─200分後─

偽唯(憂)「すいませんでした、カレーのちライス自体は名曲だし大好きですけど、あの真面目な澪さんかどのツラ下げてこんな歯が浮くような気色悪い歌詞を書いたんだろうと思うとチャンチャラおかしくてつい…w」

澪「いいんだ、君が楽しめたのなら」グスッ

偽唯「澪さん…」

和「なんだ、憂だったのね。もう少しでパンティ食べるところだったわ」

律「あぶないところだったなぁ」

さわ子「ねぇ憂ちゃん。唯ちゃんの様子はどう?」

偽唯「昨日、家に帰ったら『熱を冷ますんだよ~』とか言いながら氷が浮いた水風呂で白目を剥いて浮いてるお姉ちゃんを発見してしまいました」

梓「唯先輩が死んじゃう!?」

偽唯「で、でも体温が平熱に戻ってて逆に薄気味悪かったです」

和「あのコ、そういうところがあるわよね」

澪「どういうところ?」

和「道に落ちてたザリガニを拾い食いしてお腹壊して『体中のバイキンに殺しあいをさせるんだよ~』とか言って家中の虫を食べて元気になってたわ」

紬「い、家ぢゅうに虫がいるの…!?」

和「…あ、私の家じゃなくて唯の家よ」

偽唯「嘘だ!!虫だらけの気持ち悪い家は和ちゃんの家じゃない!」

和「ああ…唯みたいな顔で罵られると温泉に浸かっている気分になれるわよね」ホワァ~

梓「わかります」

澪「見えない聞こえない」

紬「なら澪ちゃんの体をさわりまくっても見えない聞こえない」モミモミ…

澪「ムギ、嫌いになるぞっ!!!」

紬「はぁ…澪ちゃんに涙目で罵られると温泉に浸かっている気分になれるわよね」モミモミモミ…

梓「わかります」クチュクチュ

澪「ああっ…んッん…くゥッッ…!?」ビクンッ


律「幼なじみのイキ顔って異常に興奮すりゅ!」


さわ子「ここにマトモな人間はいないのかしら」


─その日の晩の平沢さん家─

憂「ふぅ…」

憂「軽音部のみなさんと付き合っていると私はすごくみんなイイ人たちだとは思うけど、頭おかしくなっちゃいそうだなぁ~」


憂「やっぱり早くお姉ちゃんが元気になって、相手をしてもらわなきゃ!」

目には目を、歯には歯を。変態には変態を、だね!


あっ、ヤだ!私ったらすごく嫌なコだ…


……


ま、いっか。


クヨクヨするなんて私らしくないもんね!

憂「えへへ、げらげらげら」


私はお姉ちゃんが元気になってる事を祈りつつ、お姉ちゃんの部屋へ様子を見に行きました。


ソ~ッ…

差し足、抜き足、忍び足。


足音も衣服が肌にこすれる音も殺して、無音でお姉ちゃんの部屋のドアノブに手をかけます。


ドアをいきなりガパッと開けてお姉ちゃんがオナニーしてたら今夜はお赤飯だね!


