律(乗り気じゃなかった澪と梓と和も何だかんだで結局テンション上がってんじゃんw)
~そしてゲーム当日~
純[はじめましての方ははじめまして! そうでない方もはじめまして! 私、実況担当の
鈴木純でございます! 本日はここ、紬先輩の別荘前特設会場より生中継でお送りして
おります!]
信代「えー、ジュースにお茶ー、おつまみはいかがっすかー」ウロウロ
エリ「コーラちょうだーい」
純[さあ、いよいよ始まろうとしておりますTEAM唯 VS TEAM澪、四対四のサバイバルゲーム!
この世紀の対決を見逃すまいと会場には桜が丘高校3年2組及び2年1組の生徒、
秋山澪
ファンクラブメンバー等、多数の観客が来場しております!]
曜子「見て見て、売店で買ってきちゃった! 澪ちゃんのブロマイド! 戦闘服で銃を構えてる
澪ちゃんカッコいい///」
一子「そんなのまで売ってるんだ……」
つかさ「ね、ねえ、姫子ちゃんのはあった?」
純[八人が戦いを繰り広げる舞台は別荘近くの森の中になっており、その様子は各所のカメラを
通じ、この特設会場に設置してあります縦15m横30mの超大型オーロラビジョンに
映し出されます!]
英子「和ちゃん、大丈夫かしら。心配だわ……」フゥ
風子「くまさん、本当にお母さんみたくなってるよ」
夏香「あ、パンフレット買うの忘れてた。ちょっと行って来るね」
純[それではここでルール説明をさせて頂きます。
1.ゲームフィールドは別荘近くの森の中5km四方に限定されます。故意にフィールド
から出る行為は失格の対象となります。
2.使用武器は事前に選択した二つのみとなります。それ以外の武器の使用は認められません。
しかし、自然物を利用した罠等の作成、使用は認められます。
3.弾薬に関しては、予備弾倉の携帯が三つまで許されており、残弾数がゼロになった
場合の支給はありません。ただし、例外的措置として両チーム共に残弾数ゼロに
なった場合のみ、本部から両チームへ弾薬が支給されます。
4.射撃による失格の条件は、頭部および胴体への被弾が即時失格、上下肢への被弾が
二発で失格となっております。失格になった者は速やかにフィールドから退出し、
実況席横の本部に帰還しなければなりません。
5.同チームメンバー間の通信は、全員に配られる無線機で行ってもらいます。なお、
周波数を変えてありますので、通信内容は相手チームには聞こえません。そして、
余談ですが、私のこの実況もゲーム中の八人には聞こえておりません。
6.最後に、ゲームは正午に開始、午後九時の終了となっております。私達は未成年
ですからね♪ タイムオーバーとなった場合は残り人数、被弾数によって判定が
なされます。まったくの同一数の場合は残念ながら引き分けとなります。エンター
テインメントの観点から、これだけは避けたぁい!w]
アキヨ「……」ドキドキ
キミ子「何だかお腹空いてきちゃった」
響子「売店でチュロスかポップコーンでも買ってこようか?」
キミ子「うん」
アキヨ「……」ドキドキ
純[さあ、もう間も無くゲームスタートとなりますが、ここで両陣営の様子を見てみましょう。
まずはTEAM唯ですが…… 和先輩を中心にミーティングをしているようですね。あー、
やはり唯先輩がテンションダダ上がりの様子です。憂もそれをなだめること無くニコニコ
笑っております。いつもの
平沢姉妹です。そして、立花先輩に至っては化粧を直して
いるぞー! これから森の中で撃ち合いだってのに何考えてんだ、この人!]
よしみ「姫子がんばれー!」
いちご「……」
春子「唯ー!! がんばれー!! ――ほら、いちごも声出して応援してやれよ」
いちご「がんばれ軽音部……」
春子「いや、どっちにもいるし……」
純[続いてTEAM澪ですが…… ああー、四人共落ち着いております。表情も真剣そのもの。
静かな闘志が伝わってきます。こちらもミーティング中でしょうが、TEAM唯と違い、
それぞれの役割を確認、認識、共有しているのが雰囲気で見て取れます。個人の能力
よりも士気と練度で勝利を勝ち取るのか、TEAM澪!]
