荒野を走る夜行列車


ガタンゴトン……

一等客室の少女「……ふわぁぁ、眠いなぁ」


ガタンゴトン……

一等客室の少女「……わたしの、ギター。あーむ? だっけ」


ガタンゴトン……

一等客室の少女「憂、和ちゃん……わたし、渡り鳥になれるのかな?」


ガタンゴトン……

一等客室の少女「……寂しいよ」


……ズドーン!!

一等客室の少女「わっ!?」



一等客室の少女「びっくりした……なんだろう?」

トニー車掌「――お怪我はありませんか?」

一等客室の少女「あ、はい、大丈夫です!」

トニー車掌「申し訳ありません、突然貨物車両に何かがぶつかったもので……すぐに確認してきますので、席でお待ちください」タッタッタッ

一等客室の少女「あ、行っちゃった……。なんだろ……見に行ってみようかな?」タッタッタッ


貨物車両

トニー車掌「特に異常はなし……って、お客さん、席でお待ちくださいと――」

一等客室の少女「あはは、来ちゃいました……」


ガタン!


一等客室の少女「ん? 誰かいるの――」


ドカーン!!


一等客室の少女「うわわ!? 天井が崩れた!?」

倉庫に隠れていた少女「チッ! 何者だッ!?」サッ チャキッ


バタン!


突然乱入してきた少女「何事ですか!! さてはまた悪い渡り鳥ですね!?」チャキッ

一等客室の少女「えっ、えっ!?――」アタフタ



CHARACTER SELECTION
→一等客室の少女
 倉庫に隠れていた少女
 突然乱入してきた少女


辺境の村
希望 


憂「お姉ちゃん、起きて」

唯「うーん、もう少し……」

憂「ほら、今日は森にベリーを採りに行くんでしょ?」

唯「――あ、そうだった! ふわぁ……おはよう、憂!」

憂「おはよう、お姉ちゃん! 朝ごはんできてるよ」

唯「ありがとー!」


……

唯「さ、しゅっぱーつ!」

憂「しゅっぱーつ♪」

和「あら、おはよう唯、憂」

唯「あ、おはよー和ちゃん!」

憂「和ちゃん、おはよう!」

和「出かけるの?」

唯「うん、森にベリーがたくさん生っていたから採りにいくんだ~」

和「そうなんだ、じゃあ散歩がてら私もいこうかな」


……

村人達「「~~」」♪ジャカジャン


唯「おじさんたち、いつもギター弾きながら歌ってるよね」

憂「うん、楽しそうだけど……でもなんか寂しそう」

唯「なんでだろ?」

和「……みんな、衰退していく世界に絶望してるのよ」

唯「衰退?」

和「そう。ファルガイアはどんどん荒れ果てていって、そのうち水も生命も全部なくなってしまう運命なんだ、って、あきらめちゃってるのよ。それで、ただ歌って無為に過ごしてるだけ……」

憂「確かに荒野ばかりだし、緑は少ないけど……生まれたときからずっとこの生活だし、あまり気にしたことなかったな」

和「ふふ。あなたたちはのんきだから、こんな荒れ果てた世界でも平和に暮らしていけるのかもしれないけどね」


……

村長「おお、嬢ちゃんたち。出かけるのかい」

唯「はい! 森にベリー採りに行ってきます!」

村長「そうかそうか。くれぐれも森にある遺跡には近づいてはならんぞ。危険な渡り鳥どもが盗掘しようとうろうろしているかもしれぬ」

憂「ありがとうございます、気をつけます」


唯「渡り鳥って何だっけ?」

和「依頼を受けて仕事をこなすトレジャーハンターみたいなものかしら。家をもたずにいろんなところを飛び回ってるから渡り鳥と呼ばれているのよ」

憂「よく、怖い人達だって聞くけど……」

和「まあ、荒くれ者が多いってイメージはあるわね。実際に見たことはないけど」


……


唯「わー、ベリーがいっぱいだ!」

和「たくさんあるわね。これならしばらく困らなそう」

唯「あ、あっちにフルーツもあるよ!」ダッ

憂「お姉ちゃーん? あんまり遠くに行くと迷子になるよー!」

唯「大丈夫ー! たくさん採ってくるからー!」タッタッタッ


……

唯「おー、たっくさんあるよ~えへへ……って、あれ。どっちから来たんだっけ?」

唯「ま、迷った…… ん? なんか大きな岩みたいなのが」

唯「なにこれ……建物? これが、村長さんの言ってた遺跡かな? ――ど、どうしよう……こわい渡り鳥が来たら……」ガクガク

ガサガサッ!

唯「ひゃいっ!? お、お助けを~!!」ダッ


……チュー、チュー


……

遺跡
勇気(ダンジョン) 

唯「はあ、はあ……遺跡の中に入っちゃった……怖い人、いないよね?」キョロキョロ

唯「なんか壁とか地面とかぼろぼろだね……渡り鳥の人が掘ったのかな」

唯「どうしよう……外には怖い人がいるかもしれないし……もうすこしここで座って待ってようかな」ヨイショ ピコン!!

