澪「木にぶら下がりながら足が浮いた状態でやったら気持ちいいのが夢だったの〜とか言って
この山で一番高そうな木に登っていった」
律「き、気に登って何をやるって?」
澪「フン」
唯「聞くんじゃなかったよ」
澪「な?」
唯「ごめん」
澪「いいさ」
ガチャッ
さわ子「私が来たわ!」
律「見りゃ分かるぜ」
いきなり別荘にさわ子先生がやってきた。
そして頭や白い服に茶色い何かがへばりついていた。
さわ子「最悪だわ…。来る途中で鳥のフンを浴びせかけられて…」
律「鳥のフンって茶色かったっけ」
澪「それはもしや鳥のフンではなく」
ガチャッ
紬「私が来たわ」
律「見りゃ分かるぜ」
別荘にムギちゃんがやってきた。
下半身丸出しだった。
唯「…何があったか聞いていいの?」
紬「風で飛んでった」
律「な、なんの話だ」
紬「スカートとパンティが」
そんなこと、あるの?
紬「りっちゃん、この別荘にウォシュレットない?」
律「ない」
ムギちゃんはなにやらカユそうにお尻を机の角にこすりつける。
澪「どうしたんだ?」
紬「穴が愉快なのよ」
唯「穴がユカイ?」
紬「カユい」
むりっ
唯「あっ」
机の角にチョコソフトクリームが…
紬「これが本当のハレハレユカイよ!」
澪「何が本当か何がウソか分からない夜もある」
律「ウソだと言ってくれ」
りっちゃんはチョコソフトクリームをすくいって床に叩きつけた
澪「お前、なに素手で触ってんだ!?」
そう高らかにツッコんだのち、澪ちゃんは立ったまま失神した。
さわ子「まるで弁慶の立ち往生だわ」
そう言って、さわ子先生も立ったまま失神した。
人糞まみれのさわ子先生は弁慶の立ち往生というより
便器の立ち往生だった。
その後、ムギちゃんは外で全裸になって、壁に手をついてお尻を突き出して
りっちゃんにホースでケツの穴に水を浴びせかけられていた。
いじめじゃなくて、ケツが痒くてたまらないムギちゃん自身が望んだことだから
私たちにはただ見守ることしか出来ない。
さわ子「私が受け持つ軽音部内でイジメが発生してるのと
私が受け持つ軽音部内に変質者がいるのと
どちらがマシなのかしら…」
鳥(仮)のフンを拭きとったさわ子先生は
憂いを帯びた表情で変質者を眺めていた。
変質者紬「うふゅっ。私、刑務所の囚人みたいに体を洗われるの夢だったの〜♪」
映画ランボーで、そんなようなシーンを見たことある気がするけど
あんなのを夢見る女子高生がいるなんて…。
でもよく考えたら幼稚園の頃、妹のアイスを食べた罰で
憂に肛門にホースを突っ込まれて腸を洗浄されるという辱しめを受けたのを思い出して
唯「うぃぃぃぃぃっ」
澪「!?」
瞬間、私は思い出し怒りで絶叫した。
さわ子「ロックね…」
さわ子先生はウンザリした表情で別荘に戻っていった…
—夕方—
グゥ〜!!
唯「なんの音だろ?」
律「澪の腹の音さ」
澪「ち、ちがう」
紬「美少女澪ちゃんの内臓から発せられる音を録音したら
秋葉原にいるどうしようもない連中に高く売れないかしら…」
澪「なにバカなことを……」
澪「ハッ!?お前たち何を!?」
私とりっちゃんが澪ちゃんの体を拘束して
ムギちゃんは澪ちゃんのシャツをめくってボイスレコーダーを直接お腹に当てた。
紬「●REC」
グゥゥ〜…
キュルルリル…
澪「あっ、や、やめろっ!?私の恥ずかしいおなかの音、録らないでぇっ///」
紬「ウホォ」
澪ちゃんは泣いていた。
そして澪ちゃんのお腹も鳴いていた。
唯「人間かなしくても虚しくてもお腹は空くんだね…」
澪「でも本当に哀しかったら全然、食欲湧かないもんだよ」
澪「飼ってたハムスターがいきなり全部死んだ時は私、1か月くらいご飯がノドを通らなかったんだから」
紬「えっ、1ヶ月も断食して体、大丈夫だったの?」
ムギちゃんが心配そうな顔で澪ちゃんを気遣う。
律「ご飯がノドを通らなかったからパンを食べたんだよな」
澪「私、食パンにマーガリンとブルーベリージャムとチーズのっけて食べるの大好き!」
紬「ああ そう」
ムギちゃんが澪ちゃんを軽蔑する眼差しで見つめていた。
唯「それよりなんでハムスターいきなり全部死んだの?」
澪「きっと鳥インフルエンザだ」
唯「ネズミなのに…」
さわ子「それより夕食の準備にとりかからなくていいの?」
バシィン!!
