唯「よー!」梓「せい!」




唯「あずにゃ~ん ちゅっちゅ~♪」

梓「ふでペンのノリで言わないで下さい」

唯「ねぇねぇ、あずにゃんは海に行かないの?」

梓「そんな余裕無いですよ……せっかくの合宿練習なのに」

唯「こんな可愛い水着持ってるのに?」

梓「ちょ、どこで見つけたんですか!」

唯「あずにゃんのカバンから」

梓「人のカバンを勝手に漁らないで下さい!」

唯「漁ってないよぉ、あずにゃんのカバンから飛び出してたんだ」

唯「本当はあずにゃんも一緒に海で遊びたいんでしょ?」

梓「べ、別にそんなことは……」

唯「んん?」

梓「な、なんですか」

唯「その水着、着てみてよ」

梓「ええー……」

唯「見たいなぁ、あずにゃんの水着姿」

唯「駄目?」

梓「駄目です。今日の私は皆さんが遊び過ぎるのを止めるストッパーなんです」

梓「だから着ません」

唯「いいじゃんそんなの。練習ならちゃんとやるからさ」

梓「そういってやらないじゃないですか」

唯「今度はちゃんとやるの!」

唯「お願い、あ・ず・にゃ・ん・?」

梓「むむ……」

唯「じー……きらきらー……」

梓「……着るだけですよ」

唯「おお! やった!」

梓「これは私の意志じゃありませんからね」

梓「唯センパイがどー……してもって言うからですよ?」

唯「分かってるよー」

梓「決して、私も遊びたい誘惑に駆られた訳では……」

唯「しつこいねあずにゃん」

梓「着ました!」

梓「実はこれ店員さんに無理矢理オススメされて買っちゃったものなんですけど」

梓「どうですか? 変じゃないですよね……」

唯「……」

梓「……似合わないですか?」

唯「はっ! い、いけない……見とれて鼻血が……」

梓「だ、大丈夫……?」

唯「だいじょばない……」

唯「可愛すぎるよあずにゃん!」

唯「そんな背中がぱっくり開いた水着なんか着ちゃって~」

梓「唯センパイが着ろって言ったんですよ!」

唯「それを持ってきたのはあずにゃんでしょー」

唯「ちょっと背伸びした大人デザインの水着とちっこいあずにゃんとのギャップで」

唯「まるでビーチに舞い降りた妖精さんだよ!」

唯「うん、可愛い!」

梓「そ、それはどうも……//」

唯「このまま食べちゃいたいくらいだね」

梓「駄目ですよ」

唯「そ、そんなマジトーンでツッコまないで……」

梓「唯センパイなら本当にやりかねないので」

唯「ぶー!」

唯「そーゆーこと言っちゃう子にはこうだー!」

梓「ひゃあっ!?」

唯「あずっぱい揉み揉み~」

梓「や、やめ……」

唯「ほれほれ~」

梓「んっ……//」

唯「うーん……」

唯「なんか起伏が少なくて揉みがいが無いなぁ」

唯「ここは子供あずにゃんのままだね」

梓「怒りますよ」

唯「ほえ?」

唯「いたた……平手は駄目だよ平手は……」

梓「唯センパイに私の悲しみは分かりません」

唯「ごめんってば~」

唯「あ、でもでも全体のスタイルは整ってる方だよあずにゃん」

唯「足なんか細くてスラッとしててさ」

梓「……下手な慰めは傷つけるだけです」

唯「ううん、本当だってば」

唯「まさにナマ足魅惑のまーめいど!」

梓「妖精の次はマーメイドですか」

梓「大体、人魚に例えるなら澪センパイやムギセンパイの方がしっくり……」

唯「んーん、私にとってのまーめいどはあずにゃんだけだよ」

唯「あずにゃんは妖精さんでまーめいど、これ常識ね」

梓「私はいったい、何者なんですか」

梓「(挙げ句の果てには私のことを『天使』とでも言いそうですね……)」

唯「天使かぁ……それも良いかも」

梓「(こ、心を読まれた!?)」

唯「……ちょっとこっち来てあずにゃん」

梓「はい?」

唯「あずにゃんをぎゅー!」

梓「……何かと思えばあずにゃん分補給とやらですか。もう慣れましたけど」

唯「違うよ」

梓「何がですか」

唯「これは大切なぎゅー、だよ」

梓「?」

唯「せっかく海に来て解放的になったんだから、ちょっと素直になろうかなって」

梓「いっつも自分に素直じゃないですか」

唯「あずにゃんに対してはそうじゃなかったから」

唯「……毎回、あずにゃん分補給~とか言ってはぐらかしてたけどさ」

唯「本当はあずにゃんのことが好きで抱きついてたの。……引いた?」

梓「いえ別に。知ってましたし」

唯「……あれ?」

梓「何か変なこと言いましたか?」

唯「誤解しちゃ駄目だよ? ラブだよ?」

唯「ライクじゃないよ?」

梓「だから知ってますって」

梓「だって私もそうですから」

唯「……うそ」

梓「……嘘じゃありません」

梓「びっくりしました?」

唯「びっくりというかなんというか……」

唯「私、あずにゃんに鬱陶しがられてるかもって思ってたから……」

梓「自覚はあったんだ……」

唯「えへへ//」

梓「いや、照れるトコじゃないです」

唯「ありゃりゃ」

梓「まぁ」

梓「嫌では無かったです、いろいろ」

唯「まじ?」

梓「でなければ一緒にいません」

梓「その証拠になんやかんやで私達はずっと一緒だったじゃないですか」

梓「ですからこれからもきっと一緒です」

唯「……ふぇ」

梓「あっ」

唯「ぐすっ……あずにゃあ~ん……」

梓「……泣かないで下さいよ。私だって我慢してるのに」

梓「ようやく私も素直になれたかなって」

唯「あずにゃん……」

梓「今は冷静を気取ってますがぶっちゃけ、いつ釣られて泣いてしまうか分かりません」

梓「そんな私の顔が見たいんですか?」

唯「……」

唯「見たくない……笑ってる顔が良い」

梓「なら唯センパイも泣きやんで下さい」

梓「私だって唯センパイには笑ってて欲しいんです」

唯「……うん、ごめんねあずにゃん」

梓「分かれば良いんです、分かれば」

唯「む、センパイに対してその口の効き方は無いんじゃない?」

梓「い、今更センパイ面ですか!?」

唯「怒った私は怖いぞ~? ふっふっふ」

梓「な、何を……」

唯「やー!」

梓「きゃー!?」

唯「いえす! まうんとぽじしょん!」

梓「これは……!」

唯「もう逃げられないよ?」

梓「や、やめましょう! いや何をやめるのかは全く分かりませんけども!」

梓「きっとロクなことじゃないだろうし、第一、律センパイ達にもし見られたら……」

唯「やめません。止まりません」

唯「あずにゃ~ん ちゅっちゅ~♪」

梓「そんなぁ//」


唯「あ~ずにゃん」

唯「ちょ~っとだけオトナなぎゅーをしま鮮花?」

梓「ああっ……//」



紬「(私的にはオールオッケーよ二人とも//)」



おわり



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最終更新:2012年10月28日 20:45