秋山家
唯「澪ちゃん、見せたい物ってお人形?」
澪「うん、私の大切な宝物なんだ」
紬「随分、年期が入ったお人形ね~」
梓「つぎはぎだらけですね」
澪「昔、男の子に取り上げられてボロポロにされたんだ」
唯「自分で直したの?」
澪「これは律が直してくれたんだ」
紬「りっちゃんが?」
幼澪「返して返してよ」ぐすっ
男の子「ほーらよ」ぽいっ
幼澪「うぅっ…ボロポロだよぉ」
幼澪「うぐっひっぐ」
幼律「澪ちゃん、どうしたの?」
幼澪「お気に入りのうさちゃんが…」
幼律「わっ!誰がこんな事を…」
幼澪「うさちゃん、ぼろぼろになっちゃった…」ぽろぽろ
幼律「澪ちゃん…」
幼澪「うさちゃん、可哀想だよ…」ぽろぽろ
幼律「私が直してあげる!」
幼澪「りっちゃん、無理だよ…」
幼律「明日、必ず持って来るから!」
幼澪「りっちゃん…」
幼律「澪ちゃんを笑顔にしてあげるからね!」
田井中家
幼律「お母さん!」
律母「ど、どうしたの?大声出して?」
幼律「裁縫教えて!」
律母「急にどうしたの?」
幼律「澪ちゃんのうさちゃんが…」
律母「まぁ、これは…」
幼律「直るかな?」
律母「お母さんが直しといてあげるから」
幼律「駄目!」
律母「何で?」
幼律「澪ちゃんと約束したんだもん、私が直して明日持って行くって!」
幼律「私が澪ちゃんを笑顔にするんだって決めたんだ!」
律母「律には難しいわよ?」
幼律「やるの!」
律母「わかった、お母さんが隣に付いて教えてあげるから」
律母「それなら良いでしょ?」
幼律「うん!」
秋山家
澪ママ「澪ちゃん、いつものうさちゃんは?」
幼澪「男の子にぼろぼろにされちゃったんだ…」
澪ママ「どこの男の子なの?」
幼澪「同級生…」
澪ママ「男の子は後で血祭りとして、うさちゃんは?ママが直してあげるから持って来なさい」
幼澪「りっちゃんが直してくれるって…」
澪ママ「りっちゃんが?」
幼澪「りっちゃんが必ず直して明日持って来るからって」
幼澪「私を笑顔にするからって…」
澪ママ「りっちゃん、あの子…」
幼澪「だから、私はずっと待つの」
澪ママ「澪ちゃんは良いお友達に出会えて良かったね」
幼澪「うん!」
再び田井中家
律母「律、10時だから寝なさい後はお母さんがやるから」
幼律「い、いや…」
律母「さっきから、うとうとしてるでしょ?」
幼律「も、もう少しだから…」
律母「全く、頑固なんだから…」
律母「じゃあ、お母さんもとことん付き合ってあげるから完成させちゃいましょう」
幼律「うん」
2時間後
幼律「で、出来た…」
幼律「zzz」
律父「ただいま、律?どうしたんだ?そんな所で寝たら風邪ひくぞ」
律母「澪ちゃんの為に頑張ったのよ」
律父「澪ちゃんの?」
律母「実はね」
律父「そうか、頑張ったんだな律」なでなで
律母「本当に」なでなで
幼律「うーん、澪ちゃん…」
律母「寝言まで澪ちゃん」くすっ
律父「本当に澪ちゃんが大好きなんだな」
幼律「zzz」
翌日
ピンポーン
澪ママ「はーい、あらっりっちゃん」
幼律「み、澪ちゃん居ますか?」
澪ママ「待っててね」にこっ
澪ママ「澪ちゃん、りっちゃんが来てくれたわよ」
幼澪「りっちゃん…」
幼律「こ、これ…」
幼律「あんまり、綺麗に出来なかったんだ…ごめんね」ぐすっ
幼澪(りっちゃん、指絆創膏だらけだ)
幼澪(目の下にクマも…)
幼澪(そんなに一生懸命してくれたんだ)
幼律「澪ちゃんのお母さんにして貰った方が上手く出来たのにね」しゅん
澪ママ「りっちゃん、そんなこ」
幼澪「そんな事ない!」
幼律「み、澪ちゃん?」
幼澪「りっちゃん、私の為に一生懸命してくれたんだもん!」
幼澪「私、とってもとっても嬉しいよ!」
幼澪「私、お嫁に行く時も持って行くもん!」
幼澪「ううん、私はりっちゃんのお嫁さんになるもん!」
幼律「澪ちゃん///」
澪ママ「りっちゃん、本当にありがとう」
澪ママ「これからも澪と友達で居てね」にこっ
幼律「はい!」
澪ママ「そして、私の娘になってね」
幼律「///」
唯「ほぉ~大胆だねぇ」
紬「公開プロポーズなんて凄いわ~」
梓「恥ずかしがりやの澪先輩が…」
澪「それくらい、私にとっては嬉しかったんだ」
澪「恥ずかしくなんてなかったぞ、本心だったから」
唯「ところで、澪ちゃんの王子様はまだかな?」
紬「遅いわね…」
梓「案外、部屋の外で聞いてたりして?」
部屋の外
律「何で、今更そんな話を皆にしてんだよ///」
律「普段は見えない聞こえないの癖に///」
澪ママ「あら~りっちゃん、入らないの?」
律「お、おばさん」
澪ママ「やだ~おばさんだなんて義母さんって呼ばないと駄目よ?」
唯「りっちゃん、何やってんの?」
律「わっ///」
澪「早く入って来たら良かったのに」
律「お前が恥ずかしい話してるからだろ///」
紬「王子様なんだから恥ずかしがる必要なんてないわよ~」
律「辞めろよ///」
梓「いや、律先輩はジュリエットだから澪先輩が王子様じゃないでしょうか?」
律「辞めろよ梓///」
唯「二人とも可愛いお姫様だよ!」
澪「律、あの時は本当にありがとう」
律「うん、澪」
澪「何?」
律「誕生日おめでとう」
澪「ありがとう律」にこっ
おしまい
最終更新:2015年01月18日 21:41