─39─
唯「スヤスヤ…」
律「スー…スー…」
澪「ムニャ…ママ……」
澪「ンン……ィャ…ママ…ァッ」
紬「グオオォォ~ッグァオオォォ~ッ」
梓(ムギ先輩のイビキがやばい)
唯「スヤスヤ…」
澪「ハァ…ママ…」
紬「ングオオォォ~ッウゴオォォァア~」
律「スー…スー…」
律「んごぱッ!?」どぽぁっ
梓「!?」
律「ゲホゲヘッ…」
梓(り、律先輩の鼻から寝ゲロが逆流したッ!?)
律「ゴハゲホッ…」
律「ゲヘ…」
律「スー…スー…」
梓(そのまま寝付いたッ!?)
律「ムニャ…ンフフ…」
梓(顔中ゲロまみれなのに安らかな寝顔だ…)
梓(オナニーしよう…)モゾモゾ
唯「スヤスヤ…」
唯「スヤ…」
唯「……」
唯「ふぃっくちんッ!!」
(※くしゃみ)
唯「うぅ…?なんか寒い…?」
唯「……暖房が消えてるような」
紬「うっ…」ガタガタ
唯「あっムギちゃん」
紬「ゆ、唯ちゃん…なんだか寒くない?」ガタガタ
唯「うん…いつのまにか暖房が消えちゃってて
今つけ直してるんだけど全然つかないんだよ~」カチャカチャ
紬「えっ」
唯「あぅぅ…さぶい…」カチカチ
紬「唯ちゃん、くっつきっこしよう?」クッツキ
唯「はっ…ムギちゃんってトトロみたいにあったかいね~!」ヌクヌク
紬「ふふっ、その例えはいかがなモノかしら」
梓「はぅっ…さむいよぉ」カチカチ
紬「あら、梓ちゃんも起きたのね」
梓「なんなんですか、この寒さは…」
唯「分かんないけど、あずにゃんもコッチにおいで~」
梓「あ、はい!」ササッ
唯「あったかあったか~」ギュ
紬「むぎゅむぎゅ~」
梓「あの…私みたいなハンパ者に優しくしてくださってありがとうございます……」
唯「なに言ってるのやら」
紬「ところで何故りっちゃんの顔はゲロまみれなのかしら」
律「ウハッ!?さむい…!?」
紬「りっちゃん、ご機嫌よろしゅう」
唯「よろしゅう」
律「お、おお、あぱぁ?」
律「な、なんだ…顔がベタベタする…」
唯「りっちゃん、顔におゲロまみれだよ」
律「どはっ!?ぬんじゃけりゃあ!?」
紬「一体どこの方言かしら」
律「なんでアタシの顔はゲロなんだ」
唯「りっちゃんの顔はゲロじゃないよ!」
梓「寝てる間に律先輩自身が鼻から噴き出してましたよ」
律「うっそだぁ~」
梓「いや、ホントですって」
律「お、お前の仕業なんじゃないのか…?」
梓「私がそんな事するワケないじゃないですか!!」
紬「でも梓ちゃん、寝てる間にさわ子先生のツバを飲みたいとか…」
唯「あずにゃん、ちょっと離れてくれる?」ススッ
梓「ち、違いますよ!?私じゃない!!ゲロ吐いたのは私じゃないっ!!」
律「じゃあ誰がやったって言うんだっ!?」
梓「だからお前が吐いたっつってんだろうが!?」
律「ふざけた事ヌカしてんじゃおろろろろろ」トシャトシャ
紬「吐いた」
律「まさか探偵自身が犯人だったパターンだなんて…」オェップ
唯「りっちゃん、具合が悪いの?」
律「なあに、こんなもん屁でもねえ」ガハハ
紬「本当に大丈夫かしら」
梓「律先輩、私は気にしてないけど一応、謝ってくださいね」
律「みおー、そろそろ起きろよ、みおー」
梓「謝れよ」
澪「うぅ…生まれてきてごめんなさい…」ムニャ
唯「謝った」
紬「誤って謝った」
澪「あっ…さむい…」フルフル
律「おお、そういや暖房どうしたんだよ」
唯「それがさっきからつかないんだ~」
梓「ていうか蛍光灯もつかないです!」パチパチ
紬「ブレーカーが落ちたのかしら」
