唯「まあまあ澪ちゃん、落ち着きなよ〜」

澪「ぎぎぎ」

紬「哀れな澪ちゃんのご機嫌をとりましょう」

律「そうしましょう」

澪「ありがとう!」

さわ子「まあね…入り方は悪くないんだし、ここはやはり恋愛を軸にすべきね」

澪「入り方は良いんですか?」パアッ

唯「かろうじてホメられたね」

澪「うん!」

律「簡単な女だぜ」

紬「恋愛かぁ…」


紬「私、思ったんだけど、恋愛もなにも、男の人が女に求めるものってなんといってもオッパイよね」

律「そんなことないよ?」

オッパイが小さいりっちゃんが自身のオッパイのようなささやかな抵抗をする。

しかし、非情なる非常識ムギちゃんは、りっちゃんの虫ケラのようなオッパイをモムュッと握りつぶした。

律「に゙ゅあぁっ!?」


紬「だったら揺れるユリイカじゃなくって『揺れるオッパイはマシュマロみたいにふわふわ』


紬「なんて、インパクトあるんじゃないかしら」

澪「お前、下ネタ駄目とか言ってたくせに!!」

紬「私はいいの」


紬「お金持ちだから」


唯「むちゃくちゃだよ」

律「まあ、世の中そんなもんだ」

さわ子「でも学園祭で教え子にオッパイとか歌わせたらゼーレが黙っちゃいないから『揺れるオッパイ』は『揺れる想い』に差し換えるわよ」

紬「え〜」

さわ子「安心して。揺れる想いと揺れるくらい重い巨乳で『想い』と『重い』がかかっているからムギちゃんの意向は生きているのよ」

紬「やったぜ!」ヒャッハーw

唯「えいっ」

もむゅッ

紬「えぇ!?」

私はムギちゃんのだらしない乳をこのタイミングでワシッともみしだいてみた!!

紬「あぁん、その調子」

唯「じゃあ次は盗撮のところをなんとかしようよ〜」

紬「ああ??私の胸の話は無視なの??」

そうだよ〜。

律「盗撮してぺろぺろしたい、ってところか…」

さわ子「盗撮も『ずっと見てても気づかないよね』くらい柔らかい表現に換えちゃえば、私も教育委員会に首を切られずにすむんだけれど」

唯「あっ、それなら怖くないや!!」

律「澪のストーカー気質もないがしろにされてないし、案外いいんじゃね」

澪「うむ」

紬「じゃあ、夢の中ならふたなりキュウリちんちんイジれるのにな、って最悪の部分はどうすれば」

律「というかもう、どういう心理でそんな歌詞書いたんだよ…」

さわ子「ん…」

さわ子「夢の中ならふたなりキュウリ…ふたなりキュウリ…ふた…りの……きょぅ…り」

さわ子「夢の中なら…二人の距〜離〜♪」

唯「あっ」

紬「ちんち〜んイジれるの〜にな…」

さわ子「縮め〜ら〜れ〜る〜のにな〜♪」

唯「天才!!さわちゃん天才!!」

紬「私、この先生好き!」

律「喜ぶのはまだ早いぜ。二人だけのはずの室内から第三者の視線を感じて熊が喋りだすヤク中パートが残ってるんだ」

さわ子「ああ神様助けて…ああ神様お願い…」

唯「二人だけの…」

唯「幻覚…のお時間」

唯「ふたりだ〜け〜の」

唯「ドリぃーム〜タぁイムっ♪くだぁ〜さいっ♪」

紬「唯ちゃん!!」

さわ子「あとは熊のパートね」

律「お気に入りのクマちゃん、抱いてぇ〜えっ♪」

律「今夜も〜オ〜ヤスミ☆」

紬「りっちゃんまで覚醒した!?」

律「最初のぴゅあぴゅあがマシュマロオッパイでふわふわに変更したから、ラストもふわふわタイムに変えるか」

唯「お〜」

さわ子「これでなんとかなったんじゃない?」

唯「もうほとんど原型をとどめてないよね」

律「こりゃもう作詞、秋山澪じゃねーな」

澪「なにっ…」


澪「おいっ!!」

律「なんだよ」

澪「お気に入りのクマちゃんをウサちゃんに変更しないか」

紬「好きにすればいいわ」

唯「自分も何か歌詞を変えたかったんだね」

律「なあ澪よ、さんざんダメ出しされて勝手に歌詞をイジくりまわされて面白くないかも知れないが、やっぱり澪の歌詞がベースとしてあったから歌が産まれ、完成したんだ」

紬「そうよ、澪ちゃんの歌詞は異種生物の苗床として立派に役目を果たしたのよ」

澪「そんな言い方やめて!!」

こうして私たちは化け物みたいに澪ちゃんの歌詞に卵を産み付けて、初オリジナルソング、
ふわふわタイムが完成しましたのでした!