憂「オラァアアアっ!」

ガパッ


唯「!?」












みなさん、ごめんなさい。
















本当にしてました。


─5分後─

唯「私だってやる時はやるんだよ」

憂「そ、そうだよね」

憂「ところで熱下がった?」

唯「ああああああああ妹に一人エッチしてるのみられちゃったよぁああああああ」

憂「大丈夫だよ!私、気にしないから…」

唯「私が気にするよ!」

憂「ははははは!あはははは!」

唯「うぅ…」

憂「もう、うっとおしいなあ。アイスあげるから機嫌直してよぅお姉ちゃん」

唯「えっ、アイス!?たべるたべる!」

憂「はい、お姉ちゃんの好きな抹茶アイスだよ」

唯「やったぁ~♪♪」ペロペロ

憂「ふふっ、無邪気にアイスをなめるお姉ちゃんかわいい!」


憂「でも本当になめたいのはアイスじゃなくてぺニスなんだよね?ね?ね?」

唯「ねぇ、憂も今すぐここで一人でやってみせてよ」


お姉ちゃんがお台所から包丁を持ってきました。


憂「厄介なことになったなぁ」

唯「ぜ、ぜんぶおまえのせいだ!」グスッ

憂「お姉ちゃん、ピザって10回言って」

唯「えっ…えぇ~と、ぴざぴざぴざぴざぴざぴざぴざぴざぴざぴざぴざ…」

憂「じゃあココはっ!?」

どすんっ

唯「み、みぞお…ち…」ガクッ


色々あってお姉ちゃんは失神しました。


風邪をひいてる上にやわらかいお腹を強打されて死んでしまわないかとっても心配です。


憂「かわいそうなお姉ちゃん…」グスッ


憂「…あっ!」


私は学校の帰りにたこ焼きを買ってあったのを思い出して食べました。

憂「♪♪♪」もぐもぐ

ピンポーン…

ピンポーン…


憂「んむ?」

私が3パック目のたこ焼きに手をつけようとすると玄関のチャイムが鳴り響きました。

憂「え…もう夜9時まわってるのに…一体誰なんだろう…」ビクビク


私がそんなもん無視して、たこ焼きを喰い続けているといきなりリビングに不気味な老婆が侵入してきて服を脱ぎ始め

憂「とみおばあちゃん、なにしてるの?」

とみ「やあ、憂ちゃん。聞いとくれよ、お風呂に入ろうとしたら入浴剤切らしちゃっててね…」

とみ「それでこうなったら平沢姉妹のつかった残り湯をいただいて平沢姉妹エキスを私の肌にとりこみパワーアップしようって魂胆なのさ」

憂「帰れよ」

とみ「おや?唯ちゃん…?そこに倒れてるのは唯ちゃんじゃないかい」

憂「え、そりゃお姉ちゃんの家だもん。お姉ちゃんくらい倒れてるよ。きっと眠たかったんだね!」

とみ「あれあれ~?唯ちゃん、包丁をもってるよ~?自分の家だからって、包丁をもって寝るなんて変じゃないかな~」

憂「変じゃないよ。お姉ちゃん、変態だから!」

とみ「あーっ!唯ちゃんのお腹に殴ったあとが…」

憂「おばあちゃん、ぺニスって10回言って」

とみ「ウゥッ!?はぁはぁ…ぺにすぺにすぺにすハァハァぺにすぺにすぺにすぺろぺろぺろぺろぺろぺろ」

憂「じゃあココはッ!?」

どすんっ

とみ「させるかいっ」

とみ「フッ」

とみおばあちゃんは麻酔を含んだ吹き矢を私めがけて放ってきましたが


本気を出した私はスタープラチナ並みに強いと評判で


色々あって、隣の家のとみおばあちゃんは失神しました。


憂「おばあちゃんごめんなさいっ!大丈夫?しっかりして!」

おばあちゃんが起きないことを確認しながら、おばあちゃんが脱ぎ散らした服を漁っていると、しなびたホウレン草が出てきました。

憂「ポパイじゃあるまいし、なんでホウレン草なんか持ち歩いているんだろう…」

憂「それともホウレン草じゃない別の何かなのかな…」


憂「そうだ!お姉ちゃんに食べさせてみよう!面白そうだし!」

ホウレン草をすりつぶして、あとついでにポカリスエットとかコンドロイチンとかなんか滋養強壮に良さそうなヤツをグチャグチョにして

憂「お姉ちゃん、お薬だよ~」

唯「ぼァっ」ごぐゅ、ごぐゅっ、ごきゅん…


─学園祭当日─

んほぉおおおおおっ!!!!

みなちんこんにさわ、平沢唯ちゃんです。


ここ2~3日のお休みと憂の調合したラストエリクサーのおかげで私は死のフチから甦ったサイヤ人のように元気になりパワーアップしまして学園祭ライブに間に合いそうだよ~♪


