…………

梓「映画館着きましたよ?」

澪「あっ、もう着いちゃったか」

律からのアドバイスを実行せねば。


~律からのアドバイスその1~

律「雰囲気作りは、大事だぜ?」

澪「雰囲気作りか」

律「昼間のうちから、なるべく大胆にだな」

澪「大胆に」

律「梓に、今日の澪は少し違うな?何かあるのかな?って思われる位で」

澪「なるほど」

…………

映画館

梓「座席何処にしましょうか?」

澪「一番後ろの席にしないか?」

梓「一番後ろですか?良いですけど」

私達の周りは、空席だ。

梓「映画見てる間、手繋いでて良いですか?」

澪「うん」

ぎゅっ

上映開始

梓(うわ、怖いシーンだ。澪先輩大丈夫かな?)

澪「うわああぁーっ!!」

ぎゅうううっ

梓(案の定……)

梓「大丈夫ですよ」

澪「……うん」

せっかくだし、ちょっと梓に甘えてみようかな?

澪「少し、顔伏せてて良いか?」

梓「そうですね。しばらく、顔伏せてて下さい」

澪「うん」

梓の胸へと顔を埋める。

梓「あ///」

澪「怖いシーン終わったら教えてくれ」ぶるぶる

梓「はい」

梓は、私の身体を抱き寄せ頭を撫でてくれた。

なでなで

普段、梓の頭を撫でてるけど、たまには逆も良いもんだな。

梓と触れ合ってる部位が温かい。





梓「もう大丈夫ですよ」

澪「本当?」

顔を上げると、主人公とヒロインのキスシーンだ。

良し、ここで。

繋がれた手を取り、梓の手の甲にキス。

ちゅっ

梓「わっ///」

そのまま、梓の頭を抱き寄せる。

ちゅっ

映画のキスシーンとシンクロさせる。

澪梓「んちゅっ、ちゅっ、ちゅぱ……」

映画館内で、私達二人だけ別の空間に居る様な錯覚さえ覚える。


上映終わり

梓「最後の方、あまりよく見られませんでしたね」

澪「長くキスをし過ぎちゃったな///」

梓「澪先輩が中々離してくれないから///」

澪「雰囲気に酔いしれてたって言うか///」

……映画館でキスしちゃったのは、大胆すぎたかな///

私って結構大胆だったのかも///

梓「あ!あそこにプリクラありますよ」

澪「プリクラ撮ろうっか?」

梓「はい」

梓「このデザイン可愛いですね」

澪「そうだな、これにしよう」



梓「落書き落書き」

澪「落書き落書き」

梓「じゃ撮りますよ?」

澪「ああ」

パシャッ

梓「澪先輩」

澪「ん?」

ちゅっ

パシャッ

画面には、私と梓のキスシーンが。

こうして見ると、結構照れくさいな///

澪「梓も結構大胆だな///」

梓「さっきのお返しです///」




……

澪「梓、何処か行きたい所有るか?」

梓「そうですね……洋服とか見に行きたいです」

澪「あ、良いね。丁度秋物セールやってるだろうし」

梓「じゃ行きましょ」

洋服売り場

澪「このシャツのデザイン良いな」

梓「そのデザイン良いですね。私も買って良いですか?」

澪「え?お揃いでか?」

梓「そうです、ペアルックです」

澪「うん。良いけど、ペアルックにしたら馬鹿ップルみたいだぞ?」

梓「良いじゃないですか、馬鹿ップル」

澪「ふふ、そうだな」

―――――

澪「夕食の買い物も済ませたし、そろそろ帰ろっか?」

梓「はい」


~梓の家~

澪「お邪魔しまーす」

梓「私の部屋行きましょ」

澪「うん」

梓「飲み物持ってきますから、ベッドにでも座ってて下さい」

澪「悪いな」

バタン

梓のベッド……

ここが今日の最終決戦場。

数時間後には、ここで梓と。

澪「ふへへへへ///」

枕に顔を埋め、足をバタバタさせる。

梓「澪先輩、何やってるんですか?」

澪「ハッ///」

澪「ゴホン。ちょっと運動///」

梓「変わった運動しますね」

梓「どうぞ、アイスティーです」

澪「ありがと」

ごくごく

飲み終わったアイスティーをテーブルに置くと、梓は私に身体を預ける様に寄り添ってきた。

梓「せっかく澪先輩と二人きりなんだし、イチャイチャしたいです」

澪「じゃ、沢山イチャイチャしちゃおうか?」

梓「わーい」

澪「うわーっ///」

梓に抱きつかれ、そのまま一緒にベッドに倒れ込む。

いちゃいちゃ、ちゅっちゅっ

いちゃいちゃ、ちゅっちゅっ






ガラン

先ほど飲んでいた、アイスティーの氷が音を立てた。

その音を耳にして、ハッとなる。

ベッドで、こうしてると何か……凄くH///

これはHのチャンス?