唯「え? なんか押した?」

ガコン!!

唯「きゃああああぁぁぁ――――…………!」ヒューーーーー


……ドシン!!


唯「あいたたた……」

唯「……どうしよう、遺跡の奥に落ちちゃった……帰れるかなあ」グスン

唯「あれ、なんかここ、立派な部屋だな……もしかして、ここが一番奥? ……おっ、いかにもな宝箱発見!」

唯「実は私渡り鳥の才能あったりして……えっへん! なんてね、えへへ」ガチャ

※G-LPスタンダードを手に入れたッ!

唯「――なにこれ、ギター? うーん、でも村のおじさんたちが使ってるのとは違うような……金属で、できてる?」

ビーッ!ビーッ!

唯「えっ、えっ、なになに!? もしかして、もしかしなくても――罠、だったりする?」


ドゴオオッ!!

緊張の一瞬 


モンスター「グォォォォ!!」ドシン ドシン

唯「ひぃぃぃっ!?」

モンスター「ウガァ!」ブン

唯「きゃあ!? ――あ、あっちいってぇぇぇッ!!!」ジャカジャカジャーン

ビーーーーーー!!!

モンスター「グォォォォ!?」

唯(えっ、ギターからなんかビームみたいなのが出たよ!?)

唯「あっ、今ので天井に穴が開いた……今のうちにあそこから登って逃げよう!!」ダッ

モンスター「グ、グ……グゥゥ!!」ドシン……ドシン……


※唯はプリズムレーザーを覚えたッ!


……

遺跡の外

唯「はあ、はあ……」

憂「お姉ちゃん!」

和「もう、心配したのよ!?」

唯「た、大変、モンスターが……逃げよう!」

憂「え、モンスター?」

唯「は、早く! 追いつかれちゃうよ!」

和「遺跡にモンスターが? ……ええ、早く村に戻りましょう」


辺境の村入口

憂「はあ、はあ、ここまで来れば大丈夫かな?」

和「唯……大丈夫? モンスターって、どんな――それに、どうしたのそのギター」

唯「えっとね、これは遺跡の宝箱にあって、それでモンスターは……そうそう、あんな感じの――」

モンスター「――ゥオオオオオオッ!!」ドシン ドシン

憂「きゃっ!?」

唯「ひいっ、追ってきたぁ!?」

和「ま、まずいわ! 二人とも、逃げて!」

唯(ど、どうしよう……私がモンスターを連れてきたせいで、村のみんなが……)

唯(そういえば、さっきギターからでたビームみたいなのは……? もしかして)

唯「――えーいッ!」ジャーン バシュッ!!

モンスター「グォォ!?」

憂和「「!?」」

唯「憂、和ちゃん、逃げて! ――私、がんばれるかも!」ダッ


――――――――――――――――

boss; ロッティングビースト
ボスデモ 


立ちはだかる影  


唯(あれ、弦が2本切れてる……もしかしてビーム出すたびに切れたのかな?)

ロッティングビースト「ウガァァ!」ブン
唯「きゃあ!?」28 Force level up!

◆ショット
唯「……それーッ!」ジャーン バシュッ!!
ロッティングビースト「グゥゥ!」35

※弦が切れたッ!


HP70/98 
FP25 弦3/6


……

◆ショット
唯「もういっちょー!」
◆クリティカルヒット
唯「えーいッ!」ジャーン ズドーン!!
ロッティングビースト「グゥゥ!?」61

▼ロトンブレス
ロッティングビースト「ガァァァ!」ゴォォォォ
唯「ううっ!?」45 Force level up!


HP25/98 
FP51 弦2/6


……

○ヒールベリー
唯(いたた……そうだ、さっき採ったベリーを……それ!)200

ロッティングビースト「ウガァァ!」ブン
唯「ほっ!」miss!


HP98/98 
FP68 弦2/6


……

唯(あと2本しか弦がないよ……さっきの、できるかな? よーし!)

◆プリズムレーザー
唯「いっけぇーッ!!」ビーーーーーー! Force level up!
ロッティングビースト「グァァァ!?」135

▼ロトンブレス
ロッティングビースト「……ガァァァ!」ゴォォォォ
唯「ううっ!?」50


HP48/98 
FP86 弦1/6


……

◆プリズムレーザー
唯「お願い、これで終わって!! えーいッ!!」ビーーーーーー!
ロッティングビースト「グァァァァァァ!?」142

ロッティングビースト「……グォォォォォ……」ドサッ

Win!

