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-部室-

「りっちゃん隊員!」

「りっちゃん!!」

「…」

「我々、軽音楽部は旅に出ることを誓いまーす!」

「…あの、練習は?」

「あずにゃん!休みも必要だよ?」

「そうよ、梓ちゃん!」

「よーし、いくぞー!」

「「はーい!」」

梓とはまだ喧嘩したままだ。

そこで、唯とムギと澪の提案が旅行。

ついでに澪のお母さんの家で、

山椒魚の改変後を返してもらう。

そんな計画だ。

旅行に行く前に澪が、

部屋にこいって言ってたな。

「諸君!まずは秋山家からだ!」

「「了解!」」

「…」

ノリノリな唯とムギ。

黙り込んでる梓。

頑張って楽しませないとな!

-澪の部屋-

「みんな、よく来てくれたな!」

「「澪ちゃん!」」

唯とムギが澪に抱きつく前に、

「澪先輩!」

梓が澪に抱きついた。

澪は梓の頭をなでていた。

それをムギが目をキラキラさせながら見てる。

唯はふられた~なんて言っている。

私はただ笑顔でそれをみるだけ。

「実はみんなに手伝ってほしいことがあるんだ。」

「なになに!?」

「旅行に行くなんてお金がないだろ?」

「はい、そうですね。」

「お金なら斉藤に頼むけど?」

「ムギ…大丈夫だ。」

「みんなに宝探しをしてもらいたいんだ!」

「…宝探し?」

「ねぇ?それって楽しいの?」

「ムギ先輩、宝探さしって言うのは…」

「隠したものを探すことだよ!」

「何か澪らしいな。」

「私の部屋に本棚があるだろ?
 本の中にお札が挟まってるんだ!
 それを探してほしい!」

「このたくさんの本の中ですか!?」

「ああ。」

澪の部屋の本は多すぎだろうな。

まぁ、頑張るか!

