・・・・・・
それから6日後
梓「あの?唯センパイ?」
唯「な、ナンデスカ?」ダラダラ
梓「明後日ですよね?唯先輩の誕生日」
唯「ソダネ」
梓「なのに私の目には空欄があと10個ほどあるように見えるんですが……」
唯「きょ、今日と明日頑張るから!!だからプレゼントだけはっ!!」
唯「だからあずにゃん?ちょっとだけスタンプおまけして?」
梓「ダメです」キッパリ
唯「そ、そんなぁ〜……。一日5時間なんて無理だよー……」
梓「毎日ちゃんとやらないのがいけないんです! とにかく、スタンプが埋まらないとプレゼントあげませんからねっ!」
唯「ちぇー……」
平沢家
唯「えーと、栄養ドリンクに、ブラックガムに、鉢巻と……」コトッコトッ
唯「とにかく頑張って今日と明日は勉強しなきゃ……。プレゼントのために!」
唯「よし!やるぞー!!」
一時間後
唯「さっそく眠気が……」ウトウト
唯「でもだいじょーぶ!これがあるからね!! 栄養ドリンクっ!」
唯「10秒チャージッ!!」ゴクゴクッ
唯「ぷはぁーっ!!ふっふっふー!眠気なんてこの
平沢唯にかかればイチコロなのです!」
唯「よーし! この勢いであと4時間! 頑張るぞー!!」
さらに10分後
唯「あれ……?またねむけが……?」ウトウト
唯「くっ。栄養ドリンク程度じゃダメだったみたいだね……。でもまだこれがあるよ! ブラックガム!」
唯「これさえあれば眠気スッキリのはず……」モムモム
唯「はぁー辛い!! でも今度こそこれで大丈夫!」
唯「眠気など私の敵ではないのだー!!」カリカリカリ
それから30分後
憂「おねえちゃん夜食もってきたよー」ガチャ
唯「zzz」
憂「って寝てる!?」
憂「おねえちゃん? 寝てるの?」ユサユサ
唯「……はっ! あれ!?いつの間にか寝ちゃってた!?」
憂「眠いなら寝たほうがいいんじゃない? 無理に勉強しても体に悪いよ」
唯「でもそしたらあずにゃんのプレゼントが……」
憂「じゃあ朝早起きしてやればいいんじゃない?」
唯「早起き?」
憂「そう。それに朝勉強すると、記憶もしやすいんだって」
唯「おー!ならいいことづくめだね! 私決めたよ、憂!とりあえず今は寝て、朝勉強するよ!!」
憂「クスッ。頑張ってね、おねちゃん」
唯「まっかせなさーい」フンスッ
憂「じゃあ電気消しちゃうね?おやすみ」パチッ
唯「うんおやすみー」
翌日
音楽室
梓「唯センパイ?」
唯「は、はひっ」
梓「タイマーを見る限り昨日の勉強時間は1時間みたいですけど?」
唯「けけけ計画では早起きして4時間くらいやるつもりだったんだよ!? でも目覚ましの電池が抜けてて……」
梓「言い訳は結構です!……はぁ、これじゃプレゼントは無理そうですね」
唯「今日頑張るから!だからプレゼントはっ!!」
梓「流石に今日だけで9時間は無理でしょ。だからもう諦めてください」
唯「そんなこと言わないであずにゃーん! もう一度だけチャンスをどうか私にっ!!」
唯「このとおり!!」ドゲザー
梓「まったく何やってるんですか……」
梓「はぁ……、分かりましたよ。そこまで言うんだったらチャンスをあげましょう」
唯「本当に!? ありがとうあずにゃん!」
梓「確か唯先輩のクラスでは明日古典の小テストがありましたよね?」
唯「う、うん」
梓「もしそのテストで100点とれたら、スタンプ9個一気に押してあげます」
唯「ひゃ、100点!? 待ってよあずにゃん!明日の小テストは今年一番難しい範囲なんだよ!だからせめて70点くらいに……」
梓「ダメです。プレゼント欲しいなら頑張って100点とってください」
唯「あずにゃんのケチ……」
梓「そんなこと言うんだったらこのチャンス取り消してしまってもいいんですよ?」ニコニコ
唯「わー!やりますから!やるからそれだけは勘弁してーっ!!」
・・・・・・
憂「はぁーっ、やーっと宿題終わったぁ」ノビー
憂「もう1時近くかぁ。そろそろ寝なくちゃ」
憂(その前にトイレ行こう……)ガチャ
憂「あれ?お姉ちゃんの部屋まだ電気ついてる」
憂「おねえちゃーん?」ガチャ
唯「なにーういー?」カリカリカリ
憂「まだ勉強してたの?もう1時だしそろそろ寝ないと」
唯「ダメだよ憂。あずにゃんのプレゼントがかかってるんだから」カリカリカリ
憂(お姉ちゃんが真剣だ!)
