「なぁ。せっかくいい天気だし、そろそろ起きてどっか行こうぜー」


土曜の晩から泊まりに来ていた律先輩が、窓を開けて雲ひとつない空を見ながら言った。
朝夕は冷え込むようになってきたけれど、昼下がりの日差しは暖かい。
時折吹き込んでくる風にカーテンが揺れた。


「そーですねぇ…」


今日はもう、なんとなくこのままだらだらごろごろと過ごしてもいいかなぁと思っていたんだけど、
窓の向こうに見える青空を見ると、そうするのがもったいなく思える気持ちはちょっとわかる。
…昼近くまで寝てしまった休日を取り戻すためにも、出かけることにしようか。
そう思いながらも今ひとつ気力が湧かずにベッドで寝っ転がったままでいると、玄関の扉をノックする音が聞こえた。

チャイムを鳴らすのではなく、扉を叩く音だ。


「あずさー、誰か来たみたいだぞー」

「知ってますよ」

「じゃあ、早く出ろよ」

「…先輩がどうぞ」

「ここはお前んちだろーが」


もう一度扉をノックする音も聞こえた。三回。コンコンコン、と。

ふと、あることを思い出した。

もしかして、いやまさか。今頃?そんなわけない。と思いながらわたしは立ち上がった。


「…わかりましたよ。わたしが出ます」

「はーいはい。起きた起きた」


上着を羽織って扉に向かう。ドキドキしながらわたしが鍵を外して玄関の扉を開けた…瞬間。

扉の先にいた人物がかぶさってきたかと思うと、全身を強く抱きすくめられた。


「あずにゃーーーっっん!!ひさしぶりぶりーー!!」


予感が的中した。
勢いそのままにわたしは後ろに押し倒される。
あまりに突然の出来事にわたしは声すらあげることができない。


「ありり?りっちゃんがいるじゃん。遊びに来てたの?髪、伸びた?」

「あ、うん。まぁ…な。それにしても久しぶりだな、唯」

「そうだねー…何年ぶりかな??」

「……3年半ぶりです。忘れたんですか」


そういやそんなになるんだっけ?とぼけた顔で笑う唯先輩は、
出逢った頃から何も変わってないように見えた。


「…そろそろどいてくれませんか?重いです」

「あ、ごめんごめん。久しぶりにあずにゃん分を補給したくって!」


そう言ってもう一度顔を近づけて頬擦りをしようとする。
わたしはそれをはねのけ、なんとか距離をとった。


「もぅ…あずにゃんのいけず」

「……いけずじゃありません」

「…梓。せっかくだから、上がっていってもらったら?こうして会うのも久しぶりなんだし」


後ろでわたしたちのやりとりを見ていた律先輩が、落ち着いた調子で声をかけた。



「はーい、じゃあおじゃましまーす」


突然の出来事に動揺して落ち着かないわたしに変わり、律先輩は勝手知ったる…とばかりに棚からやかんを取り出して水を注ぎ、火にかけた。


「…紅茶でいいか?」

「うん!うわぁ〜日本のお茶飲むのひさしぶりだよぉ」

「…っていっても紅茶だけどな」

「『日本の』って今までどこ行ってたんですか」

「ヨーロッパ。あれ?出発のとき、連絡しといたじゃん」

「それは知ってる。だからヨーロッパのどこだよ」


律先輩が少し苛立っているように喋る。


「ヨーロッパはヨーロッパだよ、りっちゃん」

「ヨーロッパっつっても、広いだろーが」

「だからスペインとかフランスとかドイツとかオーストリアとか…さすがにロシアまではいけなかったけど。いろんな国をギー太と旅したんだぁ」


この人、本当にヨーロッパに行ってたのか…。
旅立つ前の成り行きを知っているから、ヨーロッパに行った理由はそれとなくわかる。
でもなんで今頃になって急に帰ってきたのか…すごく聞きたくてたまらなかったけれど、
突然の出来事に頭が混乱して、何も訊けやしなかった。


「唯、なんで急に梓んちに来た?」


わたしに代わって律先輩が尋ねる。


「さっき成田に着いたとこなんだー」

「は?」

「それでねー。両親はドイツに引っ越しちゃったし、憂は留学中でしょ。
 だから今行くとこなくてさー」

「…それで梓のところに来たのか」

「うん!というわけであずにゃん!お世話になります!」フンス!