唯澪紬さわ「!?」
りっちゃんは突如、アケビを床に叩きつけた。
律「夕食だ」
澪「お前それしかないのか」
唯「あと、なんで今から食べるものを床に叩きつけるの?バカなの?」
さわ子「ケダモノでもそんな事しないわ」
紬「早く人間になりたいって言うのよ、この類人猿!」
律「人を妖怪人間みたいに言いやがって!!」
律「でもオバケにゃ学校も試験もなんにもないから別にいいかなぁ゚ρ゚」
りっちゃんは虚ろな目で床に叩きつけたアケビの実をジュルジュルすすり始めた。
私たちはりっちゃんを信用してなかったムギちゃんが隠しもってきた
レトルトカレーとご飯パックでカレーライスを食べましたとさ。
—夕食後—
ジャンジャンジャカジャカジャ〜ン♪
私たちは一応まじめに練習した。
澪「どうでしたか?」
さわ子「ファ〜ア…いいんじゃない?たぶん」
職員室で見たさわ子先生はおしとやかで憧れの美人教師だったけど
合宿所で、学校外で見るさわ子先生は
やる気の無いただのメス豚だった。
澪「ところで先生は以前、軽音部に在籍してた生徒を知っていますか?」
さわ子「絶対に知らないわ」
律「カセットテープで聞いたんだけど超絶演奏テクでヤバい上手さだったよな〜」
さわ子「てへへ///」
唯「その人たちに練習教えてもらったら私たちも上達するかな〜って話をしてたんだよ〜」
さわ子「ふふっ、そうかもね〜」
澪「でもデスメタルやってる怖い人間なんて人間のクズだろ、妖怪人間以下だろ。生きたまま野犬に食べられればいいのに」
バシィン!!
さわ子「ンだとコルァ!?」
澪「ぴっ!?」
さわ子先生がアケビを床に叩きつけると澪ちゃんは耳から血をビチャアッって噴き出して失神した。
その後、ムギちゃんが拷問して実はカセットテープの中でデスメタルを弾いてた超絶テクを持つ人間のクズとは
さわ子先生だったことが判明したのです!
いや…
もうこんなヤツの事を「さわ子先生」と呼ぶのはやめよう。
唯「さわちゃん、あんなにギター上手いのになんで教えてくれなかったの〜?」
さわ子「黒歴史だからよ…」
さわ子「美しくておしとやかで凌辱しがいのある美人教師の私が
デスメタルやってたなんて知れたらドン引きでしょっ!?」
さわちゃんはデスメタルの事で随分、苦労をしたらしいや。
床に崩れ折れ、涙を流し始める。
ぽんっ
さわ子「…!」
そんなさわちゃんの震える肩に、りっちゃんが優しく手を添える。
律「さわちゃんの過去がどうであれ、アタシたちはちっとも気にするもんか」
さわ子「りっちゃん…」
紬「というか、その女がどんな変態だろうが私たちの人生にはなんの関係もないものね」
唯「そうそう」
さわ子「そんな言い方があるか!!」
さわちゃんはりっちゃんが優しく添えてくれた手にすごい黄色いタンをネチュッと吐きかけた。
律「おい」
さわ子「それに今はデスメタルから足を洗って新しい自分に生まれ変わったんだから!」
律「もうどうでもいいからとにかく隠れた実力があるならアタシらに特訓つけてくれ」
唯「あっ、少年漫画に出てくる師匠キャラ登場だね!」
紬「数ヶ月だけ頑張ってエリートを見返すのが夢だったの〜♪」
さわ子「そういう事なら早速、これに着替えてもらうわ!」
バッ
さわちゃんは旅行カバンからフリフリがついたアイドルみたいな服を取り出した。
唯「なにこれカワイイね〜」
さわ子「銀河の妖精シェリル・ノームとヴァジュラの姫ランカ・リーの最終コスチュームを私が再現したわ!あなた達が爪弾く曲は劇場版マクロスフロンティア・テーマソング、『サヨナラノツバサ!』」
