第21話
「モンティ・ボックス」

音楽室


ガチャ

唯「みんなおはよー……ってあれ? 誰もいないや」

唯「みんなまだ来てないのかぁー……。ってややっ!?あ、あれはっ!?」


唯「まだ誰も来てないはずなのにテーブルの上にケーキがっ!!?」

唯「……ムギちゃんの忘れ物かな?」ジュルリ

唯「……誰もいないし、食べてもバレないかな……。うん、きっとバレないよね!」

唯「そうと決まれば早速! さてスプーンはっと……」イソイソ

律「ちょーっと待ったぁあ!!」ガチャ

唯「!? り、りっちゃん!?」

律「偶然見つけたケーキを一人占めしようとするなんてズルいぞ、唯! 私にも食べさせろー!!」


唯「えー!? このケーキ、私が先に見つけたんだよ? こういうのは早いもの勝ちなのです!」

律「じゃあ唯が部室に置いてあったケーキ 勝手に食べてたってみんなに言っちゃうぞ」

唯「うっ……脅すなんて卑怯だよりっちゃん……」


唯「わ、わかったよ……。りっちゃんにもケーキあげるよ」

律「よし、契約成立だな」



律「……そうだ!ただケーキ一緒に食べるだけじゃつまらないし、ここはケーキを賭けて一つゲームしないか、唯?」

唯「ゲーム? 人生あてもんゲームとか?」


律「のんのん。私がやろうとしてるのは、ただどの箱に当たりが入ってるかを唯が当てるだけの簡単なゲームなのだー!」

唯「おおっ。つまり当たりの箱を当てれば、ケーキは私のものってことだねりっちゃん!」

律「そゆこと。どうだ、唯。やるか?」

唯「受けて立つよりっちゃん!!」

律「そうこなくっちゃ! よし、じゃあルールを説明するぜ」


律「まず私がこの箱に当たりの紙を隠すから、唯はその中から一つ選んでくれ」ゴソゴソ

唯「あっ、それってこないだの一番くじのフィギュアの箱じゃん! しかも3つも!?りっちゃん羨ましい……」

律「いや。この私と澪のフィギュアの箱は澪から貰ったので、このラストワン賞の箱は曽我部先輩から貰ったやつだ」(※実質19話『一番くじ』参照)

