ー学園祭・当日・部室ー

みなさん、こんちにわ。

秋山澪です。

今日はいよいよ軽音部的には一年間で最大級のイベント、学園祭ライヴがあるのだけれど

ボーカルの唯のアホが本番前にノドを痛めたので、歌が超うまい美少女な私が急遽、ボーカルに抜擢されてしまいました。

私、恥ずかしがり屋なのに…

大勢の前でなんて歌えないよ…

唯「恥ずかしがり屋って、恥ずかしいものを売ってるショップなの?」

紬「売春宿みたいでなんだか興奮するわぁ」

澪「違うよ」

ムギに唯。本番直前にボーカル交代という不測の事態が起きたのに、このアホンダラどもに緊張の色は無い。

まあコイツら、別にやる事が増えたワケじゃないしな…

もう一人のアホンダラ、律はハナクソをほじってネチョネチョになった指で耳掃除して鼻水粘液でいっぱい耳カスがとれるハイパー鼻耳クソ掃除のクソ計画書をわら半紙に一生懸命書いている。

私はなにやらめまいがしてきたよウヒヒ


澪「というかなんで本番直前にノド痛めちゃうんだよぉ…」

唯「ごめんね…」

唯「庭でアイスなめながら寝てたらアリが口の中に侵入してきてノドを噛みつかれちゃって」

律「コイツ、ファンタジスタか」

唯「もしかしたらカッコ良く学園祭で活躍する私の活躍を妬んだ憂がアイスに睡眠薬を仕込んだのかも…」

紬「仮に睡眠薬を仕込んでもアリにノドを噛まれるなんて想像できないと思うけど」

唯「憂はアリとグルなんだよ」


お前の妹はディズニープリンセスみたいに小動物や虫ケラとお友だちになれるのか?


澪「ハァ…もうなんでもいいよ…結局、私がボーカルしなきゃいけない事実は変わらないんだ…」

唯「澪ちゃん本当にごめんなさい」グスッ

律「お、おい唯、泣くなって」

澪「あ、ご、ごめん唯!!私、そんなつもりじゃ」

唯「うぅ…」


唯「じゃあお詫びにハーゲンダッツのアイス300個買ってきてよぉ…」グスッ

澪「…これでガマンしろ」

私はポケットの中からティッシュを取り出して、紅茶用のシュガーシロップをたっぷりかけて唯にやった。

唯「あっ!りっちゃんゴチソウだよ!」

律「うめー!」クチャクチャ

二人はプリキュアみたいにティッシュをむさぼり食ったのだった。


もうイヤだ


ー2分後ー

律「まあ、でもさ、ぶっちゃけボーカルくらいなんて事ないだろ」

澪「なん…だと?」

律「歌が下手なら、そりゃ恥ずかしいだろうけど…」

唯「澪ちゃん、腹立つくらい歌うまいもんね」

紬「カラオケで聞いてて何度ブチ殺したくなったことか」

澪「そんなにムカつくの!?私の歌!!」

唯「ありのままの感想を述べただけだよ」

紬「ありの〜ままの〜姿〜見せるのよ〜」

ムギがスカートとパンツを脱ぎ捨て下半身丸出しで部室の窓に身をのりだし「それでいいの〜自分信じ〜て〜♪」とか言いながら外に向けてぷりんぷりんした令嬢のケツを見せびらかした。

