紬「あずさちゃん…あずさちゃ…」
ムギ先輩は先ほどとは違う物を求めて私に縋りつく、キスを求め、快楽を求めている。
梓「ムギ先輩、ほしいですか?」
なにを、とは聞かない
紬「……」
ムギ先輩は、真っ赤な顔で私の目を、本能に支配された、濁った目で見る。
その目は雄弁に私からの快楽を求めている。
願っても無い彼女からの求めだけど、私はもっと、ムギ先輩で楽しみたいのだ。
梓「ふふ。だーめです」
キスを求め、私に近づくムギ先輩から逃げる。
紬「…ぁ…」
梓「ムギ先輩、さっきまで嫌がってましたよね。散々嫌がってたのに、どうして今は、ほしがってるんです?」
紬「…ぅ…ぅう」
もう剥ぎ取ってしまった彼女の理性が再度首をもたげないよう、私はムギ先輩への愛撫を再開した。
紬「ふぁ…ぁあ…あずさちゃん…おねがい…」
梓「いーやーでーすー」
彼女の声は楽しい。いつまでも、いつまでも、聞いていたい。
紬「っあ!…あずさひゃ…」
梓「ムギ先輩…。そんなに欲しいですか?」
私がそうたずねると、ムギ先輩は何度も頷いた。…まだだよ。ムギ先輩。
梓「分かりました。後輩として、ムギ先輩のお願い、かなえてあげましょう!」
ただし、
梓「私の前で、オナニー、してもいいですよっ」
まだ触ってなんか、あげないですよ?
梓「私の目の前で、いやらしく、浅ましく、快楽だけを求めるオナニー、してくださいね」
紬「そん…な」
自身が自身の快楽のためだけに行う行為。誰もがそんなの、他人になんか見られたくない。
でも、私はムギ先輩の理性の最奥の、最も醜い部分を曝け出したいのだ。
梓「大丈夫です。ここには私しかいません。私だけが、ムギ先輩の一番いやらしい姿、見ててあげます」
紬「…」
梓「ね。ムギ先輩、今触ると、とっても気持ちいいですよぉ?もうきゅんってして我慢できないはずです」
紬「きもち…いいの…?」
もうちょっと。もう一押し。
梓「ええ!とっても気持ちいいです。ムギ先輩のオナニー、私、見たいなぁ」
命令でも、言外の強制でもない、私のただの願望。それに気づかないムギ先輩ではないはずだけど
快楽に支配されているムギ先輩には背中を押してくれる一言にすぎない。
紬「そう…そうだよね…」
ムギ先輩は自身の秘部にとうとう手を伸ばし、指の腹で、擦り始める。
紬「あぁっ!」
ムギ先輩は一際大きな声をあげ、私の腕の中で大きく仰け反る。
梓「ムギ先輩、気持ちいいの?」
紬「気持ちっ…きもちいいよぉ」
自分一人で完結するこの世で最も恥ずべき行為。
普段一番大人で、かと思ったら一番子供で、ある意味世間知らずなムギ先輩がオナニーをしているのは
たまらなく淫靡で、艶やかで、私の理性を簡単に貫いた。私の芯はもはや燃え上がり、下着はもう用途を為していない。
…まだ、もうちょっと
梓「ムギ先輩、答えてください」
彼女の行為の最中の手を掴み、強制的に自慰を中止させる。
紬「やぁあ、あずさちゃ…とめないでぇ」
梓「素直に答えてくれたら、オナニーさせてあげます。ちゃんと私の質問に答えられますか?」
紬「答える…こたえるからぁ」
梓「ありがとうございます。続けていいですよ」
紬「く…ぅう」
快楽に囚われているムギ先輩。
梓「じゃあ1問目です。ムギ先輩は週に何回くらいオナニーしてますか?」
紬「…え…?」
梓「はいストップです。答えるまで、再開させませんよ?」
彼女の手を止め、首筋を舐める、彼女は快楽を受け取ったようだけど、性器からくる快楽からは程遠いはずだ。
紬「あずさちゃ…あずさ」
梓「答えてくれないんですか?」
後輩の顔に戻り、小首を傾げながらムギ先輩に尋ねる。いやらしい私に慣れきっていたムギ先輩には
