みなさん、はじまめして。
私は最近、高校一年生になりましたが、特になにもありません。
だから今日も帰っていっぱいお昼寝しようっと!
和「アンタの高校生活、それでいいの?」
唯「いいよ〜」
和「なんて澄みきった眼をしているのかしら」
私の高校生活をムダに消費していく宣言に感動しているのは
赤いメガネの和ちゃん。
幼稚園の頃から頭が超いい幼なじみだけど、
いまだに名字は知らない。
和「知らないの!?」
唯「和ちゃん、心を読まないでよ」
和「ふふっ、唯の考えることは瞳を見つめれば大体分かるわよ」
冗談ではない!
私はシャアがなんかの時に言ったセリフを心の中で叫びながら目を閉じた。
和ちゃんに心を勝手に読まれるなんて、なんだか怖いもんね〜。
和「え?なんで目を閉じたの?キスしていいの?」
唯「いいワケあるか!?」
ダッ
私は教室の窓から外へ飛び出したが
内履きが砂だらけになってはダメだから、すぐ教室に戻ったよ!
和「おかえり」
唯「ただいま」
和「なんだか私たち夫婦みたいね」
唯「……^ヮ^」
私はそうは思えなかったが面倒だったので曖昧に微笑んでおいた。
和「ところで唯。もう4月も終わるけどアンタ、部活って決めたの?」
唯「私、入らないし いい」
和「入らないしいい、じゃないわよ」
和「この学校は絶対、何らかの部活に入らなくてはならないのよ?」
唯「そうだっけ?」
和「ねえ、関係ないけどちょっとだけ唯の唇なめていい?ちょっとだけ」
唯「関係ないならダメだよ」
和「じゃあ関係あるから」
唯「嘘っぱちだ!」
和「はぁはぁ」
唯「和ちゃんはなんか部活に入ってるの?」
和「私は生徒会に入ったから」
和「ゆくゆくは生徒会長になって、この学校を唯と私と私たちの娘、3人だけの楽園にするつもりよ」
唯「わぁ〜、和ちゃんすごいね!」
頭がすごいおかしいね!
和「ふふっ、あまり褒めないでよ」
私は口に舌を入れようとしてきた和ちゃんを床に勢いよく張り倒して教室から逃げ出した。
—廊下—
唯「でも、そっか〜。どっかの部活に入らなきゃダメなんだね〜」
人の話を聞かないことで有名な私は
部活のことなんて全然知らなかったし、考えてもなかったのだ。
う〜ん、どうしようかなあ…?
まず運動部は疲れるからダメだよね。
それに子供の頃、お母さんとお父さんの夜の運動会を目撃して以来
私は運動と名のつくものには苦手なイメージがあった。
和「唯、私と運動会しない?」
唯「わあっ」
私は背後から音もなく忍びよってきた和ちゃんを
背負い投げで床に叩きつけた。
バシーン
和「モッ」
唯「大丈夫?」
和「そ、そうなん」
唯「そうなん…?」
和「私、生徒会に…いく…」
ガクッ
和ちゃんは失神した。
私は怖くなってその場を走り去った。
タッタッタ
私は階段を登って昇って階段の踊り場で一息ついた。
唯「ふぅ〜、あぶなかった〜」
唯「はぁ……」
唯「………」
唯「…………?」
唯「あぇ?なにがあぶなかったんだっけ?」
3歩歩いたらだいたいの事を忘れることで有名な私は
なぜ走り出したのか忘れていた。
唯「何があぶなかったか覚えてないけど、そんな私の頭があぶないよね」エヘヘ
唯「あっ、私の頭があぶないから走ってたんだ!」
私、あたまいい!
ガチャッ
澪「わっ!?」
唯「えっ!?」
踊り場の壁のところの扉が開いて、中から長い黒髪の美少女が現れた。
扉の上を見ると、音楽準備室って書いてあった。
澪「い、今、誰と喋ってたの?」
唯「ほぇ?私、今、誰かと喋ってたっけ?」
澪「うん…なんかあぶないとかなんとかって聞こえたよ?」
唯「う〜ん…どうかなぁ。私、忘れっぽいから…」
澪「そ、そうか…」
律「澪〜。どうした〜?」
澪「あぁ、なんかトイレに行こうとしたら外に誰かいたから…」
律「ふうん?」
澪と呼ばれた黒髪の女の子の後ろから
スキンヘッドにカチューシャをした目付きの悪い乱暴そうな女の子が歩みよってきたよ。
律「アタシの第一印象ハチャメチャだぜ!?」
律「てかアタシ、スキンヘッドじゃねーし!?」
唯「私の心を読まないでよぅ〜」
律「あぁ…なんかその瞳を見てたら、なんとなく思ってる事が分かったような気がして」
この人も目で私の心が読めるらしい。
私は念のため、そっと目を閉じた。
律「なんだ、キスしていいのか?」
澪「い、いいよ///」
澪ちゃんもそっと目を閉じた。
紬「よつば、いま、むてき!さいきょう!」
チラッと薄目を開けて声のした方を見ると
金髪眉毛美人が幸せそうな笑顔で地を蹴り壁を蹴り三角飛びで天井の蛍光灯にぶら下がり
蛍光灯がガコッと外れて地面にケツから叩きつけられたのが見えた。
紬「ぎゃっ!?」
—音楽準備室—
紬「どうやらオイタが過ぎたみたいね」
ぷりぷりしたオシリをさすりながら
蛍光灯を窓から放り投げて
幸せそうな眉毛ちゃんはムギちゃんと言うらしくて
頼みもしないのに私に紅茶を淹れてくれた。
ガッシャーン
キャー!?
