─学園祭の3日前─


紬「刺激が足りないわ」


みなさんおはようございます。プリン大好きぷりんぷりん平沢唯です。

学園祭ライブに向けて私たちが練習しまくりの毎日を過ごしていたある日の放課後

部室に行くと今日もムギちゃんが変なことを言い出しました。あはははは〜。


澪「ムギ、刺激って…学園祭ライブでやる曲の話かい?」

紬「ううぅん、そういうことじゃなくて…」


紬「最近、私たち停滞してるなって」


梓「そうでしょうか。お前らにしては最近まともに練習してますし、1曲1曲の完成度も高まっ」


紬「そういうことじゃないって言っとるでしょ!!!」


ムギちゃんは助走をつけてバッと飛び上がってホワイトボードにしがみついてムギちゃんの体重がのしかかってホワイトボードがガシャーンって倒れてムギちゃん下敷きになっちゃった。うふふふふ〜。


梓「バカだなぁ」

紬「たすけて!たすけて!」

唯「かわいそうなムギちゃんちゃん♪」

律「なにがしたいんだお前は」

澪「これがお前の求めていた刺激だというのか?」

梓「動けないムギ先輩のパンティを剥ぎ取って写真撮ってやるです!」

紬「動けるわよ」


紬「しゃらんるぁああ」


ムギちゃんは笑顔(^ヮ^)でガッとホワイトボードをハネのけ、あずにゃんに向かってホワイトボードをブゥンッて投げつけた。

ガシャーン!

梓「わ、わぁああ!?」

澪「おいっ、無茶するな」


紬「ロンリーウルフ、砂漠のヤ無茶」


唯「ふぇぇ…意味わかんないよぅ」

律「それより今日のケーキ早く喰おうぜ!」

紬「今日のケーキはかっぱ巻きよ」

唯「そんなのケーキじゃないやい!」

唯「ムギちゃんっ」

紬「あっ…」


私はムギちゃんの首筋にムチュウゥゥって吸い付いてムギちゃんの白い柔肌にキスマークをつけてやりました。なんとなく。


唯「んむっ」

紬「んっ…」

梓「はぁはぁ」

紬「さすがは唯ちゃん。今のはかなり優良な刺激だったわ」

唯「そうかなぁ」


紬「そこで唯ちゃんには高級フランスケーキを贈呈しま〜す♪」カチャ


唯「ほんとう!?やった!」

澪「なにっ」

律「ちくしょう、今日はそういうシステムなのか」

今日はムギちゃんを楽しませた人だけが美味しくて甘い甘いケーキを食べられる日みたいですよ。

なんだそりゃ!


─5秒後─

梓「いただきまんもす!」

ケーキほしさにあずにゃんもムギちゃんの首筋にキスしようと二段ジャンプで飛びかかったけど、ムギちゃんはいったんしゃがんでからのサマーソルトキックであずにゃんを柔らかいソファに叩き落としました。