澪「…本当に?貴様ら、私を騙そうとしてるんじゃないだろうな…」
唯「キサマって言われた」
紬「りっちゃん達の住んでる地区の人間は
寝起きに疑い深くなるガスを吸って育ってきたの?」
律「梓、さっきはなんかごめんね」
梓「謝られた!」ワーイ
ガチャッ
和「おはようクソども」
和「略して、おはクソ」
律「略すんじゃないよ」
澪「そもそも友人をクソ扱いするんじゃない」
和「ちなみに朝の大便を表す事も出来るわ」
唯「あっ、私ちょっと、おはクソ行ってくるね!」タタタッ
梓「早速使いこなした」
紬「まるでアムロ・レイの再来ね」
澪「ねえ、和。なんだか暖房がつかないんだけど…」
和「ええ。どうやら停電らしいわ」
和「学校中の電気がつかなくなっていて…」
律「停電?こんな時にかよ!!」
和「こんな時だからこそかもね」
律「へ?」
和「異常な寒さで、多くの家で
かなりの電力を消費してる可能性が考えられるわ」
梓「そういえば震災の影響で電力不足が見込まれるって
以前からニュースで言ってましたね」
澪「それで停電になったって事か…」
和「分からないけれどね」
和「携帯の回線も混雑してるようだしネットにも繋がりにくいし、確かめられなくって」
律「はあ…なんにせよ、せめて家にいるなら
布団にくるまって、寒さはしのげるだろうに」
紬「そうね…カーテンだけではツラいよね…」
ガチャッ
唯「みんな~!」
律「おお、唯。おはクソもう終わったのか?」
唯「トイレまで行くの面倒だったから
窓からお尻だけ出してやった!」
澪「おほお」
唯「あまりの寒さに
出した瞬間、空中でおはクソが凍って粉々になったよ…」
紬「風流ね…」
唯「それでね、その時、気付いたんだけど
外は吹雪がやんで今は快晴なんだよ~」
シャッ
梓「あ、本当ですね…」
律「!」
律「空も明るんで来たし、今なら帰宅出来んじゃないの?」
唯「そうそう!そうなんだよ~」
澪「でも、すごい雪が積もってるんだぞ」
紬「帰る途中で、また吹雪になるかも知れないし…」
唯「和ちゃんはどう思う?」
和「まだ明け方だし…もう少し明るくなるまで待った方がいいような」
和「でもまあ、なんとも言えないわね。私、雪の専門家じゃないんだし」
梓「あの…さわ子先生に相談してみませんか?」
梓「あんなのでも一応、大人だし」
澪「うーん、そうだな…あんな人でも一応、大人だもんな」
紬「そうね、ギリギリ大人だものね」
─廊下─
姫子「あれっ、唯。それにみんなも…」
唯「姫子ちゃんだ!姫子ちゃ~ん」
姫子「ふふっ、よしよし」ナデナデ
唯「ゴロゴロ♪」
梓「唯先輩がなついてる。誰ですか、あのヤンキー」
紬「『姫ちゃん』と呼ばないとキレるから注意が必要よ」
梓「うへぇ」
姫子「!?」
姫子「別にそんな呼び方、強要してないし!!」
梓「あ、キレた」
律「姫子も学校に残ってたのか~。ソフト部だっけ?」
姫子「あ、ああ…部活は無かったんだけど、ちょっとね」
和「クスリ打ってたのよね?」
姫子「サラリと変なこと言わないでよ!」
姫子「私はクラスのコとおしゃべりしてて遅くなっただけで…」
和「なによ、反論する気?股関わしづかむわよ」ガシッ
姫子「ひゃっ!?変な事するなっ!?」
紬「ほら、またキレた」
澪「そりゃキレるだろ…」
姫子「ところでみんな、どうするつもり?」
律「なにが?」
姫子「ほら、今ちょっと晴れてるじゃない?」
姫子「この間に帰っちゃおうって言ってるコたちがいてね…」
唯「あっ、私たちもその事でさわちゃんに
