ー梓の教室ー

教室に入ると眉毛の太い人が私の汗を吸った体操服を口に含んでいた。

梓「なっ、えっ、あっ!?」

紬「蝶が花の蜜を吸ってたらいけない?」

梓「ちょ、えっ、な、なにが!?」

こ、こここの人、昨日の、軽音部の、キーボードの、パンティ狩りの人だ!!!?

紬「ところでここに美味しい高級バナナケーキがあるけどコイツをどう思う?」

梓「すごく食べたいです」

だって私、バナナもケーキも大好きだもん。

紬「もし、あなたが軽音部に入るなら毎日、こんなケーキが食べられるけど、どうする?」

梓「あっ、じゃあ軽音部に入部します」

こうして私は軽音部に正式に入部した。

ごめんね、純。

いや、こういう時は謝っちゃいけないんだっけ。

梓「ありがとうね、純!」

紬「だ、誰と話しているのかしらぁ」

やむをえない事情で軽音部に入らざるをえなかった私は太眉毛の人についていくしかなかった。

はぁ…

バナナケーキいつ食べれるんだろう…

バナナケーキの事で頭がいっぱいのままフラフラと歩き続けて階段をのぼり、気が付けば音楽準備室の前にいた。

どうやらここが終着点らしい。

梓「え、バナナケーキと音楽準備室となんの関係があるんですか?」

紬「ここでバナナケーキを食べるのよ」

梓「そっか!」

私は嬉しくてバク宙した。

紬「ふふっ。なぜ突然、宙返りを?」

梓「はいっ!」

紬「ん?」

梓「え?」

紬「あのね、私はなぜ突然、宙返りをしたか尋ねたの」

梓「一か八かやってみたまでですよ」

紬「こんなおかしいヤツは初めて見たわ」

お前こそ私の体操服をチュウチュウ吸ってた変質者のくせに!と反論しようと思ったけど、バナナケーキをいただくまでは反抗的な態度はとるべきじゃない。

梓「ニャオーン」

紬「あっ、ねこ〜♪」

私は屈辱に耐えながら可愛がられた。

ー音楽準備室ー

ガチャ

紬「ただいま戻りましたぁ〜♪」


太眉毛の人に続いて音楽準備室の中へ足を踏み入れると


バッ

とカチューシャの人が走って私に詰めよってきた。

律「こ、こいつは?食べていい?」ハッハッ

紬「食べちゃだめ。アッチへ行きなさい」

律「ほっ、ふっ」


カチューシャ女は窓から落ちていった。


梓「ああいうの、もののけ姫で見たことあります」


紬「!?」


紬「あなた、りっちゃんの事が見えるの!?」


梓「えっ、りっちゃんって今のカチューシャの人のことですか?普通に見えますけど…」


紬「そりゃ見えるのが普通よ、馬鹿が」


へ?なんで今、私、馬鹿にされたの!?


梓「将来、年収1000万になってお前を見返してやるです!」

紬「1000万ドルなら見直すけど」

梓「無理!」

こしゃくな眉毛ですぅ。

私はツインテールをヌンチャクみたいにブンブン振り回して憤りをあらわにした。

紬「あらあら、きちがい」

澪「ムギ、そのコどうしたんだ?お前の新しいポケモンなのか?」

私が壊れた扇風機みたいに暴れまわっていると長い黒髪の綺麗な超絶美少女JKがキョトンとした顔で話しかけてきて私は絶頂に達した。

紬「そんなところよ」

梓「どんなところですか!?そもそも今どきはポケモンより妖怪ウォッチですよ!」

澪「ああ、最近見かけるなぁ、妖怪ウォッチ」

梓「やった!」

私は美少女の同意を得られたので踊り出した。

澪「なんでこのコ、急に踊り出したんだ?」

紬「呪われているからよ」

澪「呪い!?うわあぁあっ!!怖いいい!!!」

ごちーん!!と私は唐突に右フックで殴られた…


けど、アレ?