梓「はぎゅ!?」


唯「あずにゃん!」モグモグ


私はあずにゃんの心配をするふりをしつつ、ムギちゃんからいただいたケーキを頬張り、高みの見物です。


あ〜美味ちい(^q^)。


紬「言っておくけれど聖闘士に同じ技は2度通用しないわ」

澪「キス作戦はもうダメか…」

律「ムギ!なんでこんな意地悪をするんだ!アタシらに喰わせるケーキは無いというのか!?」

紬「それはアレよ」


紬「今日は学園祭前に、メンバーの結束をより一層固めるためのイベント回の話なのです」


澪「貴様は何を言っているんだ」

梓「アレじゃないですかね、試合前にケンカしたりケガしたり何らかのトラブルが起こるけど、そういう試練を乗り越えることで逆に優勝に繋がる、今日はそういう日」

唯「そういう日なんだ」モシャモシャ

紬「それそれ!私、そういう試練を学園祭前にみんなに課してレベルアップさせるのが夢だったの〜♪」

律「何様だこの野郎」

澪「お嬢様だろ」

律「まさに」

ムギちゃんの気まぐれには困ったものですがタダで高級スイーツをいただけるので私たちごときが文句を言ってはいけません。

むっしゃむしゃ。

澪「では私たちも試練とやらを乗り越え、餓鬼みたいに美味しいケーキをむさぼるゾッと」


律「しかし、キスマーク作戦がダメならどうやってムギに心地よい刺激を与えればいいんだろーな」


梓「私に考えがあります!」


澪「よし、言ってみろカス野郎」


梓「今まで練習してきた曲の成果を見せてムギ先輩を感動させるです!」


澪「正攻法というワケか」

律「よっしゃ、いっちょブチカマすか!」ジャーンジャーン

澪「ダメだったら梓を拷問するからな」ベベブ

紬「ごうもん!」

梓「じゃあダメな方が私は楽しめますね☆」ニコッ


あずにゃんが気持ち悪いことを言ってました。


  〜つばさをください〜

   律澪梓3人version

梓「いま゙ァアアアアヴァだぢの゙オォオオオオ」ボェ〜

紬「うるさい」

唯「あずにゃん歌下手くそにゃん」

梓「ぅねがァアアアアあああああぃごどぁガァアアアアアア」

律「おい中止だくそにゃん」

梓「え…」

澪「え…じゃないよ、大体なんでお前が勝手に歌っているんだよ」

梓「メインボーカルの唯先輩がいないのをいい事に私の美声を世に知らしめようという試みでした」


梓「あと拷問もされたかったんです」


紬「ムラムラしてきたわ」


律「なあ、やっぱりここは慣れている澪に任せた方がいいんじゃないかな」

澪「う〜ん」

梓「まぁ…でもアレですね。私、久々に人前で歌ってみて思ったんですが」

律「ん〜?」


梓「ぶっちゃけ私の方が澪先輩より歌上手くないですか」


律「ハ?」

唯「え!?」

紬「梓ちゃん、それはいくらなんでも…」

澪「失礼なことを言うなッッッ」

澪「よがっ!よがっ!よがっ!よがっ!」ゴチーン!ゴチーン!

梓「あぎゃあ痛いッ痛いッ痛いッッ」

澪ちゃんは菩薩のような柔和な表情であずにゃんの脳天にヨガスマッシュを炸裂させました。


ヨガスマッシュというのはゲンコツで相手の頭を殴りまくる荒業でヨガとはなんの関係もありません。


言ったもん勝ちなんです!


よがうんたん!


梓「ちくしょうです!澪先輩こうなったら勝負です!」

紬「ラウンド、ワぁンっ、ファイっ!」

澪「ソニックブームッッ」ヴォンッッ


がシャアぁっ!!

梓「オぽァっ!?」

ソニックブームとは腕を高速で動かすことで衝撃波を相手にぶつけるという、親友をサイコソルジャーアテナだかベガだかに殺されたアメリカ軍人の荒業だけど、澪ちゃんは衝撃波なんか出せないからパイプ椅子をあずにゃんに投げつけたみたい。

