紬「あっ、違うの!今のは自己満足詩人野郎って意味で
決してマスターベーション好きの人の事ではないのよ!」
澪「もちろんそうだよな」
律「どっちにしろ ひでえ」
和「アハハ八ハハハハ!!!」
唯「ど、どうしたの和ちゃん」
和「オナポエ野郎って略してみたらなんか可笑しくてwwww」
澪「もうやだ!殺せ!殺してくれえええ!」
律「お、落ち着けよオナニーくらい誰でもやるだろアタシらくらいの年齢なら」
和「そうよ、私なんて生徒会長の時に全校集会の挨拶しながら全校生徒に見られつつポケットの中の」
唯「えっ」
律「な、なんだ」
和「ジョークよ」
紬「和ちゃんのジョークはどこまで本気か分からなくて興奮するわあ」
和「じゃあとりあえず海を目指すわね」
律「ういー」
唯「憂?」
律「いや、了承したって意味のウィ」
和「そういえば憂は元気?」
唯「うんー、大学で友達いっぱい出来たみたいでね」
唯「こないだ私がサプライズ帰省した時も家に友達呼んでお泊まり会してた」
律「へえ、楽しそうじゃん」
紬「家にまで泊まりに来るなんて相当な仲良しさんね」
唯「でも昔はお姉ちゃんお姉ちゃんといつも私の側に寄ってきた憂が
姉離れオーラを発していて寂しかったよ…」
紬「あらあら」
律「兄弟なんてそんなもんだって」
律「アタシの弟なんて小学校上がったあたりからナマイキになっちゃってさ」
和「あら、私の弟たちは小学校上がったけど、いい子たちばかりよ」
唯「和ちゃんはりっちゃんと違ってリスペクトされてるだろうからねえ」
律「反論できねえ」
唯「ムギちゃんトコも菫ちゃんっていう妹分がいたよね」
紬「いるわね」
和「どんなコ?」
紬「唇が柔らかいわ」
律「妹の紹介の第一声がソレってお前ソレお前」
和「妹分と言えばアンタたち、妹分のバンドがいたらしいじゃない?」
唯「わかばガールズだね」
律「あれ、妹分だったのか」
紬「進路がバラバラで解散しちゃったのが残念だわあ」
和「放課後ティータイムは大学卒業しても続けるの?」
唯「どうなの、りっちゃん」
律「なぜアタシに聞くんだ」
紬「りっちゃんは放課後ティータイムのボスだもの」
唯「りっちゃんが続けるというなら私は陰ながら応援するよ」
紬「私も~」
律「あれあれ?陰ながら応援ってのは表だった活動はしないという事なのかな」
唯「りっちゃん、がんば!」
和「ところでさっきから喋らないコがいるけど」
唯「澪ちゃん、ごめんね」
律「なあ澪、そろそろ機嫌直せって」
紬「みおちゃ~ん」
澪「触るな」
紬「えっ…」
澪「今までガマンしてきたがお前たちに言いたい事がある」
和「ちょっとやめなさいよ澪」
澪「私、ときどき乗り物酔いする事があってもう吐きそう」
紬「えっ」
和「ちょっとやめなさいよ澪ぉッ!?」
澪「ボェ」
律「うわ、オイっ、よせっ」
紬「和ちゃん、車止めて車!!」
和「ちょ、こんな流れの早い所で急に止めたら追突されりゅ!!」
唯「和ちゃん落ち着いてww」
澪「も、もうでる…」
和「澪、澪、律かムギと席変わりなさいよ窓から吐き出しなさい」
律「無茶苦茶言ってるぜ」
唯「後ろの車の窓にビシャアッてゲロが直撃しないかなあ」
紬「澪ちゃん、席変わる?」
澪「ゆゅ揺らすな…」ピロ…
紬「なんか出た!?」
和「ちょっと!?母さんの車汚したらダメだって!!」
和「外に!!外に!!」
唯「鬼は~外~www」
澪「うぶゅ、もう…」