下から悲鳴が聞こえた。
唯「け、蛍光灯、窓から捨てていいの?」
紬「ふふっ、今日は燃えるゴミの日だから大丈夫なの〜(^ヮ^)」
あらゆる意味で大丈夫じゃないよと思いつつ、髪の毛が生えてるカチューシャの女の子、りっちゃんに意見を求めると
律「ムギは金持ちでいつもケーキをくれるんだ」
唯「そうだね!今日は燃える日のゴミだったね!」
と、お金持ちでケーキをくれるムギちゃんのゴキゲンをとる事にした。
紬「唯ちゃん、ケーキ食べたい?」
唯「食べたい〜!」
紬「あげな〜い♪」
唯「やった!」
私はムギちゃんの眉毛を抜いた。
紬「……」
ムギちゃんが急に静かになったよ!
私がどうしたのかな〜と思って顔をのぞきこむと頬を赤らめたムギちゃんが
瞳を閉じて唇をチューの形にして私に突き出してきた。
唯「ムギちゃん…」
紬「ん…///」
私はムギちゃんが目をつぶってるスキにムギちゃんの机んとこにあったケーキをムシャムシャ全部食べちゃった。
唯「うまかった!」
律「お前、人のケーキを勝手に食べて許されると思ってるのか?」
唯「それは私が決めることじゃないよ」
律「だったらなぜケーキを喰った?」
唯「そこにケーキがあったから」
澪「今日は変な出来事が色々起こるなあ」
澪ちゃんが遠い目をして窓から外をのぞくと校庭に粉々に砕け散った蛍光灯の破片がキラキラまぶしく輝いていたという。
—2分後—
唯「ところで、みなさんはこんなところで何をしてたの?」
律「あぁ…ここは軽音部なんだ」
唯「けいおんぶ?」
澪「といっても部員が集まらなくて、もうすぐ廃部の予定なんだけど」
唯「ははぁ…」
唯「ねぇねぇ、けいおんぶって何をする部活なの?」
律「ん、知らない?ようはバンド組んで演奏するんだ」
あぁ〜、コレはアレだねぇ。
確か軽い音楽って書いて軽音というアレだ。
澪「もしかして、軽音に興味あるの?」
唯「ないけど」
澪「そうか…」
律「あっ、なあ。お前10円やるから軽音部に入らない?」
唯「えっ」
唯「10円もらえるならいいかなあ」
私は軽音部に入部した。
律「ふぅ、これで廃部は免れたな!」
紬「良かったわ〜(^ヮ^)」
澪「本当に良かったんだろうか…」
—平沢家—
唯「そんなこんなで私、軽音部に入部したんだよ〜」
憂「えっ、軽音部?」
唯「是非にと頼まれてね」
憂「お姉ちゃんスゴいね!さすがだね!」
唯「えへへぇ〜♪」
憂「でもお姉ちゃん、楽器とか大丈夫なの?」
唯「トランポリンなら大丈夫そうだよ」
憂「トランポリン?」
唯「トランポリン」
憂「……」
憂「……トランペット?」
唯「トランペットってなに?」
憂「お姉ちゃん、トランペットを知らないの?」
唯「トランペット!」
ペッ
私は夕飯の焼き肉にツバを吐きかけた。
憂「まあ、お姉ちゃんの焼き肉をどうしようがお姉ちゃんの勝手だけど」
唯「それでなんの話だったっけ?」
憂「軽音部がんばってね!」
憂はハムにダンッとナイフを突き刺して、ムシャムシャ喰いちぎった。
—翌日・部室—
ガチャっ
唯「私が来たよー!」
律「見りゃ分かるぜ」
澪「やぁ唯。調子はどうだ?」
唯「どうもこうもないよ」
澪「そうだな」
紬「じゃあ練習を始めましょう」
澪「そうだな」
律「ワンツースリフォー」カンッカンッ
ジャンジャンジャカジャ〜ン♪
パチパチパチ!
唯「わぁ、みんな上手いね!」
律「へへ」
紬「唯ちゃんの演奏もなかなかだったわよ」
唯「ありがと!楽器ないけど」
澪「知ってた」
唯「あと、本当の事を言うと、みんなグチャグチャだったけど何の曲だったの?」
澪「翼をください」
律「ホネホネロック」
紬「ち●こ音頭」
唯「そういえば私、トランポリンなら出来るよ」
律「トランポリンってなんだ」
澪「なんていうか…ジャンプ台だろ」
律「アタシが言いたいのは軽音とジャンプ台となんの関係があるかって話だ」
澪「知らん」
紬「つまり唯ちゃんは私たちの演奏に合わせてトランポリンで飛び跳ねるってこと?」
澪「というか、もしかしてトランペットのことか?」
唯「それ!」
律「えっ、トランペット吹けるのかよ!?すげえ!」
唯「いや、触ったこともないけど」
律「なんなんだよ!?なんなんだよ!?」
紬「りっちゃん、深呼吸深呼吸」
律「スーハースーハー」
紬「大麻吸う?」
律「吸わねえよ!?」
私たちはお茶にした。
—ティータイム—
澪「まあ、そうだよな。そう都合よく唯に楽器経験は無いよな」
唯「ねえ、私、どうしたらいいのかな」
唯「私は軽音の事はよく分からないけど
みんなが指示をくれるなら私は一生懸命それをがんばるよ〜」フンス-3
澪「おぉ」
律「なんかいいヤツだなぁ」
紬「唯ちゃんはやりたい楽器、なにかある?」
唯「楽器かぁ…」
唯「楽器って楽しい器って書くんだよね」
澪「うん?」
律「そうだな」
唯「楽しい器なら私、ケーキとか乗せる器がいいなあ。ケーキ食べたいよ」
澪「お前、ギターやれ」
こうして私はギターをやることになった。
最終更新:2015年06月20日 08:29