後輩に襲われているという事実を再認識させ、羞恥の念を増大させるには充分だったはずだ。
快楽と、羞恥。私は彼女の唯一残った羞恥という理性を取り去りたい。
彼女を愛撫し続ける、段々と彼女の快楽が羞恥に打ち勝っているのが分かる。
紬「…にかい…・くらい」
私はそれを聞き、あっさり彼女の手を開放する。
ムギ先輩は再び快楽を求め、行為を再開する。
梓「そうですか。ちなみに私は毎日してます。ムギ先輩の悪い肉体に、散々苛まれてましたから」
手を開放されたムギ先輩は先ほどよりも深く、快楽の虜になっていた。
紬「あぁぁっ」
質問に対する抵抗は、これでとれたかな?じゃあ、次です。
梓「じゃあ、次の課題です。今の状態を、具体的に、私に教えてください」
彼女は私の課題に少しの躊躇を見せたけれど、快楽にはもう勝てないのかぽつりぽつりと口を開き始めた。
紬「気持ちいいの…こすったら、こするだけ、きもちよくなるの…ふぁ」
彼女は自分の言葉にさえ快楽を見出したのか、どんどん饒舌になり、自身の状況を語り始める。
紬「こすったら、きもちいいの。どんどんあふれて、どんどんわかんなくなって、おなかもきゅんってなって」
紬「きもちいいの、とまんないよ、あずさちゃん、とまんないのぉ…」
梓「そんなに…そんなに気持ちいいんですか?」
自身も彼女に引っ張られ、快楽に囚われているのを無視してムギ先輩を追い詰める。
彼女は自分の言葉に酔いしれ、自分で理性を羞恥を剥ぎ取り、快楽だけに囚われていた。
紬「うん…きもちい…どうしよう、あずさちゃん…んぁぁあ」
梓「…っ」
彼女が更に大きく喘ぎ始める。絶頂に向かって上り詰めようとしている。
もはや人間性の欠片も無くなったムギ先輩は醜いと同時にこの世のものとは思えないほど美しい。
…もう、我慢なんか、できないよ
そんな彼女の痴態を目の当たりにした私の理性はとうとう決壊し、いとも簡単に彼女と同じ場所に堕ちようとする。
…でも、最後、ホントの最後。ムギ先輩に答えてもらわなきゃ、ダメなんだ。
梓「ムギ先輩」
彼女の手を止めることなく、彼女を抱きしめながら今度は私が懇願する。
梓「私、ムギ先輩に触りたいです。ムギ先輩を気持ちよくしたいんです」
梓「誰にもムギ先輩を渡したくない!この世の誰にも!ムギ先輩自身にだって」
梓「私にムギ先輩を、ください」
彼女を地の底に堕落させてでも、彼女の人間性をすべて否定してでも、私は彼女を手に入れたかった。
そんな私の身勝手で、独善的で、卑怯な想い。すべて壊してでも彼女を手に入れたかった。
でも、最後だけは、やっぱりどうしても最後だけは彼女の意思で、私を受け入れて欲しかった。
紬「…いいよ」
いつの間にか、自慰を止めた彼女が私に身体を向け私の耳元に口を寄せて囁く。
梓「…え」
紬「いいよ…私に触っても、私を快楽で支配しても」
紬「わたしのぜんぶ、あずさちゃんに、あげる」
紬「わるいのは全部私のいやらしい身体」
散々私が彼女を貶めるために放った台詞で、ムギ先輩は私の欲望を正当化しようとする。
紬「だから、ね?梓ちゃん、私に触って?私を懲らしめて?私を支配して?」
彼女はもはや昨日までの澄み切った汚れを知らない少女ではなく、私という毒に汚されきってしまって、地の底に堕した哀れな女。
堕ちきった彼女は、もはや自分の意思で、私の支配を受け入れる。
その声は、その言葉は、私が彼女に魅かれていた頃のように美しく、私を捕えて話さないけれど、
天使のようだった彼女の今の言葉は、私を同じ場所に堕落させようとする、悪魔の誘いだ。
以前の彼女では絶対みせなかった様ないやらしい、濁りきった微笑を浮かべて私を誘う。
紬「ね?梓ちゃん、」
…もう、いいよね?ムギ先輩。
紬「わたしを、もらってください」