相談しようとしてたトコロなんだよ~」
姫子「先生たちに聞いたら『とりあえず待機してろ』って言われたってさ」
紬「そうなの?」
和「無理に帰らせて何かあったら問題だものね」
和「まあ無難な返答よ」
律「でもなあ…学校にいたって、暖房切れてて寒いんだよなあ…」
和「ちなみに乾パンももう残ってないわ」
姫子「だったら先生たちの言葉は無視して帰らないか、って話」
梓「確かに…グズグズしてたら、また吹雪いてくるかも知れませんね」
律「そうなりゃ、いつ家に帰れるか分かんないってワケか…」
姫子「そういう事」
姫子「実際、もう出てったコも何人かいるんだって」
澪「えっ!?それ、大丈夫なの!?」
姫子「分かんない。先生たちがそういう話してたの、聞いただけだから…」
唯「姫子ちゃんはどうするの?」
姫子「私はもう少し待ってみるけど……」
姫子「いつまでもダラダラ待機させられるなら、勝手に帰るかもだね」
─職員室─
ガラッ
唯「さわちゃ~ん」
律「およっ、いないな…」
紬「すいません、山中先生はいらっしゃらないですか?」
教師「ああ……晴れてるうちに帰るんだーって叫んで
学校を飛び出していったよ……」
梓「なにしてんだアイツ」
─部室─
紬「9時になったわ」
唯「お腹空いた…」
律「ムギ~、なんかオヤツとか隠しもってない~?」
紬「さっき物置を見てたらハエが落ちてたけど…」
律「それをアタシに伝えてどうする気なんだ」
ガチャッ
和「マスカキやめ!!」
梓「まだ始まってもいないですよ」
澪「和。先生たち、なんて言ってた?」
和「テレビは点かない、電話もネットも繋がらないはで混乱状態よ」
紬「そんな…どうなっているの?」
和「さあ……で、とにかくまた雪がかなり強く降り始めたから
やっぱり学校にいるべき、との事よ」
律「ぅええぇええ~!?おかしいだろ」
紬「りっちゃん…」
梓「律先輩の言うとおりですよ!
このまま学校の中にいたんじゃ餓死が先か凍死が先かです!」
澪「そ、そんな大ゲサな…」
和「梓ちゃんの言うことも一理あるわ」
和「職員室の先生たちは、動揺していて正直アテにならない感じよ」
律「なあ、もう帰っちゃわないか?」
律「そりゃ雪は積もってるけど帰れない事もないだろ」
律「いざとなれば、そこらの家に避難させてもらえばいいんだしさ!」
唯「そうだねぇ」
澪「でもパニック映画だと
こういうとき焦ったヤツから、し、死んでいくんだ」
和「でも、ポセイドンアドベンチャーって映画では
最初の船室で待機してた乗客は全滅したわ」
澪「むむ…」
唯「澪ちゃん和ちゃん、これは映画じゃなくて現実なんだよ?」
澪「唯のくせにナマイキだなあ」ワナワナ
和「耳をしゃぶるしかないわね」クチャクチュ
澪「よ、よーし」ニチュニチャ
唯「わあああ~っ」ゾクゾク
唯「やっ、あんっ…」フニャフニャ
紬「」シコシコ
梓「」シコシコ
律「お、落ち着けキミたち」
和「和のロはエロスのロよ!」
唯「そんな…」ハァハァ
梓「それで結局どうするんですか?」スッキリ
律「お前らと一緒にいたくないから、なんとしてでも帰りたくなってた」
和「同感ね」
梓「じゃあ一緒に帰りましょう!」
唯「よ~し!」
律「アタシはどうすればいいんだ…」
澪「ふぅ…」
律「どうした澪」
梓「ムラムラしてきたんですか」
澪「いや…クラクラしてき…た」ユラリ
どしゃっ
紬「澪ちゃん!?」
律「澪っ!!」
唯「わぁあ、澪ちゃ~ん!!」
最終更新:2014年04月19日 21:50