澪「鯖芸?」
律「生臭そうだな、おい」
梓「見てるだけでお腹下しそうな芸ですね」
唯「違うよー、澪ちゃん! サバゲー! サバイバルゲームのこと!」
澪「サバイバルゲーム……? ああ、あの戦争ごっこみたいなアレか」
律「銃刀法違反で実刑くらった漫画家がやってたアレか」
梓「あの漫画、面白かったですよね」
澪「で、そのサバイバルゲームがどうしたんだ?」
唯「うん。昨日、ネットしてたらね、ブログでサバゲーしてる写真を載っけてる人がいてね。
それで私もやってみたくなっちゃった」
律「へえ、面白そうじゃん」
澪「ええー…… なんか怖そうだから私はあんまり……」
梓「私も興味無いです」
紬「私、海外で実銃を撃たせてもらったことがあるけど、結構気持ちいいものよ。ストレス
解消になるかも」
澪「ふうん。そんなものかな」
梓「澪先輩ってムギ先輩の言葉には物分りいいですよね」
唯「よーし、やろうやろう! みんなでサバゲー!」
律「いや、やるのはいいけどさ、モデルガンとかどうすんだよ。誰も持ってないだろ?」
紬「じゃあ、私が用意してみる。あまり種類多くは出来ないかもしれないけど……」
唯「さっすがムギちゃん!」
梓「あまり気は乗らないですけど、唯先輩と律先輩がノリノリだし、ムギ先輩が色々と用意
してくれるのであれば……」
澪「右に同じ」
紬「チーム分けはどうしようか? 私達は五人だけど」
律「あ、そっか。三対二に分かれたら、どっちかが不利になっちゃうな」
唯「チーム分け、チーム分けね。うーん」ンムムムム
梓「他にも誰か誘います?」
唯「!」ピコーン
唯「みんな、ちょっと待ってて! すぐ戻ってくるから」ガタッ
澪「え? どうしたんだよ」
梓「ど、どこ行くんですか? 唯先輩」
唯「内緒ー!」バタバタバタバタ
~30分経過~
梓「唯先輩、戻ってこないですね」
紬「何をしているのかしら。唯ちゃん」
澪「なあ、そろそろ練習しないか?」
唯「おまたせー!!」バタン
律「うわっ、びっくりした!」
唯「んっふっふー。みんな、TEAM唯を紹介するよ!」
澪「はあ?」
律「TEAM唯……?」
唯「まずは私の隣代表、姫子ちゃん!」
姫子「軽音部で何か面白いことやるんだって?」ニコニコ
澪「唯の隣って姫子しかいないだろ」
唯「続いて私の幼馴染み代表、和ちゃん!」
和「この子が張り切ると必ずろくでもないことになるから保護者としてね……」ハァ
律「お前の幼馴染みなんて和くらいしか聞いたこと無いぞ」
唯「最後は私の妹代表、憂!」
憂「お姉ちゃんの為に一生懸命頑張ります!」グッ
梓「もう突っ込む気も起きないんですけど」
唯「これがTEAM唯だよ! さあ、私達に勝てるかな!?」フンス
律「何をー! ならこっちはTEAM澪だ!」ガタッ
澪「わ、私!? なんで私がリーダー!? 部長なんだから律がやればいいだろ!」
律「こまけえこたぁいいんだよ!」
紬「な、何だか大変なことなってきたわね! 私も頑張って準備しなきゃ!」ワクワク
梓(うわ、ムギ先輩までおかしなテンションの上がり方してる……)
唯「TEAM唯 VS TEAM澪、四対四のサバゲーで決まりだね!」
律「負けないぞ! なあ、澪!」
澪「え!? お、おう……!」
唯「ムギちゃん! モデルガンってどれくらいで準備出来る!?」
紬「明日! 明日までに! 必ず!」ガタッ
澪「お、おいおい……」
梓「ムギ先輩が地味に壊れてます……」
唯「じゃあ、みんなのモデルガン選びは明日だね! ゲーム本番は今週の土曜で!」
紬「もしもし斉藤!? 今の会話、聞いていたわね!? 大至急モデルガンの準備よ!」スタスタスタ
律「おい、聞き捨てならないこと叫びながら帰ったぞ。ムギの奴」
