─こ、こんびに─
澪「ねぇねぇムギ〜」
紬「なあに、澪ちゃん」
澪「ここがコンビニなのか」
紬「コンビニエンスって便利って意味だから…」
澪「まあ確かに便利な店だが…」
ムギが私たちをコンビニと称して案内した店は「ナメコ商店」とかいう個人が経営してる小さくて糞ボロくてカビ臭い小屋のような店だった。
品揃えもアレでカップラーメンとかアンパンとかキャラメルとかそういうのしかない。
あと床に干からびたカマキリが
しなっと横たわっていた。
律「すいませーん、このカマキリも売り物なんですかー?」
店番ジジィさん「な、なめこ」
律「よっしゃ!」
律はサッとカマキリを拾ってポケットにしまいこんだ。
澪「おい律よ。そのカマキリをどうするんだ」
律「決まってんだろ、キーマカリーを作るんだよ」
澪「なるほどな」
澪「……」
澪「……?」
律「カーマキリー」
澪「いや、分からないから」
律「いやあるだろ、なんかそんな感じのカレーライスが」
紬「りっちゃん、私たちのために忠告しておくけれどカマキリカレーとキーマカレーは似て非なるものよ」
律「なにクソっ」
律「カマーキリ!」
店番ジジィ「!」
この女がもう何を考えているか幼馴染みの私と言えども理解不能だが、とにかく律がムキーッと怒ってドピュッとカマキリの死骸を放り投げると
店番のおじいちゃんが四つん這いでタタッと駆け抜け
犬みたいにパクっと口でカマキリをダイビングキャッチして
カップラーメンの棚に激突して
カップラーメンがザザーッと崩れ落ち
おじいちゃんはカップラーメンの下敷きになりました。
紬「あらぁ〜」
澪「お、おじいさん。なぜそんなことをしたんですか」
店番ジジィ「つ、つばさをください」
律「え?」
店番ジジィ「もしくは誰かわしのなめこにつばを吐きかけてください」
律「ぺっ」
びちゅっと律のツバがおじいちゃんの股間に吐き捨てられた。
店番ジジィ「ラッキー!」
紬「そんなことどうでもよいのでアンパンを売ってくださいねー」
店番ジジィ「代わりにわしのぬるぬる湿ったなめこはいかがですか」
私たちはおじいちゃんの主張を一切無視してパンとかを勝手に袋に詰めて代金を床に叩きつけて店をあとにした。
─海岸─
私たちは海岸沿いを歩きながらムギの別荘へと戻る。
律「なんだったんだろうなあのじいさんは」
紬「このあたりはしなびた老人しか住んでいないから、若い女の客が来た事で、なめこが元気になったんじゃないかしら」
澪「きもちわるっ」
律「そういうこというなよ。年寄りは国の宝なんだぜ。国宝なんだぜ。なんだったらゴム手袋をしてじいさんのなめこをシコシコシコリンバレーしてやれば善かったかな」
そういって律は左手を空中でシコシコさせた。
シリコンバレーに謝れ。
紬「まあ、りっちゃんたらまじナイチンゲールだわ〜」
律「なんかなめこの味噌汁食べたくなってきたチンゲール」
澪「…もうなめことかチンゲの話をやめてパン食べようよ、海でも見ながらさ」
律「そうだな」
ザザーン…
ザザーン…
波打ち際で波の音を聞きながら、アンパンやクリームパンをむしゃむしゃ
梓「私、朝は食パンスト派です」
澪「ん…?」
波の音にまぎれて気色悪い声が聞こえた気がした。
しかし、辺りを見回しても私たち3人以外の人影は見えない。
紬「ねえ…今、梓ちゃんの声がしなかった?」
律「おお、良かった。ムギも聞こえたなら幻聴じゃないな」
律「一瞬、アタシの頭がどうかしたのかと思ったぜ」
いや、お前の頭は元々どうかしているけどな。
梓「ちなみに食パンストといってもパンストを食べることではなく、パンにストロベリージャムを塗って食べる性行為のことなんですよ」