律「は?」
さわ子「だから銀河の妖精シェリル・ノームとヴァジュラの姫ランカ・リーの最終コスチュームを私が再現したのよ!あなた達が爪弾く曲は劇場版マクロスフロンティア・テーマソング、『サヨナラノツバサ!』」
さわちゃんは
デスメタルから足を洗って
キモヲタにクラスチェンジしていた。
さわ子「はいっ、さわ子!さわ子!さわ子!さわ子!さわ子!さわ子!」
さわちゃんは1人で勝手にさわ子コールを始めて、1人で自分で胴上げしようとして勝手にジャンプして背中一面、床に叩きつけられて
さわ子「銀河が震えて…ぃる…」
とか言って失神した。
—17分後—
ムギちゃんが感じのいい拷問を施して
さわちゃんと澪ちゃんが意識を取り戻した。
律「さわちゃん、アタシたちは武道館ライブを目指してるんだ」
律「コスプレしてアニメソングなんか練習してる場合じゃないぜ」
澪「はっ…」
唯「どうしたの、澪ちゃん」
澪「もしかしたらコレはアレじゃないか?」
澪「一見、意味のないことをやらされてるウチにいつのまにか実力が身に付いているみたいな」
唯「ベストキッドのワックスかける!ワックスとる!みたいな?」
澪「それ!」
紬「どういうこと?」
律「つまり一見、意味のないことをやらされてるウチにいつのまにか実力が身に付いているって話があるんだよ」
紬「なるほど〜」
澪「私の説明と何が違ったんだ」
唯「でも、このコスプレして練習してどんな効果があるのかな〜」
澪「うーむ」
律「…恥知らずになれるんじゃねーか?」
唯「えっ」
紬「そうね…恥を恐れないというのはある意味、最強だわ」
唯「行動力がある感じだよね」
澪「そういえば昔の漫画の主人公って大体、恥知らずなような気もするよな」
律「おうよ、キン肉マンもケンシロウも孫悟空もみんなそうだった!」
唯「ケンシロウって恥知らずなの?」
律「アイツいいトシして役にも立たない肩パットつけて威張ってたし」
唯「あっ…それにブルースリーの真似してホァタアアッとか絶叫してたけど、あれって女から見たらドン引きだよね」
紬「ヌンチャクも女にモテるために相当練習したんでしょうけど…」
澪「ユリアさんも内心、軽蔑してたかも知れないな…」
結局199X年、世界は核の炎に包まれなかったけど
今頃ケンシロウやラオウは兄弟仲良く暮らししてるのかな〜って思って少しほっこりした。
律「ヤングアニマルでそんなような漫画連載してたぞ」
唯「そうなんだ〜」
まあ、どうでもいいや。
唯「とにかくつまりコスプレして恥ずかしい萌えアニソン歌って演奏する事で
何者も恐れない度胸を身に付けるってことなんだねさわちゃん先生!」
さわ子「あぇ?」
律「おうよ!恥ずかしさに慣れて、ストレスや緊張を克服すれば
いつでもどこでも思い切った演奏が出来るようになり
いつのまにか武道館に行けるってワケだ!」
さわ子「そ、そうね。知らんけど」
紬「私たちに足りないのは度胸だけだったの〜!」
ムギちゃんは度胸は満点だと思ったけど、絡まれたら嫌なので、みんな黙って見逃した。
こうして合宿期間中、私たちはアニメのコスプレをしてアニソンの練習をしまくった。
恥ずかしい言葉を連発し、恥ずかしいポーズをキメまくり
その結果、合宿3日目にりっちゃんが採ってきた毒キノコを食べてみんな入院しました!
おわり
最終更新:2015年06月20日 08:33