文化祭1日目終了後・放課後。
唯「うい~。練習疲れたよ~」
律「だな。明日が文化祭が近いからついついやる気出ちゃうよな」
梓「そうですね。やぱり、軽音部はこうじゃないと。……最初の一時間のティータイムは長すぎると思いますけど……」
律「なんだと~。私はな演劇のジュリエット役を熱演したんだぞ。ちょっとくらい休んだっていいじゃないか。それに、梓は紬のお菓子が美味しくなかったって言うのかよ!!」
紬「えっ、もしかして美味しくなかったの?」
梓「い、いえ……そんな事ないです。紬先輩の淹れるお茶はとても美味しいです。放課後ティータイムには必要不可欠だと思います」
さわ子「そうよね~。ついつい、音楽室に入り浸っちゃうのよね~」
律「うわっ!? さわちゃん居たの!?」
さわ子「も~う!! 最初からいたわよ~」
梓「相変わらず神出鬼没ですね」
さわ子「なによ~、ひどいじゃな~い」
唯「でも、明日が最後なんだね……」
澪「そうだな。一年の頃はまだまだ最後の分開催の事なんか考えられなかったけど、もう最後なんだな……」
梓「……先輩たちと、高校での最後の舞台なんですね……」
先程までの和やかな雰囲気から一転して、悲しい雰囲気に包まれる。
律「な、な~に、しんみりしてんだよ。ほら、始まりは終わりの0だって言うだろ!!」
紬「律ちゃん、それ逆よ」
律「そんな細かい事はいい~の。そんなしんみりした気分じゃ、ゾーンに襲われるぞ~。……澪が」
澪「こ、怖いこと言うなよ。なんで私限定なんだ!!」 ポカッ
律「いった~」
ハハハハハハハハハッ!!
さわ子「けれども、人生は終わりと始まりの繰り返し。始まりがあれば終わりがあるのは必然よ。大切なのは、今を大切にすることじゃないかしら? 高校時代に皆で過ごせる今を」
唯「うぉっ、さわちゃんが真面目なこと言った!?」
律「こりゃあ、明日は雪だな」
さわ子「なっによ~。私だってたまには教師らしいことするわよ」
澪「でも、今の言葉素敵でした。私達は、今を大切にするってところが……。そうだ、これを歌詞に……」
律「あぁ~、やめとけ澪。結構使い古された言葉だし。それに、大切にした結果があれだぞ……」
こっそり耳打ちする。
唯「デスデビルだね」
さわ子「あぁ~ん、何か言ったかしら」
唯・律「「ひぃ~」」
さわ子「そういえば、二人とも~。大学に合格しても、教師の最終選考で卒業できないって知ってるかしらぁ~」
唯「ま、まさか、さわちゃん!?」
律「わたし達を卒業させない気じゃ……」
さわ子「さぁ~、ど~う~か~し~ら~?」
律「それだけは、勘弁を~」
唯「さわちゃん、お願いします」
さわ子「さぁ~て、どうしようかしらね~」
北極・銀河戦艦バルガイヤー。
北極に浮かぶオーロラに、巨大な女性の顔が映る。
メドー『いつになったら、ファイブマンを倒すのだ。シュバリエ、次の策は打っておるのか?』
シュバリエ「ご安心ください、メドー様。次の作戦は既に打っております」
銀帝軍ゾーンのガロア艦長に代わり、新たにゾーンの指揮を執ることになった初代館長シュバリエは余裕な表情で答える。
メドー『ほ~う、それはなんだ?』
シュバリエ「宇宙の死の演奏というのをメドー様はご存知でしょうか?」
メドー『死の演奏? あの、幾つもの宇宙を演奏により破壊してきたという、あ奴らの事か?』
ドンゴロス「せやけど、あの演奏の指揮者は、自由気ままなやっちゃでぇ。そんな奴らが地球に来てくれるんかいな?」
似非関西弁で話すのは、銀河商人ドンゴロス。
ゾーンの中でも、かなり大きな頭と、そろばんのような武器が特徴的である。