唯「なーんだ。りっちゃんが当てたんじゃないのかー…。でも嬉しいよ!お小遣いピンチで引けなかった私の仲間がいて!!」

律「別にお金がなかったから引かなかったわけじゃないし!」


律「さて、話を戻すぞ。今からこの3つの箱の中に当たりの紙を一つ入れる。唯はこの中から当たりと思う箱一つ選んでくれ」

唯「そうは言ってもこの箱正面は透明になってるけどいいの?」

律「もちろん、箱を正面から見るのは禁止な! それで、当たりの箱を無事選べたら、唯の勝ちってわけだ」

唯「でも待ってくださいりっちゃん隊員! 箱が3つあったら当たる確率は3分の1だし、私は不公平だと主張します!」

律「まあ待て。まだルール説明は終わってないぜ、唯」


律「というのもお前が箱を選んだあとに、私が唯が選ばなかった残り2つの箱から一つハズレの箱を選んで中身を見せる」

律「その後、お前に自分が選んだ箱と残った箱を交換する権利を与える。どうだ、これなら公平だろ?」

唯「なるほど。それなら確かに公平だね」

唯「わかったよりっちゃん! この勝負、受けてたつよ!」

律「よし、じゃあ箱準備するからちょっと待ってろ」

・・・・・・

律「唯ー! 準備できたぞー!」

唯「いよいよ勝負の時が来たね。 えーと、どの箱にしようかな……」

唯「決めました! ここはやっぱりこのラストワン賞の私の箱にしたいと思います!」

律「むっ。自分のフィギュアの箱を選んできたか……」

唯「いや〜。やっぱりここは自分を信じるべきかなー、と」

律「これは箱だけどな。まあいいや、じゃあ私もハズレの箱を一つ見せるぜ!澪の箱オープン!」パカッ

唯「おぉー……。澪ちゃんの箱はハズレだったのかぁー……。あぶなかったぁ」

律「よし。ここでお前に選択権を与える。お前が選んだラストワン賞の箱と、この私のフィギュアの箱。さあ取り替えるか?どうする?」

唯「え、えーと……? どうしよう……?」


唯「うーん……。取り替えても取り替えなくても確率は2分の1で一緒な気がするし……」

律「替えたらかえって外しちまう可能性もあるしなー?」ニヤニヤ

唯「うっ、それもそうだね。 じゃあこのままで……」

和「ちょっと待って!」ガチャ

唯律「!? 和(ちゃん)!?」


和「話は聞かせてもらったわよ、唯。これは箱を替えた方がいいわ」

唯「な、なんで!? てかどっちにしろ当たる確率は2分の1で一緒じゃあないの?」

和「違うわ。 この場合だと箱を替えた方が当たる確率が高くなるの」


律「え……? な、なんでだよ!替えても替えなくても、当たる確率はどう考えても2分の1だろ」

和「確かに、一見するとそう見えるわね。 でも、この場合は2分の1にはならないわ」

唯「どういうことなの和ちゃん!!」

律「いーや、絶対2分の1だろ! 箱2つのうち1つが当たりなんだもん!2分の1しかありえないって!」

和「うん。律の言うとおり、箱2つから『ランダムに』1つ選ぶ場合は確率は2分の1ね。でも、さっきもいったけどこの場合はそうじゃないわ」

律「ど、どういうことなんだよ和」

和「いまから説明するわ。唯、あなたは最初に3つの箱のうちから1つ選んだわよね?」

唯「うん。私のフィギュアの箱を選んだよ」


和「じゃあ唯、ここで質問よ。その時点で唯が当たりを引いている確率は分かるかしら」

唯「うーん……、3つのうちから1つ選ぶわけだから……。3分の1?」

和「正解。じゃあ今度は律。その時に唯がハズレを選んでる確率は分かるかしら」

律「バカにすんじゃねー! そんなの当然3分の2だろ」

和「その通りよ。つまり3つの箱から1つ選ぶと当然ハズレの確率の方が高くなるのは分かるわよね」

律「まあそれはそうかもしれないけどさ……。それが2つの箱を選ぶ時の確率と何の関係があるんだ?」

和「その答えは唯が箱を選んだあとの律の行動にあるわ」

律「へっ? 私の?」


和「そう。 ちなみに、律は唯が箱を選んだあと何をしたか覚えてるわよね?」

律「ああ。唯が選ばなかった箱のうちから一つ選んでハズレの箱を見せたぜ」

和「そう! その行動こそがまさに確率が2分の1にならない証拠なのよ!!」ビシイッ

唯「あ、頭がこんがらがってきた……。和ちゃん、分かりやすく説明して!」

和「よく考えてみて。例えば、最初に唯が当たりの箱を引いてると仮定するわね?」

唯「う、うん」

和「その場合、残った2つの箱はどうかしら?」

唯「そりゃあ、私が当たりを引いてるわけだから……。どっちもハズレだよ」


和「じゃあここで律に質問よ。律がその2つの箱から1つハズレを見せた場合、残った箱はどうなるかしら?」

律「そんなのハズレに決まってるだろ。2つのハズレから1つ見せてるだけだし」

和「唯、律。ここで何か気づかない?」

唯「気づくって? 別に当たり前の話をしてただけじゃあ……?」

和「いいえ。今言ったことが、当たる確率が2分の1じゃないことを示してるの」

唯律「な、なんだってー!?」