唯「ステキだよ!ディズニー映画みたい!」

律「アナ●と雪の女王だっけ」

紬「澪ちゃん、歌を歌うくらい恥ずかしがることないよ。このようにありのままの自分を信じれば少しも寒くないわ」

澪「お前はもう少し自分を疑った方がいいと思うが…」

ガチャ

さわ子「オヤツちょ〜だ〜い♪」

澪「見ろ、自分を信じて歩きつづけた結末がアレだ」

紬「私が間違っていたわ」

さわ子「なんの話?」

唯「さわちゃんがディズニープリンセスみたいだって話してたんだよ〜」

さわ子「嬉しいこと言ってくれるじゃない」

さわ子「まあ、ぶっちゃけ白雪姫やらシンデレラに似てるとか言われても、だからなに?って感じだけど」

唯「いずれ、眠ってるさわちゃんにキスして起こしてくれる王子様が現れるかも知れないよ!」

紬「それ、どういうシチュエーション?」

澪「さわ子先生のアパートに不法侵入して眠ってるスキに好き放題する王子様」

律「それ、悪質な変質者じゃねえの?」

さわ子「年収1000万円で責任とってくれるなら寝てる間に種付けされても許すわ」

紬「大人だわ〜」

澪「では頑張って生きてください」

さわ子「まかせといて!」

そういってさわ子先生はムギのカバンを勝手に漁りだして、ケーキを発見して食べ始めて、ムギにチョークスリーパーでスッ…と締め落とされた。


ー2分後ー

紬「人工呼吸をやりまぁす」

そういってムギは気絶しているさわ子先生の口の中を舌でレログチュなめ回したあと、心臓マッサージと称してさわ子先生の胸をもみまくった。

紬「マシュマロみたいにふ〜わふわぁ♪」

さわ子「はっ…?」

ムギの凌辱みたいな甦生術でさわ子先生が目を覚ました。

さわ子「何か気持ち悪い感じがするんたけど、誰か私のこと襲わなかった?」

紬「襲いました」

さわ子「正直でよろしい」

そんなノリで済ませちゃうの!?

さわ子「それでなんの話だっけ」

律「特に大した話もしてないけど…」

唯「澪ちゃんが人前で歌を歌うのが恥ずかしいとか言って遠回しにノドを痛めた私を攻め続けてくるんだよ〜」

さわ子「あら、ダメじゃない澪ちゃん」

さわ子「歌くらいで恥ずかしがってたら露出狂の人に申し訳ないでしょ」

律「おお、確かに」

澪「確かじゃないよ!?あなた達の気が確かですか!?」

唯「じゃあ暑い日に熱い鍋をあえて食べるみたいに、いっそハダカん坊でステージに飛び出せば、恥ずかしさと恥ずかしさが相殺されないかな!」

澪「お前が一人で殺しあえ!!」

紬「澪ちゃん、私にも何かツッコんで!」

澪「イヤだ」

紬「ひどい…」

唯「澪ちゃん!!ムギちゃんがかわいそうだよ!あんまりだよ!」

澪「分かったよ…」

澪「ムギって近くで見ると毛ガニのように毛深いよな」

紬「!?」

唯「澪ちゃん!!ムギちゃんがかわいそうだよ!あんまりだよ」

紬「唯ちゃん」

唯「大丈夫だよ、ムギちゃん。ムギちゃんは大丈夫だよ」

律「ああ、あんな奴のいうこと気にすることないぞムギ!」

紬「そんな必死にフォローされると本気でヘコんできちゃったぁ〜♪」


紬「うおぉおおぉん」

ムギが本気で泣き出したが、友達にそんな事を言わなければならなかった私の心はもっと痛かったので別にいいよな。


ー3分後ー

律「おいおい泣くなよ、今日はめでたいお祭りの日じゃないか」

紬「ぐすっ」

唯「今日は私達のライヴデビューの日だもんね!」

澪「ムギが泣いてたら、せっかくの晴れ舞台が涙で雨天中止になっちゃうぞ?」

紬「私が泣いてるのはお前のせいなんだけど…」

澪「とにかく私、がんばるから。今日は私達、放課後ティータイムにとって、忘れられない一日にしような!」

律「ほう、いいこと言うなあ」

唯「じゃあライヴが終わったら毛ガニで打ち上げだね!」

澪「…」

律「…」

みんな、毛ガニと聞いてムギの体毛を見た。



紬「なに見てるの?」


ガチャ

和「そういうワケよ」

律「どういうワケだよ」

赤メガネの和がいきなり部室に入ってきた。

エヴァンゲリオン破で赤メガネをかけている真希波マリ・イラストリアスを見て以来、私もいつか赤メガネが似合うステキな女のコになろうと思ったが
和が赤メガネをかけているので私まで赤メガネをかけたらキャラがかぶってしまうので赤メガネ青メガネ黄メガネ