澪「と、盗聴……?」ビクビク キョロキョロ
唯「TEAM唯、絶対勝つぞー! おー!」
姫子「おー!w」
和「おー(棒」
憂「雄々ーッッッ!!」
律「TEAM澪、完全勝利だー! おー!」
澪「おー(棒」
梓「おー(棒」
ヴーンヴーン ヴーンヴーン
澪「あれ? ムギから電話だ。 ――もしもし。ムギ、どうした?」
紬『おー!』
澪「だから盗聴すんな!」
~翌日の放課後~
唯「フンフンフーン♪ やっぱりムギちゃんはすごいね。ホントに準備出来たなんて」スタスタ
律「なあムギー、どこまで歩くんだ?」スタスタ
紬「ごめんね、もうすぐ着くから。広い場所が無くて、こっちにある駐車場を借り切ったの。
学校のグラウンドに停める訳にいかなかったしね」スタスタ
澪「広い場所……? 停める……?」スタスタ
紬「さあ、着きましたー。ここよ」
梓「えっ……」
姫子「ちょ……」
憂「これって……」
和「大型トレーラー……?」
紬「うん! さあ、入って入って。荷台がお部屋になっててね、この中で選ぶのよ」ガチャン
唯「お邪魔しまーす!」
律「うわっ、中広っ!」
梓「か、壁全面が銃だらけ…… 真ん中の棚にもごっそり銃が……」
和「これって本当にモデルガンよね……?」
紬「勿論! さあ、好きなのを選んで!」キラキラ
律「ムギが輝いてる…… 間違った輝き方だけど」
唯「あーっと! ここで私からルール説明!」ビシィ
澪「ルール? どんな?」
唯「銃は一人二つまで。でもね、一つめはここでみんなが見てる前で選ぶんだけど、二つめは
内緒にするの。その方がゲームが面白くなるでしょ?」
梓「ああ、なるほど…… ファーストウェポンはオープンにするけど、セカンドウェポンを
シークレットにするということですね?」
律「格好良く聞こえるけどまんま横文字にしただけだろ」
梓「すみません///」
和「でも、唯にしては悪くない思いつきね。セカンドウェポンがどんなものかが相手に知られて
いなければ戦術の立て方も多岐に渡るわ。その逆も然りだけど」キラッ
澪「和がやる気になってる……」
唯「はーい、まずみんなで一つめを選ぶよー!」
紬「二つめは、係の者に申告したらゲームの直前に渡す、という段取りにするわね」
律「おっけー!」
~武器選択中~
姫子「この銃大きいし、カッコいいわね。私、これにしよっと」
【姫子第一武器:デザートイーグル.50AE ハンドガン】
澪「早っ。よく選ばなくていいのか?」
律「大き過ぎて扱いづらいんじゃないの?」
姫子「形がイケてるからこれでいいよ。どれもそんなに変わらないでしょ?」
梓(さすが立花先輩。ある意味真っ当と言うか、ある意味素人と言うか、ある意味一般人
代表というか)
律「なあ、ムギ。モデルガンの弾ってどうなってんだ?」
紬「赤い塗料の詰まったペイント弾よ」
律「ふーん。じゃあ、ショットガンとかはどうなんの?」
紬「散弾を選択すれば小さなペイント弾を散弾状に発射するし、スラッグ弾を選択すれば
大きな一つのペイント弾になるわ」
律「へえ、なるほどね」
憂「火炎放射器まであるんですね。すごい」
律「それ『エイリアン2』でリプリーが使ってたヤツだw 実在しない銃まで揃えてるのかよw」
紬「えへへー」
澪「ムギ、火炎放射器の仕組みはどうなってるんだ?」
紬「塗料を直接噴霧するの。大きくて勢いの強いスプレーを想像してみて」
澪「ふうん」
律「澪、パルスライフルもあるぞw これにしろよw」
澪「私はよくわかんないし、律に任せるよ」
律「おーし、澪のファーストウェポンこれなー」
【澪第一武器:M41Aパルスライフル】
和「私はこれにするわ」
