梓「卒業しないでよお」グスッ

唯「あずにゃんはいい加減学ぶべきだよ」

紬「私たちの一年遅れで入学したら、必ずそうなるわ」

律「もしくはアタシらに留年しろという気なのか」

梓「はい」

澪「まったく恐ろしいやつだよ」



律「しかもお前20歳過ぎてツインテールって時点でダブルで恐ろしいぜ」

唯「そのうえツインテール振り乱して吉野家の特盛り牛丼にかぶりついてるんだから」

紬「もはや芸術ね」

梓「アハッ、私をホメてくれるのはムギ先輩だけです!」

澪「えっ」



紬「梓ちゃん」

梓「はい!」

紬「ホメてないわ」

梓「マホメット」

澪「そうか」

律「え、どういう事?」

澪「知らん」



澪「私は時々、思うんだが…」

紬「えぇ」

澪「梓がこんな風になったのは唯のせいじゃないのか?」

唯「えぇっ」

梓「私どんな風になったんですか」

澪「自分の胸に手を当ててよく考えてみるんだな」

梓「それは澪先輩のパイオツを揉んでいいって事ですか」

澪「自分の胸って私の胸の事じゃないんだよ!?」

律「あとパイオツとか言うんじゃねーよ」

梓「じゃあなんて言えばいいんですか」

律「澪の胸はホルスタインだ」

梓「ホルスタイン」

紬「リピートアフターミー」

紬「ホルスタイン」


唯律梓「ホルスタイン」


澪「お前ら全員頭おかしいのか」



唯「ごめんなさい、今のは澪ちゃんの大きな胸への嫉妬が入り交じっていたことを告白しておくね」

律「アタシも」

梓「私もです」

紬「私は面白そうだからのっかっただけよ」

澪「そうか」

澪「もう、なんでもいいよ」

律「そんな簡単にあきらめるなよ!」

梓「あきゃらめたらキャラメルコーンですよ」

唯「あきゃらめるからキャラメルコーンちょうだい」

紬「澪ちゃんのオッパイで我慢してね」

澪「私のおっぱいで我慢するんじゃないよ!?」



澪「はぁはぁ」

律「まあ落ち着けよ」

澪「くっ…」

唯「それで あずにゃんがおかしくなったのが私のせいって?」

澪「元は生真面目なコだったのに唯が『あずにゃんあずにゃん』と可愛がるから」

律「唯に骨抜きにされてアホになってしまったってワケか」

唯「そうなのあずにゃん?」

梓「私は自分がおかしいなんて思ってないのでよく分かりません」

澪「いや、お前は異常者だよ」


紬「少なくとも性格は丸くなったわよねえ」

律「最初は練習しなかっただけでキレまくってたもんな」

澪「それが猫耳をつけたり唯にゴロゴロ可愛がられるうちにだんだん変態へと変態していったんだ」

律「変態していったのか」

唯「大変だねえ」

紬「大変な変態なのね」

梓「なんだろう、今すごく気持ちいいです」

澪「変態だ」



梓「まあ、確かに唯先輩の可愛がりは脳がとろけるような快感がありますね」

紬「まあ、そんなに?」

唯「そうかなあ」

律「雪印のとろけるチーズとどっちがとろける?」

梓「え…どっちかなあ」

唯「とにかく その理屈で行くと私にネコ可愛がりされた人間は脳がトロけるんだね」

澪「ソレ、もう危険な妖怪だよ」

唯「私、妖怪よりポケットモンスターがいい」



唯「こうなったからには澪ちゃんの事もネコ可愛がりしてみよう」

澪「なにっ」

紬「澪ちゃんの脳がとろけてしまうわ!」

律「そりゃ大変だ」

唯「みぃにゃん」

澪「ん?」

唯「みぃ~にゃん♪」

澪「あっ、わたしのこと?」

唯「みぃにゃん肌すべすべだね~」ナデナデ

澪「うむ」

律「どうだ、トロけてきたか?」

澪「トロけてきた」