シュバリエ「ふん。安心しろ。俺は一度、奴と一緒に1つの星を滅ぼしたことがある。今回も、話を持ちかけたら喜んできてくれた」
ドンゴロス「そ、それじゃあ……」
シュバリエ「あぁ、既に地球に来ている」
杖を振るうと、何もない空間に地球の様子が映される。
映し出されたのは、体の至る個所にギター、ベース、バイオリン、フルート、鍵盤、ドラム……。
様々な楽器を装着しており、腕にはトレンドマークと言わんばかりの指揮棒を握っている女性の怪人、銀河指揮・コマンドギン。
ドルドラ「しかし、演奏という名のわりには指揮者しかいないではないか?」
ゾーンの女科学者である銀河博士・ドルドラがそう言うと、銀河剣士・ビリオンはシュバリエを睨みつける。
ビリオン「どういうことだ? まさか、音楽隊を解散してしまったのではないだろうな?」
馬鹿にした様に不敵に笑う。
ザザ「死の演奏も、とんだお笑い草だ」
頭に卵を被った女性、銀河の牙・ザザがそれに続く。
シュバリエ「ふ、ははははは」
ビリオン「!? 何が可笑しい?」
シュバリエ「いや、失礼。あまりの無知ぶりについ笑いが漏れてしまった」
ビリオン「何だと!!」
ドルドラ「貴様、私達を馬鹿にするのか!!」
剣を引き抜こうとするビリオンであるが、シュバリエは逆に専用武器であるタクトをその首元に当てる。
シュバリエ「コマンドギンは、その星で自分の気に入った演奏家(ミュージシャン)を仲間として引き入れる。つまり、人間は自分たちの星を、自分たちの愛した音楽で破壊するというわけだ」
ドンゴロス「あぁ、なるほど。それは、ごっつ残酷な作戦ですな~。さすが、シュバリエ様や~」
メドー『面白い。シュバリエ、今度こそ、この星を……999の星を滅ぼし、1000個目となる地球を滅ぼすのだ。そして、我に永遠の命をもたらすのだ』
シュバリエ「はっ、承知しております」
再び、桜が丘。
澪「買い出しも終了。これ食べたら、また練習だな」
唯「えぇ~、もうちょっとゆっくりしてからにしよ~よ」
律「そうだ、そうだ!!」
澪「そんなこと言ったて、明日が本番なんだぞ」
梓「そうですよ。唯先輩も、律先輩も最後の練習くらい真面目にやりましょうよ!!」
唯「うぉっ、あずにゃんが怒った!?」
紬「ふ、ふふふふふふ……」
律「ん、どうしたんだ、ムギ? 急に笑い出して」
唯「もしかして、何か悪いものでも食べたの? はっ、まさかお饅頭を拾って食べたんじゃ」
梓「そんなこと、唯先輩しかしませんよ」
唯「あ、あずにゃん、ひ、ヒドイ……」
紬「ううん。なんだか可笑しくて。みんながあんまりにも普段と変わらないから」
言われてみて気付く。
明日で最後だと分かっているのに、特に意識することなく、普段と同じように接している。
律「確かに……そうだな」
澪「うん、明日が最後だってわかってるんだけどな」
梓「なんていうか……」
言葉が出ない。
言ってしまったら、全てが終わってしまうような気がする。
さわ子「ちょっと~!! 置いていくなんて酷いじゃないの~!!」
唯「あっ、さわちゃん、忘れてた」
律「デザートコーナーで何分も粘ってたからな」
梓「ムギ先輩がお菓子持ってきてるのにまだ食べるんですね」
両手いっぱいに袋を持ちながら、何とか5人に追いつく。
梓「凄い量ですね。それ全部、デザートやお菓子なんですか?」
さわ子「当然よ」エッヘン
唯「見てみて~あずにゃん。このプリン、ケーキとかフルーツが一杯乗ってるよ~。凄い美味しそうだよ~」
澪「凄い量……それ全部食べたら体重が……でも、でも……」
律「お~い、澪~、帰ってこ~い」