「……だからって、なんでわたしのところに来たんですか。
 先輩方同級生のどなたかの家に行くって選択肢もあるでしょう」

「ないよ」

「どうしてですか」

「そんなのあったりまえじゃん」

「何が当たり前なんです」

「だってわたしたち、」

「わたしたち?」

「付き合ってるんだから」


ピーッと沸騰を知らせる音が響き、律先輩が立ち上がった。

唯先輩は嬉しそうにわたしを見つめていた。

わたしの胸のうちには正体の知れない気持ちが渦巻いていた。



「で、梓ちゃんはどうするつもりなの?…あ、店員さん。山崎ください。ロックで」

「どうするも何も…つーかまだ飲むんですか」


唯先輩はある日突然、わたしの目の前からいなくなった。
突然、といってもまぁ最低限の連絡程度はあったけれど。

大学を卒業して、5人それぞれが就職したり進学したり…バラバラになったわたしたちは、それまでのようにバンド活動することができなくなった。

仕事や勉強で忙しい日々。いつしか楽器に触れることも少なくなっていった。練習練習とやかましいことばかりを言っていたわたしでさえ。
時々休みの日に思い出したかのようにギターに触れる。うん、まだ自分の腕前も捨てたもんじゃないって思いながら、今の自分を肯定しようと必死だ。
でも働くって、社会に出るってそういうことだもの。
変わらない日々の中に、小さなやりがいを見つけ、お酒を飲んで不満を忘れ、将来の不安から目を逸らし、立派な大人のフリをして生きる。ごまかしごまかし日々を過ごす。


でも、あの人にとってはそうじゃなかった。


「休憩室の窓から眺める空の色が一緒なの。昨日と。今日も明日も明後日も…1年後も2年後も…おばあさんになるまでずっとこうやって同じ空を眺め続けてるんだなぁって思うと…やりきれなくなるんだ」


いや、転勤とかありますし。いざとなったら転職とかすればいいじゃないですか。ずっと同じ職場に居続けるわけじゃないでしょう。
…仕事、忙しいんですか?無理しないでくださいね。
何かわたしにできることがあったら相談してくださいね…。

そう言うと、唯先輩は曖昧な笑顔を浮かべながら、ありがとうあずにゃん、ってそう言ったんだ。


『もっと自分には可能性があるって思ってたよ。どこにでもいける、何にでもなれるって』

『世界はこんなに広いのに、わたしはなんて狭いところにいるんだろう』


地球の裏側を芸能人が旅するバラエティ番組を見て、なんだか感傷にふけったりもしていた。

そんな唯先輩は心配しながらも、わたしは大して何も考えていなかった。
だって、そんなこと思ってる人なんてきっとたくさんいるだろうから。

でも唯先輩は考えるだけじゃなくて、行動に移す人だったんだ。

就職して半年もしないうちに、唯先輩は今まで住んでいたマンションから、防音設備が整ったマンションに引っ越した。
結構家賃が高くて大変そうだったけど、おかげで思う存分ギターが弾けるって笑ってた。


学生時代あれだけお茶を飲んだりお菓子食べたりばかりでロクに練習をしなかったくせに、
いざ日常から音楽が遠ざかると、真っ先に耐えられなくなったのは唯先輩だった。

ギターを弾いてるときだけは、広いところにいる気がする。そう言っていた。

その頃の唯先輩は平日どんなに仕事で遅くなっても、予定のない休日は一日中、ギターを弾いてばかりいたみたいだった。

目の下に隈を作っていて、せっかく久しぶりに二人きりで逢ってるっていうのにうつらうつら居眠りしちゃって、わたしは怒りながら心配もしつつ、やきもちを焼いた。

この人にとって、なくてはならないものはわたしじゃなくて、音楽じゃないのか、って。

一度、唯先輩のマンションでギターの演奏を聴いた。

もう大学を卒業する手前頃には、わたしよりも唯先輩の方がギターが上手くなっていたから(当の先輩はそのことに気づいていなかったみたい)、別にどんな演奏を聴かされたって、驚くことはないって思ってた。

でもそんな思い込みはあっさりと覆されることになる。

技術の巧拙はさることながら、音楽に飢えていることがわかった。音楽が好きで好きでたまらないってことが痛いほど伝わった。初めてギターに触れた高校時代と何一つ変わることのない音楽への愛情と情熱。

対してわたしはどうだ。

このところずっと練習をさぼっていること、わたし自身にとって所詮音楽がその程度のものであったことを突きつけられて胸が痛んだ。


『いやーやっぱりダメだねぇ、学生時代みたいに練習時間とれないから』


…学生時代だってお茶とお菓子ばっかりでロクに練習してなかったでしょ。


『そうだったっけ?あずにゃん先輩、相変わらず厳しいっす』


テヘヘ、と笑う。
また、みんなでバンドできるといいねぇ。…そうですね。なんてやりとりをした後、二人で一緒にシチューを作って食べた。
二人とも料理はあんまり得意じゃなかったし、寒い季節はあったかくなるからといって、飽きもせず、シチューばかりを作ってよく食べた。

