ー次の日ー

澪「さあ今日も甘いの食べてさっさと帰ってテスト勉強するか」

律「というわけだムギ」

梓「さっさと甘いの出すです!」

紬「はいな」ピラッ


ムギちゃんは机の上に1枚の10000円札をおいた。


澪「え…?」

唯「ムギちゃん、これは…」

紬「もうなんか1年間もお菓子持ってき続けると何を持ってきたらいいか分からなくなってきたからコレで好きなもの買ってらっしゃい」

梓「10円のラムネ買って残りを山分けしましょう!」

澪「いいなソレ」

紬「誰もお釣りをあげるとは言ってないわ」

梓「くっ…」



梓「この卑怯者!!」



あずにゃんの澄んだ瞳から大粒の涙がぽろぽろとこぼれ落ちた。


あずにゃん…




唯「ふぁ〜ァ…」


どーでもいーので私はアクビした。


梓「あっ、眠いんですか?一緒に寝ますか?合体しますか?貝を合わせますか?」

律「お前の中では今どういう状況なんだよ」

梓「エロゲーで言えばあと1つか2つほど選択肢を間違えなければ憧れの唯先輩とsexにもちこめる状況です」

澪「お前が女子高の先輩とsexにもちこめた時点で人生の選択肢を誤っていると思われるが悔いはないのか?」



梓「我が生涯に一片の悔い無し!!」



あずにゃんはラオウみたいにちっちゃい拳をズドーンと天に向かって突き上げたスキをついて私は家に逃げ帰った。

ー家ー

唯「ただいま〜」

憂「お姉ちゃん、おかえりなさ〜い」


憂「そして」

唯「そして?」


憂「私〜に〜か〜え〜りな〜さ〜い〜」


唯「えっ」



憂「 記憶〜をた〜ど〜り〜」



憂「優〜し〜さと〜夢の〜水源(みなもと)へ〜」



和「もい〜ち〜ど 星にひ〜か〜れ〜 」





憂「生ま〜れ〜るた〜め〜に〜」



ハァアアアアアァァアアア




和憂「魂ぃいのルフ〜ラァァアアアンッッ!!!!!」


私は牛乳をコップに注いで飲んで自分の部屋に入った。

ー甘い香り漂う平沢唯の部屋ー


唯「立派な人間になろう」


私はなんとなくそんな気分になったので今回は真面目にテスト勉強することにしました。


唯「でも微分積分とか古文のなんたら活用とか大人になっても絶対役に立たない気もするけど、若く貴重な時間を浪費してまで頭に叩き込ませて意味あるのかなあ」


平沢チキン「じゃあ聞くけれど、若く貴重な時間を使ってキミなら何をオツムに詰めこむべきだと思うんだい?」

唯「う〜ん」


唯「オツムと言えばオムレツ食べたいよね」


唯「よ〜し、今夜はオムレツにしよう!」

おいしいオムレツの作り方をマスターしてトマトケチャップでハートマークでも描けば将来、メイド喫茶に就職できるもんね!


でも私は別にメイドになりたい願望は持ち合わせてなかったので仕方なく私の人生においてたぶんあんまり必要ない気がする微分積分のウンコ野郎を脳のシワとして刻みこむにしました。

サインコサインタンジェントサインコサインタンジェントサインコサインタンジェントサインコサインタンジェントサインコサインタンジェントサインコサインタンジェントサインコサインタンジェント