和「じゃあもう少し考えてみましょうか。唯、さっきの仮定のまま箱を替えたとすると、箱の当たりハズレはどうなるかしら?」

唯「えっとー、さっきは私が当たりを引いてた仮定だから……。はいっ!箱を替えたら必ずハズレになります!」

和「そうなの。言いかえれば、唯が最初に当たりを引いていた場合、箱を替えれば必ずハズレるってことね」

和「じゃあ今度は律。唯が最初にハズレを引いた場合を考えてみましょうか」

律「唯が最初にハズレを引いてた場合? てことは当たりの箱は残り2つのうちのどっちかに残ってるってことだな」



和「そうね。そこで律に質問よ。当たりの箱が含まれた残り2つの箱から、1つハズレの箱を見せたら、残りの箱はどうなるかしら?」

律「そりゃあ、絶対当たりの箱が残るだろ」

和「……何か気づかない?」

律「……あっ!この状態で箱を替えれば、必ず当たりを引けるな!」

和「その通りよ。つまり、唯が最初に当たりの箱を引いていた場合は、箱を替えれば必ず外れて、
  逆に最初にハズレの箱を引いていれば、箱を替えれば必ず当たるのよ!」

唯律「そ、そうだったのかぁ……」


和「ここまで説明すれば、なんで2分の1にならないか分かるわよね?」

律「もっちろん! ……わからん!」

唯「全然分かりません和先生!」

和「えー……。てかちょっとは考えようとしなさいよアンタたち……」



律「三度の飯より考えることが嫌いだー!」

唯「嫌いだー!!」

唯律「わーっはっはっ」

和「はぁ……。なんだか唯たちの将来が心配になってきたわ」


和「まあいいわ。じゃあ、続けて説明するわね。さっきも言ったとおり、箱を取り替えれば当たりとハズレが逆になるってことはわかったわね?」

唯「う、うん。確か最初に当たりの箱を引いていた場合は箱を替えればハズレになって……」

律「最初にハズレの箱を引いている場合は箱を替えれば必ず当たるんだったな」

和「そうよ。じゃあ、ここで確率のことを考えてみましょうか」

唯「確率……?」

和「さっきも質問したけど、最初に当たりの箱を引く確率は覚えてるかしら、唯?」

唯「えっと、最初は3つのうちから1つ選ぶんだから、3分の1だよ」


和「じゃあもう少し考えてみましょうか。最初に当たりの箱を引いていた場合は、替えれば必ずハズレるんだったわよね?」

律「! あ、ということはまさか!当たりハズレの確率も逆になるってことか!?」

和「その通り。つまり、最初に当たりの箱を引いていた場合、箱を替えると必ずハズレになるでしょ?」

和「だから箱を取り替えてハズレになる確率は3分の1×100%だから3分の1になるの」

唯「と、いうことは最初にハズレの箱を選ぶ確率は3分の2だから……」

和「同じように、箱を替えれば必ず当たりになるから、箱を替えれば当たる確率も3分の2×100%で3分の2になるの」

唯「な、なんてこと……!」

律「まさか箱を替えた方が確率が高かったとは……!」


唯「和ちゃんありがとう!ふっふっふ。てなわけで箱のほうは取り替えてもらうよりっちゃん!」

律「ズ、ズルいぞ! 和の話の前にお前替えないとか言いかけてたじゃねーか!」

唯「あれはまだ宣言前だからセーフ! さありっちゃん、取り替えて!」

律「……本当にいいんだな?替えて?」

唯「揺さぶったって無駄だよりっちゃん! 私の決意はトンちゃんの甲羅なみに固いんだから!」

律「……ファイナルアンサー?」

唯「ファイナルアンサー!」

律「本当にファイナルアンサー?」

唯「ファイナルアンサー!」

律「本当に本当にファイ」

和「早く替えてあげなさいって」グイッ

律「うわーん!」

・・・・・・

唯「よーし、じゃあ開けるよー」

律「好きにしろい!」

唯「悪いね、りっちゃん。りっちゃんの箱オープン!」パカッ

唯「……ってあれ? 当たりの紙が入ってない……!!」

律「ぷくくく……!! よっしゃああ!! 引っかかったぁああ!!」

律「残念だったな唯。当たりだったのはこのラストワン賞の箱だ!!」パカッ

唯「えぇーっ!!? ちょっと和ちゃん!話がちがうじゃん!」

和「私は箱を替えた方が確率が高いって言っただけよ。外れるときは外れるわ」

唯「そ、そんなぁ……。私のケーキ……」ガックリ


律「へっへーん。箱替えなきゃ当たりだったのに、余計なことしたな!」

律「てことでこのケーキは私のものだ! 遠慮なく食わせてもらうぜ!! いただきまーす」パクッ

唯「うぅー……。いいなぁ……」

和「ていうかそのケーキ誰のなのよ? まだムギは来てないみたいだけど。まさか盗み食いとか……」

律「ちがうって。ただ部室に来たら机の上にケーキが置いてあって、それを食べてるだけだから大丈夫だ」

和「それのどこが大丈夫なのよ……」


和「まったく……。そんなことばかりしてるといつかバチが当たるわよ」

律「そんなことあるわけないって〜。和は心配しすぎなんだよ」

和(律が気にしすぎなだけな気がするわ……)