梓「当たったらどうするんですか!?当たったらどうするんですか!?」

澪「ご、ごめん。でも勝負しようって言い出したのは梓だもん…」

紬「そうよ、悪いのは全部 梓ちゃんよ」

律「そうだ、ポストが赤いのも赤飯が言うほど赤くないのもすべて梓のせいだぞー」

梓「くそっ」

あずにゃんには人望が無いので味方はいませんでした。

もちろん、私も味方ではありません。

今月に入ってあずにゃんによって私の黒タイツを5枚もお茶漬けにされてしまいましたし。


梓「というか勝負ってストリートファイトじゃなくて」


梓「学園祭ライブで歌合戦するです!」

澪「なにっ」

唯「わぁ〜楽しそう」

梓「やった!唯先輩だけは私の理解者ですね!大好きです!」

唯「私も犬好きだよ」

紬「いぬ」

梓「相思相愛ですね!」キャッ

唯「ちがうよ」

トイプードルってかわいいよね〜。


私のタイツをお茶漬けにしないから。


澪「おい進撃の梓よ、私は歌合戦なんてやらないぞ」

澪「人前で勝負なんてなんかすごい緊張しちゃうから」

梓「あっ、逃げるんですか?」

澪「うん、なにせ私は臆病者だしな」


臆病者は躊躇なく人にパイプ椅子を投げつけない気もするなぁと私は思いました。

でもそういう指摘をすると翌日、澪ちゃんから差出人不明の不幸の手紙がよく届くので、もうそういうことは言わないことにいたしましたのでした。


梓「じゃあ私の不戦勝ということで」

澪「好きにするがいいよ」


梓「ライブでは私が唯先輩ぱいとデュエットしますね///」キャッ


澪「はい」

唯「えっ」


唯「ええっ」


紬「まぁ、それはそれで面白いじゃない」


律「うむ、1曲くらい笑いどころとして音痴チビに歌わせてもいいか」

澪「そうだな。その分、私が歌う出番が短くなるんだから何も問題ない」

みんな他人事だと思って好きなことを言ってます。

う〜ん、さっきのあずにゃんの歌はジャイアンリサイタル級の吐き気がする音痴っぷりだったけど、こんなアレなアレとデュエットなんて私、出来るのかな〜?