澪「うおぉおおおお和!!のどかあああ出すぞッ!!中で出すぞぉッ!!」
和「やめて!?お願い!!!(車の)中で出さないでええ!!」
澪「オロロロロロロロロロ」
律「くっ…!!」
紬「りっちゃん!?」
ビシャアッ
唯「あっ、りっちゃんが手のひらで受けとめてくれたよ…!!」
澪「うっ、うっ」
ビュッ
ドビュッ
律「くぅ…熱ッ…」
和「り、律…」
澪「はぁ…はぁ…」
律「く…うう…」
コポォ…
紬「だ、大丈夫?二人とも…」
律「うおおぉぉアタシの両手いっぱいのブツは一体どうすりゃ」
和「ま、窓から捨てられない?」
律「両手が塞がっていて窓が開けられない」
唯「よく考えたらコーヒーのカップに吐けば良かったね!」
澪「うぐゅ」
紬「ハッ」
律「お、おい澪、ぉ前まさかまた」
澪「出りゅ…」
ゴプ…
和「り、律っ」
律「いやもう無理ムリ無理やってもいいけど全部あふれるって」
和「ムギ!!お願い!!」
紬「えっ」
紬「いや、私、絶ッ対ッ嫌ッ!!!!」
唯「ムギちゃんコーヒーカップを使うんだよ!!」
紬「まだいっぱい入ってるもん!」
律「飲め!まだ間に合う!」
紬「うぐ…こんなゲロくさい車内で飲めないよぉ」グス
澪「もおおおおおおお」
和「ムギぃぃぃぃ」
紬「ひぎっ!?」
澪「ヴおロロロロロロロロロロ」
紬「うううっ…ううううううううう!!!」
ビシャアッ
唯「あっ、ムギちゃんが泣く泣く手を…」
澪「うっ、うっ」
ビュッ
ビュルル
紬「あぐっ…嫌ッ…嫌あああぁ!!!」
澪「おぶゅっ、びゅるびゅる」
紬「あぐっ…くぅ…」
澪「はぁ…はぁ…」
澪「ガクッ」
唯「失神した」
律「おい、このゲロ捨てたいから窓開けてくれ」
唯「ムギちゃんもりっちゃんも両手塞がって開けられないみたい」
和「ああ…その辺りで車、止められそうだからあと20秒だけ我慢してね…」
律「早めに頼むぜ…」
紬「うッ…うっ…わ、私が…こんな…うううっ…」
―郊外の田園風景―
律「はぁぁ…ブツは捨てたけどゲロまみれの手はどうすりゃいいんだ…」
紬「誰かハンカチ持ってない…?」
和「あるけど貸さない」
律「ひでえや」
唯「ムギちゃん、いつもポケットにハンカチ入れてなかったっけ。探してあげよっか」
紬「自分のハンカチを使いたいワケないでしょ!?」
律「なんてヤツらだよ」
和「車内にティッシュがあるからとってくるわ」
唯「まったくもう…みんな澪ちゃんをイジメるから天罰が下ったんだよ~」
律「じゃあ事の発端のお前だけ何故ノーダメージなんだ!?」
唯「いい子だから!」
紬「うぎぎっ」
唯「ん…」
唯「あっ、見てよ。あそこに用水があるよ」
律「お、こりゃいいや」
律「ここで手を洗おう」
和「一見、綺麗な水だけど、衛生面は大丈夫かしら?」
律「その辺の田んぼで使ってるみたいだし、まあゲロよりはマシなんじゃねーの?」
紬「うう…」
パチャパチャ…
律「ふぅ…」
唯「あっ、あれ…」
和「あら、唯の大好きなザリガニが水の中に」
紬「なんだか私にすり寄ってくるわ」
律「お、アタシんトコにも…」
すりすり
紬「♪」
和「人なつっこいザリガニね」
唯「……」
唯「あっ」
律「どうした?」
唯「わかった!このコ、澪ちゃんのげろを食べてるんだ!」
紬「ずいぶんマニアックなザリガニね」
和「
秋山澪ファンクラブにもそんなヤツはいなかったわ」
唯「ねえ、このザリガニ君、連れて帰っちゃダメかなあ」
律「あぇ?」
和「そんなの連れて帰ってどうするのよ」