澪「パンにストロベリージャムを塗ることの何が性行為なんだ!」
私は姿が見えない梓に突っ込みをいれずにはおれなかった。
紬「あっ…澪ちゃん、そこの足元…」
澪「え…?」
ムギが指を指した方を見ると砂から目と鼻と口のみが突き出ていた。
梓が埋まっていた。
澪「どういうプレイだ?」
梓「さわ子先生に埋められました」
律「ふーん」
詳しい事情を聞きたかったが、今年中には二年目の大晦日を迎えたいし、あまり合宿編に時間をかけてられないような気がした私たちは梓をさっさと掘り起こしてサクサク別荘に戻った。
─別荘さん─
唯「あっ、みんな帰ってきたよー」
澪「やあ、ただいま唯」
澪「オニオンってなんだったんだ」
唯「知らなーい」
唯「それより私、早起きして朝ごはん作っておいたよ!」
紬「まあ!」
律「そりゃすげえむしゃ!」ムシャムシャ
澪「ムシャムシャ」
紬「もぐむぎゅ」
私たちはさっき買ったアンパンをまだ喰っていた。
唯「えへへ、私が朝ごはんを用意したって言ったのになんでアンパン食べているのかな」
律「いや、食いかけを捨てるのももったいないじゃん?」
梓「律先輩は脳みそがもったいなか律」
律「言葉の意味は分からねーが黙っててくれ」
紬「ごめんね唯ちゃん、私たち朝ごはんが用意してあるなんて知らなかったからげぷ」ゲプァ
唯「うっ…ん」
ムギが吐き出したゲップが唯に顔射された。
唯「おえぇ」
梓「唯先輩唯先輩!!私、昨日から砂しか食べていないのでお腹ぺっこぽこですよ!」
唯「あっ、じゃああずにゃん、一緒に食べようね!」
梓「愛らしい唯先輩の指で食材をぬちゅぬちゅこね姦して産み出された唯先輩手料理を胃袋に詰め込むことで私は唯先輩汁と融合しゴテンクスならぬ唯梓ゆずさ略してゆずにゃんにクラスチェンジして」
澪「いいから早く食べて練習するぞ」
─1時間後─
梓「アァン♪私のお腹の中…唯先輩のでいっぱいだよぉ」
唯「この子やばいなぁ」
律「しかし唯、意外とちゃんとした料理作れるんだなー」
唯「悪魔のような妹に毎日、強制的に作らされているからね」
紬「サラダにルッコラとか入ってたし、なかなかシャレていたわ」
唯「悪魔のような妹に仕込まれたからね」
澪「トマトも超キレイに皮むいてあったな」
唯「悪魔のような妹に手とり足とり丁寧に教えられたからね」
律「いい妹じゃねーか」
唯「そんなことないもん」
さわ子「セックス」
澪「あ、ナントカ先生おはようございます」
紬「そういえば昨夜、梓ちゃんを砂浜に埋めたらしいですけど今までどこにいらっしゃったんですか?」
さわ子「人気のない夜道で寝ていたら通りかかったイケメンに種を仕込まれないか期待していたけど無事に朝を迎えてしまったわ」
律「アイツは無視しようぜ」
紬「どんとこいです」
澪「じゃあ全員揃ったし今日こそ練習するか」
唯「ほーい」
ジャンジャンジャカジャカジャジャッジャジャッジャァ〜ンンン…♪
─昼くらい─
唯「あァあ!?神様オネェguy!!二人〜だ〜け〜の♪」
律「オネェとguyってそこには男しかいないじゃねーか」
唯「あいす食べたい」
紬「そろそろ休憩しましょうねー」
唯「わぁい」
梓「私、レモンティーをお願いします」
紬「ふふ、お前が淹れてきてね」
梓「えええ!?」
澪「いや、働けよ後輩」
律「しかしアレだな〜練習はいいが、せっかく合宿に来たってのにやる事はいつもと変わんないのな」
唯「そうだね〜。漫画とかだと合宿で特訓して一皮剥けて夏の大会で大活躍なのにね〜」
梓「じゃあ陰核を一皮剥いてみませんか?」
澪「黙ってろよ」