さわ子「明日が本番なんだから、今日は甘いもの食べて体力つけないとね。だから、今日は私の驕りよ」
唯「おぉ~、さわちゃん、太っ腹~」
律「いやいや、明らかに今までムギがさわちゃんに恵んできたお菓子の方が高いからな」
さわ子「だったら、りっちゃんはこれいらないわね」
律「え?」
さわ子「あぁ~、もったいないな~。ドヤ顔シェフプロデュースの、ゴージャスチーズケーキが食べれないなんて~」
唯「その分は私が食べるよ~」
さわ子「そうね~、りっちゃんがいらないんだものね~」
意地悪そうに笑う。
不思議と眼鏡が光っているように感じた。
律「ははぁ~山名さわ子大先生~。さわちゃんが、軽音部の顧問で本当に感謝感激雨あられでございます」
さわ子「はははははは、そうでしょう、そうでしょう!!」
大人気もなく高笑いするさわ子。
梓「あっ、そろそろ、戻らないと。楽器が使えなくなりますよ」
さわ子「あっ、そうね。練習したいなら、早く戻りましょうか?」
唯「ほえ、楽器って今日一日中使っていいんじゃないの?」
澪「それじゃあ、近所迷惑になるだろう。だから、決まった時間しか演奏できないんだ」
唯「えぇ~、それじゃあ。ギー太、全然弾けないよ~」
紬「大丈夫よ、唯ちゃん。ギー太はアンプさえ繋げなければ長い時間まで弾けるから」
律「問題は、私やムギだよな~。よっしっ!!」
梓「練習するんですね」
律「取り敢えず、お茶でも飲んで考えるか」
唯「そだね~」
梓「なんでそうなるんですか!! いいですか」
唯「大丈夫だよ~。何とかなるって~」
梓「なんとかって、そんなアバウトな……」
高校の目の前。
唯「あれ? あそこに誰かいるよ~」
律「えっ? 本当だ。よく見えるな~、唯は」
唯「いや~、それほどでも~」
照れたように頭を掻く。
学校の前にいる、赤いジャケットを着た190センチはある長身の男は、腕に装着した奇妙なブレスレットに何か語りかけていた。
「確かに、ここらへんで銀河闘士の反応があったんだが……分かった、取り敢えず一回集まろう。俺は、桜が丘高校って場所の近くにいる。そこで、あぁ、じゃあ」
梓「何か話しているようですね? あの……時計?に向かって……」
紬「時計に話すって、もしかして何処かのスパイなのかしら?」
律「いやいや、そん筈はないって。多分、ちょっと危ない人……なぁ、澪?」
澪「スパイ、もしかして、私達が何かしたんじゃ。はっ、もしかして音楽室でお茶をしていたから……律、逃げよう。今なら、まだ間に合う」
律「いや、いや。落ち着けって。さわちゃん、なにか言ってきてよって。……さわちゃん?」
隣を見てみると、さわ子は驚いたようにその男を見ていた。
さわ子「もしかして……学(がく)君?」
呟くように言う。
その声は男にも聞こえたようでさわ子の方を振り向く。
学「……君は……さわ子ちゃん?」
学と呼ばれた男も、驚いたようにその名前を呟いた。
さわ子と学は互いに向かって走り出す。
さわ子「嘘、本当に学君? すっごい久しぶりね」
学「いやー、本当に驚いたよ。まさか、さわ子ちゃんに会えるなんて。中学校卒業以来だけど、全然、変わってないね」
さわ子「そーかしら? でも、それを言うなら、学君もよ。変わってないというか、格好良くなったわね。あの、お化けが怖かった学君とは思えないわ」
学「その話はよしてくれよ」
久しぶりの再会を楽しむ2人に、軽音部の面々は不思議そうに近づく。
梓「2人は知り合いなんですか?」
恐る恐る、梓が質問する。
ジャンケンで負けてしまったからであるが、本来なら先輩たちが聞く筈ではないだろうか?