全然、痛くない。


梓「今、なにかしましたか?」

澪「わあっ!?効かない!?」

ごちーん、ごちーん、とゲンコツを振る舞われるが全然痛くない。

紬「澪ちゃん、背は高いけど子犬ほどの筋力しかないから〜♪」

梓「私は一生懸命抵抗してるのに成す術がない美少女の表情でビチョビチョになった」

澪「な、なにがビチョビチョになったんだ」

梓「いいからもっと殴ってください!」

澪「キャアッ!?変態!」

バコーン!と左ストレートで首から上が吹っ飛ばされ私は悪い意味で失神した。


紬「澪ちゃん、左利きだから左の攻撃力はハンパじゃないわよ」

薄れゆく意識の中、太眉毛の人もよく見たら美少女だな…って思っ…おも


ー15分後ー

梓「はっ」

気がつくと気がついた私は目が覚めた。

梓「朝はやっぱりパンティだね」

律「こいつ、起きたまま夢でも見てんのか」

澪「夢だからって許される内容ではないが」

梓「パンと紅茶でパンティってことですよ、エッチだなあ」

唯「それでこのコ、結局どういうアレなの?」

紬「新入生の教室で使用済み体操服を見かけたから汗を味わっていたら目撃されたから口止めにバナナケーキで軽音部の入部希望者よ」

澪「ほとんどお前が変態だって情報しか伝達されていないが本当にそれでいいのか?」

紬「望むところよ」

梓「あっ、それでバナナケーキはいついただけるんですか!?」

紬「はい」コト

梓「はぁ〜♪」

私の前に美味しそうなバナナケーキが高そうなお皿に乗せられ、紅茶とセットでセットされた。

梓「早く食べたいです!」

紬「どうぞ♪」

梓「はぐっ、もぐっ、もぐらより美味しいよぉ〜♪」

律「比較対象がおかしい」

紬「そういうワケで今日はみんなのケーキが一個たりません」

唯「ムギちゃんいつも食べてるんだからムギちゃんが一番いらない子だよね」

紬「そんなのイヤ」

律「アタシは育ち盛りだから絶対にケーキいただくぜ」

澪「全員お前と同い年だよ」

律「でも澪はオッパイが充分に育ってるからもういいだろ」

律「その点、見ろよ。アタシのオッパイ、絶壁だろ?」



律「殺すぞ!?」


澪「悲しい生き物だなお前は」

唯「ぺっ」

びちゃ

律「あっ、唯!!お前なにケーキに唾吐いてんだ!?」

唯「私のだよ」

紬「でも私、むしろ唯ちゃんの唾吐きケーキが食べたいわ」

澪「牙突零式!!」

澪「ヲボエぇッ」

びちゃびちゃっ

いきなり黒髪美少女が上半身のバネだけでゲロを吐いてケーキ全部が澪ゲロまみれになった。

私、バナナケーキを速攻で食べきって本当に幸せでした。

紬「伝説の牙突ゲロ式が見られるとは思わなかったわ」

澪「そういうワケでケーキは全部、私のものだな」

唯「だまれ!!」

律「正直、大好きな澪のゲロなら喰える」

澪「えっ¥¥¥」

紬「サイヤ人は戦闘民族だっ!!!なめるなよぉっ!!!!!」

四人は汚物まみれのケーキをもう手づかみでムシャムシャ食べ始めた。

耐えきれなくなってスレを閉じる人もいるだろうが、この世界は残酷だから仕方ないってミカサ・アッカーマンも言ってたから仕方ないよ。

梓「ここには私以外、変質者しかいないんですか」

唯律澪紬「お前が言うなッッッ!!!」

梓「えぇ〜…」

私は納得いかなかった。


ー7分後ー

律「ケーキも食べたし帰るか」

梓「お、おいおい!」

唯「どうしたのかな?」

梓「今日まだ軽音部らしいこと一つもしてませんよ」

律「え、軽音部らしいことしたいの?」

梓「そりゃそうですよ!私、新入生部活紹介の時のみなさんの演奏に憧れて入部したんですから!」

紬「バナナケーキに釣られたんじゃなかったのかしら」

梓「そうでした」

ガチャ

さわ子「ケーキ!!」

部室にモデルさんみたいにキレイな美人教師が入ってきた。

さわ子「私のケーキは!?」

唯「ゲロしか残ってないよ」

さわ子「それ、ケーキ要素ゼロだし!!!」

さすが大人、いい事を言うなぁ。


ー3分後ー

さわ子「そういえばその子、ひょっとしたら新入部員?」

梓「はい!」

澪「名前はなんて言うんだ?」

さわ子「まだ聞いてなかったんだ」