梓「あっ、クラスのみんなにはナイショって事ですね」
澪「そうじゃなくて今すぐ黙れ!!」
紬「でも唯ちゃんの甘栗のような陰核の皮はムキッと剥いてみたいわね」
唯「ムギちゃん大ッ嫌い」
紬「嘘よ!?アイツが全部悪いのよッ!!!」
ムギは泣きながら梓に全ての罪をなすりつけた。
律「さわちゃん、さわちゃんの軽音部時代ってなんか特訓しなかったの」
梓「そういえば、さわ子先生のバンドって凄かったって聞きました」
さわ子「ウェヒヒw」
唯「やっぱりヒミツの練習方法があったとか?」
さわ子「いや、ないけど」
澪「薬とかやってたんですよね」
さわ子「部活中にバイアグラを飲んでみたことはあるわ」
梓「女の人がバイアグラ飲んだらどうなるんですか」
さわ子「教えない」
紬「あ、分かりました。ライブ後に必ず乱交パーティやってたからバンドの評判が良かったんだわ」
さわ子「こう見えて毎日、真面目に練習してたのよ」
律「嘘つけクズ野郎が!!」
さわ子「私が何をしたって言うのよ!?」
律の首根っこをひっつかんださわ子先生はアナルに律の鼻先を埋め込みオナラをたくさんした。
律「お…なんか香水みたいな女の子の香りがすりゅ…」
すると律はむしろ自らさわ子先生の肛内のニオイをスゥゥッと吸い込み始めた。
律「はぁっ」クンクンッ
さわ子「ちょ、やめなさいよ!私は臭いを嗅がせるのは大好きだけど、嗅がれるのは恥ずかしいのぉッ///」
律「はぁはぁ」クンクンッ
律「ぉはぁあああぁあっ」
ぶびゅっ
律はドチュどちゅッとゲロを吐き出してさわ子先生の股ぐらがゲロまみれになって
さわ子「嫌ァアア
唯「海に泳ぎに行こうよ!」
こうして2泊3日の合宿は無意味に幕を閉じたのだった。
─夏休み後半─
みなさん、こんにちわ。
以前、お母さんに「私の名前はどうして憂鬱の憂なの?」って聞いたら
母「フフw唯のYuiからYを抜いたらuiになるからウケるでしょwwwヒハァw」って衝撃の答えを返され憂鬱な
平沢憂です。
まあ、でも最近はYuiからiを抜いて平沢湯になるよりはマシだったかな、と前向きに考えられるようになりました。
でもエボラ出血熱のニュースを聞いてテンションが上がるあたり、私の気持ちの整理は完全には着いていないようでたまに
世界なんか滅びれ!
って潜在的には思っているようで反省が必要みたいです。
憂「ワォアアアッ」
梓「ど、どうしたの!?」
憂「ん…」
腹に溜まった邪気を吐き出していると待ち合わせ場所にこんがり日焼けした焦げ茶色の梓ちゃんが出現しました。
憂「梓ちゃん、久しぶり!今日はナコルルの2Pカラーのように茶色なんだね」
梓「アンヌムツベ」
梓ちゃんがアイヌ語で何かを言いながら突如その辺にいたスズメたちに石を投げつけると近くにいたスズメや鳩やカラスたちが梓ちゃんに襲いかかりました。
スズメ「チュンッ!!チュンチュン!」
梓「わぁあん、やめてやめて!」
憂「その瞬間、梓ちゃんは捕食する側から捕食される側へとフェイズチェンジしたのです」
梓「冷静に解説してないで助けて!」
憂「えいっ」
私は飛ぶ鳥を落とす勢いで飛ぶ鳥を落とすと鳥たちは悔しそうに逃げていきました。
ごめんね、鳥さんたち。
梓「あー、全身をついばまれて危うく気持ちよかったとしたら?」
憂「知らないよ」
梓「じゃあ鳥たちにどちらが捕食する側か思い知らせるためにケンタッキーフライドチキン屋さんに行こっか」
そんな動機でケンタッキーに行く日が来るなんて…
でも平沢憂鬱な私より憂鬱な脳みそを持つ梓ちゃんを見ていると勇気が湧いてきて嫌いではありませんよ。
最終更新:2015年06月20日 08:40