第24話    「ドライブ2」

ある日の音楽室


唯「そういえばさ、澪ちゃんって免許持ってるんだっけ?」

澪「うん。AT限定のだけど」

紬「澪ちゃんもう車に乗れるなんて凄いね〜」

澪「よせよムギ。まだまだ初心者だし」

梓「でもこの前澪先輩の車に乗ったときは結構運転 上手だと思いました」

澪「そうかな///」

唯「あずにゃん澪ちゃんの車乗ったことあるの?」

梓「はい。もう大分前ですけど…。一回だけ乗せてもらいました」

唯「ずるい!」

梓「そんなこと言われましても……」

律「そうだぞ梓。抜け駆けして一人だけ澪の車に乗るなんて」

澪「そういうお前はもう2回乗ってるだろ」

律「あり?そうだっけ?」


紬「いいなー、私も澪ちゃんの車乗ってみたいなぁ」

澪?「わかった。じゃあ今度の日曜にみんなでドライブに行こうか」

紬「本当に!?楽しみ!」

唯「どこ行くの!? ヨーロッパ!?」

澪?「どこでも連れてってやるぞ!ヨーロッパでもどこでも」


澪「おいちょっと待て」クルッ

律「そして私のワイルドな運転をぉ……」

澪「お前は私の後ろで何をやってるんだ」グググ……

律「ぐぇぇ……冗談なのにぃ……」


澪「……でもいいかもな。たまには皆でドライブ行くのも」

梓「でも大丈夫ですか?5人乗ると車の中さすがに狭くなってしまうんじゃ……」

澪「大丈夫だ梓。律を置いてくから」

律「おい!!」


律「まったくなんて酷い子なの! お母さんそんな非道な子に育てた覚えはありませんっ!」

澪「お前はもう2回乗ってるんだし、今回はいいだろ」

律「ヤダーッ!私もまた澪の車乗りたいっ!」


澪「そんなこと言われても……。パパの車は4人乗りだしなぁ……」

律「つめれば大丈夫だって!」

梓「シートベルトとかどうするんですか。数足りませんよ」

律「急ブレーキかけられてもふんばる!」

梓「無茶言わないでください」ハァ

紬「澪ちゃん何とかならない?」

澪「うーん……。私まだ初心者だから、定員オーバーのところを警察にみつかってもまずいしなぁ」

律「その時はわいろを渡す!」

梓「…律先輩は黙っててください」


唯「はいはい! 誰か一人自転車でついていくというのはどうでしょうか!」

梓「…さすがに無理だと思います」

唯「ちっちっちー。ロープを澪ちゃんの車につけて、引っ張ってもらえばいいんだよっ!!」

梓「そんなことしたら自転車こわれますよ!?」


梓「はぁ……。わかりました。そういうことなら私、今回は諦めますよ。先輩方だけで楽しんできてください」

唯「いいの?あずにゃん」

梓「私はもう1回乗ってますしね。今回は先輩方に譲ることにします」

紬「なんだか悪いわね、梓ちゃん」


律「……じゃあ私もやめるわー」

梓「……?部長やめるんですか?」

律「ちがうし!! 私も行くのやめるって言ったの!私もなんやかんやで2回乗ってるしな」

唯「あずにゃんよかったねー。これで寂しくないね」

梓「なんで私が寂しがりや屋みたいになってるんですか!?」

律「私はただ梓を一人だけ仲間はずれにするのもどうかなーって思ったんだけどなぁ」

梓「べ、別にいいですよっ。私は気にしませんから」


律「ふーん、そうか。じゃあやっぱり澪たちと一緒に行くことにすっかなー?」

梓「えっ…?」

律「じゃーな、梓。一人で留守番よろしくな」

梓「あ……」ショボーン

律(……おもろい)


律「うそうそ! 日曜日はたくさん遊ぼうぜ梓しゃーん!!」ギューッ

梓「わっ!ちょ、ちょっとやめてくださいよ///」

紬「よかったねー、梓ちゃん」ナデナデ

梓「うぅ……///」



と、いうわけで日曜日は唯・紬は澪の運転する車でドライブ、律・梓はお留守番(?)をすることになりました!


