※リクエスト
紬「妹と焼きうどん」の続編で唯憂と紬菫が会うお話をお願いします



◯紬「妹と平沢姉妹」


菫「……」パチ

菫「朝……ここは……」

菫「……昨日はお姉ちゃんのところに泊まったんだ」

菫「お姉ちゃんは……」

紬「……」

紬「……」

菫「ぐっすり寝てる。お寝坊さんなのは相変わらずなんだ」

菫「私が起こしてあげるのも久しぶり……」

紬「……」

菫「……やっぱりもう少し寝させてあげよう」

紬「……」

__
紬「…………ん~ん」

菫「お姉ちゃん、起きた?」

紬「……菫?」

紬「そっか、昨日は菫が泊まりにきてくれて……」

菫「相変わらずお寝坊さんだねお姉ちゃんは」

紬「えっと……もう九時なんだ」

菫「うん。朝ごはん食べようよ」

紬「そうね……うん。おはよう、菫」

菫「おはよう、お姉ちゃん」

紬「まずはホットプレートを出して、組み立てて…」

菫「その間に私はホットケーキの生地を作っておくね」

紬「作り方わかる?」

菫「大丈夫。箱の裏側に書いてあるから」

紬「そう。じゃあ私はホットプレートを温めておくね」

菫「うん」

紬「えいっ……そしてポチ」

紬「……うん。こんな感じでいいかな。菫、そっちはどう?」

菫「まだダマになってるみたい」

紬「そう。ちょっと貸して」

菫「うん」

紬「えいっ、えいっ」グルグルグルグル

菫「すごい速さ……なのに全然こぼれてない」

紬「こんなものかしら」

菫「手際いいね、お姉ちゃん」

紬「いつも作ってるから……じゃあ生地をホットプレートに」

菫「きれいなまんまる」

紬「うん。上手にできた!」

菫「いい匂いが漂ってきたね」

紬「そうね。この甘い匂いが食欲を唆るね」

菫「はやく焼けないかな」

紬「菫、そんなにすぐには焼けないわ」

__
菫「もうそろそろ……」

紬「ええ、ひっくりかえしましょう」

菫「私がやるね。それっ」

紬「上手。うーん、いい色」

菫「うん。本当にいい色」

菫「じゃあもう一枚も、それ」

紬「ふふ、なんだかお腹がすいてきちゃった」

菫「私も」

紬「菫はなにをかけて食べる?」

菫「えっと……バターかな」

紬「バターだけでいいの? 私はバターの上からメープルシロップをかけるけど」

菫「じゃあ私も」

紬「じゃあお皿にあげて……バターを乗せて、上からメープルをかけて……はい、ぞうど」

菫「ありがとう」

紬「じゃあ、私のも同じようにバターとメープルをのせて」

菫「食べようか」

紬「ええ。いただきます」

菫「いただきまーす」

紬「……」パクッ

菫「……」パクッ

紬「……」モグモグ

菫「……」モグモグ

紬「ねぇ、菫」

菫「うん、お姉ちゃん」

紬「思わずにやけちゃうね」

菫「パンケーキってこんなに美味しかったんだ」

紬「屋敷で食べるパンケーキも美味しいけど、できたて熱々はまた格別でしょ」

菫「うん。本当に美味しい……バターの旨みと塩気がメープルの上品な甘さとマッチして」

紬「菫が喜んでくれて嬉しいわ」

菫「お姉ちゃん……」

紬「さ、冷めない内にたべちゃいましょう」

菫「うん」

紬「……」パクパク

菫「……」パクパク

ブルブル

紬「メールだわ」

菫「誰から?」

紬「唯ちゃんからだわ、なにかしら……」

紬「あら、今日4人で遊びにいかないかだって」

菫「え、今日?」

紬「うん。菫さえよければ私はいいんだけど」

菫「私は大丈夫だけど、憂先輩こっちにきてないんじゃ……」

紬「それは大丈夫。私が運転してあっちまで行くから」

菫「そういえばお姉ちゃん免許とったんだね」

紬「ええ、車は持ってないからレンタカーになるけど」

菫「うん。お姉ちゃんの運転を一度見てみたいと思ってたから、私はいいよ」

紬「ただの安全運転だから見てもつまらないわよ」

菫「それでも、見てみたかったから」

紬「そう。なら、決まりね」

紬「メールを返信して……準備が出来たら唯ちゃんを誘ってレンタカー屋さんへ行きましょう」

レンタカー

唯「到着」

紬「どの車を借りよっか」

唯「前と同じのでいいんじゃない」

紬「そうね」

唯「私とムギちゃんの割り勘でいいよね」

紬「ええ」

菫「えっ、私も出します」

唯「菫ちゃん、それは駄目だよ」

菫「どうしてですか?」

唯「お姉ちゃんと妹がデートにいくときは、お姉ちゃん持ちって決まってるの」

紬「ええ、だから菫は気にしなくていいのよ」

菫「で、でーとですか?」

唯「菫ちゃん真っ赤になっちゃった」

紬「ふふ、照れてるんだ」

紬「でも本当にいいのよ。バイトで結構稼いでるから」

菫「……うん」

紬「でも唯ちゃん、今日は遊園地に行くのよね」

唯「うん」

紬「唯ちゃん、憂ちゃんの分を出せるの」

唯「そこは……なんとか今月分の食費を切り詰めれば」

紬「そっかぁ。夜は多めに作らないとね」

菫「いいなぁ、お姉ちゃんの手料理」

紬「菫もうちの大学に来る?」

菫「行っても一年間しか一緒にいられないよ」

__
紬「えっと運転席は私で……菫はどっちがいい?」

菫「私は酔わないから唯先輩がいいほうで」

唯「私も酔わないから、菫ちゃん、前に座りなよ」

菫「いいんですか?」

唯「うん」

菫「じゃあお姉ちゃんの隣で」

紬「菫が横なんだ。もうカーナビに登録してあるから、すぐに出発するね」

唯・菫「うん」

紬「ではエンジンをかけて」

唯「しゅっぱーつ」

紬「……」

紬「……」

紬「……」

紬「……」

菫(真剣な表情のお姉ちゃん……)