唯「どうしたの澪ちゃん。今、どこも見てなかったよ?」

澪「なんでもない」

そんな赤メガネに想いを馳せる私をスルーして和は言葉を紡ぎだした。

和「そういうワケでそろそろ軽音部の出番が近いから、講堂のステージへ
キャンプ場の電灯に群がる気色悪い虫けらのように集まってちょうだい」

律「普通に集まれって言えないのかい」

和「はぁ?無茶言わないでよ」

律「そんな無茶なことじゃねーだろ!?」

唯「落ち着いてりっちゃん!!和ちゃんのペースに巻き込まれてるよ!?」

紬「そうよ、まるでりっちゃんの方がマトモな人間みたい」

律「おっとあぶねー!!」

律「ホッ」

そういうと律は三階にある部室の窓から飛び降りた。

和「さすがね」

澪「律ぅぅぅぅうっ!?」


ー15分後ー

律「どうだい、さっそく忘れられない一日になっただろう?」

澪「そういうベクトルで言ったんじゃないんだよ」

唯「忘れたくても忘れられない悪夢のような一日だね」

三階から飛び降りたけど、律はわりと無事だった。

下には学園祭に訪れた一般客がいて、上から律が落ちてきた時は現場は騒然としていたが、そういえばラピュタでも空から女のコが降ってきたなあと思ったのか、みんな納得したようだった。

紬「でも、りっちゃん、三階から落ちて体は本当に大丈夫なの?」

律「脚が超痛ぇ」

唯「足のスネが心無しかいつもの三倍くらいに膨れあがってるよね」

律「なあなあこれヤバいの?ヤバくね?」

和「あら、シャア専用ザクみたいでいいじゃない」

さわ子「三倍だものね」

和「それより軽音部の出番が近いんだから早く講堂に行けって言ってんのよ虫けらたちよ」

唯「は〜い」

こうして私達は律の脚の異常は見なかったことにして講堂に向かった。

いよいよ練習ではない、人前で演奏する初披露のライヴデビューがあああああああよく考えたらすっごい緊張してきぱびゃびゃびゅ!*?