ー次の日ー

律「こうしてアタシたちのオリジナルソングが完成したワケだが、なんていうか、こう……練習は面倒くさいな」

律「ものすごく」

唯「じゃあ今日もお茶して帰ろっか」

さわ子「賛成〜♪」

澪「しろよ、練習!」

唯「やだ!」

澪「先生からも何か言って下さい」

さわ子「迷わずイケよ、イケば分かるさ」

さわ子「イチ!!ニィッ!!サンっ!!」

さわ子「アッー!」

澪「私、入学したばかりの時はこの先生に憧れていたのに」

ガチャっ

和「この私を不老不死にしろぉっ!!!」

唯「無理です」

律「アタシ、年をとらないなら20代になってからの方がいいかなあ」

和「確かにアンタの絶壁ちょこっとパイパイ、略してチョコパイのまま不老不死になっても生き地獄よね」

律「この女をこの世から消してくれえっ」

澪「なぜシェンロンに願い事を言う感じになってるんだ」

唯「それで和ちゃん、呼ばれもしないのに何故来たの?」

和「学園祭ライブの講堂仕様許可が出てないから」

澪「またか」

律「ハハハ!!!」

澪「ムギ、頼む!」

紬「ドンと来いです♪」

まったく反省する様子のないりっちゃんをムギちゃんがああムギちゃんがあああああ

律「ごめん」

紬「いいのよ」

大丈夫でした。


ー5分後ー

律「この書類を書けば講堂使えるんだな?」

和「期日は昨日までだったんだけど唯に免じて私がなんとかしてあげるわ」

澪「そうか、助かったよ、唯」

唯「いいってことだよ〜」

紬「唯ちゃんが軽音部にいてくれて本当によかったわ!」

和「私への称賛と賞賛は?」

唯「いいコいいコ」ナデナデ

和「ナメてるの?」

和「バターの用意なら出来てるわよ」

紬「くっ、やるわね…」

律「なあ、『律』ってどんな漢字だっけ」

澪「お前、自分の名前の漢字覚えてないのか!?」

和「ねぇ、コレ、バンド名書いてないけどバンド名無いの?」

律「ある」

唯「あったんだ」

紬「その名も?」


律「世の男たちもイチコロなガールズバンド」



律「マンK.O. !!!」



澪「死ね」

唯「りっちゃんまじ低俗」

紬「本当は股間に肉棒ぶらさげてるんでしょ?」

律「ぶらさげてねーし!」

澪「バンド名『ぴゅあぴゅあ』ってどうかな、わりとマジで」

紬「澪ちゃん正気なの?」

澪「えっ」

唯「ムギちゃんはなんかないの?」

紬「アメイジング・キャンディ」

律「おぉ、なんかシャレてるな」

唯「アメとキャンディがかかってるんだね」

紬「ふふ」

澪「でもガチ過ぎてひくな」

律「確かに」

紬「えっ」

紬「いいじゃない、ガチ過ぎてもいいじゃない!」

和「唯は何か無いの?」

唯「ニガリザ!」

律「ん、なんだそれ」

唯「私の好きなザリガニをひっくり返してみたよ」

和「素晴らしいわ」

唯「てへへ」

澪「えこひいきをやめろ」

律「なんかアーティストっぽくて逆に気色わるっ」

紬「ゆず、とかコブクロ、みたいに適当に決めた感じがオシャレだと唯ちゃんは思っているんだよね?」

唯「そんな言い方やめてください」

さわ子「ああもううるっさいわねえ!!落ち着いてお茶も飲めないじゃない!!」

さわ子「こんなものはノリと勢いで決めちゃえばいいのよっ」カキカキ

唯「あっ」


『デスデビル�世』


律「なに書いてんだこのメスブタ」

さわ子「顧問に対してメスブタとは何よ!?」

澪「私たちを勝手に糞バンドの後継者にしないでください」

さわ子「あなたたちならきっと良いデビルになれるって!!」

紬「良いデビルってデビル界の不良品のような…」

唯「私、なるなら天使がいいよぅ」

さわ子「じゃあデスエンジェルなら?」

澪「あれっ、いいかも!」

律「良くねーし!?」

紬「澪ちゃん、しっかりして!!」

和「とりあえずお茶でも飲んで落ち着きなさいよ」コト

唯「あ、ほうじ茶…」

紬「あ〜女子高生が淹れてくれたお茶美味しいわぁ〜」

澪「お前だって女子高生だろうに」

こうして私たちのバンド名はなんかノリで放課後ティータイムになったよ。


ー平沢家ー

唯「というワケで、これからは私のことは放課後ティータイムって呼んでね!!」

憂「やい、放課後ティータイム。洗いもの片付かないから早く晩ごはん食べてくれると嬉しいんだけどなぁ」  

唯「急いで食べるよ〜」パクパク

憂「妹に作らせたご飯は美味しいかい放課後ティータイムさんよぉ」

唯「なにか違和感を感じる」

憂「私は昔からお姉ちゃんと一緒にいると違和感しか感じたことないよ」

唯「私が天才だからかな」

憂「めでたいなあ〜」

唯「あけましておめでとうだね!」