日曜日


紬「澪ちゃんおはよー」

澪「おはようムギ。……あとは唯だけか」

紬「そういえば今日はどこに行くの?」

澪「そういえばまだ決めてなかったな。ムギ、どこがいい?」

紬「うーん……。ホームセンター?」

澪「おいおい。それじゃ近くにもあるし、すぐ終わっちゃうぞ」

紬「それもそうね……。じゃあ百合ヶ丘の遊園地なんてどうかしら?」

澪「百合ヶ丘の遊園地か……。ちょっと遠いけど、いいかもな!」


紬「遠くても大丈夫なの?」

澪「あぁ。百合ヶ丘遊園地なら確か40Kmくらいだから一時間くらいで着くだろうし」

紬「えへへ〜、楽しみ〜♪」

澪「ムギはよく行くのか?遊園地とか」

紬「ううん。最後にいったのは中学1年の頃だったから……、5年くらい前かしら」

澪「この辺に遊園地ないしな。私も最近は全然行ってないや」

紬「なら今日はいっぱい楽しめそうね♪」

澪「ああ、そうだな。お互い久々だしな」


唯「遅れてごめーん」タタッ

澪「遅いぞ、唯。5分遅刻だ」

唯「えへへへ……。最近急に寒くなってきたから、中々布団から脱出できなくて」

澪「よし。これでみんな揃ったし、そろそろ行こっか?」

唯「そいえばどこ行くの?」

紬「澪ちゃんと話し合ってね、百合ヶ丘の遊園地に行くことになったの」

唯「百合ヶ丘の遊園地!? 私そこ行くの久々だー!」

紬「よかった、唯ちゃんも久しぶりみたいで。今日はいっぱい楽しみましょうね」

唯「ガッテンです!」


澪「じゃあ助手席にはどっちが乗る? それとも2人とも後部座席でもいいけど」

唯「はい! 是非とも助手席に乗ってみたいです!!」

澪「ムギはそれでいい?」

紬「うん。私は澪ちゃんの車に乗れるだけで満足だから」

澪「じゃあ出発するぞー。シートベルトつけるの忘れるなよ」

唯紬「アイアイサー!」

・・・・・・

澪「よし、シートベルト、ドアロック、バックミラーOK。座席の位置も大丈夫!」

澪「唯とムギもシートベルトしたか?」

唯「バッチリだよ!」

紬「ちゃんとつけました〜」

澪「じゃあ発進するぞー」

ブロロ……


紬「わー、すごいすごーい! 本当に私澪ちゃんの車に乗ってる……!」

澪「クスッ。まったく、そんなにはしゃぐような事じゃないだろ」

唯「じーっ」

紬「? 唯ちゃんどうしたの?」

唯「いやー、切り替えができるレバー?みたいなのはないかと思って」

澪「シフトレバーのことか?それならここにあるぞ」チョイチョイ

唯「おぉー!じゃあ動かしてみていい!?」

澪「もちろんダメ!! 助手席はそういうことする席じゃないの!」

唯「ぶー……。せっかく何か澪ちゃんのサポートしようと思ったのにぃ……」

澪「むしろ唯には何もしてもらわなかった方が私にとってはありがたいかな……」

唯「ひどいよ澪ちゃん!?」


紬「あ、澪ちゃん! そこにあるのはカーナビ?」

澪「えっ? あぁ、一応な」

紬「へぇー! つけてもらってもいいかしら」キラキラ

澪「うん。どっちにしろその内つけようと思ってたしな。悪いけど唯、カーナビつけてくれ」

唯「おまかせください!」ポチッ

カーナビ「ウィーン」

澪「そしたら目的地入力してくれるか?」

唯「えーと、百合ヶ丘遊園地、と……」ポチポチ


カーナビ「ポンッ 目的地が入力されました」

澪「サンキュー唯。あとで入力する手間が省けたよ」

カーナビ「ポンッ 次の交差点、右です」

紬「わー、しゃべったー♪」

唯「これさえあればヨーロッパでもどこでもいけそうだよ〜」

澪「いや、ヨーロッパはさすがに無理だから」


数分後

りつ(プレゼント何かなー?)ワクワク

コンコン

りつ「ん? まどのほうからなんか音がするぞ」

りつ(なんだー?)ガララッ

梓「メリークリスマース!!」ズカズカ

りつ「うわぁあああ!!?」


唯「ちょっ……!あずにゃん許可もとらずに勝手に入っていいの!?」

梓「大丈夫です。令状もありますし」ペラッ

唯「そんなのまであるの!?」


りつ「ていうかおまえたち何ものだ! おかあさんじゃないのにプレゼントもってるし!」

梓「何言ってるの。あなたの家にプレゼント配りにきたに決まってるでしょう。はい、プレゼント」スッ

りつ「い、いみわかんねー!!」

りつ「サンタさんなんて本当はいないはずだろ!クリスマスにプレゼントくれるのは本当はおとうさんやおかあさんなんだろ!?
   わたしはしってるんだ!」

唯「と、とりあえず落ち着こう?」

りつ「だからおねえさんたちは きっとにせものだ!! けーさつをよぶぞ!」

唯「ちょっ……あずにゃん! どうしよう!!」

梓「大丈夫だから。ほら、キミとりあえずプレゼントあけてごらん?」

りつ「……わなじゃないよな?」

梓「そんなことサンタがするわけないでしょ?何なら私が代わりに開けてあげようか」

りつ「……いい」パカッ


りつ「! わー!!わたしがほしかったかわいいカチューシャだ!!」

梓「ふふっ。どう?これで私がサンタだって信じてもらえた?」

りつ「うん! ……でもサンタさんってもっとひげがもじゃもじゃのおじさんかと思ってた」

梓「今の時代、サンタにもいろいろいるんだよ。鼻の光らない喋るトナカイもいるくらいだしね」

唯「それって私のこと!? ひどーい!」

りつ「へぇ……。へんなサンタもいるんだね」

梓「じゃあプレゼントもあげられたし、私たちそろそろ行くね?」

りつ「うん! ありがとうへんなサンタのおねえさんたち!!」

唯(結局変なサンタで覚えられちゃった!!)


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最終更新:2015年02月10日 23:57