梓「あっ、澪先輩がネコの顔に」

律「澪のヤツ、美人扱いはされるが あんな風に可愛がられた事は少なかったかも知れないぜ!」



梓「可愛がりを堪能しましたか」

澪「堪能した」

澪「こんな扱いを毎日されたら自分の事がとても可愛い生き物なのかと勘違いして
何をやっても許されると思い違いをするかも知れない」

梓「そうでしょう」

澪「でもお前は本当はとても醜い生き物なんだから勘違いしてはいけないよ?」

梓「私、醜いんですか!?」

律「いや、醜くはないだろ」

梓「おほっ!?律先輩しゅきぃいいいい」

紬「見た目は可愛いけど心はヘドロのように汚れているわね」

澪「うむ」

澪「人間は醜い生き物だ…」

唯「澪ちゃんの邪鬼眼が!」



紬「ときに唯ちゃん」

唯「ほぇ?」

紬「私も」

唯「?」

紬「私もネコ可愛がりして!」

唯「むぅにゃん」

紬「!」

唯「むぅにゃ~ん♪」

紬「あっ、ムギだから『むぅにゃん』なのね!」

唯「むぅにゃんは肌すべすべだね~♪」ナデナデ

紬「そして澪ちゃんと同じパターンなのね」

梓「あっ、そう言いながらもムギ先輩の顔もネコの顔に」

紬「にゃ~ん」



律「脳がトロけてきた?」

紬「トロけましたぁあ」

澪「お、お前アヘ顔になってるぞ」

梓「恐るべし唯先輩」

律「よし、唯。ここまで来たらアタシも頼む」

唯「り」

律「ん?」

唯「りっ。りッ」

唯「リっ」

律「…?」

唯「りりりリリりりりりリリリィ」

律「え、なんだソレ」

唯「ごめんね、りっちゃんの名前はインスピレーションが沸かないよ」

律「なんだと」

澪「無理するな無理するな」

梓「まあ、りぃにゃんとかりっにゃんとかちょっと言いにくいですよね」

唯「あやうくアイアムアヒーローのZQNみたいになりかけちゃったよ」

律「それは危ないところだったが…」

律「私の心はズタズタさ」

唯「ごめんね」

澪「気の毒にな」

梓「でも毒と苺って字が似てますよね」


律「それがどうした」

紬「イチゴジャム食べる?」

律「食べる」

ペチャペチャ



―次の日―

唯「ザリガニ売って暮らして生きたいよね」

澪「別にそんなことは思わない」

律「どうしたんだよ唯」

唯「私もあと一年くらいで社会人だけどマトモに就職出来るとは思えないよ」

紬「それでザリガニ売ろうと思ったの?」

唯「思ったの」



律「お前1+1も出来ないもんな…」

唯「かけ算までは出来るようになったよ!」

梓「ゆ、唯先輩ってそんなに頭悪かったんですか?」

唯「頭のいい悪いって学校の勉強が出来る出来ないじゃないもんね」

澪「うむ」

紬「唯ちゃんはどんな分野で頭がいいの?」

唯「ザリガニ捕り!」

律「そんな事言ってる時点で頭悪そうだけどニャー」

梓「なぜ語尾にニャーをつけたんですか?」

律「かわいくなりたかったから」

澪「その発想がかわいいじゃないか」

律「手ごたえありだぜ」



律「でもザリガニを売って暮らすって、そもそもアレは店で販売してるモンだっけ」

唯「あー…」

澪「水槽のコケとかを食べてくれる小さいエビを売ってるのは見たことあるけど」

梓「フランスでは料理に使うとか言いますが」

紬「その辺の濁った池で捕ったザリガニがフランス料理に使われてると思ったら大間違いよ」

唯「そうなの?」

紬「さあ」

澪「知らないのかよ!?」

紬「私にだって分からないことはあるわ」

梓「そりゃそうでしょうけど」

律「だったら知ったかぶりするなって話だよな」

紬「りっちゃん」