唯「やったー、倒したよ!!」

レベルアップ!
唯 level 3 HP208 



――――――――――――――――

憂「す、すごい……すごいよお姉ちゃん!!」ダッ

唯「憂~、やったよ~!!」ダキッ

和「無事でよかった……唯、すごかったわね。どうやったの?」

唯「うーん、よくわかんないけどこのギター弾いたらビームが出たんだ……」

和「なんなのかしら、そのギター……」


村長「……」

唯「あ、村長さーん! 私、やりましたよ!」ダッ

村長「近づくでない、魔族の化身めッ!!」

唯「――えっ?」


排他の兆し


村長「まさかお前がとはな、唯よ……その忌々しいギターは遥か昔に作られた負の遺産、『ARM』じゃ」

唯「あーむ……?」

村長「いかにも。それを扱うことができる忌々しい力を持ち、世界を荒らしまわっている者こそ、あの忌々しき渡り鳥どもに他ならぬ」

村長「唯よ、お前は我々に災いをもたらす者じゃ。もはやこの村にとどまることは許さぬ。すぐにでも出て行ってもらおう」

憂「そんな……!?」

和「村長、そんなのむちゃくちゃです!」

村長「むちゃくちゃなどではないわッ! 現に唯は遺跡を荒らし、ARMの封印を解き、危うくこの村がモンスターに襲われるという災いをもたらしたのだ!」

村長「憂、和よ。わしの家に来るが良い。せめてお前達にはARMにまつわる古き伝承を説明してやろう。唯よ、お前はすぐに身支度を整えるのだ、よいな?」

唯「……」

憂「――いや、いやです! 私はそんなの嫌ですッ! お姉ちゃんが出て行かなきゃいけないなら、私も一緒に行きます!」

村長「ならぬ! 一緒にいては災いに巻き込まれるのみぞ! さあ、こちらへ来るが良い」

和「……憂、あなたは唯のそばにいてあげて。私が話を聞いてくるわ」

憂「……うん」

和「村長、私が行きます。今は姉妹で二人にさせてあげてください」

村長「ふん……まあいいじゃろう。くれぐれも気をつけよ、憂」


……

唯の家
世界にひとりぼっち 


唯「……」

憂「お姉ちゃん……いや、離れたくない……!」

唯「憂……」ギュ

憂「どうして……どうしてお姉ちゃんが出て行かなきゃいけないの?」

唯「……私にも、わからないよ。遺跡に迷い込んで、ギター見つけて、モンスター倒して――そっか、私がドジだからいけなかったんだね、迷子になっちゃったから」ポロポロ

憂「ちがうよ……! お姉ちゃんは、悪くないよ」ポロポロ


和「お待たせ」ガチャ

唯憂「「……」」

和「……説明、聞けるかしら?」

唯憂「「……」」コクン

和「かつてこのファルガイアは緑あふれる豊かな世界だったの。でも、『魔族』が襲来して人間との間に戦争が起きた」

和「魔族は機械の体に水銀の血を持ち、強大な力を持った生命体で、人間は苦戦を強いられた……でも、人間は魔族の体のしくみを利用して兵器を作り上げた」

和「それが『ARM』よ。金属でできた特殊な兵器で、魔族の体に似せて作ったものなの。それを扱うにはARMに精神を同調させる必要があって、使える人は限られているそうよ」

唯「……私が、このギターに心を通わせてるってこと?」

和「そんなところかしら……それで、ARMができたおかげでなんとか人類は魔族を倒したの。でも長い戦争のせいでファルガイアは荒野になってしまった」

和「しかも今度はARMを使って人間同士が戦争を始めて、どんどん世界は荒れ果てていくばっかり……」

和「そこで人間は戦争をやめて、全てのARMを破壊して廃棄した……その『楽器型』のARMを除いてね」

和「その楽器は、普通の楽器と違う音色が出せるからって、もともと娯楽用に作られたものなのよ。だから廃棄されずに済んだ」

和「でもARMはARM。唯がさっきやってみせたように、戦うこともできる。だからそのうち楽器型ARMも封印されたわ……それが各地の遺跡に眠っているのよ」

和「それが現代になってどんどん掘り起こされているの。ARMを使うことができる人は強大な力を得る……それが『渡り鳥』」

和「始めは、バンド活動がてらARMの力で様々な依頼をこなす便利屋だったんだけど、だんだん、その力を使って暴れまわる人が増えてきたらしいわ」

憂「それで、渡り鳥は嫌われてるんだ……」

和「……ええ。特にこの村はそれが顕著みたいね。このままここに住んでいても、村のみんなからどういう扱いを受けるか……」

唯「やっぱり、出て行かなきゃいけないんだね」

憂「……私もついていくよ、お姉ちゃん」

和「私も、唯をほっておけないわ。一緒に行く」

唯「憂、和ちゃん……ありがとう」

和「村長は私達がついていくことに反対だったから……すぐに支度して、夜のうちに出ましょう」

唯憂「「うん!」」



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