学「さわ子ちゃん。この子達は?」
さわ子「あぁ、紹介するわね。私の教え子たちで、軽音部の部員達よ」
唯「平山唯です。ど~も~」
澪「あ、……アキヤマミオ……です」
梓「あっ、2年の
中野梓です。よろしくおねがいします」
順番に挨拶をしていく。
その個性豊かな挨拶の姿に、学は笑みがこぼれる。
その笑みは、軽音部に学が悪い人ではないという印象を与えた。
学「俺は、星川学。さわ子ちゃんとは、小学校、中学校と同じクラスだったんだ。よろしくね」
律「ほほ~、ということはさわちゃんの幼馴染って事ですか~」
にやにやと笑いながら聞く。
学「幼馴染っていよりも、何ていうか……小学時代、途中で転校してきた俺と仲良くしてくれたのがさわ子ちゃんだったんだ。だから、幼馴染とは違うよ」
唯「へ~、転校生だったんだ。親の都合が~って奴ですか?」
学「ん? ……ま、まぁ、そんなところかな……」
何故だか、少し言い難そうに頭を下げる。
学「それよりも、驚いたよ。さわ子ちゃんも教師になってたなんて」
さわ子「私“も”……それって、もしかして学君も?」
「あっ、いたいた!! 兄貴、やっと見つけたぜ」
「も~う、結構探したんだから」
「あら、今日ってこの学校の文化祭だったのかしら?」
「そういえば、そんな事書いてあるな? あっ、明日もやってるみたいだぜ」
こちらに近づいてくる、男2人と女2人の集団。
兄貴と呼ぶことから、恐らくは学の兄弟なのだろう。
学「健、数美、文也、レミ、彼女のこと覚えてるかい?」
青いジャケットを着ているのは次男の健。
ピンクの服を纏っているのは長女の数美で、お揃いの黄色と黒のジャケットを着ているのは双子であるレミと文也である。
文也「この女性って……こっちの高校生たち?」
学「違うよ。こっちの眼鏡をかけた女性だよ」
健「この女性……あれ? 何処かで見たことがあるような……」
数美「あっ、もしかして!!」
レミ・文也・健「さわ子お姉ちゃん!!」
指をさしてそういうと、文也と健も驚いたように叫んだ。
さわ子「せいかーいよ!! 久しぶりにね、健君、文也君、それに、数美ちゃんとレミちゃん」
レミ「うわぁー、本当にさわ子お姉ちゃんなんだ~!! どうしたの? どうしてこんな場所にいるの?」
嬉しそうにさわ子に抱きつく。
文也「レミ、落ち着けって!!」
さわ子「あら~、良いわよ別に。文也君だって、昔はよく抱きついてきたじゃない」
文也「ちょ、それは昔の話で……何も今、言わなくても……」
会話に夢中になっているさわ子達と、距離を取り、近くでそれを眺めていた学のもとへと健は近寄る。
健「兄貴、何で、さわ子姉さんがいるんだ?」
学「あつ、さわ子ちゃんとはここでたまたま会ったんだ。どうやら、彼女達の先生……らしい」
数美「彼女達のって……それって、ここの制服よね? ってことは、もしかしてこの学校の先生なの?」
律「うっひょ~。さわちゃん、大人気だな~。男の知り合いがいただけでも驚きなのに、何か5人も来るなんて」
梓「なんか、意外な過去があるって感じですよね」
唯「えぇ~、そうかな~。さわちゃんは、今だって人気だよ~」
律「まぁ、他の先生に比べたらそうだろうけど……、って、ムギ、何処に行くんだよ!!」
梓「もしかして、先生達の関係を聞くんじゃないでしょうか?」
唯「さっきから、ムギちゃん、積極的だよね。人見知りとかしないのかな~」
律「いや、お前だってしないだろ」
梓「どっちが部長だかわかりませんね」
律「なんだと、中野~!! お前なんて、こうだこうだこうだ」
梓「や、止めてください。律先輩!!」
力任せに、梓の頬を揉む。
この後、さらに唯までも梓に抱きついて頬を摺り寄せたりするのだが……まぁ、それは取り敢えずいいだろう。
ついでに言えば、澪は相変わらず自分の世界に籠っているようである。
紬「あ、あの!!」
学たち兄妹とさわ子のもとへと近づき話し始める。