ガチョ

紬「みんなー、遅れてごめ……あっ!りっちゃんそのケーキ……!」

律「あ、あれ?やっぱり食べちゃダメなやつだった?」

紬「食べちゃダメというか……。実はそのケーキ賞味期限が切れてたから後で回収しようとして置いておいたんだけど……」

律「えっ」


律「あっ、なんかお腹が……」ギュルルルル

和「早速バチが当たったわね……」

唯「当たりおめでとう、りっちゃん」ポンッ

律「こんな当たりうれしくねーし!! あっ……」ギュルルル


おわれ


第21.5話    「梓誕」


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. /::::::::/ .ヽ }::::::::ヽト弋_ソ     ト' リ 〉l:::::::,イ   11月11日
/::::::::/    �::::::::: | ,,,,,,   ,  `´ イ レ':∧     今日は私の誕生日です
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'         入:::: l`ヽ、`' ‐r<  |:::::::/  l:::::::!
       , -<  |ヽゝ  ,ィV,、 ト、_lイ/   !::::::l
     /      |  ト  / 〉仆、j  l>、_   !:::::}
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11月11日

音楽室


梓「こんにちはー」ガチャ

律「おー、梓来たかー。誕生日おめでとん」

梓「ありがとうございます。……ってあれ?今日はまだ律先輩しか来てないんですか?」

律「みんな掃除当番かなんかしてるんじゃねーの?まあそのうち来るだろ」


律「あ、そうだ。梓にはプレゼントあげなきゃなー。はい、梓プレゼント」ゴソゴソ

梓「どうもです。……って何ですかコレ」

律「何って言われても『今日一日甘えてもいい券』だけど?」

梓「……はい?」


律「なんだよその微妙な反応はー!せっかく頑張って作ったんだぞっ」

梓「いや、誰だって誕生日にこんな紙貰ったら困惑しますよ! 何ですか今日一日甘えてもいい券って!!」

律「いやー、誕生日くらい梓に甘えさえてあげた方がいいかと思って……」

梓「まるで私が欲求不満みたいな言い方ですね……。いいですよ、別に私甘えたいとか思ってませんから」

律「まあまあ、遠慮すんなって。二度とないかもしれないぞー?私たちに甘えられる機会なんて」

梓「そんなこと言われましても……。何というか律先輩には甘えたいと思わないというか……」

律「何それひどくね!?」


律「まあでもそんなこと言ってるけど 本当は梓も心の片隅で甘えたいって思ってるんじゃないか?」

梓「はぇ!? そ、そんなこと思ってるわけないじゃないですか!」

律「またまたー。いっつも唯がやってるみたいに抱き着いてくれてもいいんだぜ?」

梓「唯先輩じゃないんだから そんな恥ずかしいことできませんよっ///」

律「何言ってんだ、私と梓の仲だろー?恥ずかしがることなんてないじゃーん。それに今なら誰もいないし!」

梓「そんな誤解されるような台詞言わないでくださいよ! てかそんな簡単に抱き着くなんてできるわけ……」


律「……梓は私に抱き着くのが嫌なのか?」ウルウル

梓「えっ……?ちょっ、律先輩……?」

律「そうだよな、こんなプレゼントより他のがよかったよな。ゴメンな、こんなダメな先輩で……」

梓「あ、別にそういうわけでは……」

律「いいんだぞ、梓。無理しなくって……」グスッ

梓「無理なんてしてません!大丈夫です!! 私、このプレゼントも結構嬉しかったので」アセアセ

律「…本当か?」

梓「はいっ!ホントです!」

律「じゃあ抱き着いて」

梓「はい! ……はい?」


梓「えっ、や、やっぱり抱き着かなきゃダメですか?」

律「なんだ、やっぱり嫌なのか」ズーン

梓「い、いやいや!そういうわけでは!」

律「でも梓、さっきから抱き着こうとしてくれないじゃん」

梓「あ、その、私 律先輩に抱き着いたことないので……、何か躊躇してしまうというか……」

律「……分かった。そういうことなら、私も無理に抱き着けとは言わないよ。」