ー晩ごはんー

和「あら、このオムレツ 唯が作ったの?わりとマトモにできてるじゃない」

憂「お姉ちゃんが将来マトモに生きていけるように私が調教したもんね!」

唯「調教されました」

和「あと個人的には裸エプロンより制服エプロンJKの方が興奮するんだけどどうする?」

唯「知らないよ」

私はすぐにエプロンを投げ捨てた。


憂「お姉ちゃん、試験勉強ははかどってる?」

唯「平安京と平城京がゴッチャになってHey上京!!って感じ」

和「なんか日本史のかなり初期の方でつまづいているみたいだけど大丈夫なの?」

唯「ゲームで趙雲とか張飛とか覚えたから戦国武将はバッチリだよ!」

憂「そいつらたぶんテストに出ないよ」

唯「えぇっ、すごく強いのに…」

和「スクウェアあたりが産業革命を舞台にしたファイファンを作ってくれたら少しは役に立ちそうよね」

憂「テキストが全部、漢文だったら国語の成績も上がっちゃうね!」

唯「なんで現代の中国語も分からないのに古代の中国文体を勉強しなきゃならないのか私にはワケが分からないよ」

和「漢文は見た目が美しいから、なんらかのセンスを磨けるんじゃないかしら」

唯「ふんす」

和「売れてる漫画はセリフの文体も絵になってる、って言うし」

和「あときっと漢文が必修科目が外れたら収入が減って困ってしまうお偉いさんがいるのよ」

唯「そんなやつが偉いの?」

憂「正しい人が偉いんじゃなくて、偉い人が正しいから仕方ないね!」

唯「正しいってなんなの」

和「肉便器のお腹に描かれるエンブレムよ」

唯「あぁ…」


世の中、私が知らないところでいろんな人の思惑に振り回されあいながらなにかがどうにかなっちゃっているんだろうなあとか思いながら私は思考を停止して試験勉強に励んだ結果、中間テストでそこそこ良い点とれちゃったよ!