紬「ここじゃあ、なんですから。音楽室で話しませんか?」
その微妙にずれた言葉に、背後の方で律が盛大にずっこけた。
音楽室。
先程、さわ子が買ってきたスイーツを広げ、紬の淹れたお茶を飲みながら、星川兄弟とさわ子の関係を話す。
先程話していた通り、転校生である学にさわ子が話しかけ仲良くなり、両親がとある事情でいない星川兄妹と遊ぶようになり、弟妹とも仲良くなったということであった。
そして、星川兄妹も学校の教師であるということを知った。
さわ子「へぇ、まさか学君だけじゃなくて、レミちゃんや、文也君も教師になってたなんてね~。なんていうか、意外ね」
文也「いやいや、以外と言ったらさわ子姉ちゃんだってそうだよ。昔は、ミュージシャンになるとか言ってたのにまさか、先生になってるなんて」
健「そうそう、よく父親のギター持ってきて、弾き鳴らしてたもんな。で、後で父親に怒られたって、よく兄貴に泣きついてたもんな」
律「……さわちゃん、そんな事してたのかよ?」
唯「ほえ、私も憂の服とか勝手に借りるけど、そんなに怒られないよ?」
梓「物が違いすぎますよ。普通、小学生とか中学生が勝手にギター持ちだしたら怒りますよ」
唯「そなの?」
さわ子「あなた達、それ以上余計なこと言わないでくれるかしら?」
一瞬だが、さわ子の顔が般若の様になったかのように感じた。
文也と健にはただ頷くことしかできなかった。
澪「で、でも、学校の先生って大変ですよね。よく、五人とも教員免許取れましたね」
数美「う~ん、大変というよりも、皆得意分野を生かしただけだから、そうでもなかったかしら」
澪「そうなんですか? あれ、でも……5兄妹で教師って事は、文也さんとレミさんって22歳なんですよね?」
レミ「ううん、私と文也は20歳よ」
澪「えっ、22歳じゃないんですか?」
文也「なんでそんな事になるんだよ。俺もレミも正真正銘20歳だよ。ほら」
財布から免許書を取り出し、澪に渡す。
澪「ほ、本当だ。だけど、教師って確か……」
文也・レミ「「????」」
澪「……」
何故だかわからないが、それ以上は言ってはいけないような気がした。
この話は、それで打ち止めにしておく。
唯「先生か~。良いな~、私も幼稚園の先生とかになりたいな~」
さわ子「そのためにも、絶対に大学に受からなきゃいけないわね。ねぇ、唯ちゃん、りっちゃん」
律「うっぉい、何でピンポイントで私達? 普通、澪とかムギにも言うでしょ!!」
梓「当然ですよ。普段から真面目にしている人より、普段真面目じゃないほうを心配するに決まってるじゃないですか?」
唯「なんか、今日のあずにゃんヒドイよ~」
律「本当だな。なんか、やたら毒舌の様な気が……」
学「はははは。何だか、とっても面白い生徒たちだね」
さわ子「でしょ? でも、毎日退屈はしないわよ」
学「わかるよ、その気持ち。俺もそう思ってるから……」
さわ子「そうでしょ。そういえば、学君って何処の学校でやってるの?」
その言葉で、学達の顔が曇る。
学「……ニュータウン小学校……だった」
律「ニュータウン小学校? 確か、それってゾーンの襲撃を喰らったていう」
澪「バカ、少しは空気よめ」
空気を読まない発言をした律に鉄拳を喰らわせる。
さわ子「そう……あそこだったの……」
数美「でも、子供たちは全員無事だったから……。だから、大丈夫よ」
紬「それは、不幸中の幸いでしたね」
さわ子「それじゃあ、今はみんなはどうしてるの? 別の学校でやってるとか?」
学「いや、実をいうと。俺達……やることがあるから、今は休職中なんだ」
唯「給食? 皆、給食センターのおばさんになったの?」
文也「はは、違うって。休職中っていうのは、休みの期間って事だよ。こんな簡単な言葉も解んないんじゃ、小学生の勉強からやり直してやろうか~」
唯「ふえ~。私も、勉強を休職中に出来ないかな~」
暫し笑いに包まれる。
最終更新:2015年01月09日 07:51