律「何かこういうのも変だけどさ、後輩は梓一人だけだし、私たちもあんまり甘えさせてやれなかったからさ……」

律「誕生日くらい、梓に甘えさせてやった方がいいかなって思って こんなプレゼントにしちゃったけど、どうやら失敗みたいだな」アハハ

梓「律先輩……」

律「よし、今日はちょっと早いけど練習するか! 待ってろ、今準備するからな」

梓「ま、待ってください!」

律「えっ?」クルッ

梓「律センパイ……」ギューッ

律「梓!?」

梓「……なんだか急に甘えたくなってきました。律先輩、やっぱり今日はこの券使わせてもらっていいですか?」

律「梓……。…あぁ! もちろんだぜ!」

梓「ふふっ……。ありがとうございます」ギュッ

ガチャ

唯「ごめーん、掃除当番で遅れちゃったー……。あ!あずにゃんがりっちゃんに抱き着いてる!」

澪「おっ、梓が抱き着いてるなんて珍しいじゃないか」

紬「あらあら、仲良しね」

梓「あぁ、先輩方こんにちは。これはですね……」

律「いやー、梓が抱き着きたいっていって聞かなくてさー」

梓「ちょっ」


唯「えー、あずにゃん浮気なんてひどいよー」

梓「唯先輩まで! てか浮気ってなんですか浮気って!」

梓「もう!律先輩にこれを渡されたから抱き着いてただけですよっ」スッ

紬「どれどれー? 『今日一日甘えていい券』?」

律「そう! 私から梓へのプレゼントだ!」

唯「なーんだ、浮気してたわけじゃなかったんだね、あずにゃん。わたしゃてっきり……」

梓「だからなんで浮気の話になるんですか!?」


紬「私たちからもプレゼントあげなきゃねー。今、バースデケーキ準備するわね」

梓「ありがとうございます、ムギ先輩」

律「おー、バースデーケーキか! よし梓。今日は食べさせてやるからな」

梓「そ、そこまではしなくていいですよ///」

唯「あー、ずるいよりっちゃん!私もあずにゃんにあーんするんだから!」

澪「トライアングル・ラブか……。あ、新しい詩が浮かんできそうだ!」

梓「もう、澪先輩までー///」


梓「はい、とりあえずそろそろ練習しましょう!バースデケーキは練習が終わったあと!」

唯「えぇー!? ケーキ食べてからにしようよー」

梓「ダメです!そうやっていつも練習しないじゃないですか!」

澪「そうだぞ、唯。それに今日は梓には甘える権利があるみたいだし、唯は甘えちゃダメなんじゃないか」

唯「それもそっかー……。分かったよあずにゃん、練習しよ! そのあと一杯甘えていいからね!」

梓(なんだか私が甘えたがりの後輩になってる気がしますけど……)

紬「じゃあ練習の前に改めて梓ちゃんのことお祝いしましょうか!」

律「そうだな!」

唯澪律紬「梓(ちゃん、あずにゃん)誕生日おめでとー!」

梓「(まあいっか!)みなさん、ありがとうございます!」ガバッ

唯澪律紬「わわっ!?」



おわり


あずにゃん誕生日おめでとうございます

第22話    「魔法瓶」


とある日の保健室


梓「ハァー…。今日の体育 身体測定かー。いやだなー……」

純「えー、そうかな? 走ったりとかするよりはさ、疲れないしいいじゃん。むしろ私は大歓迎!」

梓「イヤなものはイヤなの。 はぁ……、なんか憂うつ…」

純「あっ、まさか梓。身長計るのが嫌だとかー?」ニヤニヤ

梓「うっ」ギクッ

純「あっ、ゴメン。もしかして図星だった…?」

梓「ちっ、違うよ!! そんなことないもん!!」

梓「とにかく、身体測定はいやなのー!!」

純(やっぱり身長測るのが嫌なんだな…)

・・・・・・

身体測定 終了後

憂「あ、純ちゃんもう身長測り終わった?」

純「うん。今年は1cmくらいしか伸びてなかったけどね」

憂「私は1.5cm伸びてた!」

純「おっ。憂選手やりますなー。夢の160cm台いっちゃうんじゃない?」

憂「もう、純ちゃんったら。流石にそれはないよー」

アハハハハ……

梓「あははははは……」ドヨーン…

純「うっ…。何やらすごい負のオーラを携えた人が…」

憂「あ、梓ちゃんは何cm伸びてたの?」

梓「1mm……縮んでた…」

憂純(気まずい……)



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