憂狐「お腹空いたね…」
唯狐「今日も狩り上手く行かなかったね…」
憂狐「仕方ないよ、また明日頑張ろう」
律狐「唯、憂ちゃん」
澪狐「狩りどうだった?」
唯狐「さっぱりだよ」
律狐「そっか、こっちもだ」
澪狐「このままだと餓死してしまう」
憂狐「何とかしないと…」
野生の狐の狩り成功率は10回に一度あるかないかです。
律狐「草食動物は幾らでも食べ物あって良いよな」
唯狐「私達は肉食動物だから仕方ないよ」
澪狐「あっ!虫だぞ」
唯狐「捕まえた!」
憂狐「お姉ちゃん、凄い!」
澪狐「こっちも捕まえた!」
律狐「やったな澪!」
澪狐「はい、律」
唯狐「はい、憂」
律狐「お、おい澪」
憂狐「お姉ちゃんが捕まえたんだから、お姉ちゃんが食べないと」
澪狐「律は私より1日多く食べてないじゃないか」
唯狐「憂は妹で私はお姉ちゃんだよ」ニコッ
律狐「う、うんありがとう澪」
憂狐「ありがとう、お姉ちゃん…」
唯狐「明日は絶対に大物を捕まえようよ!」
律狐「おう、そして皆でお腹一杯食べようぜ!」
梓猫「…」
憂狐「お姉ちゃん、あれって猫?」
梓猫「…」
澪狐「本当だ、おい大丈夫か?」
憂狐「足を怪我してます」
梓猫「さ、寒い…」
唯狐「寒いの?」
梓猫「寒いです…」
律狐「皆で暖めてやろうぜ」
唯狐「ほらっ、暖かいよぉ」ぎゅっ
梓猫「暖かい…」
澪狐「良かった良かった」ぎゅっ
梓猫「私を食べないの…?」
律狐「こんなに弱ってる奴を食えるかよ」ぎゅっ
憂狐「大丈夫だからね」ぎゅっ
梓猫「甘いね、馬鹿だよ…」
律狐「何とでも言え、生意気猫が」ぎゅっ
和狼「何やってるのよ?」
唯狐「猫さんが寒さで凍えそうなんだよ和ちゃん」
和狼「それで、食べずに暖めてるの?」
憂狐「そうなんです、それに足を怪我してるんです」
純狼「この、食糧の乏しい冬に情けかけてる場合じゃないですよ」
澪狐「で、でも可哀想じゃないか!こんなに震えてさ」
和狼「狩りは上手く行ってるの?」
唯狐「それがなかなか…」
和狼「自分達の食糧も儘ならないのに他の動物の世話って…呆れるわね」
純狼「まぁ、でもそこが皆さんの良い所ですけどね」
和狼「全く、これを食べなさい」
唯狐「う、うさぎだ…いいの?」
和狼「皆の分あるから、明日からは自分達で狩るのよ?」
憂狐「ありがとう、和さん」
律狐「ごめんな和、いつもいつも…」
純狼「良いですよ、これが最後ですからね」
澪狐「うん、ありがとう」
和狼「ところで、貴女の名前は?」
梓猫「梓…」
純狼「唯先輩達に感謝しなよ?私達だったら問答無用で食べてたよ」
梓猫「助けてくれなんて言ってないもん…」
和狼「生意気な猫ね?じゃあ、帰るから」
唯狐「皆、食べよう」
澪狐「こんなご馳走久しぶりだな」
律狐「私達も頑張って和や純ちゃんに差し入れしてやろうぜ」
憂狐「本当にそうですね…」
唯狐「ほらっ、あずにゃんも」
梓猫「あずにゃん?」
唯狐「梓で猫はにゃーんて泣くからあずにゃんだよ」ニコッ
梓猫「…」
律狐「どうした?」
梓猫「何で私に優しくするの?」
澪狐「怪我して震えてるのに放っておけないからさ」
梓猫「いつか、飢え死にするよ?」
憂狐「皆で力を合わせたら大丈夫だよ」
律狐「お前は取り敢えず怪我を治せよ」
梓猫「わかった…」
唯狐「あずにゃんは何処から来たの?」
梓猫「向こうの山から」
唯狐「猫さんは狩りが上手いよね」
梓猫「足さえ治ったら」
唯狐「早く治そうね、あずにゃん」ぎゅっ
梓猫「うん」
翌朝
梓猫「う、うーん」ノビー
梓猫「あれっ?狐達は何処に行ったんだろ?」
唯狐「あずにゃん、起きたんだ」
梓猫「おはようございます、何処に行ってたんですか?」
律狐「狩りだよ」
澪狐「ほらっ梓、ネズミだぞ」
梓猫「いいんですか?」
憂狐「梓ちゃん、遠慮しないで」
梓猫「皆は食べたの?」
律狐「私達は捕まえて速攻で食べたぜ!」
唯狐「お腹空いたら狩り出来ないからね」
澪狐「梓は怪我を治す事だけを考えたら良いからな」
梓猫「私もう動け…」
梓猫「痛ッ」ズキッ
唯狐「ほらっ休んでなきゃ駄目だよ」
梓猫「はい…」
その夜
澪狐「梓は仲間は居るのか?」
梓猫「居たけど、はぐれてしまったんです」
澪狐「仲間って良いよな」
梓猫「狐は本来、単独で暮らす動物なのに何で固まって生きてるんですか?」
澪狐「物心ついた時から皆と一緒で、本来は一匹で生きなきゃいけないけど」
澪狐「皆と離れたくないんだ」
梓猫「甘いですね」
澪狐「うん、甘いよな」
梓猫「長生き出来ませんよ?」
澪狐「かもな、でもさ…」
澪狐「皆と一緒に居られない長い一生なんかより」
澪狐「例え、短くても皆と居れる一生を私は選びたいんだ」
梓猫「好きなんですね皆の事」
澪狐「うん、大好きさ」
翌朝
梓猫「だいぶ、治ったかな?もうすぐ走れるようになるかも」
律狐「良かったな梓」
梓猫「律先輩」
律狐「寒くないか?」
梓猫「大丈夫です」
律狐「うん、良かった」
梓猫「律先輩は群れのリーダーなんですか?」
律狐「まぁな」
梓猫「狩りに行かなくて良いんですか?」
律狐「梓を一匹にしておけないからな」
梓猫「優しいんですね」
律狐「うるせー食うぞ?」
梓猫「出来もしない事言ったって怖くないですよ?」くすっ
律狐「お前なぁ…」ジロッ
梓猫「あっ…す、すいません」
律狐「今からお仕置きだ!律様、必殺」
梓猫「ヒイッ」
律狐「あずにゃんペロペロ(^ω^)」ペロペロ
梓猫「ひゃん!辞めて下さい///」
律狐「そーらそーら」ペロペロ
梓猫「あんっ…そ、そんなとこ駄目です」
律狐「どうだ、思い知ったか?」
梓猫「うぅっ…律先輩エッチィです」びくんびくん
律狐「エッチくねーし」
梓猫「そうやって澪先輩の事も…」
律狐「してねーし///」
梓猫「全く…」
律狐「ところで、足見せてみろ」
梓猫「はい」
律狐「後、2日もすれば走れるな」
梓猫「はい、皆さんのお陰です」
律狐「良かったな梓」
梓猫「はい、ありがとうございます」
最終更新:2014年01月15日 00:51