菫(左右の確認、見通しの悪い場所での一時停止……しっかりした安全運転)

菫(あまり運転になれてないみたいだけど、これなら安心して良さそう)

唯「菫ちゃん、ちょっとお話しようか」

紬「……うん。私は運転に集中してるから、唯ちゃんお願い」

菫「え、えっと……」

唯「菫ちゃんは憂やあずにゃんからなんて呼ばれてるの」

菫「憂先輩とあずにゃんですか?」

唯「うん」

菫「あずにゃんって……梓先輩のこと?」

唯「そうだよー」

菫「梓先輩ってみんなからあずにゃんって呼ばれてたんですか?」

唯「ううん。私だけだけど……」

菫「そうなんですか……」

菫(あずにゃん……可愛い響き……)

唯「えっと、菫ちゃん」

菫「す、すいません。憂先輩からはスミーレちゃんって呼ばれてます。梓先輩からは菫って」

唯「え、スミーレちゃん」

菫「あ、はい」

唯「う~ん。憂らしくないネーミングセンスだね」

菫「つけてくれたのは純先輩なんです」

唯「あ、純ちゃんか。それなら納得ー」

紬「純ちゃんなら納得ね」

菫(純先輩の扱いって……)

唯「スミーレちゃん」

紬「……スミーレ」

唯「う~ん、しっくりこないね」

紬「そうねぇ」

菫「でも唯先輩の声でスミーレちゃんって言われると、憂先輩に話しかけらたみたいで変な感じです」

紬「唯ちゃんの声、憂ちゃんそっくりだものね」

唯「えへへ。私が風邪をひいたとき、憂がかわりに学校へ行ってもバレなかったからね」

菫「え、そんなことがあったんですか」

唯「聞きたい?」

菫「はいっ!」

唯「じゃあちょっと長くなるけど話してあげるね。あれは……」

__
唯「とうちゃーく」

紬「ふぅ……」

菫「お姉ちゃん疲れちゃった?」

紬「うん。後から少し休ませてもらうね」

紬「今は早く憂ちゃんとの待ち合わせ場所へ行きましょう」

菫「うん」

唯「少しゆっくりめに歩いていこっか」

__
紬「あ、あれっ」

唯「憂だ!」

憂「……!」

憂「お姉ちゃーん」タタタタタタタ

唯「ういー」タタタタタタタ

唯「会いたかったよ―」スカッ

唯「えっ!?」

憂「紬さん!」ダキッ

紬「憂ちゃん!」ダキッ

唯「う、憂がムギちゃんにとられちゃった」

紬「うふふ、なんてね」スッ

憂「お姉ちゃん久しぶり」ダキッ

紬「実はさっき憂ちゃんとメールしてちょっとイタズラを……唯ちゃん」

唯「……ひどい」

紬「ご、ごめん唯ちゃん」

憂「お、お姉ちゃん。ごめんね」ナデナデ

唯「憂の意地悪……」ギュッ

菫(困ってる憂先輩ってはじめて見たかも)

菫(それにしてもお姉ちゃん……)

菫「駄目だよお姉ちゃん、あんまり意地悪しちゃ」

紬「菫に怒られちゃった」シュン

憂「スミーレちゃんとは一昨日ぶりだね」

菫「はい」

憂「紬さん、お久しぶりです」

紬「ええ、憂ちゃんも元気そうで良かったわ」

唯「私も元気だよ!!」

菫(そして何故か張り合う唯先輩)

憂「うん。お姉ちゃんが元気で良かった」

憂「さっきはいじわるしてごめんね、お姉ちゃん」

唯「うん、許してあげる。じゃあいこっか」ギュ

菫(そして自然と手を繋ぐ2人。いいなぁ……)

紬「菫、どうかしたの?」

菫「な、なんでもないよ。私達も行こっ」

紬「ええ、そうね」ギュ

菫「え、お姉ちゃん?」

紬「あの2人を見てたら、ね」

菫「お姉ちゃん……」ギュ

紬「ふふ、菫の手も随分大きくなったわねー」

菫「お姉ちゃんの手は相変わらず暖かいね」

紬「そう?」

菫「うん」

__
唯「まずは何から乗ろうか」

紬「そうねえ、みんな何か乗りたいものはある?」

菫「私は……お姉ちゃん達が乗りたいのでいいよ」

憂「私もです」

唯「決まらないね―」

紬「じゃあ、私、あれに乗りたい!!」

唯「あのおっきいジャットコースター?」

紬「うん!」

憂「楽しそう」

菫「私は……」

紬「……もしかして苦手だったりする?」

菫「ううん、乗ったことないからわからない」

紬「そう。じゃあ初体験ね!」

菫「うん。ちょっとこわいけど頑張ってみる」

唯「菫ちゃんは頑張り屋さんだね」

憂「うん。スミーレちゃんは部活でもとっても頑張り屋さんなんだよ」

紬「あ、その話詳しく聞きたいわ」

憂「じゃあ並びながらお話します」

紬「そうね、結構列ついてるみたいだし、先に並んでおきましょうか」


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