憂「……わかったよ。でもあんまり無理しないでね?」
唯「わかってるよういー。おやすみ」ニコッ
憂「うん!お姉ちゃんも頑張ってね!」
唯「うん!!」カリカリカリ
その日の帰りのホームルーム
唯「」ソワソワ
律「? なにそわそわしてんだ?」
唯「早くさわちゃん来ないかな」ソワソワ
澪「さわ子先生と何か約束してるの?」
唯「今日古典の小テストあったでしょ?早く結果が知りたいんだ」
紬「今回のは自信あるの唯ちゃん?」
唯「自信あるというか、100点取らないとプレゼントもらえないからね」ソワソワ
澪「ああ……。そういえば梓が昨日そんなこと言ってたな」
ガララッ
さわ子「みんな席についてー。今日の小テスト、堀込先生から預かってきたから皆に返却するわよー」
律「あっ、噂をすればだな。じゃあな唯、健闘を祈る!」スタスタ
唯「うんっ!ありがとりっちゃん」
*
さわ子「次は……平沢さん!」
唯「は、はいっ!! いたっ!」ガタタッ ゴンッ
和「ちょ、ちょっと唯大丈夫?」
唯「こ、これくらい何ともないから大丈夫!」タタッ
唯(100点とれてるかな……?)
さわ子「平沢さん、今回は頑張ったわね!今回はクラス内で平沢さんが一番の成績よ。はいっ」ペラッ
唯「きゅ、九十五てん……」バタッ
さわ子「おめでとう、平沢さ……ってあれ!?」
さわ子「ちょっと!? 大丈夫!?」
唯「あずにゃ…の……プレゼ…トが……ほしかっ…た……」ガクッ
さわ子「平沢さーん!!?」
放課後
音楽室
唯「」
澪「な、なあ唯。そんなに落ち込むなって。すごいじゃないか!クラスで一番だぞ!」
唯「」
紬「ゆ、唯ちゃん。今日は唯ちゃんの好きなイチゴのショーットケーキ持ってきたのよ〜。ねっ?食べよ?」
唯「……いならい」
律「あちゃー……重症だぞこれは」
ガチャ
梓「こんにちはー」
律「ああ、梓来たか」
梓「唯先輩の様子はどうですか?」
澪「それがこんな感じで……」
唯「」
梓「そうとう落ち込んでるみたいですね……」
紬「あと5点だったもんねぇ……」
梓「はぁ、まったくしょうがないですね」ゴソゴソ
梓「唯センパイ」コトッ
唯「……?なにこれあずにゃん」
梓「何って、プレゼントですよ」
唯「えっ……?」
梓「なにそんなに驚いてるんですか?ほら、受け取ってください」
唯「だ、だってあずにゃん私100点取れなかった……」
梓「その答えならもうすぐ分かると思いますよ」ニコッ
唯「……?」
ガチャ
さわ子「みんなやってるー?」
澪「あっ、さわ子先生。こんにちは」
さわ子「唯ちゃん」スタスタ
唯「……なんですか?」
さわ子「唯ちゃんのテストを届けに来たのよ。ほらっ」スッ
唯「あ……。そういえば私ショックでテストの紙落としたままだったんだった……。ありがとう、さわちゃん先生」
唯「……あれっ?ひゃ、100点になってる!!?」
さわ子「実はさっきねー。堀込先生から問題ミスの報告があってね。一問だけ正解の選択肢がなかった問題があったそうよ」
唯「てことはさわちゃん……」
さわ子「ええ。その問題はみんなに得点あげることになったらしいから、唯ちゃんのも100点になったってわけ」
唯「や、やったー!!」ガタッ
紬「よかったね〜、唯ちゃん」
唯「ありがとムギちゃん! 私やったよ!」
律「すごいはしゃっぎぷりだな、オイ」
澪「それだけ欲しかったんだろ。梓のプレゼント」
唯「うんっ!」
紬「じゃあみんなでケーキ食べよ?バースデケーキも持ってきてたの〜」
梓「そうですね!……あ、ケーキ食べる前に、唯先輩にことお祝いしなきゃですね」
律「そうだな。じゃあ、せーのでいこうぜー。せーのっ!」
澪律紬梓さわ子「唯(ちゃん、唯先輩)誕生日おめでとう(ございます)!」
特にオチもなくおわり