ーテスト明けー

梓「いよいよ待ちに待ったテスト明けですね!」

唯「なんでも待ち過ぎだよ」

律「コイツそのうち近づいたらサマーソルトキックを放ってきそうだな」

澪「私はテスト期間って早く帰れるからそれはそれで好きかも」

紬「普段から勉強していればテストだからといって特別慌てることもないものね」

梓「やっぱり成績優秀な方々は言うことが違いますねえ」

梓「ちなみに澪先輩とムギ先輩のイニシャルドMシスターズは平均点何点だったですか?」

澪「私95点」

紬「私は93点だったわ」

唯「私、97点とったよ」

律「アタシなんてマグレで100点だったぜー」

澪「なにっ」

梓「わーっ!わーっ!答案用紙も本物ですよ!唯先輩も律先輩も超優秀じゃないですか!」

澪「覚醒剤か」

唯「ちがうよ〜最近、和ちゃんが家に入り浸って私の肉体を付け狙いながら勉強会しまくってるからねっ」

梓「その会、私も入会できないんですか」

澪「和は変態だけど勉強は出来るからなあ」

澪「律はどうしたんだよ、今回は勉強教えなかったのに…」

律「神様と同化して究極のパワーを得たんだ」

澪「こんなアホに私は負けたのか…」グスッ

梓「アホと言えばこのままでは最低得点をレコードしたムギ先輩が放課後ティータイム随一のアホキャラということに…」

紬「ドキッ」

澪「あぶないところだった」

紬「平均点93点が最低ってハードルが高過ぎるわ…」

唯「ムギちゃん早くうんたんうんたんって言ってみてよ〜」

紬「うん♪たん♪うん♪たん♪^ヮ^」

梓「あっ、かわいい」

紬「屈辱だわ;ヮ;」

唯「かわいいんだからいいじゃん〜」

律「あと他にも突拍子もないことを打ち上げて、澪に殴られるボケをかまさなきゃいけないんだぞ」

紬「え、え〜っと」

紬「テストも終わったことだしみんなで澪ちゃんにセクハラしましょうか」

澪「安易だな」

紬「くっ…」

梓「突っ込んでもらえないなんてムギ豚はボケ失格です」

紬「じゃあボケに専念するためにオヤツ持ってくる係は他の誰かに代わってもらおうかしら」

澪「フザけるなッッ!!!」

バキぃッ

紬「あんっ、もっと!!もっとよ!!」

律「悲鳴がおかしい」


ー1ヶ月後ー

梓「待ちに待った1ヶ月後ですね!」

唯「今日なんかあったんだっけ」

梓「律先輩の誕生日ですよね?」

律「全然ちがうわ」

梓「まぁそんなことはどーでもいいじゃないですか。それより練習しましょうよぉ」

律「アタシのハッピーバースディがどうでもいいだと?」

澪「律の誕生日って学校が夏休み中だからみんなにはスルーされがちなんだ」

唯「そうなんだ〜」

紬「でも澪ちゃんはお祝いしてあげてるんでしょ?」

澪「ああ、去年は私の抜け毛を2本あげた」

梓「それ、お祝いじゃなくて呪いですよね」

澪「仲良くなりたい人の髪の毛が2本必要っておまじないサイトに書いてあったし、律は私と仲良くなりたいだろうから私から髪の毛をプレゼントしたってワケさ」

律「それを不気味に思った私は澪毛をソッコーで便器に流したってワケさ」

澪「!?」

澪「なんてことするんだお前!?私と仲良くなりたくないってのかッッ!?」

律「うるせー!!アタシと澪はとっくに仲良しだろーがッッ」

澪「え?ウェヒヒ¥¥¥」

梓「ケッ、アホらしい」

梓「そんなことより本当にそろそろ練習しましょうよ!」

唯「そういえぱ最近、練習してないね〜」

紬「昨日は缶けりして一昨日はエアギター選手権して」

律「今日は何して遊ぶ?」

梓「今日こそは真面目に練習するんです!」

梓「澪先輩からもなんとか言って下さいよ」

澪「おい、みんな。そろそろ練習しよう」

唯「澪ちゃんが言うなら仕方ないね」

律「練習すっかぁ」

紬「うん、がんばる!」

律「ワンツースリーフォーワンツー」カンッカンッ

梓「こんなんじゃダメですぅ〜っ!!!」

紬「あぁ?」

梓「なんで私の言うことは聞かないのに澪先輩が言ったらビシッと練習するんですか!?」

唯「それはあずにゃんに人望が無いから…」

梓「!」

梓「怒ったです!」


梓「みなさんの紅茶マグカップをなめるです!」

べろべろべろべろ

唯「今あずにゃんの人望メーターがガンガン減ってってるけど大丈夫?」

梓「大丈夫です!」ペロペロ

律「さあ練習するかぁー」

澪「はぁい」

ワンツースリーフォーワンツー

ジャンジャカジャンジャカ♪


ー次の日ー

あずにゃんは部活に来なかった。


ーその次の日ー

あずにゃんは今日も部活に来なかった。


ーその次の次の次の次の次の次の次の次の日ー

あずにゃんが部活に来なくなって何日か経った。


紬「最近、梓ちゃん、部活に来ないね…」

唯「私たちがあずにゃんの号令で練習しなかったから…?」

澪「もう梓、部活に来ないかもな…」

唯「えぇっ、あずにゃんが軽音部やめちゃったら嫌だよっ」 

律「そうか?」

唯「よく考えたらそれほどではないかもね」

澪「じゃあ梓を失った悲しみを乗り越えるためにパーっと、みんなで遊びに行かない?週末あたりにさ」

律「おっ、いいな」

紬「えっ、どこに行くのどこに行くの?」

唯「分かんないけど土曜日に駅前で集まってブラブラしながら決めようよ」

律「そだな。あの辺、遊ぶところも店も多いし、なんかあるだろ」

紬「わぁーっ!わぁーっ!!」

紬「私、テンション上がってきちゃったぁ♪♪」

澪「じゃあ気分もいい感じになったところで練習するぞ」

唯「おっけー!」

律「んじゃ、ワンツースリーフォー、ワンツー!!」カンッカンッ



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最終更新:2015年06月20日 08:38