高校の教室で蒲団って本を読んでいたところ、
唯から声をかけられた。
「りっちゃん、おはよ~!」
「今日は早いな。」
「えへへ、憂がいますから!」
いいな、憂ちゃん欲しい…
「ところで、たやまはなふくろって何?」
「いや、こっちが聞きたいんだけど!」
「それは、たやまかたいって読むのよ。」
「あ、ムギ!」
「そうなんだ、おかしい名前。」
なんだ。
唯は本の作者のことを言ってたのか。
…田山花袋。
蒲団の作者の名前。
「たやまはなふくろの方がおかしーし!」
3人の笑い声が教室に響いた。
………
…
放課後になった。
「りっちゃん、部活いこ~よ!」
「悪い、今日は帰るな。」
「あ…りっちゃん…」
唯には悪いが、澪に会いたい。
せっかく会えたんだからゆっくり話したい。
そう思って私は澪の家へ向かった。
「澪!ただいま。」
「いや、私の家なんだけど…」
「澪に会いたかったからいいの!」
「そうか…」
澪がやってきて一週間は立った。
一人ぼっちの澪が寂しくないように、
しばらく澪の家に泊まっていた。
けど、澪が一番して欲しくなかったことを言ってきた。
「私のママとパパってどこにいるの?」
そう、この家は私と幽霊の澪しかいない。
「…引っ越したんだ。」
「…」
「澪が死んでから引っ越してしまったんだ。」
「そうなのか…」
せっかく戻ってこれたのに両親に会えないのは辛いだろう。
「…」
「…」
この空気、どうにかならないのか?
「薬屋さんかネ……今日はいいがな」
「…は?」
「なんの本でしょう?」
少し考えたあと、澪は言った。
「え、蒲団か?」
「正解!」
「…ふふ。」
「何だよ?」
「そういえば律ってなんで本なんか読んでんだ?」
「それは…」
「秘密だ!」
まだ、言いたくない。
いや、恥ずかしくて言えない。
「…律。」
「何だ…?」
澪が真剣な目で私を見つめる。
何を言われるんだ?
「おなか減った。」
幽霊もお腹、減るのか。
「よし!今日は私に任せろ!」
とっておきのハンバーグつくってやる!!
第3話「蒲団」おわり
最終更新:2012年10月16日 19:22