ね?」

律「う~ん」

憂「私も律さんに似合うと思いますよ」

律「でもなぁ…」

憂 紬「じー」キラキラ

律「うっ…」

憂 紬「じー」キラキラ

律「わぁかったよ!着るよ!」

憂「じゃあ、髪の毛セットしますね~」

律「いつの間に背後に!」

紬「うふふ~。楽しみだわ~」

律「ムギ」

紬「なぁに?りっちゃん?」

律「その…。ありがとう、これ」

紬「どう致しまして」ニッコリ



     ♪~

澪「まだか?なあ、まだか?もう来た?来る?」ソワソワ

梓「もう来るみたいですよ。あとうるさいです」

憂「皆さん、お待たせしました」

紬「私と憂ちゃんの自信作で~す」

澪「律はいつだって神様の自信作だって」

和「楽しみだわ」

紬「それでは、どうぞ~」

カチャ

律「……お待たせ…」

さわ子(清楚な淡いグリーンのワンピース!)

梓(クリーム色の薄いカーディガン!)

唯(髪の毛が三つ編みだ!)

和(毛先に軽くパーマをあてたのね。学校だったら校則違反だわ)

純(び、美少女やでぇ…!)

紬「どう?どう?すっごく可愛いでしょ?」

憂「よく似合ってますよ。律さん」

律「そう、かな?」チラッ

澪「」ポケー

律「変じゃないか?」チラチラ

澪「」ポー

唯「ありだよ!りっちゃん可愛いよ!」

さわ子「衣装の創作意欲が掻き立てられるわ!」キラン

和「似合ってるじゃない」

梓「想像以上かも…」

純「だね…」

律「そうか?み、澪はどう思う?」チラチラ

澪「」ポーッ

律「こーゆーのキライ?」

澪「か、かわいい…」

律「う、うん」

澪「いや…かわいいって言うか…。その…」

澪「綺麗だ…」

律「へ…へへ…。そっか…」

澪「凄く…綺麗だ…」

律「うん。ありがと」

澪「よく、似合ってる」

律「もういいって…」

澪「うん…」

律「ん…」

澪「律」

律「なに?」

澪「誕生日おめでとう」

律「ありがと、澪」

和「もういいかしら?」

澪「ひっ!」

律「なっ!」

さわ子「2人の世界に浸るのもいいけど、周りの空気も考えなさい」

純(凄く…いたたまれないです)

唯「ささっ!りっちゃん。どーぞどーぞこちらへ!」

律「こほん…。あーうまそうな料理だなー」

憂「沢山食べて下さいね」

唯「おいひいよ憂~」モグモグ

律「こら」


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最終更新:2013年08月21日 20:39