唯「今、ザリガニに色んな餌を食べさせて、何か変わった色ザリガニにならないか実験してるんだけど」
紬「えっ」
律「まさかお前…」
唯「なに食べさせても特に変わった色にならなくて行き詰まっていたんだけど
げろを食べさせるという発想はなかったよ」
和「ないままでいいわよ、そんな発想…」
―次の日―
澪「昨日の思い出が全然ないんだ」
純「えっ」
澪「というか、なんで純ちゃんがここにいるのかな」
純「はぁ…まぁ…」
純「本当に何も覚えてないんですか?」
澪「うーん…」
澪「私の記憶が確かなら、今日は8時起きで和という友達と遊びに行く予定だったんだ」
純「あ、澪先輩が高3の時の生徒会長ですよね」
純「知ってますよ」
澪「そうか」
純「というか昨日、会いましたけど」
澪「そうか…」
澪「うーーん…」
澪「もしかしたら私、夢を見ているのかな」
純「えっ、あっ、たぶん現実だと思いますけど」
澪「そうか…」
澪「うーーーん…」
澪「本当に昨日、何があったんだろう…」
純「いや、実は私も分かんないんですけど」
澪「えっ、分からないの?」
純「あ、えっと、純ちゃんが順を追って話しますね」
澪「えっ?」
澪「純ちゃんが順を追って?」
純「忘れてください」
澪「これ以上忘れたら何もかも思い出せなくなりそうだが…」
純「実は2~3日前から梓と全然、連絡とれなくなっちゃって」
澪「そうだろうな」
純「えっ、澪先輩、やっぱり何か知ってますよね」
純「同じ大学なんだし!」
澪「まあソレについては話せば長くなるんだが…」
澪「まあ大丈夫だよ」
純「ほ、本当ですか…?」
澪「それより先に昨日の話をしてくれないかな」
純「はぁ…まあ、とにかく梓がメールも返さなきゃ電話にも出ないんで どうしたのかな、と」
純「それで、そんな遠い場所でもないし
昨日の祝日を利用して梓の様子を見に、この学生寮を訪ねたワケです」
澪「ふむ」
純「でも梓はいないし、じゃあ澪先輩たちに話を聞こうと思っても先輩たちも出かけたらしくて いなかったし…」
澪「ふむ」
澪「私、出かけてたの?」
純「そうみたいですよ」
純「髪が超短い女の人が教えてくれました」
澪「髪が短い…晶、かな?」
澪「うーん」
澪「じゃあ私は出かけていたのか」
純「まあ、どこかから帰ってきてましたから、どこかへ出かけてたんでしょうねぇ」
澪「ふーむ」
純「それでまあ…お昼頃かなあ」
純「私がその辺でテキトーに昼食すませて学生寮に戻ってみたら
律先輩や和先輩が澪先輩を寮の部屋…ていうかこの部屋に運びこんでる最中で」
澪「なに、アイツらが?和もいた?」
純「はい」
澪「楽しそうだった?」
純「え、えと…」
純「ムギ先輩だけ笑いまくってて和先輩は頭から血を流してました」
澪「えっ、何があったんだよ!?」
純「さあ…」
純「それで律先輩が『ちょうどいいところであった澪を頼むなあに寝てるだけだから大丈夫イヒェ~イじゃあなあ~wWW』って
一方的にわめき散らして和先輩の車でどこかへ走り去っていきました」
澪「なんだそれは…」
純「なんなんでしょうねぇ…」
純「とにかくそれで澪先輩はスヤスヤ安らかな寝息は立てていたもの一向に起きる気配もなく
気が付けば日付が変わってしまい、今に至るワケです」
澪「うーん、そうか…そうだったのか…!」
純「何か思い出しました?」
澪「なんにも」
最終更新:2013年11月12日 03:05