曜子「澪ちゃーん!! 澪ちゃんがんばってー!!」
澪FC1「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
澪FC2「ミオセンパアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアイィ!!!!」
澪FC3「やっぱ澪先輩だねええええええええええええええええええええ!!!!」
純[いよいよ決戦の火蓋が切って落とされます!!]
【TEAM唯】
平沢唯
第一武器:シグザウエルP220 ハンドガン
真鍋和
第一武器:ルガーP08 ハンドガン
平沢憂
第一武器:スオミKP/-31 サブマシンガン
立花姫子
第一武器:デザートイーグル.50AE ハンドガン
【TEAM澪】
秋山澪
第一武器:M41Aパルスライフル
田井中律
第一武器:ベレッタM92F ハンドガン
琴吹紬
第一武器:パイファー・ツェリスカ ハンドガン
中野梓
第一武器:グロック17 ハンドガン
~ゲームスタート~
ドーン ドーン ドーン
[合図の花火が打ち上げられ、ついにサバイバルゲームが開始となりました。オーロラビジョンには
まずTEAM唯、立花先輩の姿が映し出されております]
姫子「フフフ、この日の為にTSUTAYAで『マトリックス』借りて観たし、ネカフェで
『ブラックラグーン』も読んだもんね。やっぱガンアクションと言えば二丁拳銃でしょ」ウロウロ
【姫子第二武器:デザートイーグル.50AE ハンドガン】
[さすが立花先輩、ルールの主旨を微妙に理解しておりません。セカンドウェポンもデザート
イーグルを選び、二丁拳銃でゲームに挑んでおります。まるでジョン・ウー映画です。ホント
何考えてんだ、この人]
姫子「歩きづらいし、枝が髪に引っ掛かるし……」ガサガサ ウロウロ
ザザッ
姫子「!?」
律「こんにちは! 死ね!」ドンッドンッドンッドンッドンッドンッ
【律第二武器:AA-12フルオートショットガン(散弾仕様・ドラムマガジン装弾数32発)】
姫子「わわっ!」 ズザザッ
[おーっと! 突如として藪の中から律先輩が躍り出た! それにしてもとんでもない武器を
選んだものです! たまらず逃げ出す立花先輩!]
律「澪! 右に回り込みながら撃ちまくれ! ポイントに追い込むぞ!」ドンッドンッドンッ
澪「おう!」バババババッ バババッ バババババッ
【澪第二武器:M240A1火炎放射器(ガムテープでM41Aパルスライフルと連結)】
[パルスライフルを撃ちながら澪先輩も参戦! 幼馴染み同士のコンビネーションがここでも
発揮されるのか!?]
姫子「ひええええ!」
[多方向からの射撃に立花先輩、全力での退却を余儀無くされております! おや? 律先輩と
澪先輩はそれほど執拗には追いませんね。一定の距離を取っていますが……]
姫子「はあはあ…… こ、ここまで逃げれば――」
バシュッ
姫子「へ……? く、首に…… 撃たれたの? どこから!? 律や澪とは結構離れたのに!」
[あっと! 立花先輩、首にいきなりの被弾! これは即失格です! しかし、弾丸は一体
どこから!?]
姫子「もしかして私、これで終わり!? 何よ、もー!」
【立花姫子:リタイア】
~姫子から30mほど離れた樹上~
梓「ふう。まずは一人」カチャッ
【梓第二武器:ブレイザーR93 スナイパーライフル(デジタルスコープ付)】
[い、いた。いました…… スナイパー梓が木の上に隠れております…… 何だか意味も無く
声が小さくなってしまいます……]ヒソヒソ
律『梓、ナイススナイプ。どーぞー』
梓「お二人が上手く誘導してくれたおかげですよ。どうぞ」
律『山猫にゃんは眠らない、だなw どーぞー』
梓「それ、やめてください。残りもこの調子でいきましょう。どうぞ」
律『あいよー。どーぞー』
梓「さてと…… これなら思ったより楽に――」
バシュッ
梓「えっ?」
[梓の頭上の、木の幹が赤く染まりました……! ペイント弾が着弾した模様です……!]ヒソヒソ
梓「狙撃されてる!? どこ!?」カチャッ ウィイイイン
[どうやらスナイパーの梓を狙撃しているスナイパーがいるようです……! 本部、カメラを
切り替えて探してください……!]ヒソヒソ
梓「……いた! 11時の方向、距離は…… ご、500m!?」
~梓から500mほど離れた樹上~
憂「うーん、やっぱりちゃんと当てるのは難しいのかなぁ。私もスコープを付ければ良かったかも。
でも、光が反射して見つかっちゃうのは嫌だし……」
【憂第二武器:モシンナガンM1891/30 スナイパーライフル】
[う、憂…… あんた……]
憂「一生懸命撃てばそのうち慣れるよね。頑張ろう! いくよー、梓ちゃん!」
~再び梓が隠れる樹上~
ヒュッ
梓「ひいっ!」ビクッ
[憂の銃弾が今度は肩先の空気を切り裂いたぁー!]
