澪「だいたいどうしてモデルガンなんか持ってるんですか…」
さわ子「今日は学園祭で人がたくさん来るから、いい男がいたらコレで脅して私に受精させるつもりなの」
澪「変態!!変態!!性犯罪者!!」
さわ子「それで澪ちゃんはなんで私に襲いかかってきたの?」
澪「独り言を聞かれて恥ずかしかったから」
さわ子「精神異常者だわ」
澪「さわ子先生にだけは言われたくないですよ!?」
さわ子「いやいや!!絶対に澪ちゃんの方がおかしいから!!」
ー5秒後ー
さわ子「まあいいわ」
澪「はい」
さわ子「それにしても澪ちゃん、本当に恥ずかしがりね」
さわ子「夏の合宿ではさんざん恥ずかしいコスプレさせたのに、まだ克服出来ないの?」
澪「あの時は律たちもみんなコスプレしてて赤信号をみんなで渡れば怖くないって感覚で…」
さわ子「ははぁ」
澪「はぁ…どうやったらさわ子先生みたいな恥知らずになれるんでしょうね…」
澪「私、美少女でスタイルよくて頭もいいしベースも上手いしいいニオイだし、あとは恥ずかしがりな部分さえ直せば完璧なヒロインなのに」
さわ子「そんな発言を出来る時点で十分、面の皮が厚い恥知らずな気もするけど…」
ー2秒後ー
さわ子「まあいいわ」
澪「はぁい」
さわ子「恥ずかしがりの根本的な治療は今さら一朝一夕でどうにかなるもんじゃないけれど…」
さわ子「今日のステージでボーカルをやりきる秘策はあるわよ」
澪「ホントですか!?」
さわ子「ちょっと待ってね…はい」
さわ子先生はパンティを脱いで、
変態仮面みたいな感じで私の頭にソレをかぶせた。
さわ子「こうやって顔を隠せば、知らない人には澪ちゃんだって分からないんだからステージに立っても大胆不敵な素敵な無敵になれるわ!!」
澪「ぬわああおああおぅッ」
私はパンティをかぶせられた1秒後にパンティを部室の窓から投げ捨てた。
さわ子「私の勝負パンツが!?」
さわ子先生はパンティを追いかけてノーパンで外へ駆けぬけていった。
はは、お魚くわえたドラ猫を追いかけて裸足で駆けていくサザエさんみたいだな!
私は窓からツバを吐いた。
ーさわパン後ー
澪「それにしても、ひどい目にあった…」
軽く潔癖が入ってる私は除菌ペーパーで顔中ごしごし拭いた。
澪「ん…?」
口の中からちぢれ毛が…
澪「死にたい」
紬「どうしたの澪ちゃん」
澪「あっ、ムギ」
振り返ればムギがいた。
澪「さわ子先生のちぢれ毛買う?」
紬「ちぢれ毛はいらないけど、それを手に入れるまでの過程にものすごく興味があるわ」
澪「過程…?なんだったかな…」
澪「よく覚えてないがいきなりさわ子先生がパンツを脱ぎ出して私にかぶせて、するとパンツにちぢれ毛が絡んでたワケで」
紬「Oh…」
紬「私も高校卒業までにはマトモな人間になれッて親に言われてるけれど、さわ子先生には叶わないわ」
はたしてそうだろうか。
澪「ムギだって下半身丸出しで釘バットとか振り回していたじゃないか」
紬「そうね…」
紬「私、頑張ってみる!」
いや、がんばらなくていいんだ。
澪「お前はいいなあ、恥知らずで」
紬「違うわ澪ちゃん。私は恥知らずじゃなくて、恐いもの知らずなの」
澪「知るもんかよ…」
澪「あっ、そうだムギ。恐いものがないんだったら私の代わりにボーカルしない?」
紬「…!!」
紬「ごめんね澪ちゃん…」
澪「やっぱりダメなのか…?」
紬「うん…」
紬「正直、キーボード弾きながら歌うくらい、お茶の子さいさいだけど、私は羞恥心に耐えながら人前で歌う澪ちゃんの凌辱フェイスを見たくてたまらんのです」
澪「この最低眉毛!!朝起きたら眉毛が全部チン毛になってればいいのに!!」
紬「村山首相みたいに?」
澪「失礼なこと言うな!」
紬「え〜…今の私が悪いのかしら…」
ー2分後ー
紬「分かったわ。恥ずかしがり屋のあわれな澪ちゃんがステージでバッチリ歌えるようになる魔法のアイテムをあげる」
澪「え?魔法の…?」
そういうとムギはカバンから、ヤシの木のイラストが描かれたハワイアンな袋を取り出した。
紬「はい♪」
澪「わあ、楽しそうな袋だなあ。なんだい、これ?」
紬「脱法ハーブよ」
澪「うわああおああおぁあ!?怖いイィヒィィ」イィイウァいぎぎぎ
紬「澪ちゃん落ち着いてwwwうそウソwwW」
澪「なんだ嘘か」
紬「これは覚醒剤なの〜♪」
澪「もっとヤバいヤツきちゃったよ!?」
澪「お前、半年前はマクドナルドに行っただけで興奮してたお嬢様が今やアンダーグラウンドな粉を打って人間やめてヤクドナルドるなんてバカバカお前!!」
紬「ごめんね、澪ちゃんの反応を堪能したかっただけでコレはただの興奮剤よ」
ムギはペロッと舌を出してイタズラ好きな子供のように笑った。
その舌をひきちぎってタン塩にしてやりたかったが、彼女が地獄に堕ちた時、閻魔大王の仕事を奪ってはよくないと思って自重しておいた。
