それは私が小学生の頃

澪(夜のテレビってどんな番組やってるのかな…)ワクワク

その日、私は深夜にたまたまトイレにいくのに目を覚ました

普段は夜のトイレの廊下が怖かった私は、律と友達になった影響もあってか
この日は恐がりの私には珍しく夜闇の怖さより好奇心が勝った

ぎぃぃぃぃぃ…

澪「」びくっ

ど、どうしよう…まっくらなリビングを見たら、今さらだけど恐くなってきちゃった

ううん、こわがりなわたしをこく服するため、夜なかにどんなテレビをやってるのかみたいから、ゆうきをだす!

私は意を決してリビングの灯りをつけてテレビの前に座る

澪(どんなテレビやってるのかな…)ワクワク

わくわくしながらテレビのリモコンの電源を入れたのを今でも覚えてる

まさかこれが、私の一生を決めてしまう出来事になるとは、思いもしなかった

女A『はぁぁぁん、だめぇえ…!』

澪「ぴぃっ/////!!?」

女B『うふふ、もうこんなに濡らして、イヤラシい子…』クチュクチュ

画面の中では、女の人と女の人が抱き合って絡み合っていた、全裸で…

澪(な、なにこれ…女のこと女のこが…)

女B『うふふ…』チュッ
女A『んぅ…ちゅぅ…』

澪(!?…き、キスしてる、女の子どうしなのに…!?)ドキンドキンドキンドキン

私と同じような長い黒髪の女性と、長くてウェーブのかかった金髪の女性が時に上になったり、下になったりして身体を重ねて、お互いの身体を求め合っている

澪(す、すごい…きれい)バクンバクン

きっと私は、いけないものを見ているに違いない、こんなものは見ちゃいけない、早く寝ないとだめ

私の中の優等生な私がそう囁いてる

でも私の中の、どう呼んだらいいか知らないもう一人の私がもっと見ていたい、と囁いている

まだ幼いわたしは、目の前の画面の中で繰り広げられている妖しい光景の虜になって食い入るように見つめていた

澪ママ「澪ちゃん、なにをやってるの?」

澪「!」びくっ

私はテレビに夢中になるあまり、ママが起きてきたことに気づかないでいた

私はその後、ママにたっぷり叱られた

私はその後、世の中には女性の同性愛者、レズビアンという人たちがいる事をママから教えられた

男性の同性愛者がいるのは、テレビのバラエティ番組とかで知っていたけど、女性の同性愛者がいることは
あの深夜の番組を見るまで知らなかった…

律「レズ?あぁ、きもちわるいよね〜女の子同士なんてありえないよね、ね?澪ちゃん」

澪「う、うん…」

どうして律はそんな事をいうんだろう、あんなに綺麗なのに…それに性別を越えるほどの強い愛情って、すてきな事だと思わない?

そう言いたかったけど、世間では認められていない、マイノリティーな存在である事を思うと、
私の感覚の方が変わっていて、律の感覚が普通でそう感じるのは仕方のないことなのかと、その時はしぶしぶ律に同意した

中学二年生にあがった頃、私の周りの女の子たちは彼氏がほしいとか、クラスのあの男子とつき合いたいとか、そんな話で持ちきりだった

でも…私はいまいち男子に魅力を感じる事ができなかった

クラスの男子たちは、私の身体を見ては下品な笑みを浮かべたり、なめるような視線を胸やお尻に向けてきたりするのが…たまらなく気持ち悪かった

中には先生ですら私をそんな目で見てくる人たちがいる

ある日の放課後、部活を終えた私は三人組の男子に囲まれていた

男子A「なぁ秋山ぁ、乳揉ませろや」

澪「ひっ…」

男子B「尻でもいいぞ〜?」

男子C「たまんねえよなぁ、秋山の身体」

男子に囲まれた、運動部系の厳つい男子に…こ、怖いよ…

律「お前らなにやってんだ!?澪から離れろ!」

澪「律…」

こうして男子にからかわれたり、襲われかけたりすると、いつも律が助けてくれる

律「大丈夫か澪…?」

澪「ごめん、いつもありがとう、律…」

いつの間にか、私はそんな頼もしい律の事が…好きになっていた

律「いいっていいって、ダチが襲われてるの黙って見てられないって!」

私の好きはきっと友達に向ける感情じゃない、きっと恋愛感情…
寝ても覚めても、ご飯を食べてる時でも、お風呂に入る時も律の事が頭から離れない…きっとこれが恋に違いない、きっとそうに違いない
でも、こんな気持ちを同じ女の子に抱くのは決して許されないこと

律も、こんな私を気持ち悪がって友達じゃいられなくなる…いや、いつも私を助けてくれる律が、そんな事するはずない、でも…もし違ったら…


(未完)



2
最終更新:2014年07月20日 21:14