ー学園祭ライヴステージ前ー

唯「それで私達の出番まで、あとどれくらいあるの?」

和「今、午前10時だから、あと5時間くらいあるわね」

澪「ふと思ったんだけど、待ち時間長過ぎないかな」

紬「本当のアーティストのライヴなら色々段取りに時間がかかりそうけど、私達に5時間も必要なのかしら」

和「ごめん、正直いって唯と絡みたかっただけだからアンタたちはもうどっかへ消え失せても大丈夫よ」

律「全然 大丈夫じゃねえよこの野郎」

澪「その赤メガネで太陽光を集めてお前の家を燃やしてやろうか」

紬「私は和唯の濃厚な絡みを見せてもらえるなら不満は無いわ」

さわ子「私はお菓子もらえるなら不満は無いわ」

唯「じゃあ私は屋台とか回ってくるよ」

和「じゃあ行こっか」

唯「私達をだました和ちゃんとは行かな〜い♪」

和「そうなんだ、じゃあ私、勝手に唯を抱き締めるわね」ギュッ

唯「離せ!!」

和「キスしていい?」

紬「やれ!!やっちまえぇ!!」



私はその場をあとにした。


ーその辺ー

ライヴの時間まで、いったん軽音部員たちと別れた私はその辺をぶらつく事にした。

はぁ〜…

あと5時間後にはライヴかぁ…

学園祭のさまざまな催しもので校内は賑わっているが、ライヴで、大勢の人前でボーカルを務めなきゃならないと思うと祭りを楽しむ気にはなれない。

そう思うと私の気持ちも知らずにワイワイ楽しんでいる人間どもが許せなくなってきた。

澪「リア充の肝臓爆裂しろ!」

律「なんで肝臓限定なんだよ」

澪「あっ、律」

振り返れば律がいた。

澪「リア充って、みんな楽しくお酒飲んでそうだから肝臓が爆発すれば、もう合コンも出来ないだろうと思ったんだ」

律「そ、そうか」

律「でも澪はかわいいんだから、むしろリア充よりじゃねーの?」

澪「私はダメだよ…お前みたいに誰とでも仲良くなれるワケじゃないし」

律「澪は恥ずかしがり屋だからなぁ〜」


澪「なあ、どうすればお前みたいな恥知らずになれるんだ?」


律「言い方がおかしい」

澪「どうすればあなた様みたいな恥知らずになれるんですか?」

律「恥知らずって言うんじゃねーよ!?」

澪「クソが」

澪「だって変な話、私がお前だったら恥ずかしくてとても表を歩けないよ?」

律「おい、変な話をよせ」

澪「しかしな」

律「ていうか、なんで澪がアタシだったら外歩けないんだよっ」

澪「それはお前……胸も知能も品性もなく、おまけにチビで非常識で」

澪「町中の人間に後ろ指さされながらも臆することなく、アホ面ひっさげて毎日、元気よく学校にやって来る生きざまは全世界に勇気と感動を与え続ける、まさに勇者。キングオブ恥知らず田井中律とはお前のことだ」

律「この野郎!!」

バッ

と、律は自らのスカートを衆目の面前でまくりあげた。

するとスカートの下はなぜかフンドシで律の引き締まった尻肉があらわになって気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!

その辺には一般客もいて、どよめきが起こる。

澪「なにしてんだお前!?」

律「読者サービス」

それほどサービスになってないよと叫びながら私は律のスカートを定位置に戻す。

律「お前にもこれくらい度胸があればボーカルくらい楽勝だろうにさ」

そんな度胸いらないよ

澪「というかお前、ホント、羞恥心が無いの??」

律「あるよ。あるけどお前アレだよ」

律「みんなに見られてると思うと緊張するけど、人間をみんなパイナップルに置き換えればなんてことないって!!」

澪「ほう、パイナップルねぇ…」

素直な美人すぎる美少女の私は素直にまわりの人間をパイナップルに置き換えてみた。

パイナップルパイナップル

パイナップルパイナップル…


ーパイナップルー

パイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップ
ルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナ
ップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナ
ップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップルパイナップル

私がパイナップルのパイナップルによるパイナップルのための精神統一をしていると全身の皮膚がパイナップルみたいなゴツゴツした肌の気色悪いパイナップル人間が近寄ってきた。

パイナップル律「どうだ、調子は?」

澪「うわああおああお!?パイナップルが喋ったああ!?怖いいぃぅぎげぎ」

私はドーンとパイナップル人間を突き飛ばして全力疾走で逃げ出した。


ーパイナップル後ー

澪「はぁはぁ…」

パイナップルから逃げ出した私は、ひとまず軽音部の部室に避難した。

それから手袋を装着しつつ、物置にしまってあった釘バットを対パイナップル人間用に装備する。

このバットにはムギの指紋しかついてないから、うっかりパイナップル人間をぶっ殺してもムギに罪をなすりつけられるかも知れないからな!

澪「ハハハ!!なんだかテンションが上がってきたぞ!!」

さわ子「な、なんで?」

澪「ぐわぁあああっ!?」

さわ子「えっ」

独り言をさわ子先生に聞かれてしまってすごい恥ずかしい思いをした恥ずかしがり屋の私は先生を殺害するしかないと思った。

澪「ごめんなさい、これしか方法はないんです!」

ブンッ

と私が釘バットを振り上げると

パンっ

とBB弾が私の太ももに炸裂した。

澪「痛っ!?痛いっ!?」

さわ子「私の拳はもっと痛い」

澪「拳じゃなくて、それモデルガンじゃないですか!」

さわ子「確かに」



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最終更新:2015年06月20日 08:34