澪「よく分かんないけど純ちゃんは私の事を一日中見ててくれたの…?」
純「ま~…このまま帰ったら色々な事が気になりますし」
澪「それはそうだけど」
澪「なんだか悪かったね…ごめん、そしてありがとう」
純「い、いえ!そんな…」
澪「フフ…」
澪「うん。じゃあ律にでも話を聞きにいくか」
澪「…あ、律たち、もう帰ってるの?」
純「すいません、私もさっきまで寝てたので分かんないです…」
澪「いや、謝らないでいいよ」
澪「しかし…」
純「どうしました?」
澪「久しぶりに人間と会った気がする」
純「あ、律先輩に会いに行く前に」
澪「なに?」
純「梓はどうしたんですか」
澪「新種のザリガニを発見するまで山をおりてはいけない約束をしたんだよ」
純「えっ、なんで?ザリガニ?」
澪「うーん…」
澪「まあ、ノリでそうなったんだ」
純「ノリ…」
純「それで新種のザリガニって、見つかりそうなんですか?」
澪「知らない」
純「えっ、じゃあ梓、永久に帰って来れないんじゃ…!?」
澪「うーん…」
澪「知らない」
純「そんな…」
澪「まあ、そのうち勝手に帰ってくるだろう」
純「大丈夫なのかなあ」
ガチャッ
唯「ゃは~い♪澪ちゃん!起きたんだね~」
澪「唯…」
唯「純ちゃんもふもふ~♪」
純「わぁっ唯先輩、おはようございます」
ぺこり
唯「あ、おはようございます」
ぺこり
澪「純ちゃん、マトモでいいコだよな」
唯「久しぶりに人間に会った気がするよね」
純「この辺りに人間はいないのかなあ」
澪「ところで唯。私、昨日の記憶がないんだが何がどうなったんだ?」
唯「知らないよ。私は一時間前の事すら覚えてないのも日常茶飯事だもん」
澪「そうだよなあ」
純「そんなんでいいんですか唯先輩!?」
唯「あ、純ちゃんや。そういえばあずにゃんいないんだけど知らない?」
澪「お前が樹海のどこかに放置してきたんだろうが」
唯「そうだっけ」
純「えっ、えっ」
純「じゅかい!?」
澪「あ、ウソウソ」
澪「たぶん」
純「本当に大丈夫かなあ…」
ドンドン ドンドン
ガチャ
律「オポッ…?」
律「おお、澪か」
澪「律、昨日の記憶がないから昨日のことを全部、話してくれ」
律「昨日か…」
律「昨日…」
律「き…」
律「」
澪「おい律、どうした」
澪「そして全裸なのはなぜ?」
律「なんだったかなあ…昨日か」
律「たしかコーヒー飲んで吐いて酒飲んでムギが暴れ出して酒飲んでビール瓶GETして酒飲んで和が血を噴いて風呂入って酒飲んで澪を寮に放り出して酒飲んでボーリング飲んでムギが暴れ出してカラオケ投げてれってれって風呂入って吐いてムギが暴れ出して唯が叫び出して和も叫びだしてアタシはアケビ喰って酒が暴れ出して菖を襲って寝た」
澪「毎日、理解の範疇を軽々と越えていくねお前は」
律「どういたしまして」
律「じゃ、本当におやすみなさい」
パタン
ぐぉ~zZZ
唯「りっちゃん、なんだって?」
澪「うーん…」
澪「もうなんでもいいか」
唯「そうだね!」
―次の日―
唯「今日はすき焼きをします!」
律「おー」パチパチ
紬「すき焼きすき焼き!」パチパチ
澪「材料あるの?」
唯「昨日、実家から白滝が届いたんだよ」
律「肉は?」
唯「スーパーにいっぱいあるよ」
澪「野菜は?」
唯「畑にいっぱいあるよ」
紬「それ、唯ちゃんのお肉お野菜じゃないわよね」
唯「もちろんそうだよ」
唯「ふんす!」
澪「結局、すき焼きの具は白滝以外何があるんだ?」
唯「みんなが持ってくれば可能性は無限大だよ」
律「お前、白滝だけ用意してあとは丸投げかよ」
唯「もちろんだよ!」
紬「というか白滝だけを送ってくる実家ってなんだか素敵」
律「一体どういう意図で食事付き学生寮に住む娘に白滝だけ送ったんだろうな」
唯「私にもさっぱり分からないよ」
澪「はぁーさっぱりさっぱり」
唯「さっぱり妖精さんだ!」
―富士の樹海―
梓「はぁ…疲れたなあ…」
梓「すき焼き食べたいなあ…」
数日前、何故か怒り出した唯先輩に追いかけまわされて
よく分からないけれど唯先輩が言うには
新種のザリガニを見つけたら帰ってきていい
という話だった。
バカバカしい。
そんな話を聞く必要はない。
なぜ私がザリガニなんか探さなきゃならないのか。
私は唯先輩のゆだった頭が冷えるまで
実家なり友達の家にでも避難すればいいや
と思い、森を出ようとしたが
森の闇の中から笑顔のムギ先輩が3人、猛スピードで飛び出してきて
カステラをくれた。
キュキッ
私はザリガニを探さねば、と思った。
森の中をガムシャラに歩くとチョロチョロと流れる小川に出た。
梓「あっ、ザリガニだ」
新種のザリガニを探せ、というだけあって
一応、この辺りにはちゃんとザリガニが生息しているらしい。