大分遅れたけど唯ちゃんおめでとうございました
第23話 「ドライブ2」
第4話「ドライブ!」の続編(?)的なもの
ある日の音楽室
唯「そういえばさ、澪ちゃんって免許持ってるんだっけ?」
澪「うん。AT限定のだけど」
紬「澪ちゃんもう車に乗れるなんて凄いね〜」
澪「よせよムギ。まだまだ初心者だし」
梓「でもこの前澪先輩の車に乗ったときは結構運転 上手だと思いました」
澪「そうかな///」
唯「あずにゃん澪ちゃんの車乗ったことあるの?」
梓「はい。もう大分前ですけど…。一回だけ乗せてもらいました」
唯「ずるい!」
梓「そんなこと言われましても……」
律「そうだぞ梓。抜け駆けして一人だけ澪の車に乗るなんて」
澪「そういうお前はもう2回乗ってるだろ」
律「あり?そうだっけ?」
紬「いいなー、私も澪ちゃんの車乗ってみたいなぁ」
澪?「わかった。じゃあ今度の日曜にみんなでドライブに行こうか」
紬「本当に!?楽しみ!」
唯「どこ行くの!? ヨーロッパ!?」
澪?「どこでも連れてってやるぞ!ヨーロッパでもどこでも」
澪「おいちょっと待て」クルッ
律「そして私のワイルドな運転をぉ……」
澪「お前は私の後ろで何をやってるんだ」グググ……
律「ぐぇぇ……冗談なのにぃ……」
澪「……でもいいかもな。たまには皆でドライブ行くのも」
梓「でも大丈夫ですか?5人乗ると車の中さすがに狭くなってしまうんじゃ……」
澪「大丈夫だ梓。律を置いてくから」
律「おい!!」
律「まったくなんて酷い子なの! お母さんそんな非道な子に育てた覚えはありませんっ!」
澪「お前はもう2回乗ってるんだし、今回はいいだろ」
律「ヤダーッ!私もまた澪の車乗りたいっ!」
澪「そんなこと言われても……。パパの車は4人乗りだしなぁ……」
律「つめれば大丈夫だって!」
梓「シートベルトとかどうするんですか。数足りませんよ」
律「急ブレーキかけられてもふんばる!」
梓「無茶言わないでください」ハァ
紬「澪ちゃん何とかならない?」
澪「うーん……。私まだ初心者だから、定員オーバーのところを警察にみつかってもまずいしなぁ」
律「その時はわいろを渡す!」
梓「…律先輩は黙っててください」
唯「はいはい! 誰か一人自転車でついていくというのはどうでしょうか!」
梓「…さすがに無理だと思います」
唯「ちっちっちー。ロープを澪ちゃんの車につけて、引っ張ってもらえばいいんだよっ!!」
梓「そんなことしたら自転車こわれますよ!?」
梓「はぁ……。わかりました。そういうことなら私、今回は諦めますよ。先輩方だけで楽しんできてください」
唯「いいの?あずにゃん」
梓「私はもう1回乗ってますしね。今回は先輩方に譲ることにします」
紬「なんだか悪いわね、梓ちゃん」
律「……じゃあ私もやめるわー」
梓「……?部長やめるんですか?」
律「ちがうし!! 私も行くのやめるって言ったの!私もなんやかんやで2回乗ってるしな」
唯「あずにゃんよかったねー。これで寂しくないね」
梓「なんで私が寂しがりや屋みたいになってるんですか!?」
律「私はただ梓を一人だけ仲間はずれにするのもどうかなーって思ったんだけどなぁ」
梓「べ、別にいいですよっ。私は気にしませんから」
律「ふーん、そうか。じゃあやっぱり澪たちと一緒に行くことにすっかなー?」
梓「えっ…?」
律「じゃーな、梓。一人で留守番よろしくな」
梓「あ……」ショボーン
律(……おもろい)
律「うそうそ! 日曜日はたくさん遊ぼうぜ梓しゃーん!!」ギューッ
梓「わっ!ちょ、ちょっとやめてくださいよ///」
紬「よかったねー、梓ちゃん」ナデナデ
梓「うぅ……///」
と、いうわけで日曜日は唯・紬は澪の運転する車でドライブ、律・梓はお留守番(?)をすることになりました!