【和第一武器:ルガーP08 ハンドガン】
梓「それ、ドイツ製ですよね。なんか渋いです」
和「そう? 何となく私に合ってるような気がしてね」
梓(ナチスSSの黒服を着た和先輩が見てみたいなぁ……)
紬「私、これにしようっと」ウキウキ
【紬第一武器:パイファー・ツェリスカ ハンドガン】
律「でかっ」
澪「でかっ」
姫子「でかっ」
唯「ムギちゃん、ムギちゃん。それ、ちょっと持たせて~―― のぉおおっ!」ズシィ
梓「全長550mm、重量6000gって…… もうハンドガンじゃないですよ、それ」
澪「説明書に『世界最大最強の拳銃』とか『象狩りに用いられる』とか『射手の安全性は計算
されていない』とか書いてあるんだけど……」
和「ねえ、もう一度聞くけど、ここにある銃って本当にモデルガンよね……?」
紬「勿論♪」
梓「じゃあ、私は…… これにします。軽いし、それなりに反動も少ないって説明書にも
書いてありますし」
【梓第一武器:グロック17 ハンドガン】
憂「梓ちゃんにピッタリだね」
梓「なんか釈然としない」ムッ
律「それ、プラスチック素材だから空港の金属探知機やX線検査にも引っ掛からないって
デマが流れたんだよなw」
梓「普通に考えれば弾丸や部品が金属なんだから引っ掛かるに決まってるんですけどね」
律「んじゃー、私は『ダイハード』でマクレーンが使ってたこれ」
【律第一武器:ベレッタM92F ハンドガン】
律「しかし、みんなファーストウェポンはハンドガンにするのな。どうせシークレットの
セカンドウェポンをメインにしようと思ってんだろw」
和「当たり前じゃない。律だってそうなんでしょ?」
律「まあねー」
姫子「これ、何?」ヒョイ
紬「あ、それは手榴弾と地雷ね。手榴弾はピンを抜いて投げつけたら、地雷は踏んづけたら、
それぞれ炸裂して広範囲に塗料を撒き散らすのよ」
姫子「へー、怖ーい」
紬「こっちのクレイモア地雷なんかは、コードを伸ばして離れた場所から手動で起爆出来たりも
するのよ」
和「使い方によっては戦術の幅が広がりそうね」
唯「ねえねえ、りっちゃん。私、どんな銃にしたらいいかな?」
律「んー? じゃあ、唯はこれにしろよ。マクレーンが『ダイハード4.0』で使ってたヤツ」
唯「おおー、なんかすごそう。ありがとう、りっちゃん」
和「ちょっと唯! あんた、相手チームの人間に銃を選んでもらうなんて!」
憂「そうだよ! お姉ちゃんには私が選んであげるよ! 軽くて、扱いが簡単で、殺傷能力が
高いのを!」
梓「おい」
律「へへーん、もう遅いもんねー。はい、唯のファーストウェポンはこれで決まりー」
【唯第一武器:シグザウエルP220 ハンドガン】
唯「憂はもう決めたー?」
憂「あ、うん。私はこれ」
【憂第一武器:スオミKP/-31 サブマシンガン】
梓「メインじゃないファーストウェポンでそれって……」
律「なんかさ、銃のチョイスがもうさ……」
澪「殺る気満々だよな……」
和「頼りになりそうね」クスッ
~武器選択終了~
唯「みんな、銃は選んだー?」
全員「はーい」
唯「じゃあ、後は係の人にセカンドウェポンを申告して今日は終わりだね」
紬「あっ、当日はみんなこの上下のユニフォームを来てね」サッ
憂「配るのお手伝いしますね」
律「おー、ミリタリーっぽくてカッコいいじゃん」
姫子「モスグリーンかぁ。上だけなら私服と合わせられるかも。トップスを黒にして、ボトムは
デニムで……」
梓「私、Sサイズでお願いします」
唯「よーし、これでいよいよ準備完了だね! さあ、決戦は土曜日! 本番はどっちのチームも
全力で頑張ろう!」
全員「おー!」
最終更新:2014年05月22日 23:23