梓「せんぱいっ」
紬「ふぁっ」
彼女を押し倒して、唇を奪う。それは以前の、快楽を与えようとするキスでなく、彼女を貪りつくそうと、自分だけが快楽を得ようとする獣のような口付け。
彼女も私を求め、舌を積極的に絡ませる、私が彼女に侵入し、彼女が私に侵入する。
彼女の唾液も、彼女の舌も、何もかもが麻薬のように私を捕えて離さない。
そうして互いに互いを貪り合う。唾液が口から漏れ、椅子を汚すのにも構わず、私たちは、ただお互いを求めていた。
キスをしながら、彼女の胸に手を伸ばす。
ふくよかで、マシュマロみたいにやわらかい胸。そっと掴むと、まるで私を待っていたかのように、私の手に埋まる。
彼女の起ちきっている乳頭に初めて触れ、優しくなぜる。
紬「っ…ひぃ…んぁ」
梓「ぷぁっ」
大きく喘いで仰け反る彼女。私は彼女の唇が私から離れたことに若干の寂しさを覚えながら、彼女の首筋を、舌でなぞる。
紬「あぁっ」
乳頭をこねくり、撫ぜながら、私は舌で彼女を愛撫する、鎖骨、肩、腕、わき腹。
紬「やぁ、あずさちゃんっ」
…わかってますよ。先輩。彼女の欲望に私は答える。
乳頭を口に含み、優しく、淡く、歯で刺激し、舌で愛撫する。
紬「いっ…っあ」
吸い上げ、撫ぜ、押す。
紬「ふぁぁあ」
彼女が私の後頭部に手を回し、私を抱きしめる、積極的に私を求める彼女。もっともっと応えてあげたい。
梓「ぷは」
紬「ふぁああぁ」
最後に大きく舐め上げて、彼女の乳首から口を離す。彼女の肉体の一番侵してはならない部分を犯すために。
梓「もう…先輩。苦しいですよ。そんなに押し付けたら、わたし、窒息しちゃいます」
紬「ふぇ…ご、ごめんなさいあずさちゃん」
梓「ふふ。いいですよ。ムギ先輩はもう私の所有物なんですから。ムギ先輩が手に入ったことを思うと、このくらい、なんてことないです」
紬「ぁ…わたし、あずさちゃんの、しょゆうぶつ?」
梓「はい…そうですよね?」
紬「うん、わたし、あずさちゃんの」
彼女の白く、官能的に伸びている脚の付け根、だれも犯したことのない彼女の秘部。そこに私は手を伸ばす。
梓「だから、先輩、先輩がこれまで守ってきたもの、大好きな人に、大切な人にあげるもの、私に全部ください」
彼女の処女を、彼女の純潔を、彼女の最後の聖性を、私はこれから奪う。
紬「……」
彼女の目に光が戻る。私に全て壊されたはずの彼女の目に。
彼女が口を開く。
紬「…いいよ」
先ほどまでの濁った声でも、快楽を求め、懇願する声でもない。ムギ先輩の、優しい声、優しく、私を包んでくれる声。
それが何を意味してるのか私は考えるまもなく、彼女の内部に指を挿入した。
紬「…ッぁ!」
彼女の純潔の証に到達する。もう少し、もう少し。
梓「ムギ先輩…大好き」
初めて自分の体内に異物が侵入し、しゃべる余裕なんかない彼女がこくこくと私の言葉に頷いた瞬間、私は指に力をこめた。
紬「…っ。いた…ぁっ」
梓「ムギ先輩…ムギ先輩…」
彼女の中は驚くほど熱く、私の指を包み込み、私を離すまいと。私を締め付ける。
紬「くぅ…やぁぁぁ」
彼女が強く、大きく声を上げる。彼女の苦痛が痛いほど伝わってくるのに、私は指を動かし続ける。
梓「ムギ先輩…つむぎ…大好き…大好き」
私の頭にはもはや紬の事だけが頭に残り、彼女を求め続ける。
梓「つむぎ…すき…」
紬「あずさちゃ…っぁあ」
指を動かし続ける。最初は苦痛に満ちていた彼女の声が段々と悦びに濡れていく。
紬「っぁ…ひぃ…んぁあ」
梓「つむぎぃ…んぁ」
彼女の声が、快楽に濡れていくたび、さわってもいない私の身体も快楽を受ける。
彼女の中がうごめく度、私のそこも、気持ちよくなる。
彼女と共に墜した私は、彼女と共に上っていく。