梓「でも新種のザリガニなんて、そう簡単にいないだろうなあ」
透き通った川底で戯れるザリガニをヒョイとすくいあげ、体を観察してみるが
まあ普通のザリガニである。
梓「この辺りで原発が爆裂すれば変なザリガニも生まれるかなあ」
私は不謹慎な事を言ってしまったが、ここには誰も咎めるものがいないので大丈夫だった。
梓「原発お腹空いたなあ核爆発」
私は食糧を何も持ってきてなかったので、お腹が空いた。
そこでムギ先輩からもらったカステラを食べようとしたが、そんなもの無かった。
梓「もしかしてアレ、幻覚だったのかなあ」
梓「ムギ先輩3人いたし、変だと思ってたんだ!」
そもそもムギ先輩にカステラを渡されたからって
なぜ私はザリガニを探す決意なんてしたのだろうか。
梓「私は時々、自分で自分が分からなくなるにゃん」
私はジャンプして木の枝にぶら下がったら枝がボキョッとヘシ折れて地面に頭を打って気絶した。
―次の日―
梓「イタタタ…」
目を覚ますなり、頭痛がする。
梓「そうだ、私は木の枝にぶら下がろうとして…」
でも、なんで木の枝にぶら下がろうとしたんだろう私は
梓「私は時々、自分で自分が分からなくなるにゃん」
私はジャンプして木の枝にぶら下がったら枝がボキョッとヘシ折れて地面に頭を打って気絶した。
―次の日―
梓「イタタタ…」
目を覚ますなり、頭痛がする。
梓「そうだ、私は木の枝にぶら下がろうとして…」
でも、なんで木の枝にぶら下がろうとしたんだろう私は
梓「私は時々、自分で自分が分からなくなるにゃん」
私はジャンプして木の枝にぶら下がったら枝がボキョッとヘシ折れて地面に頭を打って気絶した。
―次の日―
梓「イタタタ…」
目を覚ますなり、頭痛がする。
梓「そうだ、私は木の枝にぶら下がろうとして…」
でも、なんで木の枝にぶら下がろうとしたんだろう私は
梓「私は時々、自分で自分が分からなくなるにゃん」
私はジャンプして木の枝にぶら下がったら枝がボキョッとヘシ折れて地面に頭を打って気絶した。
―次の日―
梓「イタタタ…」
目を覚ますなり、頭痛がする。
梓「そうだ、私は木の枝にぶら下がろうとして…」
でも、なんで木の枝にぶら下がろうとしたんだろう私は
梓「私は時々、自分で自分が分からなくなるにゃん」
私はジャンプして木の枝にぶら下がったら今度こそ死ぬような気がしたので
フラフラと川岸を這いつくばって魚か何かいないか探索する。
なんかすごいお腹も空いてるし体に力も入らないし意識も朦朧とする。
そんな中、私は昔、聞いた話を思い出した。
あまり知られてない情報だけど人間はご飯を食べないと実は死んじゃうので危険なんだって。
だから私はもうワケ分かんなくなってケケケ川の底に食い物がないか必死に漁ったギャ。
ぎゃぎゃぎゃ
梓「ぎゃっ、ザリガニ!」
私がさぐった辺りにザリガニが500匹くらいウジャウジャいた。
梓「昔、ゴルゴ13の作者が描いたサバイバル漫画でザリガニ食べまくってたサトル少年がいたっけ」
梓「いただきマンモス!」
私は死語を叫びながらザリガニを捕まえまくったらザリガニたちが逆襲して私を少しずつ喰いちぎろうとした×500匹でうわあああああああ私はムスタングむったんたんを振り回してザリガニたちを皆殺しにした。
梓「弱肉強食にゃん」
こんな姿見たら全国の中野あずにゃんファンがドン引きするにゃんと思いながら
私はザリガニの殻を剥き
ライターで身をあぶり
カロリーメイトを食べた。
梓「あっ、カバンの中にカロリーメイトあった」
―次の日―
数日前からどうも私の精神状態が安定しない。
コイツ、頭おかしいんじゃねえのと思われかねない行動をとってしまった私だが自覚はあるのだ。
梓「これはもしかして唯先輩が私に呪いをかけたのかも知れないね」
そう思えば私の一見、奇妙な行動も科学的に説明がつく。
だが、分かったところで対処の仕様が無い。
結局のところは唯先輩の思惑どおり、新種のザリガニを発見して許しを乞うしかないのだ。
梓「じゃあ行くよ、スミーレ、直」
私は見えない後輩たちが私を応援しにきてくれた脳内設定をセットしてザリガニの待つ川へ向かった。
―次の日―
―次の日―
―次の日―
―次の日―
―次の日―
―次の日―
―次の日―
―次の日―
―次の日―
―次の日―
―次の日―
―次の日―次の日―
―次の日―次の日―
―次の日―次の日――次の日―次の日――次の日―次の日―次の日―次の日―
―次の日―次の日―
―次の日―次の日――次の日―次の日――次の日―次の日
梓「ウァオオアオエアアアアアアアアばばばぎゃぎゃぎゃぎょぎゃぎやぎぎぎwww」
梓「死ね!!全部死ね!!」
私はカバンの中に入っていたムギ先輩の紅茶っ葉をドバドバ川にブチ込んだ。
最終更新:2013年11月12日 03:09