日曜日
紬「澪ちゃんおはよー」
澪「おはようムギ。……あとは唯だけか」
紬「そういえば今日はどこに行くの?」
澪「そういえばまだ決めてなかったな。ムギ、どこがいい?」
紬「うーん……。ホームセンター?」
澪「おいおい。それじゃ近くにもあるし、すぐ終わっちゃうぞ」
紬「それもそうね……。じゃあ百合ヶ丘の遊園地なんてどうかしら?」
澪「百合ヶ丘の遊園地か……。ちょっと遠いけど、いいかもな!」
紬「遠くても大丈夫なの?」
澪「あぁ。百合ヶ丘遊園地なら確か40Kmくらいだから一時間くらいで着くだろうし」
紬「えへへ〜、楽しみ〜♪」
澪「ムギはよく行くのか?遊園地とか」
紬「ううん。最後にいったのは中学1年の頃だったから……、5年くらい前かしら」
澪「この辺に遊園地ないしな。私も最近は全然行ってないや」
紬「なら今日はいっぱい楽しめそうね♪」
澪「ああ、そうだな。お互い久々だしな」
唯「遅れてごめーん」タタッ
澪「遅いぞ、唯。5分遅刻だ」
唯「えへへへ……。最近急に寒くなってきたから、中々布団から脱出できなくて」
澪「よし。これでみんな揃ったし、そろそろ行こっか?」
唯「そいえばどこ行くの?」
紬「澪ちゃんと話し合ってね、百合ヶ丘の遊園地に行くことになったの」
唯「百合ヶ丘の遊園地!? 私そこ行くの久々だー!」
紬「よかった、唯ちゃんも久しぶりみたいで。今日はいっぱい楽しみましょうね」
唯「ガッテンです!」
澪「じゃあ助手席にはどっちが乗る? それとも2人とも後部座席でもいいけど」
唯「はい! 是非とも助手席に乗ってみたいです!!」
澪「ムギはそれでいい?」
紬「うん。私は澪ちゃんの車に乗れるだけで満足だから」
澪「じゃあ出発するぞー。シートベルトつけるの忘れるなよ」
唯紬「アイアイサー!」
・・・・・・
澪「よし、シートベルト、ドアロック、バックミラーOK。座席の位置も大丈夫!」
澪「唯とムギもシートベルトしたか?」
唯「バッチリだよ!」
紬「ちゃんとつけました〜」
澪「じゃあ発進するぞー」
ブロロ……
紬「わー、すごいすごーい! 本当に私澪ちゃんの車に乗ってる……!」
澪「クスッ。まったく、そんなにはしゃぐような事じゃないだろ」
唯「じーっ」
紬「? 唯ちゃんどうしたの?」
唯「いやー、切り替えができるレバー?みたいなのはないかと思って」
澪「シフトレバーのことか?それならここにあるぞ」チョイチョイ
唯「おぉー!じゃあ動かしてみていい!?」
澪「もちろんダメ!! 助手席はそういうことする席じゃないの!」
唯「ぶー……。せっかく何か澪ちゃんのサポートしようと思ったのにぃ……」
澪「むしろ唯には何もしてもらわなかった方が私にとってはありがたいかな……」
唯「ひどいよ澪ちゃん!?」
紬「あ、澪ちゃん! そこにあるのはカーナビ?」
澪「えっ? あぁ、一応な」
紬「へぇー! つけてもらってもいいかしら」キラキラ
澪「うん。どっちにしろその内つけようと思ってたしな。悪いけど唯、カーナビつけてくれ」
唯「おまかせください!」ポチッ
カーナビ「ウィーン」
澪「そしたら目的地入力してくれるか?」
唯「えーと、百合ヶ丘遊園地、と……」ポチポチ
カーナビ「ポンッ 目的地が入力されました」
澪「サンキュー唯。あとで入力する手間が省けたよ」
カーナビ「ポンッ 次の交差点、右です」
紬「わー、しゃべったー♪」
唯「これさえあればヨーロッパでもどこでもいけそうだよ〜」
澪「いや、ヨーロッパはさすがに無理だから」
最終更新:2015年02月10日 22:14