憂「何も明けてないよ」

唯「おとしだまちょうだい」

憂「妹にお年玉をねだる放課後ティータイム」

唯「いちいち放課後ティータイムって言わないでよ!!」

憂「お姉ちゃんが言えって言ったんじゃん」

唯「あれっ、確かに」

唯「やっぱり私、お姉ちゃんって呼ばれた方がしっくりくるや」

憂「そう?」

唯「だって姉らしい事を一つもしてあげられないのに、呼び方までお姉ちゃんじゃなくなったら私の姉分ゼロになっちゃうからね!」

憂「掃除と洗濯くらいしてくれたら姉分も随分うるおうよ?」

唯「い、イヤだ」

憂「別にそんな難しくないから!フローリングの床だけサッと拭くだけでいいから!」

唯「本当に拭くだけ?」

憂「うん」

唯「ふぅ〜っ」

憂「?」

唯「吹いたよ」

憂「バカかコイツ」

唯「脳みそがバカンス中だからね!」フンス-3

憂「開き直らないで!」

唯「ちぇっ、分かったよ。じゃあこれからは掃除はやるよ」

憂「えっ、マジで?」

唯「男に二言は無いよ」

憂「でもお姉ちゃん、女だよね」

唯「じゃあ二言があっても仕方ないね!」キャッホーw

憂「ぬか喜びさせないで!」


怒りのあまり憂がフォークを素手で引きちぎったのを見て、私は本当にこれから未来永劫、掃除をさせられるハメになりました。

なんでこんな事になっちゃったんだろう…


ー翌日の部室ー

唯「私の人生、もう終わりだよ…」

澪「どうしたんだ?」

紬「お金なら貸すわよ?トイチで」

唯「わ、私、私…う、うぇぇ…」

律「お、おい唯、本当にどうしたんだよ」

唯「今日から家の掃除をしなきゃいけなくっちゃって…」

澪「え、うん」

律「それで?」

唯「終わりだよ…」

澪「?」

律「なに、どういうこと?」

紬「あっ、もしかして憂ちゃんに何かあって家事が出来なくなったとか?」

澪「えっ、憂ちゃん大丈夫なのか!?」

唯「憂は元気だよ。正常だよ」

唯「それなのに…これからは洗濯と料理しかしてくれないとかワケ分かんない事を言い出して…」グスッ

律「いや、ワケは分かるけどな」

澪「というかお前、妹に全ての家事を押しつけて、
今まで掃除すらして無かったのか」

唯「はい」

紬「憂ちゃんかわいそう」

唯「かわいそうなのは私の方だよ!?」

律「いやいやいや」

澪「まあ、脳はかわいそうな出来だけど」

唯「でしょ!?」

紬「肯定しちゃったぁ」


ーティータイムー

唯「なんかみんな上から目線だけど、みんなだって家ではなんのお手伝いもしないんでしょ?」

律「してるわい。トイレ掃除と風呂掃除はアタシの担当だし、洗濯と料理もたまにするぞー」

唯「そんな…」

唯「澪ちゃんは!?澪ちゃんは家では甘えん坊ってイメージだよね?ママのオッパイしゃぶってるだけだよね?」

澪「しゃぶるか!?」

澪「私は自分の分とあとタオル類を洗濯してるなあ。マ…おか…オフクロと一緒に料理したりもする」

紬「おふくろ…」

澪「だから私は断じて甘えん坊ではないのだ」

唯「くくぅ〜」

唯「じゃあムギちゃんは!?ムギちゃんこそはカップラーメンのお湯を沸かしたことすらないハイパーお嬢様だよね!?」

紬「そもそもカップラーメンなんて粗末なものは食べたことないけど…」

唯「でも何もしてないよね?私と同じ、人間のくずだよね?」

澪「コイツ、自らを人間のくずと認めたぞ」

紬「確かに私は家では何もしないクズだけど、貯金が7000万円あるクズなのよ」

唯「ずるい!!」

律「まったくだ」

紬「あと普段、料理はしないけど令嬢のたしなみでマドレーヌやケーキをレシピ無しで作れるわ」

唯「私だってミカンの皮くらい剥けるしアイスのフタを開けられるもん」

唯「もちろんレピシ無しでね!」

澪「レシピ、な」

唯「ほっといてよ!!」

律「もういいから休め、な?」

唯「うぅ…」

紬「なんだかごめんねぇ〜」

澪「はぁ、じゃあ練習するか」

唯「え」

唯「ええっ!?休むんじゃないの!?」

澪「だから、ストレスを演奏で発散して心を休めるんだ」

紬「そうそう」

唯「うぉおお、こんちくしょおおおおぃ」

ぎゃりぎゃりがゅりごょりギュイィイイインンンン

律「おっ、早弾き」

こうして私はシンに殺意を抱いてたくましくなったケンシロウみたいにパワーアップした私はパワーアップしました。

でもこんな生活を続けていたらさわちゃんみたいなデスデビルになってしまうのはゴメンなので、誰も憎まず怨まず呪わず穏やかに生きよっと!



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最終更新:2015年06月20日 08:34