唯「わたし吐き気がしてきた!」

律「ふふ、やったな!」

紬「ちなみになにを歌う気持ちでいるの?」


梓「気球に乗ってどこまでも」


律「へー」


梓「改め…」

紬「あらため?」



梓「恥丘でイってドピュまでも」


唯「あずにゃん嫌い」

梓「そんな蔑んだ目で見ないで!見てください!」

紬「どっちよ」

梓「絶対見てくれよな!」

澪「なんでドラゴンボールの予告の悟空みたいになったんだ」

律「だいたい梓、お前、完全にドピュって言いたかっただけじゃねーか本当にその歌を歌いたいのか?」

梓「唯先輩のエンジェルボイスでドピュって言って欲しかったんです」

唯「どぴゅ」

梓「ッッ〜〜!!!」ビクッビクッ

澪「大体ドピュまでもってもう日本語じゃないよねお前」

紬「でも面白いから唯ちゃん頑張って歌ってね」

唯「あっ、私、もう本当に気分が悪くなってきちゃったよ」

梓「じゃあ私と保健室行きましょう」

唯「うん!」

紬「唯ちゃんの恥丘があぶない!」

唯「うん…」

律「唯?」


唯「ううん」


私は白目を剥いてガチで床に倒れこんだんれんこん

ばたんっ

律「わっ!?」

澪「お、おい唯、その倒れかたは危ないぞ。倒れる時はお尻の方から…」

唯「オェェッ」

どろろろ

梓「!!」

あれれ、吐いちゃった…

せっかくムギちゃんからもらったお高いケーキが…

なななんか寒気まで…して…き…

律「唯!!お前どうしたんだよ。大丈夫か?」

紬「ゆ、唯ちゃん?もしかして本当に具合悪いの?」オロオロ

んむぅ…


私は意識がもうろうとして……ふにゃ


─保健室─

なんか朝からダルいなー生きるってしんどいなーと思ってたら、どうも風邪をひいてたみたいでした。

私はムギちゃんに米俵みたいに肩にかつがれ保健室へと輸送されまして、

いつもは気が狂ったような軽音部のみんなもガラにもなく心配そうな顔で大人しくしてます。

澪「どうだ唯、少しは落ち着いたか?」

唯「ごめんね、迷惑かけて…ムギちゃん私、重かったでしょー…?」

紬「気にしないで。唯ちゃんの柔らかな肉の感触と甘い香りを楽しめたからへへへっふひゅw」

唯「ふふ…ムギちゃんが変質者で良かったぁ」


ムギちゃんが場を明るくするためにワザと変なことを言いました。

こういう気遣いが出来るところがムギちゃんのいいところです。


梓「でも私だって変質者なんですからね!!」

澪「一体なにを張り合っているんだ…」


あずにゃんは気遣いは出来ないけど気違いでした。



律「で、どーすんだ唯。なんか結構、熱あるし歩いて帰るのはキツかろう」

唯「じゃあ走って帰るよ…」

バッ

澪「!?」


私は布団をはねのけ、保健室ベッドから飛び下り、全速力で走り出した。


唯「おぇぇ」


でも2秒後に目の前がチカチカしてもうダメです。


律「おいムチャクチャするな!死ぬぜ!?」

唯「わ私にもなにがなんだか」

紬「どうやら熱で錯乱しているようね」

律「…まぁ、いつもどおりな気もするが」


澪「あ、そうだ。ナンだったらさわ子先生の車で家まで送ってもらったらいいんじゃないか」


唯「わあ、楽チンだにゃ」

梓「あっ、そうですね!たまにはあの女にも顧問らしいことをしてもらうです!」

紬「ふふ、さわ子先生を生かしておいた甲斐があったわね」

律「んじゃあ、ちょっくら さわちゃんに話つけてくるか〜。っと、誰か残って唯の面倒を見ててくれ」


その瞬間、私は思いました。


ムギちゃんかあずにゃんが残ったら、弱っている私は保健室という名の学生向け無料ラブホテルで凌辱の限りを尽くされてしまうかも知れないなって。 


11話 「ごうかん!」


唯「はい!はい!」

澪「どうした唯」

唯「出来ればりっちゃんか澪ちゃんに残ってほしいです」

紬「あぁ!?」θヴィィィィィィィィィィィィ

梓「二人きりになったからって私が唯先輩を凌辱するとでも思ってるんですか!?おおあたり!」

律「コイツら犯る気満々ウルトラZ だぜ」

澪「じゃあ私が残るからお前ら、残念めがね先生のところに行ってこい」

唯「それがいいね」

紬「ずるい!?」

律「なにがずるいんだ」

梓「澪先輩、うまい事いって唯先輩に体温を計るなら直腸がいいとかいって唯先輩の直腸に体温計をぬぷぬぷゅ挿入して持ち帰って今夜はそれでダシをとって唯クソ鍋をつくる気なんだ!」

紬「楽しそうね!」

唯「こ、ころすぞ!」

澪「お前ら、常日頃からそんな事ばかり考えているのか」

澪「お前ら、常日頃からそんな事しか考えていないのか」

梓「そりゃ私は呼吸するたび、唯先輩や澪先輩の股間あたりを漂った空気が私の肺に入れ!って思ってるじゃないですか」

澪「じゃないですかッて言われてもな」

律「梓、お前もう息するな」

梓「たまには律先輩の股間のにおいを吸引するです…」スーハースーハー…

律「」プスゥ…

梓「屁あっ!?」

唯「えへへ〜、ところで私、そろそろ失神しそうなんだ〜♪」

澪「い、いかん。唯が天使のような笑顔で白目を剥きかけている」

紬「こうなったらジャンケンで勝った人が唯ちゃんを襲えるということで」

唯「もうなんでもいいよ」

梓「では許可も降りたことだし、ジャーンケーん…」

─???─

コトコト…

コトコト…

唯「……」

唯「………」


唯「…………ま?」

さわ子「あ?」


さわ子「目が覚めたの、唯ちゃん?」

唯「ぁむ…」


なんだかゆらゆら揺れていい気分だなぁ〜と思ったら、さわちゃん車の後部座席で寝てましたみたいです。

保健室で寝てたハズなんだけど、よく覚えてないや。

あと、なんか、私の膝の上には縄で縛られたあずにゃんが失神していました。


唯「なにこれ」

さわ子「肉ぶとんよ。あったかいでしょ〜」

あっ、確かに…


風邪をひいてかなりの寒気を感じていたので、あずにゃんのヌクヌクした体温はとても心地よいです。

唯「でもなんで気絶してるの?」

さわ子「梓ちゃん、あなたを心配して肉ぶとん役を自らかって出たのよ」

さわ子「でも自分に意識があったら、必ずや唯ちゃんの肉体をいただきますにゃんするから机の角に頭を打ち付けて気絶したんだって」

唯「あずにゃん…」


いつも異常な愛情を私にぶつけてくるあずにゃん…


私からこのコへの愛情はひとっカケラもないけれど、今日ばかりはお礼を言ってあげなきゃなぁ、と思ったよ。


唯「ありがとーね、あずにゃん」

なでなで


と、あずにゃんの頭をネコみたいに優しくやわらかくナデナデしてあげたら


梓「ん…」


梓「んん…っ」


梓「イクでしゅ…!!」ムニャ

びくっ

びくっ

あずにゃんは私のフトモモの上で白目を剥き出しにして舌を突きだしヨダレをたらしながらビクンビクン震えました。


唯「ふぇぇ…気持ち悪いょぉ…」グスッ


さわ子「そうだわ!梓ちゃんを路上に捨てましょう」

唯「やったぁ〜!」


私たちは車から降りて、あずにゃんを道に転がしときました。



27
最終更新:2015年06月20日 08:42