食べ終わって後片付けを済ませてから、緑茶を淹れて、みかんを食べつつ、コタツに入って借りてきたDVDを観るのがわたしたちの暗黙のルールだった。(その日観た映画は陳腐なラブストーリーだった)
狭いコタツの中で、わたしにぴったりと寄り添う唯先輩。あったかかったのは、シチューを食べたせいか、緑茶を飲んだせいか、コタツに入っているせいか。

自分で観たいと言って借りてきたくせに、中盤頃になるとうつらうつらとし始めて、わたしの肩を枕に寝入ってしまった先輩。
肩で眠る先輩の体温を感じながら、わたしは泣いていた。
つい見入ってしまったラブストーリーに心打たれたわけじゃない。


この時間があまりにしあわせすぎて、こわかったんだと思う。


「連絡くらいはとっていたんでしょ」

「手紙がたまに…。ケータイは向こうに持っていかなったみたいで」


わたしが就職して2年目の春。朝起きると一通のメールが着ていた。唯先輩から。


『仕事をやめて、ヨーロッパに行ってきます。いつ帰るかは決めていません。
 でも心配いらないよ!』


朝早かったし、この人が急に訳のわからないことを言い出すのはよくあることだったから、返事を返さずに家を出た。

その日、いつもと同じくらいの時間に帰宅してTVをつけた。バラエティ番組の渇いた笑い声が、狭い部屋に響く。シャワーを浴びて、ドライヤーで軽く髪を乾かす。
そうだ、変なメールが着てたな、と思い出して、ドライヤーを止めてケータイを見た。

なぜだか律先輩から何件か着信が入っていたけれど、唯先輩のメールが気になっていたし、とにかくまず、唯先輩に電話をかけた。

電話はいつまでも鳴り続け、つながることがなかった。

何度電話をかけても、コール音が鳴り続けるばかりだった。

何度も何度も電話を掛けているうちにいつしか、わたしは自分の膝がガクガクと震えだしていることに気がついた。
いつかこんな日がやってくるんじゃないか、って思っていた。
それが現実になったのかもしれない。

震える膝を叱咤して、家を飛び出す。全速力で駅に向かった。
春先の夜はまだ寒い。生乾きの髪がわたしの身体を冷やした。

日付が変わった頃、先輩のマンションに着いた。
震える指でチャイムを押した。反応がない。何度鳴らしても、反応がない。
扉を叩く。反応がない。何度も鳴らした。何度も、叩いた。

しばらくして、わたしはその場に座り込んだ。
仕事が長引いているのかもしれない。こうして扉の前で待っていれば、帰ってくるに違いない。そうだ、きっと帰ってくる。それまで待っていよう。

身体の震えが止まらないのは、寒さのせいだけじゃなかった。

しばらくして、エレベーターの音が聞こえた。足音がこちらに近づいてくる。

ほら、帰ってきた。
よかった。よかった…どこにもいかないよね。
わたしを置いてどこか遠くに行ったりなんかしないよね。


『…風邪引くぞ』


足音の主は、そう言ってわたしにコートをかけて、頭を撫でてくれた。
そして何も聞かず、泣きじゃくるわたしを抱きしめてくれた。



「放課後ティータイムのない生活も、ひとつのところに留まり続ける生活も、唯ちゃんにはできなかったのね」

「ええ。とっても自由なんですよ。唯先輩は。
 わたしに相談したらきっと怒られるから怖くて言えなかったんですって。
 全然信じてもらってなかったです。わたし」

「そういうことじゃないと思うけど」


ウイスキーのロックをグッと飲み干すムギ先輩。…そのお酒はそんなに勢いよく飲むもんじゃないと思うんですが。


「向こうで何をしてたの?」

「とりあえずご両親のいるドイツに行って、そのあとはいろんな国をまわってギター弾いてバイトして…」

「唯ちゃんたくましいわね…」

「働き始めてから貯めてた貯金全部なくなったみたいですけどね」

「あらあら…あ、梓ちゃん、グラス空いてるね。おかわりは?」

「じゃあ…えーっと、カシスオレンジにします」

「了解⭐︎すみませーん!カシスオレンジと八海山を熱燗でお願いしまぁす!」


騒がしい店内に、ムギ先輩の可愛らしい声が響く。


「ちょちょちょ!そんなに飲んで大丈夫なんでしょうね!」

「お金のこと?だって今日は梓ちゃんのおごりなんでしょ?」

「いや、まぁ相談に乗ってもらってるわけですからそれはそうなんですけど…それよりちょっと飲みすぎじゃ…」

「おごりなんだから飲めるだけ飲まなきゃソンじゃない」ウフ

「…後輩にたからないでくださいよ」

「話を戻すよ。りっちゃん、随分タイミングよかったのね」

「あの人…あ、唯先輩ですけど。律先輩には相談してみたいなんですよ、外国行くこと」


『気持ちはわかる。お前の人生だ。唯がやりたいようにしたらいい。
 だけど、梓のことはどうする気なんだ』

『わかってくれるよ。あずにゃんは』

『じゃあどうして本当のことを言わないんだ』

『今はまだ…わかってくれないと思うから』



わたしのこと、信じているのかいないのか…。

あの日…あ、唯先輩がいなくなった日。律先輩は何度もわたしに電話してくれていた。
でも、あのときのわたしはいっぱいいっぱいで、それどころじゃなかったから全く電話に出られなかった。
それで心配になってわたしのアパートまで来てくれたんだけど、わたしがいなかったものだから、わざわざ唯先輩のマンションまでやってくれて。