唯「なんか知らんけど、すごい元気になった!!!」

憂「よ、よかったね」

唯「あっ」

憂「どうしたの?」

唯「ん~…そういえば昨日の夕方あたりから記憶がまったく無いんだけど私、ずっと寝てたのかなぁ…」

憂「絶対に寝てたよ」

唯「そっかぁ」

憂「そうだよぉ」

唯「えへへ、まぁいっか!うい~、今日はライブ見に来てね~」

憂「お姉ちゃん、朝はペヤング焼きそばでいい?」

唯「病み上がりの朝からガッツリいくねぇ」

かぱっ


唯「わっ!?中に虫が入ってるよ!?」


憂「得したね!」


唯「じゃあ憂のと交換してあげる」

憂「好き嫌いしちゃダメ!」

唯「そんな問題なのかなあ」


私はペヤング焼きそばを隣の家で飼っているおばあちゃんの家のポストに放り込んで学校に向かいました。


とみおばあちゃんは老人なので、虫のつくだ煮とか大好きに違いないから、きっと これでよかったんだよね。


─部室─

ガチャっ

唯「おぃすー!」


唯「…って ありゃ?私が一番乗りだったよ」


今日はホームルームもなく、生徒たちはおのおのの持ち場から学園祭の準備を始めるんだったらいいな。

あれ、ホームルームあるんだっけ?

唯「まあ、いいや」

ヒマなので紅茶でも淹れようかなぁ。

私はお湯を沸かして、ムギちゃんの紅茶ではなく、私の家から持ってきたアップルティーのティーパックを使ったよ。

こぽこぽ…

唯「ほわぁ、いい香りだなぁ」

誰もいない朝の部室で自分の淹れた紅茶をまったり飲むのはなんだか格別です。大人味なのです。


唯「じゃあイチかバチか全裸になってみようっと」

ガチャ

紬「Seid ihr das Essen ?Nein, wir sind der Ja"ger !
(ズィー イア ダス エッセン 、ナイン ヴィアー ズィント デァ イェーガー)」


律「ンハッ!ンハッ!ンハッ!ンハッ!」

唯「あぇ?」

私が意味もなく裸になろうかなっ、唯がんばるよって神様を挑発していたららら
りっちゃんとムギちゃんが部室に進撃してきました。

なんだか知らないけど30センチ定規を二刀流で振り回してあたっくたいたんとかうんたんとかワケの分からない事をわめき散らしながら、なんか歌い始めてます。

紬「 ン踏まれた花の♪名前も知ッッらずに♪地ッッに堕ちた鳥はッッ♪風をッッ待ッちわびるぅ♪」


紬「祈ォったッッところでッッ 何もッッ変っわッッらっないッッ
『不本意な現状』(いま)を変えるのはッッ 戦う覚悟だッッ!!!


屍(しィィかばね)踏み越えて
進むッッ意志をッッ 嗤(わら)うッッ豚汁よッッ!!

家畜のあんねィッッ
虚偽の繁ェィッッ!!!

 死ィィせるッッ餓狼(がろう)の自由ヲオオォォォォッッ!!」

律「囚われたッッ屈(くつじょく)はッッ 反撃ッッの嚆(こうし)だッッ!!!
城壁ッッの其(そ)の彼方ッッ 獲物をッッ屠(ほふ)るッッ…」


律紬「「ィェェエッッガァァァッッ!!!」」


律紬「「 迸(ほとばし)るッッ 殺意(しょうどう)にッッ その身をッッ灼(や)ッッきィながッッらッッ
黄昏(たそがれ)にィィ緋ィを穿(うが)ッッつッッ 紅蓮のッッ弓矢ァアアアアアッッ!!!」」