律「ケーキでそれどころじゃなかったんだよ」

私の存在はケーキ以下ですか。

さわ子「じゃあ仕方ないわね」

仕方なくありません。

紬「いいから名前は?」

梓「中野梓と言います」

澪「というかノリで入部する流れになってるけど、本当に大丈夫?」

梓「あっ。私、元々、軽音部に興味あったんでそれはそれで」

梓「ギターだって弾けるんですよ!」

唯「私よりうまいのかなぁ〜」

梓「はい!」

唯「いきなり髪の毛全部抜くかも知れないから気をつけてね」

梓「!?」

律「しかしギター経験者とは頼もしいな」

澪「よろしくな、梓」

梓「そ、それよりアイツになんとか言ってやってください」

澪「唯、お前、生きてる価値あるのか?」

唯「うぇ?」

梓「そこまで言わなくていいですよ!?」

澪「わがままなやつだ」


ー1分後ー

梓「まあ、いいや。それで、みなさんのお名前はなんていうのですか」

律「おっ、そうだな。じゃあ自己紹介するか」

律「アタシは部長の田井中律。ドラム担当さ」

梓「き、昨日、ステージの上で脱糞してませんでしたか?」

律「人間、生きてりゃウンコくらいするだろうさ」

梓「ステージの上では普通しませんよ」

律「んんん!」

梓「ど、どうしました」

唯「私は天災ギタリスト平沢唯だよ」

梓「待って、田井中先輩はどうしちゃったんですか」

唯「ギター担当です!」

梓「もういいや。そりゃカスタネット担当のギタリストがいたら悲しいですけど」

ん、平沢……?

梓「もしかしてですけど、平沢憂って妹がいたりしませんか?」

唯「そりゃ人間、生きていれば妹くらいいるよ」

梓「そんな世の中になればいいんですけど」

唯「もしかして憂のお知り合いさん?」

梓「はい!」

唯「憂、私のこと褒めてなかった?」

梓「ぶた野郎って言ってました」

唯「ぐすっ」

なんか泣き出したので、みんなで平沢先輩の頭をなでて優しく慰めました。

梓「大丈夫ですよ先輩。ブタ野郎って、憂はきっといい意味で言ったですよ」

唯「いい意味?」グスッ 

律「そうだぞ〜」

澪「ほら、くまのプーさんにも可愛い子ブタちゃんがいたじゃないか」

唯「うん…」

紬「ね?唯ちゃんもあのブタさんみたいに可愛いって、憂ちゃんは言いたかったのよ、たぶん」

唯「そっか」エヘヘ〜

澪「ふふっ」

唯「ところでくまのプーさんの子ブタちゃん、お名前はなんていうの?」

紬「あ?」

澪「さあ?」

律「汚ならしいブタの名前なんか知るわけないだろ」

唯「ワアアァアアァ!!?」

唯「やっぱりブタなんか愛されてないんだよ!!うそつき!!」

澪「そ、そんなことないってば」

唯「黙れ!!ブタ野郎!!!」

澪「なんだと!?お前なんか生まれて来なきゃよかったんだ!!」

ガシャアアァン

梓「ひどすぎる」

さわ子「でも私、トンカツは好きよ」

唯「あっ、私も!」

先輩の機嫌は治った!テッテレー♪


なんて馬鹿なんだろう。

梓「さて、そちらの美少女はなんていうんですか?」

さわ子「私は山中さわ子。若く見えるだろうけど音楽の先生で軽音部の顧問なの」

梓「あなたはどう見たって少女じゃないです」

さわ子「激おこ!」

痛々しくギャル語を使って頬を膨らませる眼鏡の残念美人を頭の中で私は手早く凌辱した。

澪「美少女かどうか知らないが私は秋山澪。ベース担当の超絶美少女だ」

梓「確かに」

梓「なぜ、昨日ステージの上でパンティをかぶっていたですか?」

澪「私は怖がりでステージの上で歌うなんて緊張しちゃうから、先手必勝、観客に先に恐怖を与えておこうと思ってパンティをかぶったんだ」

梓「頭いいなあ」

私はこの残念美少女も頭の中で手早く凌辱の限りをつくした。

紬「琴吹紬です。担当はキーボードよ♪」

梓「なぜそんなに眉毛が太いんですか」

紬「体にいいからよ」

澪「健康法だったのか その眉毛!?」

これで謎はすべてとけました!


だから今日はもう帰ろ。



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最終更新:2015年06月20日 08:36