-探し中-

「あったわ!」

ムギが千円札を見つけた。

「あっ、私も見つけました!」

梓も千円札を見つけた。

「えへへ、私の方にはお札が2枚!」

唯は千円札を2枚も見つけた。

「本によっては、一万円札も挟んであるぞ!」

澪はそう言って千円札を見つけていた。

あ、私だけだ。

見つけてないの。 

本に隠されたお金を探すのは楽しく、夢中になった。

そして私はやっとお札を見つけた。

「やった一万円札だぞー!」

「えー、りっちゃんズルい~!」

「何の本に挟んであった?」

「影の獄にて…だな。」

「あぁ、それはとても面白いんだ。」

結局、合計で…

八万六千円を見つけた。

澪って金持ちだな。

「これで旅行ができるな!」

「よーし、行こう!」

澪も連れて、

5人で電車に乗った。

そして、

着いたのは自然豊かな場所だった。

「あとは歩くだけだな。」

自然に囲まれながら

ゆっくりと歩く。

景色のいい眺め。

小鳥たちの鳴き声。

全部がとても心地良かった。

そして着いたのは澪の両親の家。

何故か姿が見える澪は隠れていた。

ドキドキしながらチャイムを押す。


ドアを開いて出てきたのは澪のお母さん。

「あら、澪のお友達の皆さんに律ちゃん。」

「えっと、どうも。」

「せっかく来たんだから家の中にどうぞ?」


「お、おじゃましまーす!」

「お茶でも準備しようかしら?」

「あ、おかまいなく…」

「お茶!飲みたい!」

「唯先輩、少しは遠慮しましょうよ。」

「えー、代わりにあずにゃんをぎゅ~!」

「あらあら!」

何か3人でじゃれあってるし。


「あの、澪のお母さん!」

「何かしら?律ちゃん。」

「山椒魚の改変後ってあります?」

「…あぁ、澪の貸してくれた本?」

「そうです。」

「…どうかしたのかしら?」

「返して頂けませんか?澪の部屋に…」

-その頃、唯達は…-

外で…

「澪ちゃん!」

「わぁー!くるなー。」

「待てー!」

「…なんですか、これ?」

「お茶を飲んだ唯ちゃんが運動してるのよ。」

「…鬼ごっこって子供みたいですよ。」

「…そうね、ねぇ、梓ちゃん…」    

「律ちゃん、私は澪に借りたままなのよ。」

「だから、わたしが…」

「貴方は澪じゃない!」

「…知ってます。澪の代わりにです。」

「澪の代わりなんかいないわよ!」 

「私は親友として…!」

「…人殺しのくせに。」

「えっ?」

「澪を死んだのはアンタのせいだ!」

「そ、それは…」


「梓ちゃんの方が子供よ?」

「どうしてですか?」

「りっちゃんと喧嘩して意地はってるじゃない。」

「それは…律先輩が。」

「人に押しつけるのも子供ね。」

「…私が嫌いな律先輩なんかいらないです。」

「私は…」

そう…

澪が死んだのは…

私のカチューシャが無くなったのが原因だ。

澪が必死に探してくれた。

だって、澪からもらった大切なカチューシャだから。

カチューシャは河原にあった。

澪が見つけてくれた。

なぜ、河原にあったかは…

私がよく昼寝していた場所で

カチューシャが寝てる間にとれたんだ。

なんで勝手にとれたかは分からないけど。


その日は台風が近づいて、

雨が降り出す。

風が強くなる。

雷が鳴り出す。

澪は普段だったら怖がるはずなのに。

私のために探してくれた。

携帯で澪から河原にあったって連絡を聞いたあの時。

雨がもっと強くなった。

河原の水は溢れだし、

澪は流された。

「アンタのせいで澪は…!」

ぶたれるな、これ。

私は人殺しか。

梓に嫌われても仕方ないな…

ぶたれる瞬間。

「やめて下さい!」

涙声になって叫んだ梓がいた。

「梓…え?」

「誰なのよ…え、澪?」

「ママ…久しぶり。」

「澪先輩…」 

梓の後ろには澪が立っていた。



「ママ、話があるんだ。」

「…澪なの?本当に澪なの?」

澪のお母さんは信じられない目で、
澪を見ていた。

「…律先輩、外に出ましょう?」

「分かった。」

今は澪と澪のお母さんを
二人きりにさせた方がいいよな。

それよりも、
梓が私に話しかけたことに驚いた。

外に出た。

唯と紬が楽しそうに鬼ごっこをしていた。

「…律先輩。」

「なんだ?」

「聞いてほしいことがあります。」


「私は律先輩のことが…」

「いえ、律先輩の…」






「馬鹿っー!!」  



「…え。」

やっぱり、嫌われてる!?

「律ー!」

梓の馬鹿っー!!って声を和ませてくれるような声。

「澪!」

「あ、澪先輩…」

「梓…私もそれには同意できるぞ?」

「…ば、ばーか!律先輩の馬鹿///」

「律のば~か!」

何かいじめられてる…

和ませるなんか嘘だったな…

遠くからも声がする。

「りっちゃんの馬ー!」

「りっちゃんの鹿~!」

なんだ…この二人。

「唯には馬って言われたくないな…」

「ムギだって鹿みたいにぽわっとしてるじゃん…」

その後…

澪から山椒魚の改変後をもらった。

「ママは私を信じてくれなかった。」

「幽霊なんて信じないって。」

「本を投げつけられたんだ。」

「お前みたいなのが来たら祟りがある。」

「もう来ないでってな。」

寂しく俯いた澪に私はどうすることもできなかった。

でも澪は笑って…

「律さえいてくれればいいんだ。」

「…馬鹿澪。」

沈黙が続く。



その沈黙を壊した声が…

「馬鹿なのは律先輩です!」

梓の声が…

みんなを笑わせた。

「軽音部諸君!帰るぞー!!」

「おー!」


山椒魚…

結局は、
山椒魚と蛙は岩屋から出るべきなのか…
出られないまま終わるべきなのか…

岩屋に閉じこめられたみたいな私の想いは、
きっともう少しで出られるだろう…

(梓、大好きだ。)

まだ、声にはならないけど。

岩屋の鍵を渡してくれた澪…

ありがとう。


第7話「山椒魚(改変後)」  おわり




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最終更新:2012年10月16日 19:29