二人は30センチ定規を振り回しながら部室中をぴょんぴょん飛び回って

唯「それプリキュアの歌だっけ」

律「そんな歌で始まるプリキュアがあったら超見てぇ」


紬「あっ!?」


唯「どうしたのムギちゃん」


紬「今の歌の『進む意思をわらうブタよ』の『ブタ』のところを私、『豚汁』って歌ってしまった気がする…」


律「腹でも減ってるのか?」

紬「腹ならいつも減ってるわ」ギュルルルゥ


紬「かつ丼は飲み物よ」


律「なんでいきなり、そんな宣言しちゃったんだよ」

唯「飲み物でいいなら紅茶が淹れてあるよ!」

律「お~、さすが気が効くね」ズズッ

紬「ところで梓ちゃんは一緒じゃないの?」ゴキュゴキュ

唯「なにが?あずにゃんなら今日はまだ見てないけど」

律「確か同じクラスじゃなかった?」

唯「同じクラスなのはりっちゃんだよ」

律「ア、アタシと梓が同じクラス?」

唯「じゃなくて私とりっちゃんが同じクラスなんだよぅ」

紬「ん?」

律「んん?」

ガチャ

梓「ラ~♪ラァ♪ラ♪ラァアアアアア♪」

偽唯「スィッ♪スィッ♪プリキュゥアァッッ♪」

梓偽唯「「スィ~トプリキュゥアァッッ♪♪♪」」

律「あっ」

偽唯「ああっ」

唯「私が2人!?」


偽唯「これで学校がかったるい日はどっちかはサボれるね!」

唯「さすが私!良いこと言うなぁ~」

律「息ぴったりだぜ」

唯「じゃあ学園祭が終わったら1週間くらい私の代わりに授業に出てね」

偽唯「やだよ!そっちが出ればいいじゃん!」

唯「こ、こいつめ~」

律「そうでもなかったぜ」

紬「争いは同じレベルのもの同士の間でしか起こらないものなのよ」

ガチャ

澪「おはよう貴様ら」

唯「あっ、澪ちゃん!久し振りだねぇ~」

偽唯「おはようございます!」

澪「ワアッ!?唯が2人!?怖いぃぃッッ!?」

律「別に怖くはなかろうよ」


梓「唯先輩が2人に増えたところでみんなが幸せになれるだけですよ」


紬「このウスラチビ、たまにはいい事を言うわね」

澪「ま、まあ、そうだな。唯は私が怖いと感じない数少ない貴重な友達だし、むしろ100人くらいいてもいいな」


澪「むしろ、たくさんの優しくてかわいい唯が住む唯の惑星に行ってみたいな!」


紬「このウスラ美少女、たまに奇妙な冒険をしたがるわね」


律「なあ、澪。唯が怖くないなら、アタシにも恐怖は感じないよな?」

澪「いや、お前はデカイ声出すから怖い」

律「なにィッ!?」

澪「ひゃんっ!?こわいよぉお」

唯「よしよし」

澪「えへへ…」

紬「澪ちゃん、私は?怖くないよね」

澪「たまに暴れだすから普通に怖い」

紬「あアァ!?」

澪「ひゃんっ!?こわいよぉお」

唯「よしよし」

澪「えへへ…もっとなでて」

梓「澪先輩、あずにゃんですよー」

澪「お前はモンスターそのものだ」

梓「セックス」


~2秒後~

唯「それでライブにはどっちが出るの?」

律「あん?」

梓「ああ…本物の唯先輩が来た以上、確かに偽物は必要なくなりました」

澪「しかし、だから用済みというのも偽物さんがかわいそうだ」

紬「その辺りどうなのかしら」

偽唯「私はどちらでもいいですけど、みなさんはクソ下手な本物お姉ちゃんと超絶上手な偽唯と、どちらがライブに出るのがいいと思いますか?」

偽唯「私は一応、それを確認しに来たんです」

紬「そうだったのね」


律「ふぅむ、どうするかな」

梓「何を迷う必要があるんですか!!」


澪「上手い方に出てもらおう」


紬「そうね、初めて学園祭ライブで演奏できるのに失敗はしたくないものね」

梓「当然ですよ」


律「よし、決まりだな。本物の唯には悪いが偽物の唯に出てもらうぜ」


唯「う~ん、仕方ないなぁ」

澪「唯…悪いな」


唯「いいよ、本物の私の分までがんばるよ、私!!」


偽唯「え?」

律「ん?」

梓「本物の分まで唯先輩が???」


唯「え?私が偽物なんでしょ?」


澪「いやいやいや」

梓「なんでそんな風に思っちゃったんですか?」

唯「私みたいなバカが本物の唯さんのワケないから…」

律「謙虚なのか傲慢なのかどっちなんだ」

澪「お前が本物なんだろ?」

唯「う~ん…そう言われたら自信ないけど」

紬「もっと自分に自信をもっていいのよ」

唯「もう一人の私はどっちが本物か知ってるの?」

偽唯「そうだねぇ」


偽唯「じゃあ腕相撲で勝った方が本物ってことで」

唯「あっ、分かりやすいね!」

澪「腕相撲で勝ったところで平沢唯の何を証明するというのだろうか」



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最終更新:2015年06月20日 08:43