彼女にもっともっと気持ちよくなって欲しい。もっともっときもちよくなりたい。
紬「ぁああッ」
彼女が上り詰めていく。
紬「あずさ…わたし、いっちゃ…いっちゃうよぉ…」
梓「はい」
紬「いってもいい?いっても……あッ」
彼女の身体がぴくんぴくんと震え始める。私も、限界だった。
梓「はい。いいですよ紬は、身体も、心も、なにもかも私だけのものに、なったんですから」
紬「うん…わたし、あずさだけ。…ゃぁあ」
激しく彼女の中に進入した私を動かす。彼女を絶頂に導くために、彼女に私をしっかり刻み込むために。
紬「あずさぁ…あずさ…いっちゃ、いっちゃう…」
私もいっちゃいそうで、彼女と同時にいきたくて、彼女に触れながら、上り詰めたくて、彼女へ口付けた。
梓「ん…つむぎぃ…いって、いってぇ」
紬「んちゅ…あずさ…ふあ…あぁああ」
彼女の全身が痙攣し、腰をあげる。彼女の中から、ひときわ大きな熱が私におそいかかる。
梓「…ッ……」
ムギ先輩と同時に、私も達した。
彼女はその後、びくびくと幾度か痙攣を繰り返して、動かなくなった。
私が余韻を楽しむために、何度か指を往復させるたび、彼女は軽く絶頂しているのか、彼女は痙攣し、口から喘ぎが漏れる。
彼女の中から指を引き抜くと、どろっとした、ムギ先輩の体液があふれる。彼女はその刺激でまたいってしまったみたい。
その後、精魂尽き果てたのか、彼女は目を閉じ、眠り始める。
梓「…」
乱れてしまった制服を直して、裸のまま眠ってしまった彼女を眺める。汚れてしまった彼女。私の物になった彼女。
彼女を汚してしまった若干の後悔が無かったと言えば嘘になるけど、彼女を蹂躙した悦び、彼女を征服した喜びに較べればそれは些少なものでしかなかった。
周囲りを見回すと、太陽は沈みかけ、一面が薄闇に覆われようとしている。…まずいな。ホントに先生きちゃうよ。
梓「ムギ先輩。ムギ先輩、起きてください〜」
何も無かったかのような声、いつもの可愛い後輩である梓のように私は先輩を起こす。
紬「ぁ…ふぁ…あずさ…?」
先輩の意識は未だ先ほどの情事のままで留まっているのか、私を目に入れると、縋り付き、甘える。
紬「あずさ…あずさぁ」
梓「ふふ…紬はあまえんぼうさんですね〜」
ぎゅっと私の胸に頭を埋めるムギ先輩。可愛くて、愛しくて、めちゃくちゃにしてやりたくなるけど、今日は我慢。
梓「いろんなもので汚れちゃいましたね?拭いてあげますよ」
ウェットティッシュで汚れた彼女を、彼女の純潔の証を綺麗に彼女から拭き去る。彼女は私に身を任せ、安心しきっている。
私が貴女を汚したのに、私が貴女を壊したのに。
紬「ふぁっ」
さて、夢の時間はもう終わりです。
梓「先輩、こんな時間にそんな格好してたら先生にみつかっちゃいますよぉ?」
紬「ふぇ?」
梓「下校時刻、もうとっくに、過ぎてるんですから」
いやらしい笑みで私は先輩に告げる。裸なのは先輩だけで、先生に見つかったら、言い訳のしようがない。
紬「…っ」
ムギ先輩は慌てて着替え始める。
ムギ先輩が着替え終わる。外見上ではいつもの私たち。一瞬何もかも、夢だったように思える。
紬「あ、あずさちゃん。これで、もう…」
彼女が最後の言葉を言うことを躊躇する。最後に続くのは、終わりよね?終わってしまうの?
どっちでもいい。彼女の言葉なんて、関係ない。だって彼女はもう、私の物なんだから。
梓「どうしたんですか、先輩?」
何もなかったかのように私は振舞う。彼女にしたことなんて、覚えていないかのように。
紬「…っ。な、なんでもないわ」
梓「変な先輩ですね。じゃあ、帰りましょう。先生に、叱られちゃいます」
紬「……うん」
最終更新:2014年11月03日 19:44