とみ「お母さんとお父さんの期待に応えなきゃ!」ゴシゴシ



とみ「頑張るぞー!」ゴシゴシ










とみ「お母さん、出来ました」



とみ母「見ましょう」



ピカピカ



とみ母「…」



とみ「お母さん、どうかな?」



とみ母「…」



とみ「お母さん?」



とみ母「次は料理ですよ」



とみ「はい!」



とみ(初めて怒られなかった、やり直しさせられなかった…)



とみ「♪」ニコニコ



とみ母「何をニコニコしているの?」



とみ「何でもなーい」ニコニコ




台所



とみ母「これから、料理を教えます」



とみ「お母さん、亨さんは板前…大丈夫かな?」



とみ母「大丈夫です、私の料理を全て教えます」



とみ「う、うん」



とみ母「親方さんに亨さんの好みを教えて貰ってます」



とみ「親方さんに?」



とみ母「親方さんが言っておられました」










親方「亨の好みの料理と味?」



とみ母「はい、亨さんは板前なのでどの様な料理が好みかと思って…」



親方「そりゃ、家庭料理ですよ」



とみ母「家庭料理ですか?」



親方「私達は料理を作る仕事」



親方「気が張り疲れます」



とみ母「はい」



親方「だから、家では安心出来る家庭料理が好きなんですよ」



とみ母「な、成る程…」



親方「特に亨には両親が居ない」



親方「あいつはお袋の味に飢えてるんですよ」



とみ母「亨さん…」



親方「奥さん、貴女は良い娘さんをお持ちだ」



とみ母「えっ?」



親方「とみさんには芯の強さと逞しさを感じました」



とみ母「…」



親方「きっと、良い奥さんになりますよ」



とみ母「ありがとうございます」ぺこっ





憂「家で食べる料理は安心するね」



唯「憂の料理は美味しいよぉ」



憂「ありがとう、お姉ちゃん」にこっ



とみ「憂ちゃんの料理は優しい味だからねぇ」



憂「お婆ちゃん、また教えてね」



とみ「お安いご用だよ」



唯「それからは、あっという間だったの?」



とみ「そうだねぇ、新しい料理を覚えて行ってあっという間だったよ」



憂「そして、試験の日だね…」













親方「亨、良く頑張ったな」



亨「親方、ありがとうございました」



親方「もう、教える事は何もないと言いてぇ所なんだが2年で伝え切れなかった事もある」



親方「だけどな、安心しろ亨」



親方「お前と、とみさんの交際を認められるように俺が幾らだって頭下げてやるから安心しろ」



亨「親方…」



親方「今日は亨が花板だ」



親方「気合い入れてけよ?わかったな!」



亨「はい!」



とみ父「お邪魔します」



とみ母「亨さん、お久しぶりですね」



とみ「亨さん、会いたかったです…」



亨「とみさん、僕もです」



亨「綺麗になりましたね」



とみ「そんな事///」



とみ父「では、料理をお願いします」



亨「わかりました」



亨「先付けです」


とみ父「…」もぐもぐ



とみ母「…」もぐもぐ



とみ「美味しい…」



亨「海老芋とボウダラの炊き合わせです」



とみ父「…」もぐもぐ



とみ母「…」もぐもぐ



とみ「亨さん、とっても美味しいです」




亨「ありがとうございます」



亨「鰤と鮃、そして、マグロの刺身です」



とみ父「ふむ」



とみ母「…」もぐもぐ



とみ「綺麗だな」



亨「甘鯛の若狭焼きです」



とみ「初めて見た…」



亨「天ぷらです」



とみ「カリカリしてプリっとしてる」



亨「ムカゴの炊き込みご飯と粕汁です」



とみ「暖まるな」



亨「デザートのお汁粉です」



とみ「わぁ!大好きなんです」



亨「それは良かったです」



亨「如何でしたでしょうか?」



親方「まだまだ、未熟な部分もあったかと思います」



親方「でも、こいつは…亨は寝る間も惜しんで必死に食らいついて来ました」



親方「お願いします、認めてやって下さいお願いします!」



亨「親方…お願いします!」



とみ「お父さん、お母さん、お願いします!」



とみ父「亨さん」



亨「はい」



とみ父「こちらこそ、娘を宜しくお願いします」



とみ「じ、じゃあ…」



とみ母「貴方の娘への想いは本物です」



とみ母「試すような事をして、本当にごめんなさい」



亨「そんな事、僕は当たり前の事をしただけです」



とみ母「それから、とみ」



とみ「は、はい」



とみ母「良く亨さんを想い続けましたね」



とみ「好きだからだよ」



とみ母「偉いですよ」



とみ「ありがとう、お母さん」



とみ父「よしっ、式の日取りや新居も探さないとな!」



とみ父「忙しくなるぞー」











唯「お父さんもお母さんも大張り切りだね」



とみ「特にお父さんはねぇ」



憂「あ、あのさお婆ちゃん///」



とみ「なんだい?憂ちゃん」



憂「そ、その…初めてだったんだよね?///」



とみ「何をだい?」



憂「キ、キスとかそれ以上の事とか///」



とみ「そりゃもちろん初めてだったよ」



唯「う、憂///」



憂「だって、私達も何れするんだよ///」



憂「痛いんだよ?怖いもん…」



唯「う、うん…」



とみ「唯ちゃん 憂ちゃん」



とみ「何にも怖がる事なんてないんだよ」



唯憂「…」



とみ「大好きな人に身も心も委ねなさい」



唯「身も心も…」



とみ「そうだよ、そうすれば怖さよりも痛さよりも幸せな気持ちが勝るから」



憂「そ、そうなの?」



とみ「そう思えるくらい大好きで大切な人とするんだから」にこっ



唯「わかった、私達も何れ見つかるかな?」



とみ「見つかるさ、みんな心優しい子ばかりだからねぇ」



憂「わかったよ、お婆ちゃん」



唯「式の前日はどんな感じだったの?」



とみ「普段は涙なんか見せない両親が涙ぐんでたのが印象的だったよ」











とみ父「明日は結婚式だな」



とみ「うん」



とみ母「今夜は早く寝なさい、お化粧のノリが悪くなるから」



とみ「わかりました」



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