律「なんだ」

紬「マーマレード食べる?」

律「いや、今はいらねーよ」

ペチャペチャ

澪「結局食べてるじゃないか!」

律「はぐっ、むちゅっ」ペチャペチャ



―次の日―

律「もうジャムなんてしないなんて喰わないよ絶対」

唯「どういう事かなあ」

律「もうジャムなんて一生食べませんって事さ」

澪「いきなりどうした」

律「小瓶とはいえ2日連続ジャム瓶を舐めつくすと軽く生命の危機を感じてさ」

梓「血糖値とかヤバそうですよね」

紬「なんでそんなにジャム食べたの?」

律「お前が喰わせたんだろーが!?」

澪「食べる方もどうかしてると思うが」



梓「しかし実際どうなんですかね」

律「何がだよ」

梓「もしもお金あげるから一生ジャム食べられないって話だとしたら、いくらくらいが妥当だと思います?」

澪「ん?」

唯「例えば100万円もらうかわりに二度とジャム食べられないとかってこと?」

梓「はい」

紬「ん~」

律「10万くらいかな」

紬「えっ」

澪「お前それは軽く考え過ぎじゃないか?」

律「そうか?」

唯「10万円なんてすぐなくなっちゃいそう」

律「まあでもたかがジャムだろ。アタシ、ジャムなんて年に3回くらいしか食べない気がするし」

澪「でももう二度と食べられないって思うとなんか寂しい気もするだろ?」

律「しない」

紬「さすが」

唯「男らしいねえ」

律「ニャー」

澪「可愛く見られたくなったのか」

律「うん」



澪「私は2億円くらい欲しいな」

律「おいおい、ジャムくらいで強欲過ぎるだろ」

澪「お前はあれだけかぶりついといてなんだ」

唯「確かに数百万円くらいでも十分、大金だけど
ちょっと良い車とか買ったらあっという間になくなるだろうし」

紬「車は便利だけれど、それと引き換えにあの甘くて美味しいジャムを一生食べられない…」

澪「な?金を使い切った途端、ジャムが食べられないってペナルティだけが
のしかかってきてすごく憂鬱になるんだ」

澪「だから一生かかっても使いきれないくらいのお金を私は断固要求するよ」

律「ふぅん」

紬「まあ2億円なんて持ってたら案外すぐなくなるけど」

唯「えっ」



唯「澪ちゃんの言う事は説得力があるね」

澪「だろ?」

唯「でも、もしも不可抗力でジャム食べちゃったらどうなるの、あずにゃん?」

梓「何がですか」

紬「いちごクリームパンの中にいちごクリームが入ってると思ってかぶりついたら
中にはいちごジャムと白いクリームが入ってたって事はあるわね」

梓「ははぁ」

澪「なるほど。約束を破ってしまったペナルティがあるかないかは重要だぞ」

梓「フーム、そうですねえ」



梓「やはり食に関する事ですし胃を3分の2切除するというのはどうでしょう」

唯「ふぎゃっ」

澪「なんか生々しい話だな…」

梓「そして2度、禁を破ったものは3分の1になった胃をさらに3分の2切除するです!」

律「考え過ぎだよ」

唯「あずにゃんいつもそんな設定ばかり考えてそうだよね」

梓「あれっ先輩たちが遠い存在に」

紬「それより今から牛丼食べに行かない?」

唯「行く行く!」

澪「久々にチーズ牛丼食べたいな」

梓「ニ~ックニックニック♪ニックニックニクッ!」

澪「なんだ?」

梓「肉の歌です!」

唯「そんな歌あるんだ」

梓「私が作詞作曲しました!」

律「作詞って、肉しか言ってないけどな」

梓「そうだ、これを放課後ティータイムのテーマソングとして提供しますよ」

紬「ハッw」

梓「軽くあしらわれた!?」


2