あのとき、律先輩がいなかったらわたしはどうなっていたんだろう。


「…なんで急に帰ってきたのかしら?」

「さぁ…お金がなくなったとか、久しぶりに帰りたくなったとか…どうせ気まぐれでしょ」

「そうかなぁ………あ」

「どうしました?」

「わかっちゃったかも。唯ちゃんがこの時期に帰ってきた理由」ムフ

「え?なんです」

「わからない?」ドヤァ

「…わかりません」

「梓ちゃんたらニブちんですこと」オホホ

「…うっさいですよ」

「…ウフフ〜まぁそのうち唯ちゃんが教えてくれると思うわ。
 それまでに梓ちゃんは自分がどうしたいか、ちゃんと答えを出しておかないとね」

「…なんですかそれ。ていうか相談してるんだからもっと建設的なアドバイスとかないんですか、先輩として」

「ないでーす。だってわたし、梓ちゃんみたいにモテたことないしー」フーンダ

「…嫌味ですか」

「ごめんごめん。でも決めなきゃいけないのは梓ちゃん自身だもの。
 他人がどうこう言える問題じゃないわ」

「…まぁそうですけど。ところでムギ先輩は最近どうなんですか?」


ムギ先輩はお猪口に入った日本酒をグッと飲み干すと、少し視線を落としながら言った。


「たのしくやってるよ。昔みたいにみんなと毎日会えなくてさみしいけど。
 さて、と。そろそろ帰りましょうか」

「うまくいってるならなによりです…。じゃあ今日はわたしが払います」

「ごちでーす⭐︎せっかくだからもう一杯くらい注文しておけばよかったかな〜」

「ちょっと。お金は払いますけど飲みすぎていつぞやみたいにわたしの肩に吐かないでくださいよ」

「梓ちゃん、しつこい」ムッ

「本当に臭かったんですからね」

「梓ちゃんだって、澪ちゃんちのトイレで吐いて新品のトイレマットダメにしたこと、あったじゃない」

「うっ…」

「酔っ払いにはやさしくしないとダメよ♪」

「お互いさまですね…」

「そうそう♪」


ムギ先輩はにこやかに微笑んだ。わたしも苦笑いで合わせる。


騒がしい居酒屋の外に出ると、秋の夜の冷たさが身にしみた。
夜風が吹いて、冬の近いことを思わせた。


「コート着てきてよかったわ〜」

「そうですね」


そうして二人、他愛もないことを話しながら駅までの道を歩く。
こんな風にしてると、学生時代からなんにも変わってないみたい。
ムギ先輩は少し千鳥足気味に見えるけど、お酒を飲んだときはいつもこんな調子だから大丈夫だろう。


「今から帰ります、ってメールした?」

「しましたよ」

「どっちに?」

「…律先輩です。唯先輩のケータイは契約切れてますから」

「そっか。ついでに『月が綺麗ですね』って送ってあげたら?」



言われてみてはじめて、今夜の月の綺麗なことに気がついた。
周囲にうっすらと雲がかかっていて、ぼんやり光の輪のようなものができている。


「ふざけないでください。それにわたしその言葉、キライなんです」

「あら、そう」


横断歩道の白い部分だけを踏みながらわたしの先を歩くムギ先輩。
真似をして白線の部分をそろそろと歩くわたし。ああ、酔ってるなぁ。


「白線を踏み外しちゃったら、どうなるんでしょうね」

「地獄行きね」

「こわっ。じゃあ気をつけて歩かなきゃですね」

「フフ…でもいつかは踏み外すときがやってくるのよね。
 そうでなくちゃ、先を歩いていけないもの」


わたしは答えない。束の間の白線歩きに夢中になっているフリをして。
酔っているようで、頭は不思議と冴えている。


地下鉄に乗るムギ先輩は、JRに乗るわたしを改札のところまで送ってくれた。


「じゃあね、梓ちゃん。唯ちゃんとりっちゃんによろしく」


改札を抜け、振り返るとムギ先輩はこっちを見て手を振っていた。
この人はいつも、わたしの姿が見えなくなるまで見送ってくれていることを知っていたから、何度も振り返ってわたしも手を振った。そして電車に乗って、アパートに帰る。

…二人の先輩が待つわたしのアパートに。



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最終更新:2014年11月11日 08:10