バシュッ
梓「うわぁ!」ビクッ
[お次はブーツの爪先に! これは被弾一発としてカウントされます! さあ、後が無いぞ梓!]
梓「狙いがどんどん正確になってる! ここにいたらまずい! あっ!」グラッ
[あっと! 梓、焦ったのか大きくバランスを崩しました!]
梓「きゃああああああああ!!」ザザザザザッ
[うわぁー! 梓、木の枝に身体を打ちつけながら転落! これは大丈夫でしょうか!?
すぐに琴吹家医療班が動き出しました!]
梓「いたたたた…… 枝がクッションになってなかったら大怪我してたよ……」
[ど、どうやら大事には至っていない様子です…… 良かったぁ……]
梓「ライフル…… ライフルはどこ……?」
和「無事で良かったわ」ゴリッ
梓「うっ……」
[あああ…… 和先輩が梓の後頭部に拳銃を……!]
和「王手詰み(チェックメイト)よ」バシュッ
【中野梓:リタイア】
[ああー、梓が失格となってしまいました。残念……]
梓「ひどいです! 撃つなら頭じゃなくて背中を撃ってください!」
和「ご、ごめんね。つい雰囲気を出したくなっちゃって。ほら、拭いてあげるから」ゴシゴシ
梓「むー…… でも、すごいです。長距離武器の憂がターゲットを追い詰めて、近距離武器の
和先輩がとどめを刺すなんて。私達の作戦の逆パターンですよね」
和「ありがとう。これならスナイプポイントに追い込む必要も無いし、梓ちゃんみたいな
スナイパーもこうやって対処出来るしね。まあ、憂の捕捉能力と狙撃能力が無いと不可能な
作戦だけど」
梓「立花先輩って…… あれ? そういえば唯先輩は?」
和「ああ…… あの子ならメインウェポンを試し撃ちしているうちにテンションが上がり過ぎて
どこかへ駆け出していっちゃったわ。今頃、どこで何をしてるんだか……」ハァ
梓「行動が6歳の男の子だ……」
本部『本部より通達。本部より通達。真鍋選手と中野選手は不必要な私語は慎んでください』
梓「あっ、いけない。戻らなきゃ」
和「じゃあ私、ゲームに戻るわね。気をつけて」
梓「ありがとうございます。和先輩も気をつけて」
~ゲームフィールドの中央辺り~
律「梓がやられたか。この時間帯でこの流れはちょっと予想外だなー」
澪「仕方無い。プランBでいこう」
律「あ? ねえよそんなもん」
澪「あるよ! さっきミーティングで決めたろ!」
律「ちょ、ちょっと言ってみたかっただけだって。澪がリーダーみたいなこと言うからさw」
澪「実際リーダーだよ!! お前がやらせたんだろ!!」クワーッ
律「わーかったって。そんな怒ってばっかだとそのうち血管切れちゃうぞ?」
澪「誰が怒らせてるんだ!!」
律「私でーすw ごめんなさーいw」
[本部、この二人に注意してください。不必要な夫婦漫才は慎んでくださいって]
律「あ、ムギ? プランBでいくぞ。もう少し距離縮めてくれ。どーぞー」
紬『了解。どうぞ』
澪「まったく、もう……!」
律「ほらほら、機嫌直せって。リーダースマイル、リーダースマイルw」
澪「城島か!」
ガサッ
律「シッ! 澪、静かに!」
澪「ムギか……?」ヒソヒソ
律「早過ぎるし、近過ぎる……」ヒソヒソ
澪「展開して交戦準備……!」ヒソヒソ ザザッ
律「あいよ……」ヒソヒソ ザザッ
[どうやら何者かが藪をかき分けて律先輩と澪先輩の方へ近づいているようです。二人は静かに
左右に広がり、迎撃の準備をしております]
律「いつでも来い……!」ジャキッ
ガサガサガサガサ
梓「あれ? ここさっきも通ったような…… あっ、律先輩、澪先輩」ガサガサ
澪「何だ、梓か……」ホッ
律「ビックリさせるなよー」
[正体は失格となった梓でした。ホント律先輩の言う通りです]
梓「本部に帰ろうと思ったら迷っちゃって…… どうしましょう」
澪「下手に動かずにスタッフに迎えに来てもらえばいいよ。カメラ、どこだろ」キョロキョロ
ギュイイイイイイイン
澪「ん? 何の音だ?」
律「伏せろ澪!!」ザッ
澪「うわわっ!」ズザァ
バババババババババババババババッ
梓「ぶべべべべべべべっ!」ビチャビチャビチャビチャビチャビチャビチャ
[どわあー! 突然藪の中から横殴りの雨のような無数の弾丸がー! あっという間に梓が
トマトケチャップかイチゴゼリーにー!]