澪「しかし、ただの興奮剤って言われてもなあ」
澪「法的に健康的に大丈夫なのかシロウトの私にはさっぱり分からないんだぞ」
紬「大丈夫。言ってみれば栄養ドリンク程度のモノよ」
紬「法的にも問題なくって、ちょっと胸がカーッと熱くなるような気がするだけ」
澪「はぁ」
紬「でもステージ直前に服用すれば、興奮剤で緊張を抑え込んで
歌一曲歌いきるくらいは澪ちゃんのダニのような粗末で腐った心臓もパワーアップしてバッチグーな仕様だわ」
澪「えらい言われようだな、私の心臓」
ふむ…しかし、そうか…
あの白い粉を使うことで学園祭ライヴを乗り切れるなら、それは大変 結構なことだ。
大勢の人前で歌うなんて、私には残酷すぎる運命だからな。
試してみる価値はあるよ。
だけど、あのムギが差し出した薬物をほいほい使っちゃっていいものかどうか…
紬「私、お友だちを廃人にするのが夢だったの〜♪」とか笑顔で言い出しかねない美少女だし。
紬「どうしたの、私が差し出した薬なんて信用できない?」
こいつ、エスパーか
澪「違うよ!!そんなことないよ!!私はムギのことを信じているよ!」
澪「ムギは……私の大切な友達だもん…」
紬「澪ちゃん…!!」
澪「そのお薬、ありがたく使わせてもらうよ」
紬「うん!はい、どうぞ♪」
私はムギから白い粉を受け取った。
とりあえず唯で試して様子を見てみよう。
ー校舎裏ー
澪「いたいた、お〜い、唯〜」
唯「あっ、澪ちゃ〜ん」
唯の甘い香りをたどっていくと、人気のない校舎裏に唯がいた。
制服は乱れ、胸元がはだけ、黒ストッキングは破れ、それでも天使のように微笑む唯の笑顔は危険が危なかった。
彼女の足下には和が倒れていた。
唯「えへ」
澪「いったい、何があったんだ?」
唯「和ちゃんの後頭部には電源のスイッチがあるんだよ〜」
澪「え?」
唯「そのスイッチを石で殴ってオフにしたら動かなくなりました!!」
自慢気なドヤ顔をしているが、唯の手が微妙に震えているのを私は見逃さなかった。
きっと和に怖い目に合わされたのだろう。
澪「よしよし」ナデナデ
唯「ん…」
頭をなでてやると唯は気持ち良さそうに瞳を閉じた。
らしくないな…
澪「ペッ」
びちゃ
唯「?」
私は唯の頭にヨダレを垂らすことで善悪のバランスを保った。
ーふぉほっwー
澪「ところで唯」
唯「ほぇ?」
澪「ムギからもらったちっとも怪しくない白い粉があるんだけど、ちっとも怪しくないからちょっと吸ってみないか?」
唯「絶対にお断りするよ〜」
澪「なにっ」
唯「ふゅひゅふ!ゃゃゅゃはw」
こいつ、バカのくせに私の企みを一瞬で看破したというのか。
やりづらい女だな。
唯「澪ちゃん澪ちゃん!」
澪「はぁ…なんだい唯?」
唯「よく分からないけれど、その怪しくない粉を和ちゃんに使ってみたらどうなるのかなっ」
澪「お前、天才だな!」
唯「エヘヘ〜」
よく考えたら元々ラリってるようなラリアット唯ちゃんに粉を吸わせておかしくなっても、薬のせいかどうか分からないもんな。
私は取り扱い説明書を読みながら、和に粉を吸わせてみた……
ーこなー
取り扱い説明書が英語過ぎる上に、学校で習わないような英単語がいっぱい記載されていて、英語のテストのアベレージが90点近い私をもってしても解読することは不可能だったので、なんかもう、白い粉を適当に和の鼻の穴にふりかけた。
和「スー…スー…」
呼吸とともに和の体内に粉が吸入されていく。
頭脳明晰な和が、もしこれで廃人になってしまったら
期末テストの順位が1つ上がるな…と思った。
でも期末テストの順位が上がっても受験には関係ないしなぁ。
和「スー…ス…むほっ!?げほげほ!!」
和「はっ…」
唯「あっ、和ちゃん、スイッチオンだね!再起動だね!」
和「ゆゅ」
和「唯…?」
唯「和ちゃん…大丈夫?私、心配しちゃった!」
お前が石で殴ったんだろうが。
和「唯…」
和「どうして着衣が乱れているの?」
唯「お前がやったんだろうがっ!」
パコーン
和「ンガっ」
和の頭はバレーボールみたいに唯にアタックされて白目を剥いて和は失神した。
唯「ややっ、和ちゃんが失神しちゃった!やっぱりムギちゃんの怪しくない薬は怪しい薬に間違いないよっ!」
澪「お前がやったんだろうがっ!」
パコーン
唯の頭はバレーボールみたいに私にアレされて以下省略。
唯は失神した。
その直後、校舎裏で怪しい粉を所持して二人の女子生徒が失神している現場に居合わせた私の姿が一般客に目撃されて
なんか色々あって私は一週間の停学となった。
こうして私と高校生活最初の学園祭が
終わった。
完
でも、公衆の面前で歌わずに済んだし結果オーライだな!
最終更新:2015年06月20日 08:35