……落ち着け、まだ夕食前だ///

梓「澪先輩?」

私の身体に覆い被さっていた梓が上半身だけ起こし不思議そうに、こちらを見下ろす。

Hな言い方すれば、騎乗位って体勢?

澪「……そろそろ夕飯の準備しよっか?」

さり気なく、話題を変えてみる。

梓「んー、もう少し澪先輩とこうしてたいです」

もう、仕方ないな。

その体勢のまま、ゆっくり梓を押し倒す。

今度は逆に、私が梓を見下ろす体勢。

澪「今日は、梓の誕生日なんだし私が作るけど」

梓「澪先輩ばっかりに任せられないですよ」

澪「じゃ、一緒に作ろうか?」

梓「そうですね。そうしましょ」

梓「澪先輩」

両手を広げて、抱っこして起こして下さいポーズを取る梓。

澪「もう、甘えんぼさんめ」

澪「よいしょっと」

梓「ありがとうございます」



澪「しっかり捉まってて」

梓「え?」

澪「よっと」

梓「わっ///」

梓をそのまま抱きかかえて、立ち上がる。

梓を抱っこしたまま歩き始めると

梓「頭がフットーしそうだよおっっ///」

澪「え?」

梓「あ、ただ言ってみたかっただけです///」

梓「重くないですか?」

澪「大丈夫、大丈夫」

キッチン

澪「キッチンに到着」

梓「ありがとうございました」

すとん

梓「はい、澪先輩の分のエプロン」

澪「ありがとう」

澪「先にパスタ茹でるか」

梓「パスタをアルデンテに茹でるのって難しいですよね?」

澪「アルデンテに茹でるコツってのは……」

梓の耳にスッと手を伸ばし

ぷにぷに

梓「ひゃっ」

澪「これだよ、耳たぶの硬さがアルデンテに近いって言われてるんだ」ぷにぷに

梓「そうなんですか」


澪「この堅さを目安に茹でれば良いんだよ」ぷにぷに

梓「あ、あのもう良いですか?耳///」

澪「あ、ごめん。柔らかくて気持ち良いから、つい///」

茹で茹で

澪「この位かな?」

澪「パク。もぐもぐ」

澪「良い感じだな」

澪「はい、梓もアーン」

梓「あーん」

梓「パク。もぐもぐ」

梓「本当、良い感じの堅さですね」

澪「だろ?」

梓「澪先輩、ちょっと屈んでもらっていいですか?」

澪「え?何?」

言われるままに屈むと、梓は顔を近づけ私の髪をかき上げた。

澪「?」

梓「はむはむ」

澪「うひゃっ!こら、私の耳たぶを噛むな///」

梓「なるほど、耳たぶと同じ堅さですね」

澪「もう///」

―――――

澪「さて、食べよ?」

梓「はい」

澪梓「いただきます」

パクパク、もぐもぐ

梓「美味しいですね」

澪「絶妙な硬さに仕上がったな」

パクパク、もぐもぐ

料理も、あらかた食べ終わったので誕生日ケーキにロウソクを灯す。

澪「梓、誕生日おめでとう」

梓「ありがとうございます」

梓「フーッ」

梓が、ロウソクの火を消す。

澪「はい、誕生日プレゼント」

梓「ありがとうございます。開けていいですか?」

澪「うん」

ガサゴソ

梓「これは?ペンダント」

澪「そう。実は、今日私がしてるのとお揃い」

シャツの中に隠してたペンダントを見せる。

梓「お揃い、嬉しいです」

澪「付けてあげるな」

梓「はい」

梓の後ろに周り、ペンダントを付けてあげる。

ふと、梓のうなじ目が行く。

こうして見ると、色っぽいな……

ちゅっ

梓「わっ///」

澪「ごめん、ビックリした?梓のうなじが色っぽかったから、ついキスしちゃった///」

梓「……澪先輩///」

澪「……梓///」

しばし、見つめ合う。

あれ?この雰囲気……



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最終更新:2012年12月21日 00:00