律「木の陰に隠れろ! 早く!」
澪「すごい弾幕だ……! 総攻撃か!?」
律「いや、違う。一方向から広範囲に射撃してるだけだ。たぶん、射手は一人……」
澪「この弾の量はどう説明するんだよ!」
律「あのモーター音はまさか……」
ガサッ ガサッ ガサッ
[あっ、藪からゆっくりと誰か出てきました! あれは……]
唯「あはははははははははは!!」ババババババババババッ
【唯第二武器:M134ミニガン】
[唯先輩だー! 給弾ベルトパックを背負い、ミニガンを掲げ、悪魔の高笑いを発しながら、
唯先輩が現れたー!]
唯「あはははははははははは!!」ババババババババババッ
[とんでもない弾幕です! 手元の資料によると、回転するガトリングからの発射速度は
毎分3000発! 二人は手も足も出ない! 森の木々が、草花が、ペイント弾の赤に染め
上げられております!]
澪「ここから動けないよ! 弾切れまで待つか!?」
律「ダメだ! あのドでかいパック全部が弾薬だぞ! それに唯の奴、どんどん近づいて来てる!」
澪「くそっ! ムギ! ムギぃ!」
紬『まかせて! もうすぐそこよ!』
唯「あはははは! 澪ちゃんもりっちゃんもやっつけちゃうぞー! あははははは!」ババババババババババッ
ヒュンッ ズバコォンッ
梓「ぶべらっ!!」ズザザーッ
[ぎゃあああ! 凄まじい勢いで飛来した銃弾が、いや砲弾!? ともかく梓の後頭部に直撃!
数m吹っ飛んだぁー!!]
紬「ご、ごめんね梓ちゃん! 上手く狙いが定まらなくて!」
【紬第二武器:ブローニングM2重機関銃】
[ムギ先輩が恐ろしい武器を持って救援に駆けつけました! てゆーか持てるのかよ!
全長160cm、重量38kgを超える巨大な機関銃を軽々と振り回す! その姿はまるで
脱獄囚三人を殺った後のフランクさんだぁ!]
唯「えええええ…… そんな武器、反則だよぅ……」タジタジ
[ちなみに手元の資料によると、本物の方は頭を撃てば頭が丸ごと吹き飛び、胴体を撃てば
身体が真っ二つ、当たらなくても衝撃で絶命させられる超破壊力です! 梓が宙を舞った
のも頷けます! 医療班早くー!]
澪「助かったぁ……」クテッ
紬「唯ちゃん」
唯「は、はい……!」ビクッ
紬「ごめんね……?」ジャキンッ
律「いっけええええええ!」
ズドドドドドドドドドドドドドドドッ
唯「ひゃあああああああ!」バタバタバタ
[たまらず逃げ出す唯先輩! そりゃ逃げるしかないでしょう! 一発で人が吹っ飛ぶ威力の
ペイント弾が毎分1000発の勢いで襲ってくるんです! むしろ逃げてください!]
ヒュンッ バキイッ
唯「当たった木が折れてるううう! もうやだー! びえええええん! 助けてえ!」バタバタバタバタ
和「唯! こっちよ! 早く!」ガサッ
唯「ああっ、和ちゃん! 助けて!」
和「言うことを聞かないで勝手ばかりするからこうなるのよ! 馬鹿な子ね!」グイッ
最終更新:2014年05月22日 23:24